前回の代表インタビュー記事では子供時代から大学時代までを聞くことができました!今回のインタビューでは社会人になってから起業までの流れ、そしてこれからについてぶっちゃけてもらいましょう。それでは早速!インタビュー開始です。
プログラミング未経験からSIerで修行を積む
大学時代までの部分は色々聞けたので、次は社会人になってからのことを聞かせてください。
起業するまでのキャリアを教えてください。
≪1社目≫
日本総研というシンクタンクに内定をもらい、僕が入社した年に分社化したJSOLという会社ができ、そこで業務系のSEをやっていました。大企業の輸出や在庫管理のシステムとかを作ってましたね。今と全然関係ないことをやってましたが、
◆プログラミングやドキュメント作成
◆社内外の人とのコミュニケーション
など社会人としての基礎スキルはそこで身についたなと思います。実は、僕文学部出身でプログラミング経験がないどころか、Excelすら触ったことがないというITリテラシー超低い状態で社会人になったので、そこからしたらかなり成長ができたのではないかなと。
アプリ開発の経験を積んだフリーランスとITベンチャー時代
≪プチニート期≫
1社目と2社目の間で、ちょっとだけニート期間がありました。この時は自分で何かを作ってみたくて、当時iPhone3GSが出て少し経った頃に、iPhoneアプリを開発していました。GoogleMapのAPIを使ったシンプルなマップアプリを作ったのですが、ノンプロモーションで有料総合ランキング6位までいきました。
あとは知人にたまたま誘われて、シリコンバレー視察旅行に混ぜてもらってこのアプリのプレゼンをしたり、上場企業の社長に金魚のフンのようについていっていろいろ話を聞かせてもらったり、めちゃめちゃいい経験ができました。これも本当にラッキーでしたね(笑)
≪2社目≫
KLabという会社に入りました。当時iPhoneアプリが開発したくて、iOS/Androidアプリ開発ができそうな求人に応募して入ったんですけど、実際入って配属されたのはソーシャルゲームのサーバーエンジニアで(笑)騙された!って思いましたが、結果としてはそれでめちゃくちゃよかったと思ってるんですよね。当時はまだスマホゲームにシフトする前の時代で、モバゲーやグリー向けのソーシャルゲームの開発をメインに担当していました。辞める直前のプロジェクトでは、20人規模の開発チームのリーダーもやらせてもらって、月商2億規模のタイトルを開発・運営できました。いい経験です。
起業するもコアメンバーが失踪し借金
起業しようと思ったきっかけはなんですか?
実は何度か事業を変えているので、順に紹介させてください。
≪1つ目≫
起業後まずやったことは、前職でも経験のあったゲーム開発事業です。創業メンバーで資金を出し合って、自己資金で始めました。ただ、開発が佳境の時にコアメンバーが失踪してしまって、その案件がポシャってしまい、300万ほどの借金だけが残ってしまいました。
その後は自社のゲーム事業はたたんでみんなで借金を返し、メンバーは解散し、1人で業務委託のディレクターをしたり、技術系のコンサルティングをしたりしていました。
失踪ですか!?すごいエピソード(笑)笑い事じゃないけど。
やばいですよね(笑)当時は、真冬にそのメンバーのマンションに1日張り付いたりしてやばかったっすね。今となっては笑い話ですけど。でも実は後からひょこっと出てきて和解して、その後ぼくの結婚式にも出席してくれて、今ではたまに技術的な相談をしたり、元の関係に戻れました!
