前編(前編リンク)に引き続き、エナジースペシャリスト(以下ES)として活躍するManamiさんとSayakaさんにお話を伺いました。前編では、彼女たちがなぜ、お客さま対応業務に加え、組織に対する取り組みを主導したのか、想いの源泉や取り組みの概要をお聞きしました。後編では、取り組みが実現されるまでの過程や苦悩、そして取り組みを通じた先に二人がどのようなオクトパスの未来を想像しているのか、深く掘り下げていきます!
正解がないことへの挑戦。原動力となったのは仲間の支え
――Sayakaさんのプロジェクトは社として初の試みだったはずですが、どのようにプロジェクトを進めたのでしょうか?
Sayaka:「カルチャーアカデミー」の最初の1年間は本当に手探りでした。「やる」と決意したものの、おっしゃる通り前例のないプロジェクトだったので、何をすべきか誰かが正解を持っているはずもなく、最初の頃は途方に暮れるばかりでした。
何よりも痛感したのは、”誰かに伝える”ということは、自分自身が誰よりもオクトパスのカルチャーを深く理解しなければいけないということであり、まずは徹底的なインプットを始めました。オクトパスの価値観に触れている資料をとことん読み漁り、海外のオクトパスのメンバーが来日する度にミーティングをお願いしました。
「『自由と責任』というカルチャーを仕事上で発揮するとはどういうことなのか?なぜ、オクトパスは『自由と責任』を重視するのか?」などの問いをぶつけ、オクトパスのカルチャーへの本質的な理解を深めました。
一方で、ESのみんなに迷惑をかけてしまったことも事実です。インプットはもちろん大事なのですが、「早く何かを生み出さなければ」という焦りが募り、カルチャーアカデミーの活動に時間を使いすぎてしまいました。ES本来の業務であるお客さま対応との時間的なバランスが崩れてしまっていたのです。
もちろんどちらも蔑ろにしたかったわけではありませんが、自身ですべて抱え込んでいたことも否定できません。葛藤の最中、勇気を出して、焦りや不安などの正直な感情、そしてこの活動への想いを正直にチームに打ち明けたんです。すると、返ってきたのは温かい言葉でした。「Sayakaがやってることはオクトパスにとって大事な活動だと思うし、応援する。だからこそ抱え込まず、Sayakaが何をしているか教えてほしい。必要な時間はチームでカバーするから。」と言ってくれたんです。
それからは以前よりもプロジェクトの状況を皆に共有する頻度を増やし、みんなの協力を得ながら、お客さま対応業務と並行してプロジェクトを進められるようになってきました。
私一人のための活動ではない以上、もっと早く、みんなには弱音も含めていろんなことを話した方が良かったなと思います。本当にみんなには感謝しかないです。
互いに学び、支え合える仕組みづくりを目指して
――ありがとうございます。Manamiさんはいかがですか?
Manami:私の場合は「トレーナーのためのトレーニング(TTT)」という新しい仕組みをオクトパスに取り入れる活動と、既存のオンボーディングの仕組みをより良くするための活動だったので、0から1をつくるものと、1を10にするという意味で2つの視点で考える必要がありました。
まず、TTTからお話ししますね。TTTは、チーム内に教える経験を持つメンバーが十分にいなかったため、必要性を感じて導入したプログラムです。具体的な中身としては、「人に効果的に教え、伝えるための方法」と、「質の高いトレーニングの作成方法」について学ぶことができます。チームがどんどん大きく成長していくことに伴い、誰もが教える立場になり得るからこそ、経験の有無にかかわらずその役割を担えるようになることを目指してプログラムを作成しました。
私が最終的に目指しているのは、メンバー同士が積極的にコミュニケーションを取り、自然とお互いに教え合う環境を育むことです。その実現のために、TTTは一方的な講義ではなく、「相互発信の場」になるようにしています。まず、受講者であるトレーナー達にこのスタイルを深く体感してもらう。次に、そのトレーナー達が受け持つトレーニングで同じように実践することで、新メンバーが自分の意見や疑問を気兼ねなく発言できる場を作っていく。この積み重ねが、チーム全体で自然と教え合う文化を醸成していくと信じています。
一方、もう一つの活動である「オンボーディング」の仕組みそのものは、仲間たちが創りあげてきてくれた素敵なものでしたから、みんなが大事にしていたエッセンスを守りつつ、とはいえ、もっともっと良いものにするためには何をどのように変えるべきなのか、頭を悩ませる必要がありました。
そんな中、気づきをくれたのは新しくオクトパスに入社してくれたメンバーの存在でした。新メンバーが思うように不明点や困りごとを言い出せず、お客さま対応に苦戦をしている様子を見かけ、もっと遠慮なく質問ができるような環境を醸成できるオンボーディングを目指しました。
取り組んだこととしては大きく二つです。一つはオンボーディングを「教育ではなく相互発信の場」にすること。二つ目は「安心と信頼に満ちた独り立ちができる場」にすることです。まず、「教育ではなく相互発信の場」ですが、TTTと同様、一方的に教鞭をとるような形式ではなく、メンバーの考えを発信、シェアしてもらう機会を増やしました。
次に「安心と信頼に満ちた独り立ちができる場」ですが、前提として人の学びのペースは早熟、大器晩成など様々と考えており、まずはオンボーディングの期間を2週間から3か月に変更しました。また、内容についても、最初の1か月はオンボーディングチームによる集中フォロー期間を設け、残りの期間は新メンバー毎に身近な相談相手となるメンバーを「バディ」として任命し、いつでも質問できる安心感を長く確保しつつ、確かな成長を支えることを企図しました。
常に立ち返るは、オクトパスのミッション。
ーーオクトパスには「ルールがない」というカルチャーがある一方で、お二人はプロジェクトで“仕組み”作りをされています。単なるルール化ではないと理解していますが、この点、お二人はどのような点を意識して取り組んだのでしょうか?
