皆さん、こんにちは!
Skyland Venturesのよんくろう ( @yonkuro_awesome )です。
今回はこのnoteを通じ、少しぼくの話をさせてください。
公務員、動画クリエイター、そしてベンチャーキャピタリスト(以下、VC)…。
一見するとバラバラに見えるぼくのキャリアですが、ぼくの中には一貫した「軸」がありました。
それは、「変化を求め、新しい体験に飛び込むこと」。
そしていま、ぼくが最も熱を注いでいるのが「Web3」の世界です。
今日はそんなぼくがどうやってVCになり、なぜWeb3に魅了されたのか。皆さんに包み隠さずお話しながら、少しでもキャリアのヒントにつながったり、新しい挑戦に前向きになったりしてもらえると嬉しいです。
<プロフィール>
よんくろう ( X : @yonkuro_awesome )
<経歴>
・大学院を卒業後、保育士として地元の岡山県で地方公務員として働き始める。
・2021年1月、YouTubeが普及し、誰もがカメラを手に動画を作れる時代が来るのを感じ、未経験から動画クリエイターとなるために動画系スタートアップのTranSeへジョイン
・2022年初頭から「Web3」が登場し、これまでのインターネットのあり方を大きく変える、新しいパラダイムシフトだと直感
・2022年4月 Skyland Venturesが「Web3ファンドを立ち上げる」という投稿を見てすぐに連絡。動画クリエイターとして入社し、今では国内外のWeb3 スタートアップに投資を行うベンチャーキャピタリストVCへ
CryptoLandくりぷとらんど(https://m.youtube.com/@gmjapancrypto)
<SkylandVenturesとは>
Skyland Venturesは、起業初期の「シード期」と呼ばれるフェーズにあるスタートアップへ投資するベンチャーキャピタルです。これまでに日本国内を中心に約200社へ出資しています。
目次
安定を捨て、未知の世界へ飛び込んだ30代。とにかく変化を求めた
心を奪われた「Web3」。そして飛び込んだVCの世界
Web3によって「金融がより自由になる」。たくさんの事例を見てきたからこその確信
VCの仕事は「変化を求める」欲求を常に満たしてくれる
チャンスは常に「変化の最先端」にこそある
安定を捨て、未知の世界へ飛び込んだ30代。とにかく変化を求めた
今ではVCとしてスタートアップへの投資を行なっていますが、最初のキャリアは意外なところからスタートしました。大学院を卒業後、地元の岡山県で「保育士」として働き始めたんです。地方公務員として安定した環境で、日々子どもたちと向き合っていました。
なぜ保育士だったかというと、実は両親が教員ということもあり、漠然と教育や子どもへの支援という分野に興味があったためです。
実際、実習で3歳から5歳の子どもたちと過ごす中、その純粋さや成長に触れることが本当に楽しくて。一緒に鬼ごっこしたり、工作したり、遊びを通して社会のルールを学んでいく子どもたちを見ていると、「こんなにハッピーな仕事はない」と心から思いました。
公務員としての保育士は、安定した職業でした。でも働きながらも、どこかで「このままでいいのかな?」という漠然とした疑問を抱き始めたんです。
決められたレールの上を歩むことや、年功序列で退職金が約束された安定した未来に、物足りなさを感じていました。もっと「自分のために挑戦したい」「自分のために生きたい」という強い衝動が、ぼくを突き動かし始めたんです。
そこから、ぼくの「変化を求める」欲が、強くなっていったと思います。保育士を辞めた後、広告業界、トヨタ系部品工場など、さまざまな場所で働きました。今振り返ると、どれも新しい体験を求めていたんだと思います。
そんな中で出会ったのが、「動画」でした。
YouTubeが台頭し始め、誰もがカメラを手に動画を作れる時代が来るのを感じました。これはチャンスだと直感し、未経験ながらも動画クリエイターの世界に飛び込んだんです。
最初はアシスタントとして、給料はいらないから動画制作の現場をやらせて欲しいと、飛び込み営業みたいなことをして、荷物運びからスタートしました。
その時に出会った会社が、とても若いチームで、いわゆるスタートアップでした。彼らと一緒の動画制作の現場は、希望に満ちていて、本当に刺激的だったんです。
「あこがれから学びへ」をコンセプトに動画コンテンツ配信事業を手がけた
スタートアップ TranSe のメンバーと。
このとき、初めて「スタートアップ」というカルチャーに触れた瞬間でした。公務員や大企業での経験もあったぼくにとって、スタートアップは衝撃でした。
「常に挑戦している」
「成功すれば、とてつもない利益を生み出し、会社が急成長する可能性がある」
大企業のように決められたルーティンをこなすのではなく、常に生きるか死ぬかの状況で結果を追い求める。その分、結果が出たときの喜びやチャンスは計り知れない。すごくオープンな雰囲気で、みんなが同じ目標に向かって突き進んでいく。
その企業文化が、ぼくにはすごく心地よかったんです。
これまでの人生で感じていた「変化を起こしたい」という思いが、スタートアップという場所で一気に加速しました。
