今回は、やんちゃな少年時代から料理人の道へ進み、そこからさらにキャリア支援の仕事へと進んだ田中祥さんに話を聞いてきました。
小学生時代はやんちゃグループの中心。
しかし、環境の変化をきっかけに中学ではバスケに没頭。
高校ではバスケ推薦を断り、自ら100万円を貯めて料理の道へ進むという選択をします。
順調に見えた料理人としてのキャリア。
それでも、その先に見えてきた“本当に大事にしたいもの”とは何だったのか。
この記事では、自分の意思で選択し続けてきた田中さんのストーリーを通して、
“納得して選ぶ”キャリアのヒントをお届けします。
プロフィール
キャリアカウンセラー|田中 祥(Sho Tanaka)
大阪府河内長野市出身/小学生時代は“やんちゃグループ”に属するほど活発な性格。
しかし、家庭環境の変化(両親の離婚・転校)をきっかけに価値観が変わり、「誰とでも仲良くなれるタイプ」へ。
中学ではバスケに熱中。高校ではバスケ推薦を受けるも辞退し、料理の道へ進む決断をする。専門学校では成績トップ、全国大会受賞。卒業後はホテルで料理人として勤務。
現在は学生のキャリア支援に携わり、「人生の選択に関わる仕事」をしている。
環境で、人はここまで変わる
――幼少期はどんな子どもでしたか?
めちゃくちゃやんちゃでしたね(笑)
いわゆる“やんちゃグループ”にいる感じで、小学校3年生くらいまではずっとそんな感じでした。
でも、そこから親が離婚して、転校して環境がガラッと変わったんですよ。
――そこから変化があったんですか?
ありましたね。そっからはもうめちゃくちゃ普通になりました(笑)
周りの環境も違ったし付き合う人も変わったんで、気づいたら「誰とでも仲良くなれるタイプ」になってました。
その流れで中学では部活動に入り、気づけばバスケにどっぷりハマっていきました。
挫折というより、全部しんどかった時期
――大きな環境の変化もあったと思うんですが、しんどかった時期ってありましたか?
中学生のときですね。
片親で、親が働けない時期があって。
お金もないし、部活もあるし、周りは塾に行ってるし、「何を頑張ればいいんやろ」ってなってました。
全部が中途半端な気がして、もう全部やめたいなって思った時期はあります。
選んだのは、“全部やる”じゃなくて“捨てる”
――そこからどう乗り越えたんですか?
勉強、捨てました(笑)
その代わり、バスケに全振りしてました。
外にバスケットゴールがある場所があって、そこが無料で使えるんで、朝6時に起きて、自転車で20〜30分かけて通ってました。
そこで一人で練習してからそのまま学校に行く、そんな生活でしたね。
だから、こんなことここで言うものじゃないですけど、顧問の先生以外の授業はほぼ寝てました(笑)
バスケ推薦を手放して、料理の道を選ぼうと決めた理由
――高校進学ではバスケ推薦もあった中で、なぜその道を選ばなかったんですか?
ちょっと迷いはあったんですけど、高校卒業後は料理の専門学校に行きたいと思っていたんですよね。
そのためには学費を自分で用意する必要があって、バスケを続けるとお金もかかるし、働く時間も取れないなと思って。
もともとバスケでプロを目指していたわけでもなかったので、それなら高校ではバイトに集中して、学費を自分で稼ごうと決めました。
――料理の道を志したきっかけは何だったんですか?
もともと料理は小学生の頃からやっていて、「できるし、褒められるし」っていうのがあったんです。
だから自然と料理の道に進むことを考えていました。
親の手伝いでお弁当を作ったりしてたんですけど、小学校3年生のときには卵焼きも作れてましたね(笑)
もともと器用だったのか、やったら普通にできちゃったんですよね。
「好き」というより、“できた”っていう感覚の方が近いかもしれないです。
でも、それがだんだん自信にもつながっていって、親に「祥の方が作るのうまい!」って言われたのが嬉しくて、そこからどんどん作るようになりました。
気づけば小学校高学年の頃には、将来の夢に「料理人」って書いてましたね(笑)
専門学校の入学金100万円を、自分で払うと決めた
――高校時代はかなり大変だったんじゃないですか?
大変でした(笑)
専門学校の入学金でまず100万円必要だったんで、それを自分で貯めるって決めて。
居酒屋、焼肉屋、カフェ、コンビニ、スーパー、10個以上バイトをやってましたね(笑)
「3年で辞める」と決めていた、料理人というキャリア
専門学校卒業式にて、恩師との一枚――専門学校に入学し、料理人としてのキャリアはどのように考えていたんですか?
高校生のときから5年間続けていた居酒屋があって、そこが個人店だったんですよ。
料理もめちゃくちゃ教えてもらいましたし、経営のことも教えてもらって。
そこで、「料理人ってこんなに厳しい世界なんや」っていうのも知りました。
その経験もあって、専門学校に入ってからは「一番いいところに就職しよう」って決めてましたね。
――かなり一直線ですね!