しっかし今数えてみると1人の時期が4年ぐらい続いたんですね(笑)
偶然読んだラノベにどハマり VR事業への参入を決意
≪2つ目≫
フラフラ1人でフリーランス的に働きつつも、またゼロから新しく事業を作りたいな〜とずっと考えていました。そんな中で、偶然知人に紹介されて読んだ「ログ・ホライズン」というラノベにどハマりして、やばい!こんなVRMMOの世界に行きたい!作りたい!って思ったのがきっかけで次の事業はVRにしようと決めました。
※VRMMO
VRMMOは、近未来のバーチャルリアリティ空間で実行されるネットゲーム(大規模オンラインゲーム)である。もっともVRといっても、視覚聴覚のみのVRゲームではなく、マトリックスのように5感全てで没入する(場合によっては味覚も)タイプのものを扱ったジャンルを特にさす。(ニコニコ大百科より)
VR業界の人たちにVR系のハマったコンテンツの話を聞くと、大半の人がSAOって答えるんですが、僕の場合はログ・ホライズンでした。この作品は、
◆「VRMMOの世界の中で、そこに放り込まれた人々がコミュニティを作り、元からその世界に住んでいる現地人と交渉と交流をし、情報収集してなんとか現実の世界に戻ろうとする話」です。
ログ・ホライズンのほうが、SAOに比べて異世界で現実とは異なるコミュニティを作っている様が描かれていて、別世界に来ているリアリティが感じられました。そんなファンタジーのような、現実とは別の世界を生きてみたい、あわよくば作ってみたいと思ったんです。その少し後のタイミングで実際にVRを体験し、これしかないと確信しました。最初は1人でVRゲームを作り始め、1ヶ月で1本作ってOcuFesというイベントに出展しました。
2本目のゲームでは、さらに自分を追い込んで開発したかったので、企画も決まってない段階でまだ1人のときにゲームショウに申し込みました。開催の半年前だったので、それだけ期間があれば何かは作れるだろうと。今思えば無謀でしたね。途中でいろんな人に出会って助けてもらったんですが、それがなかったら完全に恥かいてました。で、ゲームショウでは自転車をこぐとVRの中を走り回れる4人対戦のシューティングゲームを出展しました。
この時から、高取(写真右)や筒井くん(写真左)と一緒にやってました。ゲームショウは4日間で1000人以上の方に体験いただき、スペース当たりの体験人数は、昨年のゲームショウのVR/ARエリアの中ではNo.1だったと思います。
「ただ新しいだけじゃダメだ」という教訓
≪3つ目(現在のアンビリアルの事業)≫
ところが、このゲームをいざ施設に導入しようと、首都圏のVR施設を見学しに行ったところ、稼働率が想定よりも全然低かったんです。何度計算しても、施設側と僕らコンテンツ側の双方が黒字になるシミュレーションができませんでした。これはまずいぞとなって、いろいろ検討した結果、事業内容を見直すことにしました。
見直すにあたっての教訓は、「ただ新しいことをやっているだけじゃダメだ」ということでした。自分たちが黒字になるぐらいお金を払ってくれるユーザーがいなければ、それはその時点でニーズがないということ。なので、VR/AR領域で新しいことをやっていくんだけど、その中で多数のユーザーにリーチできるサービスじゃないとダメだなと思いました。ちょうどその頃、iPhoneXのアニ文字を見たときに、これだと思いました。最終ゴールは、現実とは別の世界をつくるということでしたが、スマホでもそれに近いことができるのでは?と。
サービス開発し始めに、ちょうどVTuberブームが来る
その構想を進めているとき(2017年12月)に、ちょうどよくVTuberブームが来て。そこで、全力でこれをやるしかないと考えて今の事業がスタートさせた形です。広義ではVR領域であり、かつ新しい技術を使い、でもデバイスはスマホでユーザーの母数がものすごく多い。
また、VRデバイスが普及した際には、そのままサービスもVR化を進めて、現実とは別の世界を作っていける。遠く離れた友達が、アバターの姿で目の前にいて一緒に遊べる。自分の好きなタレントやアイドルが目の前で語りかけてくれる。デバイスさえ準備が整えば、そんな世界に簡単に移行できる。これしかないなと。
自分が生きたい世界を見つけ、理想の自分で人間関係を築くことができる世界を実現したい
今後、何かやってみたいことはありますか
今後やっていきたいことは、上にも書きましたが、現実とは別の世界をつくるということですね。これまで小説・マンガ・アニメの世界で描かれるだけだったことが、いよいよ実現できそうな時代に差しかかってきました。人は現実の世界、しがらみ、容姿、社会、コミュニティから解き放たれて、複数の自分で、複数の世界を、自由に行き来できるようになります。
