こんにちは、テテマーチ株式会社です。私たちはSNSマーケティング事業を中心に、企業やブランドの熱い想いを届け、ファンコミュニティを広げるお手伝いをすべく日々邁進しています。
今は企業・個人を問わず、あらゆる場面でSNSが力を発揮する時代。会社としても、その力を社員自身に体感してほしいと考え、テテマーチでは2018年から“SNS報奨金制度”と呼ばれる社内制度を実施しています。
SNS報奨金制度とは、簡単にいうと社員のSNS発信のインパクトによってインセンティブが受け取れる取り組みです。2018年の第一回開催を皮切りに、期間を設けて今年までに三度実施。社員がSNSの楽しさを再発見すること、SNSマーケティングの目線での目標設定や施策検討の幅を広げてもらうことなどを目的に開催してきました。
実はこの制度、役員などの発案ではなく一人の社員の声から生まれ、実行まで至っているものなんです。
そこで今回は、SNS報奨金制度の発案者であるふくままさひろ、第三回の実施を担当した岡本和馬にインタビュー。制度実施の背景や社内でのプロジェクト実施における喜び・苦悩、プロジェクト作りを通して見る組織の在り方などを尋ねてみました。
※インタビュー・撮影は感染予防対策を徹底した状態で実施しております。
検証としてライトに始まった第一回“SNS報奨金制度”
── まず、SNS報奨金制度が誕生した背景について教えてください。
ふくま:SNS報奨金制度を始めたのは3年前、2018年の夏のことでした。当時のSNSマーケティング界隈は市場としての黎明期にあたる頃で、これから面白くなるぞというタイミング。テテマーチとしても企業さんのInstagramアカウント運用を担当させていただく事例がいくつか生まれてきてはいましたが、まだまだ会社の規模も小さく知見をさらに貯めたいと考えていました。
そうした中で、僕自身SNSが好きだったこともあり、日頃からTwitterを中心によく情報発信を行っていたんです。SNSを活用することによって同業者とのつながりが増えていたし、そこから生まれる仕事なんかもあって。個人のSNS活用が盛んになることでテテマーチのビジネスの成果にも繋がるだろうと思うようになりました。
また、2018年はテテマーチの社員数が一気に増えた年。会社としての成長が感じられていたので、社員一人ひとりがSNSをうまく活用して発信力を鍛えてほしいとも思っていました。そういった経緯を踏まえて考えたのがSNS報奨金制度です。
── SNSマーケティングに携わる企業として、所属する社員自身にもSNSを活用するきっかけを作ったり、その動きを促進したいと思ったんですね。具体的にはどのように制度作りを行ったのでしょう?
※インタビュー中、ついお茶目モードが発動するふくま
ふくま:当時は社員数がまだ10〜15名程度だったので、社内に提案して「いいね。じゃあ具体的な進行は任せた!」みたいな感じでスタートしました(笑)。丸投げっていう意味ではなく、テテマーチって昔から良い意味で言い出した人に責任を持たせてくれる組織なんです。社員数が少ないうちは上申に関するフローも存在しなかったので「こういうことをやりたいです!」「いいね!」っていう風に進んでいって。
── ベンチャーらしいスピード感のある進み方ですね。
ふくま:そうですね。もちろん、面白そうというだけで進んでいくわけではなく制度を作る上でのメリット・デメリットなどを対話する時間は追々生まれているんですが、比較的僕たちの提案を活かそうとしてくれる環境ではあるように思います。
── 任せきりではないものの、オーナーシップを持って取り組むことは求められるんですね。具体的な制度の話に戻りますが、第一回目の開催ではどういったルールを決めて開催したのでしょうか。
ふくま:最初の開催は検証の意味も込めていたので、まずはミニマムにシンプルに実行することにしました。
社内の希望のスタッフのTwitterアカウントについて、期間中の投稿「1いいね」につき、10円のインセンティブを付与。(上限1万円、その他規程あり)
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000018.000017171.html より
ふくま:SNSマーケティングに活きるよう制度を利用してほしかったので、発信するプラットフォームはTwitterのみに限定。実施前のアカウントのポテンシャルに左右されにくいよう、フォロワー数ではなく「いいね数」を指標に設定しました。なお発信内容は、プライベートすぎる内容(自撮り・風景・料理など)は除くとして、制限を付けすぎないように意識してルールを定めました。
また、参加者には運用に際しての目標・具体的な戦術・発信において意識した点・エンゲージメントの高い投稿とその考察などをレポートにまとめてもらい、自身のSNS運用を振り返ったりPDCAを回してもらうような仕組みも作りました。
── 参加した社員の反応はどのようなものでしたか?
