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「営業は売る人ではなく、つくる人」。工数や時間をかけてでも、徹底的にお客様と向き合うスタイルを貫く理由

テレビCMの視聴データと購買データを組み合わせ、これまで可視化が困難だったテレビのCM売上増効果を可視化したプロダクト「TVAL(ティーバル)」や、今放送されているテレビ番組の視聴率の推移のグラフをスマホやPCで簡単に見ることができ、X(旧Twitter)への投稿もできるサービス「TVAL now(ティーバル ナウ)」を展開する株式会社スイッチメディア。本記事では、同社の事業を牽引するビジネス開発部を統括する前田にインタビューしました。

前田 遼介 執行役員 ビジネス開発部 部長
新卒で電通国際情報サービス入社、2013年リクルート住まいカンパニーへ入社し大手ハウスメーカー向けの営業マネージャー、その後、営業企画マネージャーを歴任。クラウド系インテグレータ企業にてSaaS事業の立ち上げ及び営業管掌役員として従事したのち、2021年スイッチメディア入社。現在は、広告主・放送局・広告会社など複数のステークホルダーに向け、マーケティングプランのコンサルティングを担う部隊を管掌

お客様の利益貢献をサポートするために、あらゆる手段・方法で可能性を探る

ー 今回、前田さんが統括されているビジネス開発部の概要や目指す未来について聞いていきたいと思います。

前田:ありがとうございます。私自身が採用プロセスに深くかかわる中で「まだまだスイッチメディアのリアルが伝わっていないな」と感じることが多々ありました。そこで今回は私たちが大事にしていることや、他のSaaS企業と何が違うのかをきちんとお伝えしたいと考えています。

ー 他のSaaS企業とは違うとは、具体的にはどのような点が違うのでしょうか。

前田:「お客様の売上、利益を上げる」ことにどこまでも本気だという点です。もちろん、世の中にあるどのSaaS企業もサービスを提供している以上、お客様の利益や工数削減といった価値提供を目指しているでしょうが、実態としてクライアントファーストを貫き通せている企業はごく少数だと感じています。

よくあるSaaS企業では、「The Model」を踏襲する営業プロセスを構築し、マーケティングやインサイドセールス、フィールドセールス、カスタマーサクセスがお客様への提案やナーチャリングを行うために最適化された組織になっています。既にある業務を効率化、自動化することで価値を提供しているようなSaaSであれば「The Model」のスタイルがマッチしているのだと思いますが、私たちはSaaSを活用して「現時点では業務として存在していない業務プロセスを創る」という領域に挑戦しています。顕在化していないお客様の課題を解決するにはプロダクトアウトのアプローチでは不十分であり、スイッチメディアでは従来のSaaSよりさらに踏み込んでお客様のために新たな業務を創り、伴走するところまでやり切っています。

既存の業務プロセスを改善するSaaSであれば、SaaS上にある機能をきちんと活用いただくことにフォーカスしたオンボーディングやフォローアップが軸となります。その一方で、現有機能だけでは解決できない、もう一段階深くまで踏み込んだ分析支援が求められる場合であっても、短期的な経済合理性を追求するが故に、顧客の本質的なサポート対応に時間を割かないケースや企業も多くあるのではと思っています。結果的に、本質的な課題の解決に向き合う機会が生まれないことで、プロダクトの進化のきっかけも逸してしまうのではないかと考えています。The Modelを踏襲してセールスやマーケティングにかかるコストを最小化し、今あるプロダクトでいかに効率良く受注するか、あるいは契約を解約せずに使い続けてもらうかだけに集中している企業が非常に多いことを、私自身強く危惧しています。

私たちのお客様となりえる企業はいわゆる誰もが知るナショナルクライアントや成長著しいメガベンチャーが多く、そのためプロダクトの質やお客様へのコミットメントなど、あらゆる点で一般的なSaaS企業とは一線を画す存在でなければ見向きもされません。さらに、業界全体が変化に対して必ずしも積極的ではない場合もあります。そのようなややもすると自浄作用が働きにくい環境でお客様と対峙しないといけません。