はい(笑)
でも実は、その時から「料理は3年くらいで辞めよう」って決めてたんですよ。
――え、そうなんですか?
料理人になりたかった理由って、「料理でお金を稼ぎたい」っていうよりも「料理ができる男ってかっこいいな」っていう感覚やったんですよね(笑)
だから、何でも作れるようになって、身近な人に料理を振る舞えるようになったらそれで十分かなって思ってました。
順調すぎた料理人時代
――実際に料理人としてホテルで働いてみてどうでしたか?
最初は、すごい人たちが集まってるんやろうなって思ってたんですけど、働いてみたら、2個上、3個上の先輩よりも自分の方が料理できるなって思ってしまって。
それで、「ここで3年も学ぶ必要ないな」って半年くらいで感じてしまいましたね。
サウナで決まった、人生の転機
――そこから今の仕事にどう繋がっていったんですか?トランキロとの出会いについても教えてください。
ちょうどそのタイミングで、フットサルで日本代表の友達が日本に帰ってきてて。
その子がスペインでずっとプレーしてたんですけど、オフシーズンで一時的に帰ってきてたんですよ。
それで、一緒にご飯行ったり、サウナ行ったりしてる中で将来の話をするようになって。
「料理いつまで続けるん?」みたいな話になったときに、料理人は2〜3年くらいかなとは思ってたんですけどその先のことは全然決まってなくて。
「そろそろちゃんと考えなあかんな」って思ってたんですよね。
そこでいろいろ相談してたときに、「宮城さんっていうおもろい人おるで」っていう話を聞いて(笑)
もともとその友達に、宮城さんが声かけてたみたいなんですけど、その子はフットサルを続けたかったので「他にいい子いたら紹介して」っていう流れで、それが自分に回ってきたっていう感じです。
――すごい繋がりですね(笑)
そうですね(笑)
で、そのまま温泉入ってるときに「一回会ってみたら?」ってなって、温泉出てすぐグループLINE作ってもらって、その日に会う日程が決まりました(笑)
「なんかおもろい社長やな」から始まった次のキャリア
――宮城さんの第一印象はどうでしたか?
なんか、若い社長さんやなっていう印象でしたね。
――実際に会って、どんな話をされたんですか?
これまでの自分の話をしてましたね。
・料理は2〜3年は続けるつもりでいること
・正直、料理でお金を稼ぎたいとは思っていないこと
・自分のしたい人生を考えたときに、料理で上に行こうと思うと料理長になるのが35歳〜40歳で「ちょっと遅いな」と感じていること
・料理以外で何かしたいなと考えていること
こんなことを、結構赤裸々に話しましたね(笑)
――宮城さんの反応はどうだったんですか?
面白がってましたね(笑)
最初からもうオファーする前提で話してくれてたみたいで、そのあとパソコンを開いて、
人材ビジネスってどういう仕組みでお金が動くのかとか、給料がどうやって決まるのかとか、めっちゃ具体的に説明してもらいました。
そこで、「なんかできそうやな」って思いましたね。
――なぜ“できそう”と思えたんですか?
学生と話すこと自体は得意やったし、自分自身も将来のことをちゃんと考えて動いてきたタイプやと思ってたので、「将来を考えることの大切さ」を伝えるのは、自分にもできるかなって思ったんですよね。
あと、振り返ると、居酒屋のバイトで友達を10人くらい紹介してたんですよ(笑)
その子たちに仕事内容を説明して、「ここいいよ」って伝えて実際に働いてもらって。
それって今思えば、人材の仕事とほぼ同じことやってたなって。
だから、「これいけるな」って自分の中で繋がりました。
――数ある会社の中で、トランキロを選んだ理由は何だったんですか?
正直、他の会社は見てなかったです(笑)
でも、あの2時間で宮城の人柄にめっちゃ惹かれたんですよね。
なんか、「この人おもろいな」って思ったんですよね。
いい意味で社長っぽくなくて、めっちゃラフに話せるし!
でも、人材に対する想いはちゃんとあって、「この人の考え、もっと知られるべきじゃない?」って思ったんですよ。
それと同時に、「この人についていったら面白そうやな」って、直感で思って。
それが一番大きかったですね!
「人の人生に関わる重み」を知った瞬間
――実際に入ってみて、ギャップはありましたか?
ありましたね。
最初は正直、アルバイトのときに友達を紹介してた延長みたいなちょっと軽い感覚でスタートしてたんですよ。
でも実際にやってみると、学生のことを本気で考えたらできることって無限にあるなって気づいて。
――具体的にはどんなギャップでしたか?
学生がA社とB社で迷ってるときに、「その会社のこと、本当に全部調べたん?」「やれること、全部やりきったん?」って言われたことがあって。
もしやりきった上での判断ならいいけど、まだできることがあるならそれはやらなあかんやろって。
そのときに初めて、この仕事の“重さ”みたいなものに気づきましたね。
――振り返ってみて、足りてなかったなと思う部分ってありましたか?