ふくま:一回目では7名の社員が参加してくれました。ほとんどの社員からポジティブな声が挙がっていましたね。自身の運用を見つめる機会になったり、SNS運用がより一層楽しいものだと感じられるきっかけになったようです。
参加モチベーションの維持と制度作りの壁にぶつかる第二回
── その後、2019年には第二回の開催に踏み切っていますよね。全体を通してポジティブな反応の多い施策だったことから再開催しようと判断されたのでしょうか?
ふくま:そうですね。一年が経過して社員数も増えてきたので、新メンバーも交えて同じ制度を実施しようと。また、一回目の開催時にいくつか課題も見えてきたんです。それらを解消できるような打ち手を考えて二回目の開催を行うことにしました。
── 最初の開催時にはどのような課題がありましたか?
ふくま:大きく分けて二点ありました。一つは、何を投稿したら良いのかわからずアクティブになるまで時間がかかってしまうこと。各々で見つける努力も必要ですが、僕たちから素材となるネタを用意してみようと、二回目の開催時はツイートしやすいよう外部の方などを講師にお呼びして「#テテマーチ勉強会」というイベントを開催することもありました。
もう一つは、対象となる発信内容を選定するのが難しいこと。前回はゆるめの制限を付けて、僕が目視で定性的に判断するという流れにしたので、その評価が非常に難しく……。そこで二回目は自社で開発しているコミュニケーションキャンペーンツール「boite」を活用しました。参加者が対象となる投稿に規定のハッシュタグを付けることで、特定のハッシュタグのみをソートして計測できるようにしました。
また、改善点ではありませんが、対象SNSをTwitterのみからTwitter・note・YouTubeと3種類に拡大。ビジネス活用が期待されるSNSも増えてきたタイミングだったので、それを鑑みて対象SNSも拡張しました。
希望スタッフのTwitter個人アカウント、note個人アカウント、Youtube個人アカウントにおいて、社内で規定したいいね数やPV数に応じ、インセンティブを1名あたり最大5万円支給いたします。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000029.000017171.html より
── 前回の反省点を踏まえての開催でしたが、二回目を実施してみての感触はいかがでしたか?
ふくま:初回同様、概ねポジティブな声が多く開催して良かったとは感じています。二回目初めて参加した社員もいましたが、楽しみながら取り組んでくれていたようです。ただ、やはりすべてが成功とはいかず、ここでも新たな課題が見つかったんですよね。
それが、集計フローを改善した際に取り入れた「投稿時のハッシュタグ付け」でした。ハッシュタグってわざわざ付けるのが面倒だったり、投稿の内容的に付けたくないなどがありますよね。その心情を鑑みずに制度化してしまったために、本来は対象であるはずの投稿が対象外になってしまったり、必要以上に制限を付けてしまいました。
元来はこの制度を通してSNSを楽しんでほしい気持ちがあったものでしたが、フロー整備を重要視するあまりにその軸を見失いそうになってしまいました。とても反省した点です。
組織拡大に伴い、テテマーチを代表する大型プロジェクトへ
── 昨年末から今年にかけて開催された第三回では、発案者のふくまさんと共に、同部署(コミュニケーションデザイン室)の岡本さんも実施を担当されたそうですね。
ふくま:はい、昨年から今年にかけてテテマーチでは積極的に採用を行い仲間を増やしています。その中で同部署のメンバーも増えてきたので、社内外のコミュニケーションやイベント企画設計などを行う、コミュニケーションデザイン室としてSNS報奨金制度を実行することにしました。
岡本:僕は2020年6月入社なので、今回が初めてのSNS報奨金制度参加でした。最近は月に多いと10人ほどが入社しているので、僕のようにこれまでSNS報奨金制度に参加したことのない社員も多いんです。ただ、このSNS報奨金制度に興味を持ち、入社に至ったメンバーもいるくらいで、テテマーチらしさを体現する制度の一つといえるのかなと思っていました。
そこで、組織が大きくなっているフェーズの今、改めて社員と共にこの制度を実施することでSNSでの発信を学び、楽しむ機会を改めて作ろうと考えたんです。