お客様からの信頼と実績を獲得するためにも、お客様の売上や利益向上のための業務プロセスを新たに創り出すことが必要です。、フロントである我々には、パフォーマンスを最大化するためにツールに必要な機能を見極めること、課題やニーズを吸い上げソリューションとして昇華させていくことが求められています。

ー 前田さんが入社した2021年当時から、スイッチメディアのビジネス開発部はそのような組織だったのでしょうか。

前田:いえ、そういったカルチャーはまだ十分に浸透していませんでした。当時私は「TVAL」の前身となるプロダクトを扱っていましたが、お客様にどのような価値を提供できるのかも曖昧で、お客様の業務プロセスについても不明瞭な点が多くありました。お客様の事業環境、、現状の業務プロセスを把握し、業務のボトルネックを解消する打ち手を考え、必要に応じて新たな業務プロセスを一緒に創る。お客様の意識を変えていく必要があり、そうした価値を提供できるチーム作りを進めてきました。

必要ならば新たなプロダクトを作るぐらいの本気さがないと、ナショナルクライアントは動かせない

ー 現在、スイッチメディアはお客様に対してどのようなチーム、役割で日々向き合っているのかお教えいただけますか。

前田:ビジネス開発部は「マーケテインググループ」「ビジネスコンサルティンググループ」「ソリューションコンサルティンググループ」という3つのグループによって構成されています。いずれのグループもテレビCMを出稿している広告主であったり、広告会社や放送局などが主なお客様です。

各グループが果たす主な機能や役割を挙げていきます。まず「マーケティンググループ」は、当社事業のメインターゲットがテレビCMを継続的に出稿しているナショナルクライアントになるため、BtoBマーケテイングの中でも業務の難易度が非常に高くなります。単純なWebマーケティングでのアプローチにとどまらず、ありとあらゆる手段を使って接点を獲りに行く姿勢が求められます。また、何度も繰り返しアプローチを続ける粘り強さも求められます。

「ビジネスコンサルティンググループ」や「ソリューションコンサルティンググループ」はナショナルクライアントを対象とした営業スタイルになるため、単に「TVAL」のコンセプトや使い方を説明するだけではなく、お客様のPL上の費用と売上の関係をきちんと把握することが求められます。加えて、正しいソリューションを提供するだけでなく、、各社の組織上の意思決定プロセスを解明し、さらに多対多でのコミュニケーションも使いながら様々なレイヤーの方とうまく接点を持つことで、お客様の売上や利益向上に繋がる目標設定と施策の決定を目指していきます。単なるツールを提供するだけではなく、常に変化する課題に対して適切な打ち手を提案し、コミュニケーションを取り続けることが重要なポジションです。

ー どのグループも非常に高難度なミッションを追いかけているのが分かりますね。

前田:いずれも非常に複雑な業務ですが、多くの手間やコストをかけてでもお客様の成果と信頼を得るために日々動いています。

例えば、マーケティンググループはクライアントとなりえる企業の開拓や接点づくり、認知獲得を行っており、リード獲得からナーチャリング、さらにはこうした活動を下支えするコンテンツマーケティングやブランディングまでを担っています。

直近ではマーケティンググループが主導して「TVAL」に関するセミナーを開催すると、200件以上ご応募をいただくことも。これはナショナルクライアントの中でも花王様やP&G様といった、マーケティング領域で非常に強みを発揮しているお客様が、私たちと一緒になって「TVAL」の良さや魅力を発信してくれるパートナーとなってくれているためです。テレビCMという特定の領域だけを扱う存在でありながらこれほどの集客力を誇るのは、広告主や広告会社、放送局などで私たちのサービス・ソリューションが大きな注目を集めているからに他なりません。