めちゃくちゃありました。
自分たちが紹介する企業のことは、めちゃくちゃ調べてたんですけど、学生が比較している他の企業についてはそこまで深く見れてなかったですね。
例えば、その会社がどんな事業をしているのかとか、どんなキャリアが積めるのかとか、「ちゃんと全部見れてたか?」って言われると全然できてなかったなって思いました。
――そこからどんな変化がありましたか?
企業のことをしっかり調べるようになりましたし、学生が気づいていない部分も言語化して伝えられるようになりましたね。
例えば、ちょうどさっき面談してた学生なんですけど、大手の不動産会社と地域密着型の中小企業で迷ってる子がいて。
もともとは事務職志望やったんですけど、「人に直接感謝される仕事がしたい」っていう理由で営業に興味を持ち始めてて。
そういう背景を踏まえたときに、数字を追って稼ぐタイプの会社が合うのか、それとも、人との関係性を大事にする会社が合うのか。
その子の価値観ベースで、一緒に整理していくような話ができるようになりました。
エージェントじゃなくて、バイト先の先輩
――学生との関係構築って、どうやっているんですか?
僕はもう、とにかく距離を近くすることですね。
年齢が近いのもあると思うんですけど、いわゆる「エージェントと学生」みたいな距離感ではないと思っていて。
どっちかというと、バイト先のちょっと頼れる先輩みたいな感じですね(笑)
仲いい子やと、旅行に行ってる時の写真を送ってきて恋愛相談されることもあります(笑)
――どんな想いで、今この仕事に向き合っているんですか?
僕自身、あんまり「エージェントをやってる」っていう感覚がなくて。
年齢もまだ22歳で、関わっている学生も同い年か一つ下くらいなんですよ。
だから、感覚的には、同期とかちょっと下の後輩の面倒を見てるみたいな感じで。
いわゆる「社会人が学生を導く」っていうよりも、まだ自分も学生側の感覚を持ってるからこそ、
「ちゃんと将来を考えることの大事さ」とか、自分が伝えられることは全部伝えたいなって思ってます。
実際に「他にもエージェントいるけど、祥さんだけに絞りました」って言ってくれる学生も増えてきていて。
だからこそ、その信頼にはちゃんと応えたいっていう気持ちは強いですね。
あとはシンプルに、自分自身も将来に向けてしっかり稼げるようになりたいっていうのもあります。2〜3年後には結婚も考えてるので、そこに向けてちゃんと結果も出していきたい。
この2つが、自分の中で大きな軸になっています。
数字よりも、“納得感のある選択”を
――仕事をする上で大切にしている価値観はありますか?
どこまでいっても、いわゆる“THEエージェント”にはなりたくないなって思ってます。
もちろん数字は大事なんですけど、「この学生を絶対この会社に決める」みたいな考え方はしてなくて。
それよりも、その学生にとって納得できる選択かどうかのほうが大事で。
極端な話、目標に届かなかったとしても、関わった学生が「祥さんでよかった」って思ってくれるならそれでいいなって思ってました。
これ、上司にバレたら怒られるかもしれないですけど(笑)
支援学生からのお礼メッセージ――今後の目標を教えてください!
3〜4年後くらいですが、拠点も増えていくと思うので、そこで拠点を任せてもらって自分のチームを持てるような立場になりたいなと思っています!
例えば、自分が持つ拠点でチームを作って、他の拠点を超える売上を出せるようなマネジメントができる人材になりたいですね。
どの道でもいい。“納得して選べているか”がすべて
――最後に、キャリアに悩んでいる方へメッセージをお願いします!
僕自身も正直、今でもめちゃくちゃ悩んでます。
なので偉そうなことは言えないんですけど、一つだけ大事にしてることがあります。
それは、“自分が納得してその道を選べているか”です。
正直、A社に行ってもB社に行ってもいいし、就職しなくてもいいし、海外に行ってもいいと思っていて。
どの選択でも、「自分はこれでいく」って胸を張って言えるかどうかが一番大事だと思っています。
僕自身も料理の道で評価をもらっていた中で転職したので、トランキロに入社する時、周りからかなり反対されました。
でも、「ここで結果出して、数年後ドヤ顔したろう」くらいの気持ちで決めたんですよね(笑)
だからこそ、どんな道を選んでもいいので、
自分が納得できる選択をしてほしいなと思います。
幼少期からの環境の変化や葛藤を乗り越えながら、常に自分の意思で選択を重ねてきた田中さん。
その根底にあるのは、“どの道を選ぶか”ではなく、“自分が納得して選べているか”という価値観です。
もしこの記事を読んで、少しでも「このままでいいのか」と感じたり、自分の人生をちゃんと考えて選びたいと思った方がいれば、ぜひ一度お話しできると嬉しいです。
まずは気軽にあなたのことを聞かせてください。