異業種からキャリアチェンジし、TOW(テー・オー・ダブリュー)のプロデューサーとして活躍する、20代〜30代の男女3人へインタビューしました。
印刷会社、映像制作会社、テレビ制作会社と、主には「受託側」の仕事が多い業界から、「体験価値」をつくるTOWで、よりクリエイティブの上流から携わるようになった三人。キャリアチェンジの決断をしたのはなぜか、入社後の不安をどのように超えたか……など、さまざまに聞いてみました。
今回も聞き手には、TOWの仕事でもよくご一緒していて、ちょっと前までタイの山奥で暮らしていたという元バーグハンバーグバーグのシモダテツヤさんにお願いしてみました。
<左から TOW 内賀嶋・横山・一瀬>
<シモダテツヤ氏>
「人の心を動かす」チャレンジがしたかった
シモダ:まずは「転職を決めたきっかけ」と、そこで「TOWを選んだ理由」から聞かせていただけますか。
内賀嶋:転職したのは2年前で、TOWで3社目です。大学では消費者心理学でプロモーションなど「物が売れる仕組み」を学んでいて、もともとTOWが関わるような仕事に興味はあったんです。新卒のときは広告業界などを受ける中で、より店頭のPOPや販促にも関われる印刷業界に進みました。
大学時代にファッションショーを行うサークルにいたくらい洋服にも興味があって、印刷会社のときに携わりたかったのですが、なかなか機会がなく……あと、印刷業は基本的に「受注側」というのもあり、今後は興味の強い業界の「発注側」を経験してみようと、アパレル業界に転じました。
「誰もが店頭から」という方針で、3年ほど店舗運営に携わりましたが、30歳を手前に人生プランを見つめ直して、改めて「やりたいこと」に向き合った結果、「人の心を動かす」というチャレンジがしたくなりました。転職エージェントを通じて、TOWを知ったんです。
横山:私は3年前にTOWへ来ました。もともとは大学の芸術学科で、小学生へ美術などを教えるプロジェクトに参加していて、「作りたい人」と「作ってほしい人」の間で働くようなプロデュース業務をしたいと思っていました。
就職では30人ほどの規模の映像制作会社に。実は映像は未経験でグラフィックやパッケージに関わりたかったのですが、ギリギリ入社できたのがそこだけで(笑)。
そこは完パケまで担う制作会社で、プロデュース業務にも就きましたが、やっぱり忙しいし、働く時間も長くて……それでも結構な年数を働いてきたので「いかに異なる環境で能力を発揮できるか?」を試したかったのが、転職の大きな理由でした。
「おもしろいことを自分で考えたい」という気持ち
一瀬:TOWに入って丸4年くらいです。で、僕はとんでもない町で生まれ育ったんですよ。
シモダ:小説の書き出しみたいな気になる入り方ですね……(笑)。
一瀬:事件とか多くて、未解決事件のまま時効になったのもあって。小学校も基本は集団で登下校するんです、危ないから。
シモダ:へ、へぇえ~……。
<ちなみに一瀬の好きな動物はマイクロブタ。よく「マイクロブタカフェ」で癒やされているらしい。ツカミとのギャップがすごい。>
一瀬:家にいる時間も長くて、それでテレビ好きになったんです。バラエティ番組を小学生くらいから観てきて、「こんなに面白いことができる人たちはすげぇ」って。それでテレビ業界をずっと目指して、テレビバラエティの制作会社に入りました。
ただ、人事異動で「音楽班」に配属されて。音楽番組のアシスタント・ディレクターを経て、ディレクターにもなったんですが……やっぱり根底には「おもしろいことを自分で考えたい」という気持ちがあった。
番組制作を続ける中で、人は、番組そのものよりも「アーティスト」という、揺るがないコンテンツを見ていることに気づいたんです。確かに美術的な兼ね合いとか、カメラ割りは異なるのですが、番組をおもしろくするために、自分で考えることができる土壌が狭くて。それに音楽好きでもないから、音楽番組の面白さを感じられなくて。
シモダ:「テレビ制作」という好きな仕事のジャンルには入っていたけれど、その先のジャンルでミスマッチが起きてしまったんですね。
一瀬:そうなんです。テレビといってもバラエティ、ドラマ、情報、音楽と作り方が全然違いますからね。それで、もっとクリエティブの上流から考えられるような転職先を探し求めていたところで、転職エージェント経由でTOWを紹介されました。抱えていた大きめの仕事が一区切りついたところで、転職することにしたんです。
他人を頼るしかなくても、周囲は優しく教えてくれた
シモダ:みなさんTOWに入社してみて、やっぱり最初は不安だったり、「1年目のうまくいかなさ」を感じたりしました? そのあたりが解消されたのはいつ頃でしたか。