ー ビジネスコンサルティンググループはどのような役割を担っているのでしょうか。

前田:マーケティンググループが引き継いでくれたバトンを受け取り、お客様が抱える課題の本質を捉えた施策の提案を担当します。大切なのは単にツールをお渡しするという提案ではなく、お客様ごとに異なるマーケティング戦略やテーマと向き合い、スイッチメディアとして何ができるのかを模索すること。これらの課題に対して「TVAL」の導入提案と合わせてコンサルティングを行いながら、機能不全に陥りがちなマスマーケティングのPDCAサイクルを回すお客様の業務プロセスを見直し、新たに創るところから始まります。ときには、エンジニアチームと連携して新たなプロダクトを作り上げることすらあります。

あくまでも「TVAL」は単なるツールの1つであり、目標達成や戦略のために活用するものです。The Modelの営業スタイルであれば、ツールの提供価値を説明をして導入していただくことがゴールになりがちですが、前述の通り、テレビCMを取り巻く環境では業務プロセスが仕組み化されていないケースも珍しくなく、「TVAL」を導入する前段階、つまりお客様の目標達成のために必要なアクションプランは何か、その上で必要な打ち手は何か。「TVAL」の機能があればそこを起点にコンサルティングを実施し、そうでなければアドホックで対応するか、新たなサービスを創っていくかといったところからお客様と対話していくことになります。「TVAL」を導入するという手段が目的と入れ替わらないようにすることは強く意識しています。

ー ありがとうございます。そして受注したお客様と向き合うのがソリューションコンサルティンググループかと思いますが、どのような役割や性質があるのでしょうか。

前田:正直に言って、世の中にあるカスタマーサクセスとは一線を画すほど、業務における目標やミッションの難易度は高い組織だと考えています。

例えば、ある広告主のテレビCMの出稿量や出稿時期と消費者の購入行動にはどのような相関があるのかを分析し、今後のテレビCM出稿プランを検討するようなプロジェクトがあるとします。まずこの分析自体が非常に複雑なものですが、様々な確度から情報を整理し、相関を見出すことができれば、その分析結果をもとにテレビCMの出稿を最適化することを目指し、時には放送局や広告会社も巻き込みながら目標達成に向けたアクションを取ることになります。

「TVAL」を導入していただいているお客様は、何かしら現状からより良いアウトプットを出そうとしている方々ばかりである一方、業界全体で変化に対して必ずしも積極的ではないケースもままあります。お客様のマインドセットを変えるため背中を押すだけではなく、時には他社事例などを持ち出しながら、彼らの気持ちを引き上げるような多少の強引さが求められる場面もあります。ナショナルクライアントという巨大な山を動かすために、強い覚悟とコミットメントが必要になりますが、難易度が高い分、お客様の本質に踏み込むことができ、その先に見える景色は当社だからこそ見えるものだと思います。

ロジカルさと情熱を併せ持った人が集まるスイッチメディアが、テレビCM業界を変えていく

ー 各グループが担う役割をお聞きしてきましたが、前田さんから見てスイッチメディアで活躍している人たちの共通点は何かありますか。

前田:論理的な思考力と、自らモノやコトに向き合える姿勢の2つだと考えています。自身も経験してきましたが、昨今の一般的な営業スタイルは時間や手間を極力減らす、タイムパフォーマンスを重視するあまり、お客様の課題や本質に向き合わず「このお客様は自分たちには合わないから次にいこう」と早々に判断してしまいがちです。一方でこうしたスタイルをとっていながら「お客様に貢献する」といったメッセージを打ち出している点に、私は強い違和感を覚えてます。

会社が用意したプロダクトと、仕様書やカタログを持ってお客様先に出向き、自社プロダクトの紹介や御用聞きに終止するだけでは、本来の営業の役割を果たしきれていないと考えています。お客様から寄せられる要望に対して通常のプロダクトだけでは満足いくアウトプットを返せないとなった場合には、データサイエンティストをはじめ会社全体で解決できる方策を一緒に考えるといったアクションを取れるかどうか。あるいは、お客様から「こういうことがしたい」と言われた時に、その言葉をただ鵜呑みにするのではなく、それが本当にお客様のためになるのかを考え、本質的な目的ややるべきこととの乖離があるのであれば、きちんと提言できるかどうかが、営業の価値だと考えています。

