2026年、バリュエンスは設立15周年を迎えます。 これまでの成長を支えてきたのは、挑戦を続けてきた社員一人ひとりの力。そして、その挑戦を導いてきた経営陣の存在です。 INSIDE LEADERSでは、バリュエンスの経営陣の価値観や原体験を掘り下げながら、「どのような想いでこの会社を前に進めているのか」をお届けします。
INSIDE LEADERS|バリュエンスの経営陣に、2022年新卒入社の岡 渚紗がインタビューし、知られざる素顔に迫ります。普段の対話では知ることのできないプライベートなエピソードや、シゴトに向き合う姿勢など、多面的に発信していきます。
聞き手|岡 渚紗 人事部 組織開発課 2022年入社。バリューデザイナーとして買取業務に従事。2024年9月、社内公募制度を活用して念願の人事部に異動。現在は、人事部 組織開発課で、新卒入社社員向けの研修やメンター制度の運営、全社アワードの推進サポートなどを担当しています。
第6回は、バリュエンステクノロジーズの社長も務める執行役員 田中にインタビュー。フリーターから執行役員へ。経理、経営企画、法務・総務、ESG、中国事業など、未知の領域に挑み続けてきた田中に、キャリアの原点と、自走する組織への想いについて聞きました。
社会に出るために、まず簿記2級を取得した
|田中さんのファーストキャリアについて教えてください。
実は、キャリアのスタートはフリーターでした。大学時代、必要な単位を2年生のうちにほぼ取り終えてしまい、時間ができたのでアルバイト中心の生活を送っていたんです。そのうちに、アルバイトリーダーのような形で、店舗のマネジメントまで任されるようになり、それなりに稼げていたこともあって、卒業後もそのままアルバイトを続けていました。
当時はそれでよかったですが、続けているうちに、「これは長くやる仕事じゃないな」と思うようになり、企業で働くことを考えました。社会に出るなら、何か武器が必要だと思い、簿記2級を取りました。
|そこから、経理のキャリアがスタートしたのですね。
そうですね。最初の会社は、「簡単な経理の仕事」と書かれた求人を見つけて応募しました。ところが、入社後しばらくすると、簡単な経理とは全く違う仕事をしていました(笑)。
もともと、効率的にやることが好きで、いかに業務を効率化させて、定時で帰るかを考えて仕事をしていました。そうしたら、「これもできるよね」とどんどん仕事が増えていって(笑)。そのたびに、勉強し、調べ、効率化する。するとまた仕事が増えて、という形で、どんどん専門性の高い仕事を任されるようになっていきました。
わからないことばかりでしたが、周囲から教えてもらえるような環境ではなかったので、自力で一つずつ調べ、習得していきました。自分で調べて、効率化して、組織の自走力を高めていくことが、私のキャリアの土台になっていると感じます。
「必要な権限を全部ください」乗り越えた最大のピンチ
|効率化や自走させることにこだわられているんですね。
そこは大事にしています。1時間かかっていた仕事を、どうすれば5分にできるか、属人的になっている業務を、どうすれば誰でもできるようにできるかを考えて、効率化を進めてきました。経理の仕事って、整えれば整えるほど空き時間が増えるんですよ。時間ができれば、他部門のサポートもできるし、新しいことを勉強する時間にも使えますから、会社にとっても自分にとってもよい状況になります。
ただ困ったことに、業務が整って、時間ができてくると、忙しいのが恋しくなるんですよね(笑)。それで、また創業期みたいな大変な会社に転職して、という形で複数社の経理責任者をやってきました。
|大変な環境に自ら身を置き続けるのは苦しくならないですか?
大学卒業後すぐフリーターをして過ごしていたので、普通にキャリアを積んできた人と同じように、整った会社に入っても活躍できないと考えていたところはありました。それで、あえて創業期で整っていないような会社を選んでいました。
課題が山積みの場所で、自分が仕組みをつくって整理していけばいい。むしろ、その方が自分の価値を出せると考えていました。
|これまでのキャリアを振り返って、一番大変だった時のことを教えてください。
ゲーム業界の企業にいた時に一番のピンチがありましたね。入社当時は月次業務を担当していましたが、あるとき、「開示業務も手伝ってほしい」と声を掛けられました。よくよく確認してみると、本決算まであと1週間のタイミングにもかかわらず、必要な作業のほとんどが手つかずの状態でした。本当に白紙だったんです(笑)。
これは普通にやっていたら間に合わないと思い、CFOのところに行って、「気合い入れてやるので、必要な権限を全部ください」と直談判しました。そこからは、もう1週間近く家に帰る時間ももったいなかったので、ビジネスホテルにこもって、ひたすら作業を続け、決算をやり切りました。あれは今思い出しても痺れる経験でしたが、責任を持ってやり切ったという成功体験は自分のキャリアにおいて重要だったと思います。
専門外のことなら、調べればいい
|自責でやりきるのは、バリューマインドの「プロの、誇りを。」に通じますね。バリュエンスに入社されたきっかけは何だったんですか?