内賀嶋:中途入社だと、ある程度の社会人経験もあるので、新卒入社よりも早めに色々任せてもらえるようになります。それもTOWの良さの一つだとは思うんです。でも、入社後1年くらいでポップアップショップの担当になったときは、電気工事や施工など何もかもわからなくて(笑)。
だからもう他人を頼るしかなかったです。社内の人は優しく教えてくれて、協力会社の方々も「わからないなら教えてあげる」くらいに接してくださって。そこから、自分の部署以外の人や社外の人とも関わり、先輩にもパートナーを紹介してもらい、人脈やコミュニティが出来はじめてからは、よりスムーズに仕事ができている感触があります。
むしろ、人を伝って形にしていくところが仕事という面もありますし、普通に生活していたら関われないような人に出会えるのも楽しさですね。PR発表会みたいな華やかな世界も「裏側ではこんな苦労があるのかぁ」とかもわかりますし。
シモダ:「消費する側」から「見てもらう側」へ移って、いろんな種類の「一連の流れ」が見れられるのは、TOWの仕事だと特に感じられそうですもんね。
横山:TOWでは案件に対して色んなメンバーが参加するのですが、最初は「自分がどの立ち位置で、何を、どこまでやればいいのか」がわかりにくくて、仕事がつかみにくかったんです。そうして何度か全体を見るうちに、自分が担当する範囲が把握できていった感じです。
あと、前職ではクライアントと直接やり取りする案件が多くて、広告代理店と一緒に動く際の立ち回りや気の遣い方といった“お作法”がわからなかったなぁ。半年くらいで、徐々にそのあたりも見えてきましたね。
一瀬:僕は入社当初に苦労したタチで。まず話している言葉の意味が分からない。
横山:あー、めっちゃわかります。横文字ほんと多いですもんね(笑)。
一瀬:そうそう。特に広告関係者は横文字使いがちだから、打ち合わせで交わされる言葉がわからず。その場で検索して、それでもだめなら上司に聞いて……僕は上司からのサポートがホント助かりました。ほら、大事なところを濁したりするじゃないですか。横文字で言うなら「ファジーにする」じゃないですか?(笑)
シモダ:確かに!僕も初めの頃は喰らいましたね。「ミーティング」を「mtg」って書いたりするのも慣れなくて。「コンバージョンレート」とか「インプレッション」とか……。
一瀬:それです。あと「アグリーです」とか。「いや、オッケーでいいじゃん」って。そんなことを思いつつ、半年ほどで言葉も理解できてきてから、会話の流れがわかるし、自分発で「もっとこうした方がいいんじゃないか?」といった考えが話せるようになりましたね。
しっかりと効いてくる、前職の経験
シモダ:みなさん異なる道を通って、ほぼ未経験に近い仕事の多いTOWへ入社されたわけですが、これまでの経験が生きた瞬間もありましたか?
内賀嶋:言うならば「対人対策」ですかね。印刷会社でBtoBとして得意先から印刷工場の方々、アパレルならBtoCで直接お客様と向き合ってきました。企業目線と消費者心理の両面を汲み取れるのは、これまでの経験が生きているかなと思います。
シモダ:洋服をおすすめするのも、されるのも、結構難しいですもんね。
内賀嶋:買わない人に服を売るって、すっごく大変ですよ(笑)。コツの一つは、お客様の行動をよく見ることです。触った服で好みを把握しながら、声をかけたタイミングで気に入りそうなものを持っていくとか。
そういった“対応力”は、TOWの仕事が「何でもできるし、何でもやらなければならない」からこそ、他者と壁をつくらない上でも大切です。自分に特別な技術があるタイプではないので、対人スキルは磨いておいてよかったなぁ、と。
横山:私はイチから何かを作るという「制作行程」は前職で学べたので、作るものは映像からウェブサイトやキャンペーンといったように変わっても、何からすべきかという流れはイメージしやすかったと思います。
一瀬:確かに、僕も動画制作に関しては、前職でも経験があったので、ほぼそのまま活かせていますね。あとは今、YouTubeやNetflixといった色んな競合が周りにあって、その中で観てもらえる広告を作るためには「ブランドのコンテンツ化」が主流になっています。
そこでは番組制作の経験を活かしながら、TOWで学んでいるブランディングの掛け合わせになりますし、僕としても一番得意な領域ですね。広告企画に関しては、完全にTOWでイチから勉強させてもらいました。
シモダ:なるほど。足りないのは考え方の部分であって、制作実務の能力は前職で押さえられているわけですしね。
知ったかぶりだけはしてはならない!
