“データはあるのに、顧客が見えない”を終わらせる。AIで、誰もが顧客インサイトにたどり着ける世界へ
「データはあるのに、顧客の顔が見えない」
多くの企業が、そんなジレンマを抱えている中、私たちは「企業が顧客を深く、正しく理解すること」
こそが企業のビジネスを成長させる鍵であるという信念のもと、その課題に挑み続けています。
自社で開発・提供するWebサイト分析ツール「Content Analytics(コンテンツアナリティクス、以下CA)」は先日AI機能を搭載し、サイト分析から改善施策の提案までを自動で行う新機能をリリース
しました。これまで専門家でなければ難しかった"顧客インサイトの発見"を、誰もが可能にする世界を
切り拓こうとしています。
今回は、そのCAの開発を牽引するプロダクトグループの管掌役員仁藤さんと、リーダーの伊藤さんに
インタビューをしてきました。最先端の開発現場におけるリアルな「面白さ」と、その裏にある
「難しさ」に迫ります。
「自分の手で、価値あるプロダクトをつくりたい。」
2人がUTにたどり着いた理由
―まずはお二人のこれまでのご経歴と、UNCOVER TRUTH(以下UT)に
入社された理由を教えてください。
仁藤さん: 私は新卒でハウスメーカーの営業を経験した後、デジタルマーケティング事業を展開している会社で10年ほどWebディレクターやアナリストとしてお客様先に常駐する形で働いていました。企業を支援する仕事も好きでしたが、次第に「自分たちのサービスで世の中に価値を提供したい」という想いが強くなり、事業会社への転職を考えるようになりました。そんな時、WEBアナリストの小川卓さんがUTにいることを知り、興味を持ったのが入社のきっかけです。自社プロダクトを持ちながら、コンサルティングという形で顧客の支援もでき、自分の経験を活かしながら新しい挑戦ができる。まさに理想の環境だと感じました。
伊藤さん: 私はアパレル業界からキャリアをスタートしており、海外でのバイイングや、自身で事業を立ち上げた経験もあります。事業を運営する中で、リード獲得はできてもコンバージョンに繋げる難しさを痛感し、Webマーケティングをもっと深く学びたいと考えていました。 そんな中、UTがアナリストサポート職を募集しているのを見つけ、「ここなら自分の事業にとってもプラスになる勉強ができるかもしれない!」と思い、業務委託として働き始めたのがきっかけです。
最終的に、自分の事業は畳むことになったのですが、どんどんUTの仕事に魅了され、正社員となりアナリストとしてキャリアをスタートしました。その後もっとUTのサービスを創る側を極めたいという気持ちが大きくなり、「プロダクト開発をやらせてください」と、自ら経営陣に志願し、現在にいたります。 常に価値創出の最前線に身を置きたいという気持ちがあったのかもしれません。
「そのアイデア、いいね!」が飛び交うチーム
―お二人が現在所属しているプロダクトチームは、どんな雰囲気ですか?
伊藤さん: 「まだまだスタートアップ感がある」というのが一番しっくりくる表現かなと思います。正解を自分達で創りにいくというか、チーム内でどんどんアイデアを出し合って、皆で「それいいね」
「もっとこうしたら?」など議論を活発に交わす中でアイデアを具現化していく。そしてトライ&エラーを繰り返す。手触り感のある仕事や切磋琢磨できる雰囲気が、私はすごく好きです。
仁藤さん:伊藤さんが言ってくれたようにプロダクト創りに関わる立場として自発的にアイデアが生まれる環境があることは非常に大切だと思っていて、そのためにも、メンバーが臆せず発信できる雰囲気づくりを意識的につくっています。どんな突飛なアイデアも否定しませんし、あえて「夢見がちなこと」も大歓迎。一見、無茶に思えるアイデアでも、その本質を探ると、次のイノベーションの種が隠れていたりしますからね。
コンテンツは語っている。数字で読み解く“顧客の心の声”
―UTが提供するプロダクトの主力製品である「Content Analytics(以下CA)」は、創業当初提供していたヒートマップツール(Webページ解析ツール)が進化したものだと思いますが、従来のヒートマップツールの課題は
どんなところにありましたか?
伊藤さん: 従来のヒートマップツールは、Webページ上のどこがクリックされているかを色の濃淡で示すものでした。しかし、表現として可能だったのは、「この辺りが見られている」という"ぼんやり"とした感覚的なものだったんです。例えば、ページの一部が真っ赤になっていて「ここは注目されているかも!」みたいな。しかし蓋を開けてみたらたった数人の行動だった、ということが珍しくありませんでした。
仁藤さん: 具体的な数値の裏付けがなかったのでクリックされたかどうかは分かっても、「なぜクリックされたのか」「どれくらい熱心に見られていたのか」まで把握することはできませんでした。その結果、「本当にこの改善策は正しいのか?」という確証が持てず、施策の精度がどうしても低くなってしまうという課題があったんです。
―そこから「CA」は、どう進化していったのでしょうか?