希望スタッフのTwitter個人アカウント、note個人アカウントにおいて、社内で規定したいいね数やPV数に応じ、インセンティブを1名あたり最大10万円支給いたします。
また、今回の取り組みでは、
・SNSの楽しさを感じてもらうこと
・自身の発信の影響力を高める為に試行錯誤を凝らしながらその過程を体感して貰うこと
・発信者へより多くの還元が出来る仕組み作り
上記の3点に重点を置くことで、これまでの取り組みより長い6ヶ月間と期間を設定しての実施となりました。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000059.000017171.html より
── 今回の開催で最も大きな変更点だったのは「期間」なのかなと感じています。一回目は1ヶ月、二回目は1ヶ月半、そして今回は6ヶ月間と随分と長くなりましたよね。
岡本:期間を長期的にしたのはPDCAの回しやすさを考えた結果です。1ヶ月〜2ヶ月ほどの取り組みでは、立案・実行・考察のフローを回せる回数に限りがあります。長期的な取り組みとすることで、長い目で見てアカウントを育てられるようになるのではと考えました。
とはいえ、期限がないと中だるみのようなものが生まれてしまうかもしれません。ですので、今回は長めに期間を見積もって6ヶ月間という期間を設定することにしました。
── 期間が伸びればそれだけチャンスも増えますが、先を見て戦略を立てる力が求められる。テテマーチの強みであるSNSマーケティング事業に還元できる点も多いかもしれませんね。
岡本:そうですね。また、参加者を盛り上げる社内コミュニティの整備にも、今回はより注力しました。ふくまから、二回目の開催の際にはツイートしやすいネタをなるべくシェアしたといった話を聞いていましたが、社員数も増えていたので一人ひとりの悩みや課題に対して解決策やヒントを提案できたら良いなと思ったんです。
たとえば、二回目と同様、発信のタネになるような情報を見つけてシェアしたり、お互いの発信の様子がわかるように月に一度、参加者の発信内容をまとめて紹介したり。
※月末にシェアされた参加者のツイートまとめレポート
6ヶ月間と長期的な取り組みにしたことで、僕たちも参加者の悩みに耳を傾けたり、対策を講じたりできる時間があったのでとても進めやすかったです。
それから、SNSでの発信を通して他部署のあんまり話したことがない人の内面を知ったり、雑談するきっかけにもなりました。
コロナ禍で全社的にリモートワークを取り入れている今、社内のコミュニケーションを活性化させる良い機会になったとも思っています。
役職に左右されない“アベる”組織を目指して
── SNS報奨金制度を通して、SNSマーケティングの視座を高めたり情報をキャッチアップするなどといった当初の目的だけではなく、社内コミュニケーションの一環にもなっているんですね。自由度の高い社風だからこそ生まれる社員発案のアイデアや取り組みなどが、テテマーチをより良い姿へと変化させてくれているのかなと感じます。
ふくま:現在は組織規模が大きくなってきたので、アイデアを全社にいきなり提案するのではなく、上司に相談するといった、ある程度のフローは生まれてきていると思います。それでも「なぜやりたいのか」「その結果どうしたいのか」などロジックさえ考えられていればダメとは言われにくいですね。昔も今もその雰囲気は変わらずあるので、これがテテマーチらしさなんでしょうね。
岡本:テテマーチは役割や役職に関係なく手を挙げられる社風だなと思うんです。社内の取り組みでも日頃の仕事でも、誰も見て見ぬ振りしないから常に自分ごと化の意識を持って“テテマーチの一員”を担っているように感じます。
「SNS報奨金制度」の成り立ちや社員発案の取り組みについて、ふくま・岡本の声をご紹介しました。この記事の後半で少し触れられていた組織の雰囲気について、もう少しだけ詳しくお話したいところなのですが、今回は一旦ここまで。
次回の記事では、この記事の後編として社員発案の他の取り組みやテテマーチという風土について、人事部・下村佳世に話を聞いていきます。次の記事もぜひご覧ください!
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