シモダ:「この仕事を経て、自分のレベルが一段上がった」とか、「形にできて、より仕事がしやすくなった」といった印象的な案件があれば、ぜひ教えてください。
内賀嶋:現在進行形で携わっていますが、食品メーカーの案件ですね。クライアントからは女性向けの製品が作れる「女性のチーム」を立ててほしいというリクエストがあり、他の代理店との競合プレゼンから選ばれて進めています。少しずつ商品ラインナップから担当できる種類を増やし、これまでに10種類以上の案件を、10ヶ月かけてリリースしてきました。
基幹商品は別の会社さんが担当されているのですが、それ以外の種類に関しては、TOWでコピーからクリエイティブ、アドの運用まで全て担っています。たしかに大変ですけれど、やりがいがあって楽しいです。店頭でもつい棚を見たり(笑)。
横山:私も内賀嶋さんと同じく継続案件で、化粧品メーカーのLINEサービス運用ですね。入社して半年くらいしてから関わるようになり、それからずっと担当してきたので、全体も把握できているし、サイトやコンテンツ、キャンペーン制作など、幅広く経験させてもらっています。広告代理店とのお付き合いも長くなり、一緒に切磋琢磨して続けられてきているので、安心感や働きやすさも感じます。
シモダ:映像ならまだしも、LINEコンテンツとなると土地勘が全然なかったのでは?
横山:それも内賀嶋さんの話にもありましたが、システムやwebの技術周りを含めて、社外の方に逐一聞きました。LINEコンテンツの運用会社やパートナー企業に毎回聞いて。実際に知識を使うターンにならないと、頭に入ってこないですしね。
シモダ:なるほど、すごい当事者感がありますね。躊躇している暇なんかなくて、「知らないなら、聞かなければいけない」と。異業種からの転職の場合は、そこで質問するスピードが大事になってきそう。ここまで話を聞いて、お三方に共通しているのが「わからないことはちゃんと聞く」ということ。知ったかぶりなんてしないほうがいいよ、と。
一瀬:そうっすね、知ったかぶりはしない!間違いない!
内賀嶋:事故っちゃいますからね……。
シモダ:周りの人も「自分にもそういう時期があったから、よりわからない人には伝えよう」という意識が働くんでしょう。それもTOWの良さというか。むしろ「入社したて」という武器を上手に使うくらいでいいんですね。
一瀬:「自分がこれからもっと仕事が出来るかもしれない」と思えたのは、少し前の仕事ですが、日用品メーカーのweb動画企画。「小顔に見えるマスク」をアピールするために、双子なのに片方だけそのマスクをしているから相手の反応が良い、という。初めて社内のプランナーと企画し、プレゼンして、動画制作もやり抜いた成功体験なんです。
シモダ:前職の頃から溜まっていた欲求が叶って、ついに「自分の脳みそにあったアイデアが形になった!」っていう。
一瀬:いやー、ありましたね。今それを思い出して、心が洗われました(笑)。
自分の手で、もっと面白い毎日をつくる
シモダ:今、みなさんは案件も増えてきて、これからもっと活躍されていくのだと思います。ぜひ今後、どういった「体験価値」を作り出していきたいか、やってみたいことなど聞かせてください!
内賀嶋:意外とアパレルはTOWでまだまだ展開が少ない分野なので、携わりたい気持ちもあります。あとは、もっと専門力を貯めたいですね。みなさんを頼るところは今もあれど、もっと自分で色々できたらな、と。あとはwebCMは経験できたので、テレビCMも!
シモダ:「これができたから、次はこれもできそう」という目標の立て方が現実的で、いいですね。そう思えたら、やれることの幅は広がっていきそう。
横山:映像やSNSなどデジタル案件に携わることが多かったので、お客さんの反応を直接見られるリアルイベントにも関わっていきたいですね。TOWには、独立系最大手のイベント制作会社という強みもありますから。
あとは、私も内賀嶋さんと同じく専門力のアップも。今はLINE運用の資格を取るための講座やテスト受けています。役立つ武器を身に着けたいです。
一瀬:コロナ禍からは配信が増えて「オンラインでの表現」に向き合ってきましたが、今後はもっとオフラインとのハイブリッドになってくると思います。もうテレビのリモコンにYouTubeのボタンが付いているくらいですし、視聴体験も変わってきている。この2年間は全員が手探りで、TOW的にもチャンスだったんですよね。「体験をつくる」のは変わらず、それがオンラインという場に移って、いろんな事例を生むことができましたから。
シモダ:この時代の変化を肯定的に受け入れて、新しい表現に興味を持って楽しんでいるのは、すごく良いですね!出来ないオフラインの物足りなさをカバーするためのオンラインってことではなくて、「もっと面白くできるように取り組んでいく」という意識があったら、ハイブリッド方面のプロによりなっていけるでしょうし。
一瀬:そうですね、そこをより楽しんでいきたいです。リアルイベントが戻ってきて「リアルに強いTOWだからこそ」できるハイブリッドの面白いことがもっと出来ていくと思います。面白いことがしたい人と一緒に働きたいです。ご応募、お待ちしてます!