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女性従業員の道しるべになりたい──初の女性執行役員が語る働く場づくりへの想い

2021年6月、エスプールヒューマンソリューションズに初の女性執行役員が誕生した。 それは同時に経営管理部門における初の執行役員でもあった。スタッフとしてエスプールに入社し、執行役員となった大山 美由紀の軌跡と抱いている想いを紹介する。

「プロフェッショナルになりたい」──派遣スタッフから始まったエスプール

エスプールヒューマンソリューションズが、エスプールグループから分社化したのは2009年のこと。

その当時から経営管理部門で務めてきたのが、エスプールヒューマンソリューションズで2021年6月から執行役員を務める大山だ。

大山は7月現在、経営管理部長としてエスプールヒューマンソリューションズの経営管理部門の中核を担っている。

経営管理部は、社内のコンプライアンス面から、派遣スタッフの募集掲載、ツールやシステムの導入、社員研修や社内コンテストの実施といった経営企画的な役割まで、幅広い役割を受け持っている部署だ。

そんな経営管理部で活躍する大山の原点は幼少期の夢にあった。

何かのプロフェッショナルになりたい──。

小さいころからそう考えていた大山は、プロのヘアメイクを目指し、高校卒業後に、美容系専門学校へ進学する。しかし、技術的にもっと力をつけたいと考えた大山は卒業後にもう一度ヘアメイクの学校に通うことを決意した。

そうした中で、大山はエスプールと出会うことになる。専門学校の学費を稼ぐために始めたアルバイトの一つが、当時創業間もない、エスプールでの派遣スタッフだったのだ。

大山 「スタッフとして数回働いたあとすぐに就職したので、しばらくはエスプールとは縁がありませんでした。その後やりたい仕事が見つかり、以前の職場から退職したのですが、希望していた就職先の面接まで期間があったんです。それで、お金を稼ぐために繋ぎとして派遣スタッフに戻ったのが、エスプールと再会するきっかけでした」

その後、就職を希望していたアパレル会社に落ちたことで、エスプールで派遣スタッフとして1年半働くことになる。

だが、この1年半が大山の人生を大きく変えた。

大山 「当時派遣先だった製造系の会社の方から、『うちの社員にならない?』とお声がけいただいたんです。それを当時の支店長だった荒井(エスプール取締役)に相談してみました。そしたら、ちょうど支店でも人員の不足があり『コーディネーターをしてみないか』とお声がけいただいて。そうして、アルバイト採用されたのが始まりでしたね」

大山はその後、正社員となり、エスプールでさまざまなポジションを経験することになる。

会社からの期待に応えたい。多くのポジション打診をすべて断らなかった理由

                 ▲管理センターでの大山の様子

入社してから1か月で今度はフィールドコンサルタント(以下、FC)と呼ばれる、現場常駐でスタッフを取りまとめるリーダー職を打診された。

大山 「『1か月くらい現場に行って、落ち着いたらまたもどってくればいいから』と、結構軽い感じで打診されたので、引き受けたら翌日から現場勤務って感じでした。そこから私のFC人生は始まりました。当初は1か月って言われてたのに、気づけば1年半経っていましたね(笑)」

しかし、大山はこのFCと呼ばれる現場での1年半の経験が、自身のキャリアの中で最も刺激的だったと語る。

大山 「当時いた現場って、交通の便も悪くて給料も高いわけではありませんでした。そんな現場でも、日々スタッフさんは来てくれて。やっぱり決まったスタッフさんが何回も来てくれた方が教える手間が省けたり、どんどんチームになっていって生産性が上がったりするなあって思ったんです。そしたら、いかにこの立地の悪い現場にレギュラーとして通ってくれるかをすごい考えるようになりました。お昼を一緒に取ったり、コミュニケーションをいつも以上にとったり、どうしたらうちの現場を魅力的に思ってくれるか考えていました。このチームビルディングの経験は本当に役立ちましたね。自分がマネージャーとなって組織を束ねるところにも通じている気がします」

FCを1年半続けたところで、当時直属の上司だった香川(エスプールヒューマンソリューションズ 社長)に、今度は支店の業務担当のポジションを打診された。

打診されたポジションが、大山がスタッフ時代に慕っていた内勤社員の方の後任だったこともあり、引き受けた大山は支店で業務担当として働くようになった。

さらに、その半年後には本部で各支店の業務担当を束ねる業務管理センターに異動となる。本部では各支店の業務担当を取りまとめたり、人事部として中途採用や研修担当をしたりと様々な職種を経験してきた。

