「一人前のデザイニストになるとはこういうことなんだ!」を届けたい
駆け出しクリエイター「佐伯」「遠田」「小嶋」の奮闘レポート!一人前のデザイニストになることを目指し、前に突き進む過程をお届けする企画「デザイニスト道場」が始動!!
クリエイターの指南書とも言えるアンティー・ファクトリーの理念ブックを中心に据え、業界の最前線で活躍している先輩や同僚たちの門をたたいていきます。
理念ブックをより深く理解するためのサポート教材として、マネージャー陣に推薦図書も聞いて回ります。
時には先輩を突撃、時には同期や後輩と切磋琢磨しながら、道場で体験できたことを自分なりの理解におとし、理念ブックが指南してくれている内容とリンクさせながら、全ての方に届く言葉でお伝えしていきます。
私たちのリアルな体験を通して「一人前のデザイニストになるとはこういうことなんだ!」を指し示し、届けられたらと思っています。どうぞよろしくお願いいたします。
たのもう!!第三の門・星山さん編
前回は、「第二の門・サトダイさん編」をお届けしました。
前回の記事はこちらから
今回突撃するのは、インタラクティブデベロッパーの「星山 哲廣さん」。インタラクティブメディアグループの職能部長として、日々、新たなクリエイティブを模索されています。
■ 星山さんの紹介
【名前】星山 哲廣
【所属】アンティー・ファクトリー 東京オフィス インタラクティブメディアグループ
【役職】職能部長
【職能】インタラクティブデベロッパー
星山さんが推薦する
理念ブックを読み解くための推薦図書とは……!?
早速、突撃していきたいと思います!
■ 推薦図書の紹介
現代にも活きる剣術の奥義
一流を目指すビジネスパーソンの愛読書に?!
推薦図書「五輪書 宮本 武蔵 (著)」
宮本武蔵が著した兵法書。剣術の奥義をまとめたものと言われています。
江戸時代初期の寛永20年(1643年)から正保2年(1645年)にかけて、熊本県熊本市近郊の金峰山にある霊巌洞に籠って書きあげたとされています。
「五輪」とは、世の中は地、水、火、風、空という五つの要素(輪)でつくられている、という「五大思想」を指しており、『五輪書』も「地・水・火・風・空」の五巻に分かれています。
『五輪書』は、ハーバード・ビジネス・スクールで取り上げられるなど、米国でビジネスパーソンの愛読書になっているそうです。英訳本『THE BOOK OF FIVE RINGS』は、今もハーバード大学の書店などで売られているとか。
自筆本である原本は焼失したと伝えられ、現在、私たちが手に取って読めるのは、写本を元に書き起こされた書籍となります。数多く出版されています。
星山さんにもお勧めいただき、今回、デザイニスト道場では、全文を76分で読めるというものを選びました。「いつか読んでみたかった日本の名著シリーズ」にある1冊です。とても読みやすく、理念ブックに普段から触れている私たちにとって共感できる部分の多い内容でした。
■ インタビュー
星山さん、推薦図書をご紹介いただきありがとうございます!
ここからは、私たちからいろいろ伺いたいと思います!!
遠田・小嶋・佐伯
『五輪書』は、剣術の奥義がまとめられた兵法書ですが、とても読みやすかったです。アンティーの理念ブック、特に「守破離」に通ずる部分が多く、理念ブックを理解するのに大変助けになる本だと感じました。
今回のインタビューにあたり、星山さんにも読み返していただけたとのことですが、久々に読んでみていかがでしたでしょうか?
星山さん
アンティーが大事にしている「守破離」の視点はもちろん、子どもの頃ずっと剣道をやっていたので、この視点でも愉しく読めました。
- 改めて、心技体のスポーツである剣道の教えが、今の自分のベースにあると感じることができた
- 野球など他のスポーツも経験し、体育会系の厳しい環境に鍛えてもらった
- ここで鍛えられた強さは、今の仕事にも発揮され、活きていると言えるかもしれない
- 体育会系/文化系を問わず、自分の中に譲れないものがあり、頑張ることができる人には強さを感じる
遠田・小嶋・佐伯
『五輪書』の中でも、地の巻の「九か条の戒め」にある第六条と第七条あたりに、仕事をする上でのヒントがありそうと感じています。若手にとって、特に重要だと思う項目はありますか?
星山さん
私自身もデザイニストとしてまだ道半ば、全ての項目が大事だと思っています。
- 「九か条の戒め」は、武道だけでなく、仕事をする上でも大事な内容
- 私自身もデザイニストとしてまだ道半ば 第六条や第七条だけでなく、第三条の「諸芸に触れること。」第四条の「さまざまな職能の道を知ること。」はもちろん、全ての項目が大事だと思っている
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九か条の戒め
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第一条 よこしまな心を起こさず、正しいことを考えること。
第二条 兵法の道は鍛錬にあるということ。
第三条 諸芸に触れること。
第四条 様々な職能の道を知ること。
第五条 物事の利害得失を見抜くこと。
第六条 物事の本質を見極められる眼力をもつこと。
第七条 目には映らないところも推理し、察知すること。
第八条 微細な変化・動きをも見逃さないこと。
第九条 役立たないことはやらないこと。
遠田・小嶋・佐伯
ここで、星山さんが所属されているインタラクティブメディアグループがどのようなグループなのかお聞きできたらと思います。
星山さん
XAグループと近い領域で、アプリ寄りの開発を行うグループです。
全員が使うことのできるテンプレートを活用し「守破離」の「守」を徹底しています。
- Webサイトというよりは、アプリ寄りの開発を行うことがメインのグループ
- UI周りのスペシャリストとして、演出や動きをつけている
- このグループで「守破離」の「守」を意識したことを行っている
- コーディングを行う際に全員が使うことのできるテンプレート(※)を用意
- 新人には、まず、このテンプレートにある技術をスタンダートにできるよう徹底指導
- 将来的には、新人から次の世代へ繋がっていくことが繰り返される無限ループの状態をつくっていきたい
※コーディングを行う際のベースとなるフォーマット
▼ アンティーのXAグループとは?