そして、動画制作という自分の「武器」を手に入れました。フリーランスとして生きていけるくらいのスキルは身についたと思います。
でも、ぼくの探求心はそこで止まりませんでした。
心を奪われた「Web3」。そして飛び込んだVCの世界
常に新しい領域、時代の転換点にチャンスがあると感じていたぼくは、次に現れた「Web3」という領域に、ふたたび心を奪われたんです。
当時、Web3は、ブロックチェーン技術を活用した分散型ネットワークを指して使われる言葉。SNSなどのプラットフォーム上で、相互に情報発信ができる「Web2」の次の概念として注目されていました。
詳細な説明は省きますが、2022〜2023年頃から「Web3」という言葉を耳にするようになり、これまでのインターネットのあり方を大きく変える、新しいパラダイムシフトだと直感しました。
居ても立っても居られなくなって、ぼくはすぐに前職のスタートアップを辞め、Web3の領域で何かしたいと決意しました。
とはいえ、やることははっきりと決まっておらず、好奇心からの行動でした…。
そんななか、ぼくが以前勤めていたスタートアップの投資家だったSkyland Venturesの代表・木下さん(@kinoshitay ) が、SNSで「Web3ファンドを立ち上げる」と投稿しているのを見たんです。「これは!」と思い、すぐに連絡して「Web3に興味があるので、何かやりたいです」と伝えました。
これが、SVに入社するきっかけです。
当時のぼくにとって、VCという世界に飛び込むことはとても「レアな体験」だと思いました。
東京の有名大学を出ているわけでもないぼくが、VCになれるチャンス。起業することも考えていましたが、それよりも「VCとして多様な領域に携わる」という体験はすごく魅力的に映ったんです。
最初は、Skyland Venturesに動画クリエイターとして入社しました。まわりの認識も「動画の人」だったと思います。
でも、Skyland VenturesがWeb3ファンドをやるという話だったので、ぼくのWeb3への興味は理解してもらっていました。
そんななか、入社してすぐに大きな転機が訪れました。
2022年6月「NFT NYC」と言う当時のWeb3を代表するスタートアップイベントが開催され、参加できることになりました。
ニューヨークへの出張で、初めての海外、しかもWeb3の最先端の地を訪れる機会を得たのです。
NYのタイムズスクエアで、NFT NYCの参加者と集合写真。
手前でカメラを抱えているのがぼくです。
英語はまったく話せませんでしたが、とにかくカメラを回し、現地のムーブメントを肌で感じました。
「日本だけにとどまっていると得られる経験や情報に限りがある」
この経験で、ぼくは「英語を本気でやらなきゃ」と思いました。そこからは、オンライン英会話を2年間続け、外国人との会話の経験も積みました。
それでも英語の習得は、一朝一夕にはいきませんでした。海外のカンファレンスに参加するときはカメラを持ち、事前に台本を準備してインタビューする形式でコネクションを広げるなど、英語ができなくても、自分の伝えたいことをどうやって伝えられるかを必死で考えて取り組みました。
そういった積み重ねもあり、動画クリエイターから国内のWeb3関連のスタートアップへの投資、そして海外のスタートアップへの投資に携わるようになりました。
Web3や海外でもっといろいろな経験をしたいという好奇心が原動力でしたが、結果としてVCで投資するという道に辿り着いたんです。
Web3の投資先や海外の大型プロジェクトリーダーが一同に介したイベント「svconnect」での集合写真。
svconnectについてはこちらの記事でも紹介しています。
Token2049にて、共同投資家とスピーカーセッション。
テーマは「ビットコインの未来について」。
Web3によって「金融がより自由になる」。たくさんの事例を見てきたからこその確信
さまざまな経験を積む3年間の中で、ぼくの中でWeb3に対する「仮説」が明確になってきました。
それは、「Web3は、(基盤となる技術である)ブロックチェーンによって、金融市場を民主化する」ことです。
Web3という言葉が大きく注目されていた時は、クリエイターエコノミーやゲーム、新しい組織のあり方など、さまざまな可能性が語られてきました。ぼくも当初は、いろいろな可能性に考えを巡らせていました。
しかし実際に投資活動を行い、情報収集を重ねる中で、Web3の世界で本当にうまくいっているのは「DeFi(=分散型金融)」の領域だと気づいたんです。
最初の革新は、「インターネット上で、個人同士が直接お金を取引する」というものです。ビットコインから誕生しました。
DeFiとは、この技術を応用して、利用者が銀行などの金融機関を介さず、ブロックチェーン技術を利用して金融サービスを直接利用する仕組みです。
本来、お金の貸し借りや送金などは、銀行など金融機関の許可を得る必要がありますよね。でも、ブロックチェーン技術を用いた仮想通貨なら、誰の許可も、承認も必要なく、お金のやり取りができるようになるんです。これが、すごいんです。
また、金融の世界では、これまで軽視されがちだった「小口」や「リテール(一般投資家)」といった個人が、対等に投資機会を得られるようになると確信しています。まさに「インターネットキャピタル」と呼ぶにふさわしい、新しい金融のかたちが普及し始めました。