そして異動して1年も経たないころ、業務管理センター長への打診があり、センター長となった。

大山 「色々なポジションを打診されたんですけど、断ったことはないですね。会社が自分のことを買ってくれたのかなとか、それまでの私の仕事に対する評価の現れなのかなとか、頼りにされてるってことなのかなって思えてくるんです。だから、期待に応えたいじゃないですけど、自分のやれることならやりますというスタンスでした。そしたら、結局全部『わかりました、やります』で来ちゃいましたね(笑)」

役職者になることに二の足を踏んでいた大山を動かした、社長からの言葉

  ▲エスプールヒューマンソリューションズアワードにて業務推進室のメンバーとの一枚(一番右が大山)

さまざまなポジションを渡り歩いてきた大山だが、振り返ると、「元々、役員や管理者には興味がなかった」と言う。

それは、大山が、何かのプロフェッショナルとして自分の実力を基に収入を得たいと考えていたからでもあり、人を束ねることに対して荷が重いと感じているからでもあった。

しかし、そんな二の足を踏んでいた大山を動かしたのは、社長香川の言葉だった。

大山 「香川から『すでに役職者がやる仕事をやっているし、マネージャーになってもやっていることは変わらない。だから、ちゃんと責任を持ってそういうポジションに立った方が自分のためにもいいんじゃないの』って言われたことがあるんですよね。そこから、誰かに影響力を与えたり発言力を持ったりするなら、役職があった方がいいのかなって考えるようになりました。それで、その時はじめて『わかりました、やります』って言いましたね(笑)」

そうして、マネージャーとして役職についた大山は、その地位が自分の中で最大だと思っていた。

そんな彼女が役員になることを意識し始めたのは、当時のエスプールヒューマンソリューションズの中期計画の中にあった、「女性役員の登用」の一文だった。

大山 「最初は漠然と、『誰がなるんだろうな』って感じでした。でも、当時の5人の役員は全員男性で、しかも営業部隊とか直接数字を作っている部門の人たちだったんです。そんな中で、女性且つ経営管理部門で役員になる人がいたら、何か新しい風が吹くのかなって思う部分もあって 。それが今うちで働く女性従業員の刺激になって、上を目指してみようかなって思ってもらえたら嬉しいなって思い始めました」

そう思い始めた大山は当時、業務推進室長。「自身が今のポジションに居続けることで、部下が上のポジションになれないのではないか」という考えも頭にあったと言う。

しばらくの間、自分の中で葛藤はあったものの、その思いが徐々に強くなってきたこともありその後のMBO面談で大山は、女性役員への想いを香川に打ち明けた。

大山 「想いを打ち明けた時、香川は『よくぞ言ってくれた』と言って、その時に役員の内示を頂きました。そのMBOの時は、まさか役員になる話まで進むとは思ってませんでした(笑)」

「女性従業員の道しるべになりたい」──大山自身が役員として活躍する意味

      ▲エスプールヒューマンソリューションズ執行役員全員での1枚(写真左から2番目が大山)

大山の所属する経営管理部は、直接売上を作っている部署ではない。だからこそ、大山には考えていることがある。

大山 「経営管理部門として営業部など直接的に数字を作る部門の支援をし、他社に負けないような企業価値を高める取り組みをしていきたいと考えています。そのためにも役員として、社員の教育制度を考えたり、ツールやシステムの導入で生産性をあげたり様々な取り組みを考え、『より会社のために』すべきことをしていきたいです」

また、役員陣は誰でも、自社に入った人には、どのような結果になるにしろ「この会社に入ってよかった」と思ってほしいと考えるだろう。

大山は、尊敬できる人がいればそのマインドはポジティブなものに変わると考えている。そこにも、大山自身が役員になった大きな意味がある。

役員になって1か月が過ぎた今、大山が目指す姿とは。

大山 「女性従業員の目標、道しるべになっていけたらいいなと思っています。もちろん色々な価値観はあると思うんですけど、私が役員であることの重要性はそこにもあると思っているんです。女性でも、リーダーとか役職者とかの道があることを示していくために、女性従業員に対してのあり方とか、スタンスみたいなものは信念をもって取り組んでいきたいと思っています」

エスプールヒューマンソリューションズ初の経営管理部門の女性役員が誕生して1ヶ月。

女性の活躍が叫ばれるこの時代において、彼女の強い信念は、これから会社に新しい風を巻き起こすだろう。

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