「Experience Architecture(エクスペリエンス アーキテクチャ)」の略称
- 日本語に訳すと「体験設計」
- 主に、フロントエンドエンジニアが所属
- 2008年頃に行った組織の再編に伴い、ここで「XAグループ」が生まれる
ぜひ、こちらの記事もご覧ください
遠田・小嶋・佐伯
そのテンプレートが理念ブックの「守破離(※)」における「守」だとしたら、テンプレートで「守」を固めて、将来的には「破」を経て「離」へとステップアップしていけるのが理想かと思うのですが、テンプレート以外に「守」への取り組みはありますか?
※アンティーグループが大切にする茶の湯の精神
”アイデアを出したところで満足するな、守破離という茶の湯の精神を常に持て”
会社の全ての行為において、何人もが出しうるアイデアを出した事で満足をしてはいけない。多くの人が考えられる範囲のアイデアを「守」とするのであれば、「守」を持ってあたり前、枠の外側、裏側、ひねって、ねじってわき出すアイデアを「破」とするのであれば「破」を持ってアイデアマン、「破」をつぶす勇気を持ち「守・破」から離れ最善の道を考え抜く「離」を持って完成させる。
星山さん
「守」にあたることは、全てテンプレートに詰まっています。
ここを押さえられれば、確実に「破」「離」にレベルアップしていけます。
- テンプレートを使うことで基本が身につき、正解をつくり上げていくことができる
- 新人は、「守」としてテンプレートを体得
- そこから時間に余剰が生まれ、別のやり方も検討できるようになり「破」へ
- そして、再び「守」に立ち帰り、比較検討しながらよりよい方法を見つけ「離」へ
- その「離」が新たな「守」となり、レベルアップ
- 進化のループが繋がっていく
遠田・小嶋・佐伯
「守破離」で終わりではなく、それを循環させていくことによって、全体が更にレベルアップしていくという理論が非常に分かりやすかったです。『五輪書』の火の巻にも「この道を極めたいと胸に誓って鍛錬を重ねることで、自然と思うままになるようになり、おのずと奇特な力を得ることができようになる」とありました。
星山さん
繰り返しとなりますが、成長の極意は「守」にあります。
- 「離」を極意と捉えてしてしまう人が多いように感じるが、極意は「守」にある
- 一度「離」を経て、研ぎ澄まされたものが、更なる成長のための礎「守」となっている
- 剣道や空手が分かりやすい 先人たちが実践の中で様々なことにチャレンジし、成功と失敗を繰り返す中から生まれたものが、基本の型の原型となっている
遠田・小嶋・佐伯
今までいただいたお話の通り「守」を着実にやっていくことが大切というはもちろんなのですが、やはり若手は成長を焦ってしまいがちだと思います。そんな若手に一言いただけますでしょうか?
星山さん
基本の全ては「守」に詰まっています。焦らず、しっかり定着させてから「破」に向かえば大丈夫です。
- 基本の全てが詰まっている「守」を100%できてから、次のステップ「破」に向かう
- 途中で「破」へ行ってしまうと、やり直しに時間がかかってしまうこともある
- ただ「守」が正しいかどうかは、その時代や、自分の目指す方向にもよる
- 必ずしも、回り道が無駄というわけではない 寄り道に学びがあることもある
- 最初に、自分の成長目標を定め、人生設計の中で自分がどうありたいか考えておくことが大事
- 将来的にはアンティーだけではなく、社会で広く活躍できる人材に育っていってほしい
遠田・小嶋・佐伯
『五輪書』に「漠然と剣術をやっていればいいというものではない」とありましたが、仕事においても、漠然と業務をこなすのではなく、将来目指す姿をはっきりさせて「守」を指針に邁進していきたいと思います。そして焦らず、着実に「守」を積み上げて、どんどん成長していきたいです。
星山さん、ありがとうございました!
■ 本日の学び!!
✓「守破離」を循環させることで、クリエイターとして更なる高みへ
- 「守」に慣れてきて時間的余裕が生まれてきたら「破」として別の方法も試してみる
- 一度「守」に立ち帰り「破」で開拓した方法を再検証 研ぎ澄まされたものであれば新しい方法として「離」へ
- 「離」が新たな「守」となることで「守破離」を循環 クリエイターとして更なる高みを目指すことができる
✓焦らず基本に忠実に、それこそが成長の近道となる
- 日々の業務がどんなに忙しくても、一つひとつの仕事を丁寧に
- 成長の循環を生み出すためのインプットを欠かさない
今回のインタビューを通じて、改めて、私たちの成長の極意は、基本に忠実に足元を固め「守破離」を循環させることにあると気づきました。実践していきます。
さらに今回「守破離」の本質を理解することで、理念ブックの解釈をより深めることができ、また一歩、一人前のデザイニストに近づけたのではないかと思います。
星山さん、ありがとうございました!
次回は、また新たなマネージャーに突撃します。お楽しみに!!
記事作成: 遠田紘子
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