「1000社の会社を設立し、社長を輩出する」
そんなビジョンのもと、Team Energy株式会社(以下、Team Energy)を創業した中村誠司氏(以下、中村)。
中村は25歳の時、新卒で入社した証券会社を退職し、たった一人でコスト削減コンサルティング事業を行う会社を創業。その後、様々な事業にチャレンジし、2003年に日本で初めてマンションの電力一括受電サービスを開始。その翌年に、中央電力株式会社(現・レジル株式会社)を設立し、売上高400億円を超える会社へと成長させた。
ところが48歳の時、新たに大きな挑戦に挑む。ここまでゼロから育て上げた中央電力の役職を自ら降り、世の中に1000人の社長と事業を生みだす決意をし、Team Energyを創業。
彼はなぜTeam Energyを創業し、世の中にたくさんの会社と社長を生み出そうと考えたのか。そして、社長たちに伝えたい思いとは。
「何度も失敗したっていいんです。私も数え切れないほどの失敗から学んで、今ここにいるんだから」
そのチャレンジ精神と、Team Energyや社長にかける思いを紐解く。
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[執筆・校正]
株式会社ストーリーテラーズ 平澤 歩
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何度も失敗を繰り返したからこそ、成長できた
私は25歳の時、新卒で入社した証券会社を退職し、コスト削減のコンサルティング会社を起業しました。途中で事業内容を変えながら、なんとか軌道に乗せようと努力したものの、売上がなかなか上がらなかったり、無知がゆえに誤った情報を信じてしまったりと、全くうまくいきませんでした。
数々の失敗を経験し、思うように事業を成長させられない中、独立して約10年後、マンションの電力一括受電事業のアイデアに辿り着き、「中央電力株式会社(現・レジル株式会社)」を設立。
社員と共に一致団結して努力を重ね、事業は波に乗り、売上高400億円を超える会社へ成長することができました。
しかし、事業が成長して組織が大きくなるに連れ、取引先も大企業が多くなって、規制が厳しくなり、「失敗は許されない」という守りの姿勢を取らざるを得ない環境に変わっていきました。
「自分は失敗を重ねてもその都度学んで這い上がり、会社を成長させてきた。失敗を恐れてチャレンジができないような環境では、イノベーションを起こすことはできない。
自分の今までの経験を活かして、そんな状況を変えるにはどうしたらよいのか…」
そこで、徹底的に自己分析を行い、自分の強み・弱みを把握し、たどり着いた自分の使命。それは、「ありのままの自分に合う組織を創ること」でした。
48歳となったこの頃には、「組織をもっと大きく成長させるためのメソッド」は理解していましたが、それがありのままの自分にフィットする組織とは限りません。また、そもそも私にとって、組織を大きくすることは経営の最大の目標ではありませんでした。
ありのままの自分に合う組織。それは、私自身が幾多の失敗を経験して、試行錯誤を繰り返した結果、事業を形にできたからこそ、失敗を恐れずにトライ&エラーを繰り返すことのできる場でした。
その思いを実現するために創業したのがTeam Energy。社長を目指す人が集まり、失敗を恐れずにチャレンジを続けてイノベーションに繋げる。そして、社長同士、成功も失敗も共有しあい、切磋琢磨しながら事業と社長が育っていく場でした。
未来の社長に大切にしてほしい心構え
こうして創業したTeam Energyの社長たち、そして未来の社長たちが事業を行っていくうえで、事業が成長せず、もがき苦しむこともあるでしょう。しかし、そんな中でも大切にしてほしい心構えが2つあります。
1つは「うまくいかなくても、社長である自分の軸はぶらさないこと」。
事業が思うように伸びないからといって、先頭を走る社長が目標を見失い、会社の理念や描く未来の軸をぶらしてしまっては、いつまでも事業は成長しません。
焦らずコツコツと着実に努力を重ねていけば、いつか事業が加速するときがやってきます。
そしてもう1つは「失敗しても諦めず、動きを止めないこと」です。
私も今まで、数千万円の損失を出したり、数億円の大赤字を出したりと、数え切れないほどの失敗を繰り返してきました。
しかし、その失敗を糧にし、手を変え品を変え工夫して、なんとか事業を軌道に乗せようと動きを止めることはありませんでした。そうしていると、そのときどきで自分を応援してくださる方に出会い、事業の成長が加速していったのです。
1000社の会社と社長を生み出す
Team Energyでは、ゆくゆくは1000社の会社と社長を生み出すことをめざしています。
それは「日本の活力を高めるため」です。
社長という存在は、いわば日本の宝、活力の源泉だと私は考えています。
それは、社長は「世の中をよりよくするために目標を持って、前進していこう!」というパワーがみなぎっているからです。そんな社長が全国にたくさん生み出せれば、日本はもっと元気になるに違いありません。
失敗したっていい。自分の信念を曲げず、失敗を糧にして、事業を成長させようとする動きを止めないこと。
この心構えを忘れず、Team Energyの場でこれからますます多くの社長たちが飛躍していくのを楽しみにしています。
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Team Energyに参画してくれる未来の社長たちの中にも、「事業に失敗できない」というプレッシャーに囚われてしまう人もいるかもしれない。しかし、中村もけっして順風満帆に事業を成長させてきたわけではなく、「失敗は成功のもと」という言葉の通り、数々の失敗と挫折を乗り越えて、世の中に新しい価値を生み出してきたのだ。
「失敗をおそれず、トライアンドエラーを繰り返し、イノベーションを起こしてほしい」と中村は未来の社長たちに期待を寄せている。
1000社と社長を生み出し、日本に活力を与えるための挑戦は、まだ始まったばかりだ。