1つしかない閉鎖的な世界で閉塞感や生きづらさを感じることなく、自分が生きたい世界を見つけ、理想の自分で人間関係を築くことができるようになります。今でも、SNSやオンラインゲーム等で複数アカウント使い分けている人もいます。ただ、それが五感でリアルに感じられるほどに進化すると、人々のライフスタイルはガラッと変わります。これからまさに、インターネット誕生以来の革命が起ころうとしています。そして、僕たちアンビリアルはそんな世界を実現しようとしています。こんなにワクワクしながらチャレンジできることは他に思いつかないですね(笑)
個性豊かで優秀なメンバーたち
他の社員さん、インターン生のことをそれぞれ1人ずつ簡単に紹介してください。
高取(写真左)
高取は、実は・・・僕が一昨年VRの開発をやろうとUnityのオンラインスクールで学習していたときの講師だったんです(笑)講師といっても、あとで聞いたら本業というよりフリーランスで受託開発をしながらバイトでやってた仕事だったみたいです。
でも、めちゃくちゃ教えるのが上手くて、そのスクールの中でも最高ランクだったんですよ。比較的初期から、彼を仲間に引き入れようと口説く期満々でした(笑)スキル的にはUnity特化型で、クラス設計もしっかりできるし、シェーダーも書けるし、パフォーマンスチューニングもできるスペシャリストですね。温厚でさらっと何でもやってのけるスゴいヤツです!
筒井くん(写真左)
筒井くんは、一昨年のとあるVRセミナーで、たまたまVR体験で並んでいたときに、僕の前にいて話しかけたら仲良くなったのが出会いのきっかけですね。彼はテクノロジーやコンテンツヘのピュアさや愛がハンパないです。僕が作ったVRゲームも、企画のアイディアも、「めっちゃおもしろいですーーーー!!」って心からベタ褒めするんですよ(笑)嬉しいんですけど、開発者としては改善点をもっと言ってほしかったりもするので、彼の純度100%の感想に浮かれていたらそのコンテンツは確実に失敗しますね。ユーザーが全員筒井くんだったらなってときどき思います(笑)
永田くん(写真右)
永田くんは、筒井くんがつないでくれて出会いました。彼はまだ知り合って数ヶ月しか経ってないんですが、ただ1つ言えることは、VTuber愛がすごいということです!(笑)僕は仕事に時間を使い過ぎていて今5000人を超えたと言えるVTuberの動向を細かくウォッチするのは正直時間的にしんどいんですが、彼に聞いたらなんでも教えてくれます。仕事のほうは、芸術学部ということもあって動画制作やイラストの仕様書などのクリエイティブ系タスクもそつなくこなすし、大量に処理するタスクも集中して一気に終わらせてくれるので本当に助かってますね。
まだVTuberを知らない層に向けてバーチャルな体を持つことの楽しさを伝えていきたい
おわりにメッセージをお願いします!
VR業界は2016年が元年と言われ、様々なデバイスが登場して盛り上がりましたが、2017年にその期待値を超えられず、デバイスが高かったり、装着が手間だったり重くて見た目が微妙だったり、キラーコンテンツがなかったりで、いったん落ち着きました。
しかし昨年末から一気にVTuberブームが到来して、度々Twitterトレンド入りしたり、人気VTuberのLINEスタンプが1位になったり、VRライブが全国の映画館でライブビューイングされたり、非常に盛り上がっています。
ただ、爆発的な話題性はいったん落ち着き、VTuberデビューするだけでTwitterのフォロワー数やYouTubeのチャンネル登録数が数万レベルで増えていく、というフェーズはあっという間に去りました。本当に一瞬でしたね。今は割と無風状態かなと。ただ、トレンドというのは波があるので、それに惑わされずに本質を見て、無風なときに何を仕込めるかが勝負所です。
僕は、既存のVTuberファン層だけでなく、まだVTuberを知らない一般の方々に向けて2つ目のバーチャルな体を持つことの楽しさを伝えていくことが次のフェーズでやるべきことだと考えています。 ぜひ僕たちと一緒に、ぜひ次のトレンドをつくっていきましょう!
そしてユーザーのみなさんに全く新しくて圧倒的に楽しい体験を提供していきましょう!まずはランチやカフェなどで気軽にお話できればと思います!
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