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キャリアチェンジをとことんサポートーー現場で支えるフィールドコンサルタントの使命

「雇用創出を実現するプロフェッショナルであり続ける」という経営理念を掲げ、人材アウトソーシングサービスを全国展開する株式会社エスプールヒューマンソリューションズ。「新しい職種へのチャレンジも、現場でのサポートがあればスムーズにできる」みずからの経験を礎に、社長・香川健志が新たなビジョンを語ります。

世の中の動きを肌で感じたい 建設業界から人材コンサルの道へ

         ▲エスプールヒューマンソリューションズ 社長 香川健志

幼少期に同居していた祖父母の家の建て替えを経験した香川。それを機に古いものを新しいものに替えるワクワク感が忘れられず、ものをつくるということに興味を持つようになりました。大学は関西にある工学部に入学し、つくるなら大きなものがいいと土木学科を専攻しました。

しかし、在学中の1995年、阪神・淡路大震災が発生。高速道路がポテッと倒れた光景を目の当たりにし、言葉を失いました。なぜこんなに大きなものが簡単に壊れるのだろう、なぜ街のシンボリックなものが人の命を奪うのだろう――。

それから、壊れないものをつくることに社会的意義を感じた香川は、耐震研究室に進んだ後、建設コンサルタント会社に就職。トンネルや橋梁の設計に携わることになりました。

しかし香川が就職した1998年当時、世の中ではバブルが崩壊し、景気は悪化の一途を辿っていました。公共事業をおこなう土木業界、建設業界に対しても、風当たりは厳しいものになっていきました。

香川 「そんな世の中で、『社会のために頑張っている割には社会から認められていないじゃないか』みたいな閉塞感はありました。このまま続けていけば土木や地震については詳しくなるかもしれないけれど、世の中の動きにはまったくついていけない。そんな状況に焦りを感じていました」

当時は「プロフェッショナル」「ゼネラリスト」という言葉が流行っていました。「なんかゼネラリストって楽しそうだな、幅広い分野を知っているっていいな」そう感じたことが、香川が新たな業界にチャレンジする第一歩となりました。

失敗したらクビ……試練に直面したコールセンターでの常駐任務

             ▲入社当初の香川(左上)社内ゴルフコンペにて

転職活動をはじめた香川は、登録した転職サイトで「人材コンサルタント」の募集をたまたま目にします。

香川 「 “人材 ”という言葉に何となく興味が湧いて。当時、建設コンサルタントのプロフェッショナルってほとんど事務所にいて、事務所で計算したり設計したり報告書をつくったりしていたんです。
年に数回、発注元の国や道路公団、大学の先生と話すくらいで、割とクローズドな世界だったので、人が出会うきっかけとか、人に関わる部分に興味が出てきたんです」

せっかく転職するなら、やりがいのある仕事をしたいし、給料もできるだけ欲しい。あわよくば社長になれたら。でも起業もしてみたい……。といったさまざまな思いが、胸に湧き上がっていました。

香川 「当時のエスプールは創業 3年目のまったく無名な会社。それでも、同世代の社員が支店長を任され活躍していることを知り、衝撃を受けたことを今でも覚えています。そんなエスプールで、私も若いうちから責任のある仕事を任されたいと思いました」

そして2002年、エスプールへ入社。

当時のエスプールは物流倉庫への派遣を主として、全国に支店展開をしていました。

まず同期入社した4人で、物流会社へ新規営業をおこなうことになりました。横浜に住んでいた香川は大黒エリア担当として、7月の炎天下、大汗をかきながら飛び込み営業をしていました。同期がひとり、またひとりと契約を取ってくるなか、香川だけまったく結果が出ません。

香川 「今思い返せば、ただの頭でっかちなコンサルタントだったんです。説明さえすれば納得してもらえるだろう、という感じで。まったく売れなかったですね」

1カ月後、ついに契約が0件なのは香川ひとりとなりました。そんな時、別部署でコールセンターの大型受注が決定しました。一般消費者向けにADSLの営業電話をかけるコールセンター60席。スタートは3日後。その案件の受注条件は、「現場に社員を常駐させること」でした。

香川 「突然、支店に社長がやって来たんです。その時初めてお会いしたんですけど『お前か、営業とれないのは』って言われて……(笑)。その場で、3日後から社員としてコールセンターに行くことが決まりました。『ここで失敗したらクビだからな』と言われました」

クライアントの機会損失をカバーし、どん底から“社長賞”受賞へ

▲2018年12月に行われた年間MVP表彰式 FC社員による現場改善コンテスト「WIN-WIN CUP」は第8回目をむかえました

言われるがまま現場に行ったはいいものの、物流の飛び込み営業をしていた香川にとって、コールセンターや派遣に関する知識は皆無でした。

勤務初日、60席に対し出勤してきた派遣スタッフは55名。「はじまったばかりですけど大丈夫ですか?」5名の欠勤を出してしまったことで、先方の担当者にひどく怒られました。さらに翌日、60席に対し出勤してきたスタッフは30名。なんと、30席分の穴を空けることになってしまったのです。

その日の勤務終了後、上司とともに謝罪に行くと、先方の社員は深夜にも関わらず総出で仕事をしていました。それもすべて、派遣スタッフの欠勤により、人手が足りないせい――。

たまらず香川は支店に向かい、朝まで登録スタッフに電話をかけ続けました。それでも翌日も、その翌日も、60席は埋まりません。

香川 「そんな日が続く中で、『先方は何でこんなに怒っているのかな?』というのが疑問でした。確かに人がいない分仕事は増えるかもしれないけど、仕方ないよね、来ないんだからって……。
でもよく考えると、アウトバンドセンターというのは、席が空いていて電話機が余っているだけで機会損失なんですよ。朝、業務がスタートした時点で負け戦。だから席が空いていることが最大の悪だって、今思えば当たり前なのですが、その時に気がついたんです」