Sayaka:まさに私も悩んだ観点です。一方で、私が何よりも意識していたことは「グリーンな電気を広め、脱炭素社会を実現する」というオクトパスのミッションの達成に向かっているのか?とセンターピンがブレないようにすることでした。
「ルールがないこと」というのはオクトパスのカルチャーですが、そもそもカルチャーというのは、オクトパスのミッション達成のための手段なんですね。つまり言葉だけを見てルールや仕組みを作ることを問題視するのではなく、どのような施策や取り組みも、オクトパスのミッション実現に資する取り組みなのであれば、それは会社が認めてくれる、むしろ背中を押してくれます。ゆえに、私がカルチャーアカデミーの企画や遂行をするにあたっても、常に「ミッションの達成に繋がるか?」という問いに立ち返るようにしています。この姿勢は、カルチャーアカデミーの運営自体にも反映されており、参加者には必ず最初に「なぜ私たちはオクトパスで働いているのか?」「オクトパスは何のために存在する会社なのか?」と問い、まずは会社のミッションを参加者全員で再確認することから始めています。
加えて、オクトパスが大切にしたい様々な価値観も、壁に貼られた標語のように伝えたところで、”浸透”には至りません。「なぜこの価値観が壮大なミッションを達成するために必要なのか」という共通理解があって初めて、一人ひとりの行動が、会社のミッションという一つのベクトルに向かうのだと考えて活動しています。
Manami:私は「目の前のお客さまをハッピーにできるエナジースペシャリストを輩出すること」を軸にしています。なぜなら、「グリーンな電気を広め、脱炭素社会を実現する」ためには、私たちオクトパスがお客さまと一丸となって取り組む必要があるからです。つまり、いかにお客さまにオクトパスのファンになっていただけるかが肝であり、まさにお客さまの声を最前線で聞くことができ、最も近い立場にいるのは、私たちエナジースペシャリストだからこそ、こだわっている点です。
そして、目の前のお客さまをハッピーにするためには、お客さまの対応をするメンバー自身がハッピーに働けていることが大前提だと思っています。なぜなら、メンバー自身が幸せに働けていなければ、お客さまに寄り添う余裕を持つことは難しいですし、ストレスや不満を抱えている雰囲気や態度は自然とお客さまに伝わってしまうからです。
自分の仕事に誇りを持ち、発言や挑戦がしやすい心理的に安全な環境でハッピーに働けて初めて、ルールやマニュアルでは実現できない「お客さまのために何がベストなのか」を自発的に考え行動できるようになります。
そんな環境を作るために、TTTの導入やオンボーディングの改定など、ある程度の仕組みが必要になる場面もありますが、その仕組みは自由を縛る鎖ではなく、「目の前のお客さまをハッピーにすること」への近道を整備するためのものである、ということを意識していますね。
「挑戦」が、チームの「力」に変わった瞬間
――これまでプロジェクトをやってきてよかったなと思う瞬間はありましたか?