ー 前田さんの考える営業にとって重要な要素とは何でしょうか。

前田:マニュアルやルールに縛られるのではなく、目の前にいるお客様の課題や戦略に合わせて、さらに必要であれば課題自体を新たに定義して提案内容やアクションを考え、本当の意味でお客様に価値を提供するために汗をかく。短期的な経済合理性だけを見れば非常に非効率です。しかし、これこそが営業の本質だと信じています。

そして、私は営業を「売る仕事」ではなく「創る仕事」だと捉えています。錚々たるナショナルクライアントに対してスイッチメディアが介在することで生まれる価値を創ることが営業の意義だと考えています。価値の中にはお客様の課題や戦略テーマを創ること、ソリューションを創ること、新たなプロダクトを創ること、そしてステークホルダーとの強固な信頼関係を創ることも含まれています。様々な場面で「創る」ことを求められるのがスイッチメディアです。

2023年に提供開始した「CMセールスインパクト」は、まさにこうした「創る」の集大成の1つだと言えます。テレビCMの視聴データと購買データをシングルソース(※同一のモニター)から取得しているスイッチメディアのデータ基盤を活かし、「テレビCMによって自社商品がどれだけ購入されたのか」を検証可能にしました。「テレビCMが本当に売上に効いているのか」というマーケティング領域における大きな課題に対して、週単位のCM効果の可視化やキャンペーン単位でのテレビCM費用対効果などを分析できるようにしたこの事例は、まさにスイッチメディアらしい「創る」が凝縮したものでした。

ー 前田さんが考えるスイッチメディアで働く魅力や醍醐味を挙げていただくとすると何があるでしょうか。

前田:お陰様でスイッチメディアの存在が業界内で広く知られるようになってきているのも、「創る仕事」ができる資質を持った人材が増えてきているからだと感じます。お客様からの要望やアイデアを開発の現場に届け、一緒にプロトタイプを作り、お客様に見てもらいながらフィードバックを受け、自分たちの武器になるまで磨き続けていくという開発サイクルがきちんと回り出した頃から、チームとしてのパフォーマンスはまた一段階上がったという実感があります。彼らと一緒に働くことは営業やマーケティングとしてとても刺激的で、学びも多いはずです。

お客様が事業を営む上でどこにペインが潜んでいて、そのペインを可視化、具体化して解決のための糸口を一緒に探し出していくという姿勢が、スイッチメディアのプロダクトをより良いものに育ててくれましたし、安易な値引き競争に走らなくても良い独自性のある、魅力的なプロダクトに繋がっています。その上で、こちらが狙った通りの成果が出た時の嬉しさはとてつもなく大きいですし、まさに自分の仕事として誇れるものになるはずです。

文字通り日本を代表するナショナルクライアントや、広告会社、放送局といったプレイヤーと日々相対する仕事は、この規模のベンチャー企業ではあまり経験できないのかなと思います。この業界の中にいる方々以外には変化は感じにくいかもしれませんが、テレビCMを取り巻く環境や価値観は間違いなく変化し続けています。その変化を生み出す中心にいるのが自分たちであるという自負がありますので、刺激的な環境を求めている方がもしいらっしゃれば、ぜひスイッチメディアにジョインしていただいて一緒に変化を創っていきましょう。

いかがだったでしょうか。テレビCMを取り巻くビジネス環境において、確かな存在感を発揮しているスイッチメディア。各部門で活躍する3名の女性マネージャーに関するインタビュー記事も別途公開予定です。

そしてスイッチメディアでは一緒に働く仲間を随時募集しています!ご興味がある方はぜひお気軽にエントリーください。


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