仁藤さん: 課題であった、その"ぼんやり"とした世界から脱却し、ユーザー行動を明確な"数字"で捉えることにこだわりました。CAは、ページ上の画像やテキストといった一つひとつの要素を「コンテンツ」として分解し、「閲覧秒数」「クリック数」「コンバージョン到達率」といったデータをユーザーごとに細かく取得します。 これにより、その企業にとっての顧客が「どのコンテンツに興味を持ち、立ち止まり、コンバージョンに到達したのか」が手に取るように分かります。感覚的な仮説ではなく、データに基づいた確かな顧客理解をすることが、このプロダクトの核心なんです。
―なるほど。データに基づいているからこそ施策もより具体的になりますね!
実際に導入された企業では、導入前後でどんな変化がありましたか?
仁藤さん: ある化粧品会社のクライアント様の事例なのですがそのサイトでは、ユーザーがどのコンテンツを、どのくらい熱心に見ているかというデータを分析し、ユーザーの悩みを数値化する試みを行いました。例えば、「敏感肌の方向け」という成分説明のコンテンツをじっくり読んでいる人は、きっとお肌に悩みがあるのだろう、と推測できますよね。同じように、「美白」に関する記事を読んでいる人は、シミやくすみに関心が高い、と考えるのが自然です。そういった行動データから、「このお客様は“敏感肌”の悩みを抱えている」「この方は“美白”への関心が高い」といった形で、一人ひとりの興味・関心を捉えていきました。そして、サイトから離脱しそうになったタイミングで、その人の興味に合わせたポップアップ広告を表示させるなどの施策を打ってみたんです。
伊藤さん: そうするとこれまでは全ユーザーに対して画一的なコミュニケーションしかできなかったものが「あなたの悩みはこれですよね?」と、一人ひとりに寄り添った提案ができるようになったんです。まさにユーザーの心の声に応えるような施策で、大きな成果に繋がりました。その他のお客様でもコンバージョン率が330%改善したことがありましたね。これって驚異的な数字ですよね。「コンテンツからユーザーの気持ちを読み解く」という私たちの仮説が、間違っていなかったと確信できた瞬間でしたし、自社サイトで売上を伸ばしたい企業様の課題に真正面から向き合えている、そんな自信をもつことができました。
アナリストが隣にいるような体験”をすべての人に。
Content AnalyticsがAIを搭載した理由
―先日ついに「CA」にAI機能が搭載されましたね!
どういった背景から搭載に至ったのでしょうか?
仁藤さん:CAはコンテンツごとに詳細なデータを取得できるのが強みです。しかし、データから施策を立案する経験があまりないお客様だと、そのデータをどう解釈し、次のアクションに繋げるかという点で、悩んでしまうお客様もいらっしゃいました。
もちろん、私たちもお客様との定例ミーティングなどで施策立案の考え方などをアドバイスさせていただきますが、お客様に即時に回答をお伝え出来ないというジレンマがありました。CAにはせっかく他者にはない有用なデータがある。それをプロダクト自身がお客様にその価値を最大限届けるためには、私たちの分析・改善の知見をAIにインプットすれば、私たちの思いも実現できると考えたからです。
伊藤さん: 私たちがコンサルティングとして人的に提供してきた「分析・考察」の部分を、お客様自身で回していくのは非常にハードルが高い。 「専門家でなければ価値を最大化できない」という課題を解決し、より多くのお客様に使ってもらえるプロダクトにしたいという強い想いがAI開発に繋がりました。
―具体的に、どのようなことが可能になったのでしょうか?
仁藤さん: 一言でいえば「専属のアナリストが、いつでも隣にいる」ような感覚を味わっていただけます。画面の右側にAIとのチャット画面があり、例えば「このページの改善点を教えて」と打ち込むだけで、AIが瞬時にデータを解釈し、具体的な改善アクションまで提案してくれます。 これまで専門家が時間をかけて行っていた分析と考察のプロセスを、すべてAIが代行してくれるんです。
伊藤さん: これまではデータを見て「うーん…」と悩んでいた時間も、「これってどういうこと?」とAIに質問すれば、すぐに答えが返ってくる。 まさに、データの知見有り無しに関わらず誰でもデータを読み解ける、そんな進化を遂げたと思っています。
―すごい進化ですね。開発していく過程でどのような困難に直面されましたか?