Sayaka:カルチャーのような「形のないもの」の成果はすぐには見えにくいので、難しい質問ですが、嬉しかったことを挙げると、セッションの後、参加者アンケートで「オクトパスが大切にしている価値観に、自分自身の働き方を照らし合わせながら内省するいい機会だった。これからも継続してセッションがあったら嬉しい。」という声が多数返ってきたことです。何か少しでも、みんなに気づきを提供することができたのかな、と思えた瞬間でした。
他にも、メンバー同士のコミュニケーションにおいて、「オクトパスが大事にしている価値観とズレてるかも?と思ったので勇気を出してフィードバックしてみました!」「オクトパスの価値観をどうやって実践していいのか悩んでいます。」という、カルチャーに関する声を聞く機会や相談をいただく機会が増えたことも嬉しかったですね。
私が入社した頃には組織が小さかったこともあり、阿吽の呼吸のように伝わっていたオクトパスの「共通の価値観」が、組織が拡大していく中においても、その本質を崩さず、徐々に、着実にメンバーに浸透し始めていることを実感しています。それだけでも、この活動を始め、継続してきた意義があったと心から思えるんです。
Manami:TTTに関しては、受講してくれたメンバーたちが、今度はトレーナーとして活躍してくれている姿を見ることが、何よりの喜びです。彼/彼女らが、TTTで学んだことをベースに自分たちで研修を組み立て、研修の参加者から「内容が分かりやすかった」「楽しく学べた」という声をもらえた、と聞いた時、「TTTを始めてよかったな」と心から思いますね。知識やスキルが、個人に留まらず、チームの中で着実に伝播されていると実感できる瞬間です。
オンボーディングに関しては、新しい3ヶ月のプログラムで「高い対応品質を保ったまま電話対応のデビューをさせる」というミッションが与えられました。以前は新メンバーがお客さまの電話対応デビューまでに半年ほどかかっていたので、チャレンジングな取り組みでしたが、その新プログラムの一期生たちが3ヶ月のゴールに向けて順調に成長してくれていることに、大きな手応えを感じています。
二人が目指すチームの未来。主体性が尊重され、誰もがいきいきと働ける場所へ。
―― お二人のプロジェクトは、どのようにシナジーを生み出していくと考えていますか?
Sayaka:私たちのプロジェクトは、どちらが欠けてもいけない会社成長に不可欠な取り組みだと考えています。オンボーディングが、業務に必要なスキルや知識という「やり方」を教える場だとすれば、カルチャーアカデミーは、その行動の根底にある「なぜそうするのか」を伝える場、と言えるかもしれません。つまり、それぞれが独立しているのではなく連動した取り組みになっているんです。
Manami:入社して早々のタイミングで、双方の観点からアプローチをすることで、仕事の仕方を理解するだけではなく、「なぜこの行動・価値観が大切なのか」という背景を深く理解し、自ら考えて行動できるメンバーが育っていく。それが、私たちのプロジェクトが生み出すシナジーであり、その先に、私たちが目指す未来が創られていくのだと信じています。
―― それでは最後に、お二人が目指すチームの未来像と、この記事を読んでいる未来の仲間へのメッセージを、併せてお聞かせください。
Sayaka:私が目指すのは、オクトパスのカルチャーを体現した「最高の顧客体験を提供できるチーム」です。それは、メンバーがいきいきと幸せに働き、その結果として最高の顧客体験を生み出せるチームのことです。そのチームを作るために私たちが大切にしている価値観を体現できる仲間を、一人でも多く増やしていきたいです。
もし「こんな会社が本当にあるんだ」と少しでも魅力を感じていただけたら、その直感を信じてオクトパスに飛び込んでみてほしいです。私自身、オクトパスに入社して以降、以前よりも自分のことを好きになれました。だからこそ、これから仲間になる皆さんにも、オクトパスで「より良い自分」で働いて欲しいなと思っています。そのための場所を、私たちは用意して待っています!
Manami:やってみたいと思ったことに、思いっきりチャレンジできる。オクトパスは、そんな環境です。私は、メンバー一人ひとりが「もっとこうしたい」という野望を持てるチームにしたいです。日々の仕事を通じて自分ならではの「やりたい」を見つけ、挑戦できる人が溢れる。そして、誰もが「この会社で働けることを誇りに思う」。そんな会社にできたら最高です。その土台となる、誰もが気持ちよく働ける環境を、これからも創り続けていきます。この言葉にワクワクいただけるなら、私たちは最高の仲間になれるはずです。ぜひ一緒に働きましょう!
いかがでしたでしょうか?オクトパスのカルチャーを未来へ繋いでいきたいという2人の強い意志と行動力。その原動力となっている、ミッション・お客さま・仲間への深い想いが、少しでも伝わっていれば嬉しいです。 エナジースペシャリストチームでは積極的に仲間を募集しておりますので、皆様からのご応募、心よりお待ちしております!