こんにちは。八百屋のベジクルでプロダクトマネージャーをしている河口です。2024年6月から、ベジクルで1人目のPdMとしてジョインしました。(7月から正式入社)
このnoteでは、プロダクト開発に関心をもってくださった方に向けて、
「ベジクルってどんな会社?」「どんなプロダクトをつくってるの?」「開発現場はどうなってるの?」
そんな疑問にお答えするべく、実際の取り組みや試行錯誤をありのままにお話しできればと思っています。
僕の入社エントリーはこちら
目次
ベジクルってどんな会社?
ベジクルのプロダクトって?
僕がジョインした頃のプロダクト開発
入社半月でまずやったこと
1ヶ月で起きた変化
今後について
新しい仲間を求む!
ベジクルってどんな会社?
ベジクルは、創業70年以上の老舗の八百屋。
ただし、都内の非チェーン飲食店向けに野菜を卸す「業務用八百屋」です。
街の八百屋さんとは違い、毎日数千店舗に数万点の野菜を届けています。
- 野菜はバーコードもなく、形や品質もバラバラ
- 傷みやすく在庫できない
- 相場が日々変動し、価格が安定しない
扱いが非常に難しいからこそ、いまだにアナログな業界でもあり、テクノロジーの参入障壁がとても高い業界です。
そんな中で、ベジクルは自社で発注プロダクトを開発したり、ITを活用して業務や配送の効率化に取り組んだりと、DXに本気で取り組む八百屋です。
最近では、野菜だけでなく肉や魚の卸業者さんとも連携し、飲食店の方々が抱える「仕入れ」のあらゆる課題を解決するプラットフォームへと進化を遂げようとしています。(そのために去年資金調達もしました。)
ベジクルのプロダクトって?
僕たちは「ラクシーレ」という受発注アプリを開発・提供しています。
ネットスーパーに近いUIで、飲食店の方が野菜・肉・魚などをカートに入れ、納品日を選んで発注できるアプリです。
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発注が入ると社内の管理画面に伝票が生成され、そこからピッキングリストや納品書の出力、欠品処理などの一連の業務がまわるようになっています。
現在はFAXやインフォマート、TANOMUなどの複数チャネルでも受注していますが、ラクシーレ経由での発注率を高めるべく、日々改善を重ねています。
また、このプロダクトはベジクル内だけでなく、提携している青果卸パートナー、肉卸パートナー、魚卸パートナーともデータ連携しており、飲食店が一括で仕入れできる受発注プラットフォームとして拡張中です。
さらに、もう一つ重要なプロダクトがあります。それは、長年使われてきた基幹システムです。このシステムは現在刷新を進めており、ラクシーレとの統合を目指すことで、より強固なビジネス基盤を構築しようとしています。
僕がジョインした頃のプロダクト開発
正直にお話しすると、僕がベジクルに参画した当初、プロダクト開発は「カオス」と呼べる状況でした。外部のシステム会社にPM支援をしてもらいながら、ベトナムでオフショア開発をしていたのですが、ベジクル側にはプロダクトマネジメントを専任で行う担当者がおらず、それによって様々な問題が発生していました。
例えば、
- 要求が曖昧なまま要件定義に進んでしまう
- コストを度外視した夢のような仕様ばかりが膨らんでいく
- 事業や技術の観点からの優先順位付けができていない
- リリース戦略が不明瞭
- システム会社からの確認へのレスポンスが遅く、プロジェクト全体の進捗が停滞する
- 社内で仕様を把握している人がいない
- リリースしても社内に浸透せず、運用に乗っていない
- 上記により外部のシステム会社のPMの方々が疲弊している
また、システム会社側にも課題がありました。
- ベジクルとベトナム開発チームの間にPMチームが挟まる「二層構造」により、ベトナムチームがブラックボックス化し、伝言ゲームのような状態になっていた。ベジクル側からも生産性がよく見えない。
- 外部のシステム会社のPMの方々もベジクルの業務フローを完全に理解しきれていないため、詳細設計に苦労したり、質問対応や調査に時間を取られて、肝心の要件定義に集中できない状況でした。
- ベジクル側の要求が漠然としているにもかかわらず、システム開発会社としてもプロダクト開発の責任を問われるため、発注側と受注側という関係性が強くなってしまい、「ワンチーム」としての連携が難しい状況でした。
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入社半月でまずやったこと
まずは開発現場の声に耳を傾けるところから始めました。外部のシステム会社のPM陣の不満を聞いたうえで、「私がプロダクト全体の責任を持つし、とにかく改善するから受発注の関係ではなくワンチームとして一緒に進めていきたい。」と伝えました。
その上で、具体的にやったことは以下の通りです:
- 漠然とした要求は、MVP(実用最小限のプロダクト)レベルまで絞り込む
- 外部のシステム会社のPM陣ともDailyを行い、密なコミュニケーションをする
- ベジクル側での確認が必要なバックログアイテムは、私が即レスする
- スプリントを設計し、リリース計画を可視化することで、いつ、何を開発するのかを明確化
- 業務フローと既存の仕様、過去経緯をキャッチアップして社内の誰よりも仕様に詳しくなる。
- 事業の観点と、技術的な実現可能性(作りやすさ)の両方を踏まえた上でのスプリントプランニング
その結果、プロジェクト全体の進捗が明確に向上し、PMの方々からも**「非常に開発がしやすくなった」**という声を聞くようになりました。
1ヶ月で起きた変化
入社半月ほどでPM陣と信頼関係も築けたため、次のステップとしてこう伝えました
「今後はPM機能をベジクル内に内製化していきたい。その土台を一緒につくっていってほしい」
これを機にSlackでもベトナムチームと直接つながり、質問や調査も私から即時にできる体制に。ベトナム開発チームとの週次のMTGにも参加し、プロダクトの狙いを共有し、開発メンバーのモチベーション向上や、仕様判断の精度向上に繋げています。
さらに、これまで分かれていた日本のPMチームとベトナム開発チームのバックログを、一つのバックログに統合する動きもスタートしています。
現在、私たちは「プロダクトマネジメントの内製化」という次のチャレンジに向かっています。そのために、私が全体プロダクトマネージャーとして、PM陣、ベトナム開発チームをマネジメントする体制に切り替えました。これで、本当の意味での「ワンチーム」がスタートしたと実感しています。
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今後について
やっと、健全に開発できる体制が整ったばかりでまだまだスタートラインだと思っています。開発テーマは盛り沢山です。ラクシーレを使う飲食店、卸パートナーも今後、どんどん増えていくので、プロダクトの拡張をどんどん進めています。
新しい仲間を求む!
私は事業全体やサービス開発、プロダクトマネジメントの経験が豊富ですが、今求めているのは、もっと技術的な視点から、ベトナム開発チームと共にプロダクトを推進してくれる仲間です。
ベジクルには、解決すべき課題も、実現したい開発テーマも山ほどあります。
一緒に“業務用八百屋の未来”をテクノロジーで切り拓いていきませんか?
少しでも興味を持っていただけたら、ぜひカジュアルにお話しましょう!