仁藤さん: 開発そのものはもちろん、着手前の「社内説得」も結構大変でした(笑)。今ではだいぶAIが世の中に浸透し始めた感覚がありますが、構想当初は、まだAI自体が正しくデータを解釈してくれるほどの精度はありませんでした。そんな中、大きな投資をして開発するということに、「本当に実現できるのか、実現できたとして売れるのか」と何度も社内で議論を重ねていましたが、なかなか開発のGOが出なかったのは苦しい時期でした。しかし、当社の分析コンサルティングサービスは非常に多くのお客様に満足いただけているということに確信を持っていたので、開発をあきらめることは考えていませんでした。
潮目が変わったのは、2024年末くらいからAIの市場競争が激化し日進月歩で進歩していることが明らかになり、社内でのAIに対する期待も変わってきたことが大きな転機でした。
伊藤さん: 開発が始まってからも、「答えのないものを作る難しさ」に直面しました。
開発担当者は、AIが期待通りの答えを出してくれるまで、何度も対話を繰り返す必要がありました。ゴールが明確でない開発に、エンジニアは途中「ちょっとAIと離れた仕事がしたい」と漏らしている場面もありましたね(笑)
仁藤さん: 最終的に、AIへの指示書である「プロンプト」は、何度も書き直し、結果何万文字にもなるプロンプトの長さとなりました。 途方もないようなチューニング作業こそが、この製品の強みの源泉だと思っていますし、この「難しさ」を乗り越えたからこそ、自信をもって世の中に提供できる、そんなプロダクトになったと自負しています。
―バージョンアップした「CA」。
どのような企業様に活用いただきたいですか?
伊藤さん: よく“ECサイト向けのサービスですよね?”と聞かれるのですが、実はまったくそんなことはありません。私たちが支援しているのは、“Webサイトで何らかの成果を出したい”と考えている企業様
すべてです。業界やサイトの種類は関係なく、幅広い用途にご活用いただけます。
仁藤さん: Webサイトのデータは、顧客理解を深める上で非常に重要なタッチポイントです。ECサイトであれば商品の購入、企業のサービスサイトであればお問い合わせの増加、メディアサイトであれば記事の熟読やエンゲージメント向上が成果となり、これらを通じて顧客の気持ちを知ることで、サイト改善だけでなく、マーケティング全体、ひいては顧客との最適なコミュニケーションへと繋げることができます。
サイト分析ツールから得られる示唆は、サイト運営管理者だけでなく、企業全体で共有し、活用していくべき貴重な情報だと私たちは考えています。
伊藤さん: 実は“採用サイト”との相性も非常にいいんです。たとえば、求職者がどの職種情報や福利厚生のページをじっくり読んでいるのか、あるいは、どの社員インタビューで離脱してしまっているのかなど、コンテンツ単位で可視化できます。そのデータをもとに、“求職者が本当に知りたい情報”を軸にページを改善すれば、応募数の増加やミスマッチの防止にもつなげていけると思います。
仁藤さん: BtoBの企業様であれば、サービス紹介ページの中で、どの内容が顧客の課題に刺さっているのかを分析し、見込み顧客への提案をより効果的にできます。本当にどんな企業様にもご利用いただけますね。
本質に向き合い続けるプロダクトづくり。大事なのは、“声”の奥にある課題を探ること
―プロダクト創りにおいて、ご利用企業様の要望をどのように
取り入れていますか?
仁藤さん: お客様からいただく「この機能が欲しい」という要望は非常に重要です。しかし、私たちはそれをそのまま作ると判断することはしません。「なぜこの機能が欲しいのか?」「本当の課題はどこにあるのか?」をチームで徹底的に議論します。 そうすることで企業様が叶えたいこと以上の付加価値を生み出せる可能性がある。難しさはありますが、その本質を追求し形にしていくことこそ、企業様がいつまでも使いたくなるプロダクトであり続けられるのではないかと考えています。
―プロダクトづくりで大切にしているポリシーを教えてください。
伊藤さん: 「情報のキャッチアップとメンバーへの共有」を徹底しています。お客様からのご要望や、市場の新しい技術動向など、得た情報はすぐにチーム全員に共有する。プロダクトの世界は変化が激しいので、常に感度を高く保つことがクリエイティビティに繋がると信じています。
仁藤さん: 私は「誰もが本音で議論できる場をつくること」です。自分の意見を押し通すのではなく、相手の意見の背景にある本質を理解しようと努める。その真剣な対話を通じて、プロダクトは磨かれていくのだと思います。
「世の中を変えたい」その想いに、本気で向き合える仲間と働きたい
―最後に、どんな方と一緒にこの「面白くて、難しい」プロダクトづくりを
したいですか?
伊藤さん: やはり、私たちのチームは「スタートアップ」なので、指示を待つのではなく、自ら企画し、発信し、周りを巻き込んでいける人と一緒に働きたいです。自分の職域に閉じこもらず、積極的に動ける方なら、きっと活躍できるはずです。
仁藤さん: 私は、ポジティブであることを大事にしたいですね。新しいものを生み出す過程は、大変なことや苦労することも多いです。それでも前を向き「自分たちが作るもので、世の中を変えたい」「顧客の課題を本気で解決したい」と、心から思える人と、この面白い挑戦を共にしたいです。
UTのプロダクトチームは、「顧客理解」という普遍的な価値を、AIという最先端の技術で再定義し、
新しいマーケティングの未来を創造しています。
この挑戦の「面白さ」と、それを乗り越える「難しさ」。その両方を肌で感じながら成長したい。 少しでもそう感じていただけたなら、まずは一度、彼らの熱い想いを直接聞きに来てみませんか?本サイトからのお申込みをお待ちしております。