2025年12月4日、日本最大級のプロダクトマネージャーの祭典「プロダクトマネージャーカンファレンス(pmconf)」が開催されました。名だたるIT企業やメガベンチャーの事例が並ぶ中、弊社のプロダクトマネージャー(PM)である河口康平が登壇し、大きな反響を呼びました。
登壇タイトルは、
「八百屋がプロダクトマネジメント?食材を届ける、DXを届ける 食材流通の現場から考えるプロダクトマネジメント」
一見、テックとは無縁に思える“八百屋”という究極のアナログ業界において、なぜ今プロダクトマネジメントが必要なのか。そして、現場とデジタルが交差する瞬間にどのような面白さがあるのか。本記事では、イベントでのライトニングトークの内容を中心に、河口が語った「泥臭くも本質的なDX」の舞台裏をレポートします!
プロフィール
河口 康平(プロダクトマネージャー)
京都大学農学部食品生物科学科卒業後、フォルシア(株)入社。受託開発のプロジェクトマネジメントに従事。2018年に初期フェーズのatama plus(株)へ入社。教育系スタートアップのゼロイチ立ち上げから拡大フェーズまで、新規事業開発やスクラムマスターとしてプロダクト開発を牽引。2025年、料理好きもこうじて食の世界へ。今までの経験を「食」のインフラ刷新に活かすべくベジクルに参画。
通過率10%以下の狭き門。PMたちが「八百屋のDX」に注目した理由
日本最大級のPMイベントである今回のカンファレンス。本編登壇枠の倍率は10倍近く、非常に狭き門として知られています。河口はベジクルに参画してわずか数ヶ月というタイミングでしたが、「外部に情報を発信し、業界を盛り上げたい」という想いから応募を決意しました。
一度は選考から漏れたものの、実行委員会から「このテーマは面白い」と声がかかり、急遽設けられたライトニングトーク枠に選出されるというサプライズがありました。
会場で語られたのは、最新のAI活用や煌びやかな成功事例ではなく、「究極にアナログな世界でのPMの奮闘記」です。
多くのSaaS企業が「テックの立場かdらアナログ業界を変えよう」とするのに対し、ベジクルは「自らがアナログな実業家であり、自分たちの手でDXを推進している」というスタンス。この当事者意識の強さと、現場に根ざした文脈の違いが、会場にいた多くのPMたちの深い共感を呼びました。
「自分たちの責任」が生む、圧倒的な当事者意識
教育系スタートアップでのゼロイチ経験を持つ河口にとって、ベジクルでの開発はこれまでの常識を覆すものでした。最も大きな違いは、「ユーザーとの距離」です。
- 「現場」がすぐ隣にある環境
ベジクルのプロダクトは、社外のパートナーだけでなく、自社の卸業務の改善にも直結しています。すぐそばに現場があり、開発と現場を常に行き来しながらプロダクトを磨き上げることができます。 - 「リテラシー」を言い訳にしない
外部ユーザー向けの開発では、使いこなせないユーザーに対して「なぜ?」と感じることもありました。しかし、ベジクルでは自社の仲間がユーザーです。「使いづらい」のは、リテラシーの問題ではなく、プロダクトを作っている「自分たちの責任」である。この極限の当事者意識が、開発の質を圧倒的に高めています。 - アナログ×デジタルの最適解
全てをデジタル化することが正解とは限りません。八百屋のオペレーションを深く理解することで、「ここはあえてアナログに残す」といった、現場にとっての最大効率を導き出せるのも、実業を持つベジクルならではの面白さです。
野菜と同じように「作る人の顔が見える」プロダクト組織へ
河口は、アナログ業界のDXにおいて、社外への発信以上に「社内へのプレゼンス向上」が重要だと語りました。
ベジクルが扱う野菜と同じように、プロダクトも「生産者の顔が見える」状態にすること。誰が、どんな想いで、このシステムを作っているのか。開発のプロセスや意図を社内に丁寧に共有することで、社員がプロダクトに愛着を持ち、現場からより質の高いフィードバックが返ってくる好循環が生まれます。
「なぜこのシステムに投資が必要なのか」を社内に教育し、プロダクトを「自分たちの問題」として捉えられる環境を作ること。それこそが、伝統的な産業を変革するためのPMの重要な役割であると確信しています。
究極の現場主義で、巨大な「食」のインフラを変える
最後に河口は、今後の展望として「食のインフラをテックの力で支える」という挑戦への想いを強く語りました。
ベジクルのPMに求められるのは、スマートな開発手法だけではありません。泥臭く現場に入り込み、アナログとデジタルの最適なバランスを追求できる「究極の現場主義」です。
「ユーザーとの距離がゼロの環境で、本質的な課題解決に挑みたい」「伝統的な業界を自分の手でアップデートしたい」。そんな熱意を持つPMにとって、ベジクルは今、日本で最も刺激的なフィールドの一つかもしれません。
業界の常識を塗り替える挑戦は、まだ始まったばかり。アナログとデジタルが融合する新しい「八百屋」の形を、私たちはこれからも追求し続けていきます。