月1回のブログは大井町の秘湯『おふろの王様』で書くことがルーティンになりつつあります。SOELUのショウです。
2018年、経営目線の意思決定として、主に何に投資してきたか振り返っていきたいと思います。
CTOとCMOの参画
この一年はSOELUの有料会員数がYonYで10倍以上の成長、月次ChrunRateが一桁台前半(通常のフィットネスジム・スタジオはもとより、SaaSと比べても遜色ない高水準です)に改善されたりと、課題はありつつも、事業KPI上でも大きくグロースしました。
しかし、それ以上に会社にとって大きな前進となった出来事は、安心して背中を預けられるCTOとCMOを仲間に迎え入れたことです。
それまで、創業当初からCOO白土を中心に「大胆に、ミニマムに仮説検証する」「超高速でPDCAを回す」文化がケイパビリティとしてあったものの、技術力・マーケティング力は、お恥ずかしながら素人に毛が生えた程度でした。しかし「ToC向け健康領域」でIPOを目指す以上、アマチュアレベルの技術力とマーケティング力では強い競合が現れた時に太刀打ちできないことは目に見えてました。
競争優位の状態であり続けるには、早期から模倣困難なアセットを積み上げていく必要あり、それを高いレベルで実現できるCTO片岡とCMO小林がこの早いタイミングで参画したのは僥倖でした。
二人が加わったことで、会社資産となる模倣困難性の強い優位性を3つ、2018年内に仕込めました。
ブランドへの投資
一つ目は、サービス名やロゴ等表面上のリブランディングだけでなく、資料ベースで100ページ以上に及ぶ世界観、VI/BI、UX、ブランド提供価値定義を含む総合的なブランド戦略の策定。
ブランド戦略の策定は、サービス名がFITRAからSOELUに変わっただけではなく、対外的にはユーザーに対して、社内的ではデザイン・開発・マーケティング・CS・オペレーション等、全メンバーに対して一本のブレない軸を示せたと思います。
勿論ブランド戦略は徹底できなければ、無駄な投資になります。活かすも殺すも経営陣のコミットと、市場環境変化や事業フェーズに合わせてブランド戦略を変更する柔軟性を持てるかにかかっていますが、今のチームなら、きっとやり切れると信じています。
技術への投資
二つ目は、SOELUが提供するコアな体験であるLIVEレッスンシステムの内製化です。配信システムの内製化(=zoom脱却)は、事業のスケーラビリティを考慮する上で以下の3点の理由から避けて通れない選択でした。
<1>お値ごろなプライシングを実現するためにLIVEレッスンは複数人向けにする必要があったが、同時にユーザーはプライベート(顔・部屋等)をインストラクター以外に見られたくないというニーズを満たすため。
<2>満足するおうちフィットネス体験を実現する上で、必要不可欠な要素であるBGMを、LIVEレッスンでも高音質で流せる状態にするため。
<3>持続的な品質改善目的で、インストラクター・ユーザー双方のレッスン中の諸データを収拾するため。
詳細は省きますが、この<1>~<3>を実現することは機能的価値の向上であると同時に、SOELUが実現したい情緒的価値、ひいては自己実現価値をユーザーに提供するために必要不可欠であり、早期に実現できたのは大きなアドバンテージになりました。
チーム文化への投資
(上記はカルチャー刷新の社内説明の際に使用した資料の一部です)
三つ目は、チーム文化です。
2018年の夏まで、私は「人材は市場相場からみて安く抑えるのが自分の仕事」「CVRが上がるなら安売り訴求のキャンペーンはどんどん打つべし」という価値観を持った残念な経営者でした。
この価値観は、短期的に見れば数字が良くなりやすいですが、あらゆる側面で「デフレ」のような状態を引き起こし、長期的に見ると誰もハッピーにならないと反省しました。(ちなみに気づかせてくれたのもCTOとCMOです。ありがとう。)
特に人材面でやりがい搾取して人件費を安く抑える考え方は、ドーピングにも似た諸刃の剣であり、メンバーのやる気は長続きしません。また事業でいえば、安さを強みにすればその分価格競争に陥りやすい。この価値観のまま経営していては、事業とチームの成長はすぐに限界が来る可能性が非常に高いと気づかされました。
そこで人材面ではNETFLIX社のCulterDeckのエッセンスを取り入れた「自由を愛し、同時に責任を果たせるハイパフォーマーが集まる」チーム文化に刷新し、その一貫でOKRを導入。役員も背中を見せる形で文化刷新にコミットしました。責任を果たせたメンバーは賞賛・評価し、権限をどんどん委譲していきました。チーム規模がまだ10名前後のタイミングでもこのカルチャーを染み付かせるのはとても難しく、まだまだ課題も多いですが、来年も引き続き挑戦して人材濃度を引き上げていきたいと思います。
後者の安売りは、マーケターとして下策です。その状態から早く脱出するためのブランド戦略やマーケティング戦略を2019年以降実行することで、少しずつ改善していきます。
さいごに
preシリーズA調達後は主要KPIのモメンタムをつくりつつ、当社では中長期目線で会社の優位性になるブランド・技術・チーム文化にいち早く投資を始めました。
時価総額数百億円のIPO、そしてその先の1000億円、2000億円を目指すために、マーケット選定の次に大事なのが優位性・勝ち筋の見極めだと思います。そこを見誤らないよう、常に経営チーム+株主と密にディスカッションしつつ、今後も強かで靭やかな意思決定を心がけていきます。
追伸:1年前の優位性に対する考え方はだいぶフワフワしてました(懺悔)
仲間募集
早期からブランド・技術・チーム文化に積極的に投資するスタートアップは国内ではそこまで多くないと思いますが、年度明けの4月から、これらの素地ができてる状態で次のステージを迎える予定です。当社に興味のある方はぜひお茶なりランチにいきましょう!^^
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COOとCMOからも色々ブログ書いてるので興味あったらぜひ見てくださいね!