クライアントにとっての機会損失を理解してからは、どうすれば解決できるかと頭を切り替えました。まずおこなったのが「待機スタッフを準備する」ということでした。

当時から、待機スタッフをつけている案件はありました。支店に待機させ、欠員が出たら代わりに出勤してもらう。当日欠勤がなかったら、待機費用として一定額を支払うという仕組みです。

しかし、アウトバンドセンターにとっては、朝、スタートした瞬間が重要です。そこで、待機スタッフを支店待機ではなく、現場待機に変えてみました。

香川 「当時、同じ現場に 8社の派遣会社が入っていたのですが、どこも毎日 1割くらいは欠勤がでていました。それに対し、うちは研修を受けた派遣スタッフが今すぐに仕事をはじめられる状態で待機しています。
そうなると『ちょっと相談させてもらっていいですか?』と派遣先から声をかけられるようになって。他社の欠勤分をうちの待機スタッフで埋めることによって、いつの間にか 60席の契約が、 65席や 70席分の売上を出すようになりました」

そうしてクライアントの信頼を勝ち取った香川は、派遣スタッフからリーダーを選出して組織化することで派遣スタッフの声を吸上げたり、スタッフの成績に応じた表彰制度の導入やシフト回収のルールを設定したり、クライアントと派遣スタッフの本質的な課題を見極め、解決策を次々に考案していきました。

結果として、センター増床の際にはクライアントから真っ先に声が掛かりました。シェアナンバーワンを獲得し、ついに社長賞を受賞しました。

FCのミッションは仲間を増やすこと 社長就任以降も変わらぬ現場への想い

それから香川は、さまざまな現場の改善や支店の建て直しに携わりました。支店長として、2年連続で赤字を出していた支店を売上、利益ともに全国1位に導き、2度目の社長賞を受賞しました。

香川 「実は最初、現場に入ることに抵抗がありました。同年代で支店長をしている人がいる一方で、自分は違うラインに行かされて……。でも現場を経験したおかげでお客さんと同じ目線で話せるようになりました。
それで、オーダーももらえるようになりました。派遣というものが分かっただけでなく、クライアントが本当に求めているものが何か、派遣スタッフが何を重視するのかが分かったのは、やはり現場だったのです」

2008年、派遣部門は「株式会社エスプールヒューマンソリューションズ」として子会社化され、香川は経営管理と営業部門の責任者に就任しました。しかし、当時は今ほど現場の人材不足が顕在化しておらず、会社として現場社員がフォーカスされることはありませんでした。

転機は2014年、香川の副社長就任のタイミングで訪れます。

香川 「この頃から徐々に現場では人材不足が叫ばれはじめ、近い将来、必ず現場のコンサルテーションニーズが高まると確信しました。当時も 20〜30名程度は現場に社員がいましたが、僕が副社長になったタイミングで『現場社員がうちの強みであり、絶対に増やしていく』と決めたんです。
その組織化によってクライアントと派遣スタッフの満足度を上げていきたい、その想いは僕の現場経験がもとになっています」

たとえば、人材不足が続くコールセンターでは、SV(スーパーバイザー)が数字を追い、スタッフを育成し、イレギュラー対応を担います。しかし、すべてを完璧におこなうことはできません。

優先されるのは数字とイレギュラー対応で、もっとも時間のかかる育成が疎かになるのは、どこの現場でも現実に起きている問題です。その結果、せっかく入った人が辞めていく。なぜなら、サポートが不十分だから。

未経験の人や、キャリアチェンジをした人にとって、採用後のサポートはとても重要な意味を持ちます。だからこそ、人材が活躍できる環境や仕組みをつくるプロフェッショナルとして、スタッフの一番近くで共に働く社員を「フィールドコンサルタント(現場型コンサルタント)社員」と名づけ、現場に送り込むことを決めました。

香川の戦略は見事時代の流れとマッチし、エスプールヒューマンソリューションズは2期連続で売上130%超を達成しました。その功績が認められ、副社長就任からわずか2年で社長に任命されます。

2019年現在も、積極的にFC(フィールドコンサルタント)社員の強化を進め、今では2014年当時の10倍もの人数にのぼります。しかし単純に「現場に社員がたくさんいればいい」というわけではありません。香川は、FC社員のミッションは「仲間を増やすこと」だと言います。

香川 「ありがたいことに、 SVや責任者などの経験がある優秀な方も FC社員として活躍しています。しかし、 FC社員に求めているのは、現場でイレギュラー報告をすることでも SVになることでもありません。そのことを顧客にも社員にも、分かってもらうのにとても苦労しました。
分かりやすく伝えるために『仲間を増やすこと』を FC社員のミッションとしています。どうすれば仲間になってくれるか?どうすれば仲間が辞めずに頑張れるのか?を深いところまで考えて工夫してほしいのです」

仲間を増やすには、まずお客さんに選ばれなくてはいけない。お客さんに選ばれるためには、お客さんが何に困っていて、何を必要としていて、自分たちに何ができるかを突き詰めて考えなくてはなりません。

香川 「僕が本当にやりたいのは、キャリアチェンジをスムーズにできる世の中にすることです。新しい職種へのチャレンジをスムーズに。人材紹介のようにきっかけをつくるだけではなく、その先に訪れるであろう苦労までを含めてサポートしていきたいのです」

「未経験だけどチャレンジしたい」そんな人たちの想いに寄り添い、背中を押すだけでなく、活躍できる人材に育てていく――。それが、社長となった香川健志が目指す人材アウトソーシングサービスであり、エスプールヒューマンソリューションズの信念です。

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