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【社員紹介】自分の考えと合致する会社がここにあった!

※本記事は2020年6月に執筆したものです。

年齢とか立場とか関係なく、自由に意見を交換できる場がなくちゃいけない


仕事をする上で、会社という組織はどうにもやりづらい仕組に縛られてしまいがちで、どこか窮屈さを感じていました。
得手・不得手も一長一短だと思い、それを機能させる方法を模索していました。

最初に入った会社は、Oracleを中心にした基幹システムを作っている従業員70名ほどのSIerでした。
大学は社会学部だったので、プログラムなんか全然やったことなかったんです。面接の最後に「質問はありますか?」と聞かれて、「パソコン欲しいんですけど何買ったらいいですか?」って聞いちゃうくらい知らない世界でした。本当、よく受かりましたよ(笑)
そこでは、3年目までプログラマーをやっていました。
4年目以降SEに、20代後半で係長クラスの役職になり、30代前半でコンサル、プロジェクトマネジャーを任されるようになりました。
社員数も350名ほどに増え、立場も徐々にステップアップしていく中で、12~13年目の頃でしょうか、グローバルのコンサルファームに買収されたんです。
一気に、全世界で20万人、日本のグループ全体で当時5000人という大企業になりましたが、大きすぎてちょっと自分には合わなかったです。200人くらいまでの頃が面白かったですね。プログラマー→SE→コンサルと進むことができましたし、ラインマネジメントも任せられたんですが、コンサルファームでは限りがあって、やりたいことができず楽しくない時期でした。
その後、退職した元上司から、事業系のSIerの部門を作るから一緒にスタートアップをやらないかと誘われて転職しました。39歳でした。翌年には開発部門を作り、私自身はコンサルと営業とラインマネジャーと・・・いわゆる何でも屋さんでしたね。
しかもこの企業が、昔の気質が残っている「ザ・日本企業」。
部門長の権限もそこそこあるような、要は上意下達バリバリの体質でした。
ただ、こうした技術系企業の場合、上の人が必ずしも技術的に優れているわけじゃないし、年功序列の体制は、年齢を重ねていくと「作る」ことから離れる傾向があります。
そのため、プログラマーたちの細かい仕様がわからず、かと言って、積極的に下流工程の担当者から意見が出てくる環境でもありませんでした。
私のキャリアは下流工程から上流工程、管理職と順に経験してきましたが、悲しいことにプログラミング能力が足りなかったこともあり、顧客要望やシステム仕様を取りまとめたりプロジェクトや組織運営にシフトしていきました。
そのため書く人・考える人・お客様と折衝する人、それぞれが適材適所で役割分担をしていけばうまいこと仕事は回る、年齢とか立場とか関係なく、自由に意見を交換できる場がなくちゃいけない、と思うようになりました。

そこで、受け持っていた40名ほどの部署を3部門に分け、そのうちの一つを、やりたいことを自分たちで考え、決断も自分たちでするという形にしたんです。私はアドバイスだけをするように進めていきました。
当時はまだ「ティール組織」という言葉を知らず、たまたま「ホラクラシー組織」のサイトをチラッと見たくらいの知識でしたが、思いの外うまく運用できていましたね。
そうしたら、すごく上からの評価が悪くて(笑)
業績もそれなりの数字が出せているのに、めちゃめちゃ怒られました。
他の部署からは「なにやってるの?お前たち」と目の敵にされる始末でした。

自分の考えと合致する会社が、ここにあった!という感じ


走り続けて3年ほど経った頃、なんとなく飽きてきまして。色々やりすぎちゃって疲れちゃったんですよね。
それで、転職サイトに登録してみたところ、一社から内定を頂いたのですが、給料が高額なだけあってリスクも高そうなところだったため辞退しました。勢いだけで決めるのはよくない、ちょっと落ち着けと自制して、転職は2~3年検討して止めようと考えていました。
そんな折、転職エージェントから連絡があって、「是非紹介したい会社がある」とUGのパンフレットを見せられたんです。
ただ、このエージェントが曲者でして、これまで紹介してくれた仕事が微妙なものばかりだったので、なぜ私に勧めてきたのだろうかと勘ぐっていました。
そうした目で見ているからですかね、パンフレットにでかでかと載っている「シェアード社員」の意味がわからなくて(笑)
シェアード「PC」なら使っているけど、シェアード「社員」というのが、なんだかさっぱり見当がつかない。何回読んでも理解できなくて、直球で担当者に「どういう会社なんですか?」と尋ねました。すると、「ちょっと説明し難いので一緒に会社に行って須田さん(社長)と話しましょう」と面談することになりました。