当時バリュエンスにいた方の紹介です。リファラル入社ですね。
入社当時は上場したてで、経理部もかなり大変な時期でした。これまで培ってきた経験を生かし、経理の業務や仕組みを一つずつ整えていきました。やっと整ったころ、経営企画の仕事を任されました。その後は、法務、総務、さらにバリュエンステクノロジーズや中国事業なども担当するようになりました。
バリュエンスの面白いところは、仕組みが整って組織が自走できるようになったころに、また新しいチャレンジ領域を渡されるところですね。自ら意図的に業務領域を増やしていったわけではなく、結果的に増えていったという感じです(笑)。
子どもの頃から「将来は絶対にこれになりたい」という壮大な夢があったわけではなく、今も、10年、20年先の壮大な未来を描くというより、「目の前の1年をどうするか」を考えるタイプです。でも、目の前の課題を着実に解決してきたことが、確実に今のキャリアにつながっています。
|未経験の領域を任されることに、不安はありませんでしたか?
もちろん、法務を任された当時は必要な知識が足りなかったので、必死に身につけました。でも、分からなければ調べればいいと思っているんです。法律や制度には、調べれば必ず手がかりや答えがある。専門家の力が必要であれば、その力を借りればいい。「自分は専門外だから」と最初から線を引かないで、調べ、行動することを心がけています。
新しい領域へ踏み出すことへの抵抗が少ないのは、そもそも「知らないことを知ること」が好きだからかもしれません。新しい情報を深掘りしているときが一番面白いんですよね。今でも経理の最新動向は見ていますし、法務やESGも含めて、先端事例はできるだけ取りに行くようにしています。
メンバーと自身の成長のために必要なのは「自走できる組織」
|本当にたくさんの領域を管掌されていますが、田中さんはどんな組織をつくりたいと考えていらっしゃいますか?
一言でいうと、「自走できる組織」。強い組織にしていくためには、誰か一人しか分からない仕事や、その人がいなければ止まってしまう業務はできる限りなくした方がいい。そのためにブラックボックスになっている部分をナレッジ化して、仕組化できるものは仕組みにしていきます。
次の世代が育つ環境を整備して、彼らが自分の頭で考えて動ける余白をつくっていければいいと思っています。それに、私がいなくても回る状態をつくらないと、私自身も次のチャレンジをしに行けないじゃないですか(笑)。
|ファーストキャリアから今まで、ずっとチャレンジをし続けていらっしゃいますね。その中で、バリュエンスのおすすめポイントを教えてください。
手を挙げた人の背中を押してくれるところ。改善すべきことがあれば、上司にも意見を言うことが当たり前にできるところです。
言葉にすると簡単に聞こえるかもしれませんが、組織によっては、それ自体が難しいこともあります。手を挙げても何も起こらなかったり、そもそも下から上に意見を言いづらい、なんてことも多々ありますよね。
バリュエンスは、そうした障壁がほとんどありません。良いことも悪いことも比較的言いやすい。年齢や経歴に関係なく、行動した人、成果を出した人に機会が与えられます。
そして、バリュエンスはどんどん進化していくので、できることの幅が大きいんですよね。それが面白い。私がバリュエンスに居続ける理由になっています。
編集後記
田中さんのキャリアは、目の前に現れた課題に向き合い、知らなければ調べ、できなければ学び、非効率なら仕組みを変え、一つ解決したら、また次の課題へ進む。その積み重ねが、結果として真似することが難しい田中さんならではのキャリアになったのだと感じました。
私たちも、目の前の課題に対して「誰かがやるだろう」ではなく、「まず自分が調べてみよう」「まず一歩踏み出してみよう」と考えることはできるのではないでしょうか。
田中さんの歩みは、一つひとつの課題と向き合い続ける姿勢、「何とかする」胆力こそがキャリアをつくる、ということを教えてくれました。