野沢 康則(のざわ やすのり)
cowcamoプラットフォーム事業部 エンジニアリング統括室長
不動産営業からエンジニアに転身し、業務システム開発・ソーシャルゲーム開発等に従事。ネットベンチャーに移籍後、SaaS・EC・広告・業務システムなど7種のサービスを立ち上げ・チーム作り・事業売却を経験。その後、Sun Asterisk社にてリードエンジニア・プロジェクトマネージャーとして活躍。2018年にツクルバへ参画。現在は、cowcamoプラットフォーム事業部のエンジニアリング統括室長として、システム戦略・エンジニア組織全体のマネジメントを行っている。
「Just for Fun」
Linuxを開発したリーナス・トーバルズの言葉なのですが、日頃からこの言葉をとても大切にしています。私の行動原理は全て「楽しい」から始まっていて、「楽しい」が最大化するように、人生の時間を使いたいと思っています。私にとっての「楽しい」が体現された状態の1つに、関心を持った者同士で、共に何かを作りあげることがあります。働く環境を選ぶ際にも、個々のメンバーが相互に関心を寄せ合っているかを重視してきました。その中でもツクルバは特に、互いに関心を寄せ合うメンバーが多いと感じました。ここならメンバー同士で関心を寄せ合い、私にとっての「楽しい」をスケールさせられると思い、ツクルバにジョインすることに決めました。
現在は、cowcamoプラットフォーム事業部にて、システム資産の生産性向上を通じた事業成長の実現をミッションとしたエンジニアリング統括室の室長をしています。
カウカモの扱う住環境は、1つの商品に対して扱う情報量が多く、ユーザー体験を作る上で裏側のシステムが複雑に絡み合うため、見た目以上に裏側が肝になります。そこで、「ユーザー体験を支えるためにどこに重点を置いたシステムが必要か」を熟考してシステムを作るところがエンジニアの腕の見せ所になりますね。
事業とシステムを繋げて、構造的に思考するエンジニアリング
私はシステムを作る上で、前提として長期的な目線を持つことを大事にしています。システムとは、作って終わりではなく、運用し続けるものであるため、資産のように捉えています。例えば新たな業務プロセスを作るとき、システムの資産としては過去の業務プロセスを正として実装しているため、システムを新しい価値に適用させるためには既存資産が負債のように見えることがあります。それをシステムの制約と呼んでいます。エンジニアリングのあるべき姿は、システムが価値になる領域と制約になる領域を正しく認識することだと考えています。そのため価値を作る際には、未来で起こりうるイレギュラーを予測して、最低でも1、2年は制約にならないよう、先の価値を捉える視点が重要になってきます。
この視点を持つためには、システム戦略を事業と繋げて思考することが必要不可欠になります。というのは、事業の価値が変化するのと連動してシステムとして作るべき価値も変化するからです。長期的にユーザー体験を支えるために、どこに重点を置いたシステムを作るか考える際には、事業のドメイン設定を正しく認識し、システムとの繋がりを構造的に理解することが鍵を握ります。
私自身、事業とシステムの課題を構造的に思考することを、今までのキャリアの中で、多種多様な経験をすることで培ってきました。具体的には、業務システム・ソーシャルゲーム・SaaS等の開発ドメイン、7種のサービス立ち上げ・DAU10万程までの開発フェーズ、営業・サービス企画・ITコンサルタントなどといった担当領域です。過去の経験が、「事業のドメイン設定・システムとして作るべき価値・未来の制約」を正しく認識して投資判断することに繋がっていますね。
「事業:システム:組織=7:2:1」で思考するエンジニアリング集団
そんな事業とシステムを繋げて構造的に思考するエンジニアリング集団をつくるためには、メンバー全員が、「事業・システム・組織」の3つに対して課題設定と解決を実行することが重要だと考えています。システム開発を通して事業を作っているため、事業マネジメントの視点をマネージャーだけでなく、メンバー単位で思考した方が事業が前に進むと信じています。事業、システムの他に組織を追加しているのは、システム開発はチーム開発になるからですね。誰かと共に作ることを前提として成果を生み出すため、どんなチームであれば開発しやすいかを考えてほしいと思っています。そのために、個人の半期の行動目標を、「事業・組織・システム」の3軸でそれぞれ何割ずつ期待しているかを伝えます。事業のことを一番に考えたいので、チーム全体としては、事業を7割、システムを2割、組織を1割の比率になるようにメンバーのそれぞれの期待の比率を調整しています。
ツクルバのエンジニアメンバーは単にシステムを作るより、事業として考えながら課題解決したい人が多いと感じます。ビジネス側の要望を一方的に聞く関係性ではなく、いちモノづくりのプロとして、既存のプロセスを壊してまで作る意味が理解できない時は「これをシステムで作る意義は何か」とビジネス側に投げかけます。長期的に価値になるものを作りたいと強く思い、ときにはエンジニア側がデジタル活用に懐疑的である役割を担えることがツクルバのエンジニア組織の強みであり、好きなところです。このように、メンバー1人1人が本質的な視点を共有し、かつ組織について考えることで相乗効果が生まれ、事業を前進させられると考えています。
メンバーのパフォーマンスが最大化する環境を創る
事業を前に進めるエンジニアリングをする上で、メンバー間の相乗効果が生まれることと同じくらい、メンバー1人1人が最善のパフォーマンスを出せる環境を作ることが大切だと思っています。そのために、メンバーと常に対等な関係性でありたいですね。会社側が一方的に要求を出すのではなく、メンバーも同じく要求を実現するためにはこういう環境が欲しいですといった要求を出し合うことがより良いパフォーマンスに繋がります。また、メンバーとコミュニケーションする際には、隠し事せず、何でも話すことを大事にしていますね。業務にあたり、なぜこういう判断になったのかなど背景の情報をできるだけ伝えたいという意味で、なんでも話すようにしています。私は統括責任者ですが、同時に開発責任者として現場にいるため、現場の声が近い、ではなく実際に声を発している側に居れることで温度感を感じることができます。その結果、ビジネス側にエンジニアとして技術的価値を主張し、技術に対する予算をとってシステムを地道に改善していける環境を作ることができます。
エンジニア組織のメンバー1人1人が最善のパフォーマンスを発揮し、組織についても考えることでメンバー間の相乗効果を最大化させられる組織にしていきたいです。そして、事業とシステムを繋げて、事業の価値に合わせた長期的なシステム価値を生み出し、急速に拡大するカウカモと共にエンジニア組織をスケールしていきます。
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