訪問するにあたり、自分の課題に「組織体としての考え方を確認する」というものがありました。当時所属していた会社で縦割りの弊害を感じていたので、どのような仕組で会社を運営しているのかが鍵になると考えました。また、技術寄りの業務は不得手なので、自分に情シスが務まるのかという点も不安要素でした。
しかし、須田さんの説明を聞いて、それよりもなによりもティール的な組織運営を取り入れている会社を目の当たりにして、「これは今行かなかったら、このあと20年は絶対に後悔する!」と思って即決しました。自分の考えと合致する会社が、ここにあったか!という感じです。仕事の内容よりも、この形態に惹かれたのが大きかったです。大学生だったら、その場で「内定ください!」というテンションでした。

特に「ボンド」という考え方には感心しましたね。業務で顔を合わせることがない社員同士が、定期的かつクローズドの中だけで共有される集まりを作り、更に持続させているなんて、なかなか聞いたことがありません。
どの企業でも、年1回は研修などで他部署と交流する機会はあったりしますが、おざなりというか、表面的に話を合わせることが当たり前で、自分たちの課題や本質に迫ることができないと感じていました。
私自身、以前の会社でそれらしい組織を作って実行してはいましたが、結局のところ一部門だけなので、知った顔の14~15人で繰り返される交流になってしまい、期待するような効果は得られませんでした。
あとは、自分に情シスができるかという問題がありましたが、これも話をしていくうちに、システムを入れるためのコンサルティングやサポートをするという、外からの情報をアドバイスするようなこれまでの経験が活かせると知り、これならできると判断しました。

今でこそ5つの案件先を担当していますが、4月に入社後、初めて稼働したのは6月上旬からでした。すぐにでも稼働したかったのですが、インフラ系の案件など、正直言うとあまり興味が沸かないものばかりだったため、部長やユニットマネジャーに相談し、業務システム系の話がくるまで待たせてもらいました。なかなか辛い期間でしたね。同期の中途入社メンバーたちはどんどんお客様先で仕事をしているし、インセンティブはないし・・・焦る気持ちをぐっと堪えていました。
そうしたら、セキュリティ審査の基準を満たすためのコンサルティングをする案件が出てきまして、ようやく初の稼働となりました。それ以降は、課題整理や基幹システムの移行のため全体のコントロールを担う業務や周辺システムの統括など、どんどん案件を受け持つことになって、あっという間に半年が経っていました。
業務を進めるに当たり、システムを導入される側の視点だけではなく、導入する側のベンダー目線を大事にしています。
この「体半分だけ中の人」という感覚を持っていることで、外部業者がやれないとは言い切れないラインと、お客様にとって限られた予算の中で理想に近い状態を提案する調整ができると考えています。相手によっては、面倒くさい人がいると思われているかもしれません。
ただ、これほど総合的に過去の経験が使えるとは思っていませんでした。部分的なコンサルとかプロマネだけをやるのかなと考えていましたが、そうでもなかったですね。

想像より現実の方が距離が近い


どこの企業も、半期に一度くらいは全体会議がありますが、たいていはなんとなく会場へ向かい、偉い人達が立て続けに喋って、ちょっとした立食パーティーでざっと食べて、みんな「じゃっ!」と帰っちゃう感じじゃないでしょうか。
そんな時、あちらこちらにぼっちの人がいっぱいいるような状態が想像しやすいのですが、UGの全社会ではそれが感じられないことに驚きました。
みんなそれぞれの現場にいて、その単位も小さいから、どうしても物理的に会うことが少ないはずなのに全社会などで集まると、みんな仲良くやっていますよね。
短期間で終わるような案件が少ないからだとは思いますが、もう少し孤独感があるかなと想像していました。
ギャップがありましたね。現実の方が距離が近かったです(笑)

今後、社員数が200人、300人と増えていくと、いままでのやり方ではこの近さは保てなくなるだろうし、会社運営的にも回らないことが出てくると思うんです。そのため現在は、それに対する土壌を整えるための検討会を進めています。
ボンドの方式も革新して、組織の成長を促すような地盤を作れたらと考えています。
このような会社なので、決められたルールだけに属する人ではなく、自分でルールを作っていきたいタイプの方が実力を発揮できるのではないでしょうか。
自分で仕事を見つけられるし、自分が取り組みたいこともできる。
きっとフィットすると思います。

※本記事は2020年6月に執筆した記事です。

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