インターネットが「テレビをYouTube」に、「小売店をAmazon」に進化させてきたように、Web3はインターネットの技術で、銀行や投資などの金融インフラ、サービスを、より自由で身近な存在に進化させていくと考えています。
日常への影響についてもう少し例を挙げると、ステーブルコインと決済を活用することで、海外旅行のときの両替で発生する為替手数料などがなくなります。
円をドルに両替するとき、本来であれば1万円の価値があるのに、ドルに両替すると、手数料のせいで数パーセントの手数料が取られる。一方でステーブルコインという新しいお金が普及すれば、いま所有している1万円をほとんど1万円の価値のまま、海外でも使えるようになるんです。
また、「新しい金融商品が登場する」という可能性も秘めています。
例えば、アニメや漫画のような日本の強みであるクリエイティブコンテンツの権利を、金融商品として多くの人が所有し、立ち上げ期から応援できる仕組みが生まれるかもしれません。
いままで一部の大人たちが独占していた権利を、ファンが分散的に所有できるようになる。Web3の技術を使えば、より多様なかたちでクリエイターを支援し、その成長の恩恵を共有できる世界が訪れるかもしれません。
VCの仕事は「変化を求める」欲求を常に満たしてくれる
公務員、動画クリエイター、そしてVC。ぼくのキャリアは、常に「変化」を求めてきました。
1つのことを長く続けるのは苦手というのもありますが、興味を持ったことはとことんやりたいタイプなんです。
なかでもSkyland Venturesで行うVCの仕事は、「変化を求める」という根本の欲求を常に満たしてくれるものです。
VCは、日々新しい起業家と出会い、彼らが描く未来の可能性に触れることができます。1つの事業にコミットする起業家とは異なり、さまざまな領域やアプローチを俯瞰して見ることができるのが、VCの醍醐味です。
常に新しい刺激があり、この「飽きない」環境こそが、ぼくを突き動かす原動力になっています。
VCとして、ぼくたちは預かったお金を増やすという目標をもちろん持っています。
でも、それだけではありません。
新しい世の中の変革、パラダイムシフトに対して投資を行いながら、自分が得たインサイトも共有することで、スタートアップが成功する可能性に貢献したいんです。そして、圧倒的な成功を収めるスタートアップが出てきたら、ぼく自身も最高にハッピーです。
さらに、これまで培ってきた経験も、VCの仕事に大きく活かされています。
特に動画制作のスキルは、人とつながる上で非常に役立っています。ハッカソンやカンファレンスの動画を制作したことで、多くの起業家や関係者にぼく自身を知ってもらうきっかけになりました。
2023年4月に開催されたETH Global Tokyolの様子。
最近ではYouTubeチャンネルも本格的に運営し始めています。
CryptoLandくりぷとらんどビットコインから始まった、あたらしい金融。注目している人は増えてきましたが、まだまだ、普及途上。資産運用にとっても大きなチyoutube.com
ぼくにとって「メディアを持つ」ことは、自分の取り組みにレバレッジをかけ、多くの人とつながるための重要な手段なんです。
ぼくが尊敬する起業家・投資家のナヴァル・ラヴィカントも、重要な手段は「コードを書くか、メディアを持つか」と言っており、ぼくは動画というメディアを持つことを選択したわけです。
チャンスは常に「変化の最先端」にこそある
Web3は常に変化し続けています。
3ヶ月に1回は新しいムーブメントが起こると言っても過言ではありません。そしていま、Web3に加えて「AI」の進化も目覚ましいですよね。特に生成AIは、毎週のように新しいアップデートがある状況です。
これまでのインターネットの技術は、ある程度成熟していました。
でも、Web3やAIのような新しいテクノロジーは、まだ混沌としています。
何が正解か、誰にも分からない。だからこそ、そこに大きなチャンスがあるんです。つまり、早く正解にたどり着いた者が、先行者利益を獲得する。これは、ものすごいリターンを生む可能性があります。
だからこそ、興味をもったら「新しいテクノロジーに、おじけづかずに飛び込んで欲しい」と思っています。
新しいテクノロジーという変化の最先端に身を置くことで、そこにしかないチャンスを掴むことができます。うまくいかないこともたくさんあるでしょう。でも、うまくいったときのインパクトは計り知れません。
ぼくはこれからも、変化の最先端に身を置き、新しい体験を追求し続けていきたいと思っています。
その点、Skyland Venturesはまさにそんな「新しいことに挑戦したい」という情熱を持った若者を応援するVCです。
ぼく自身がそうだったように、たとえ投資の経験がなくても、固定観念にとらわれず、新しいプロジェクトに前向きに取り組める仲間が集まっています。
もし皆さんも変化を求める気持ちや、新しいテクノロジーへの好奇心があるなら、ぜひぼくたちの仲間になって欲しいと思っています。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!