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工場の衰退を止め、既存の業界構造を変えたい
もともとサッカーをやっていて、大学卒業後は実業団に進みました。このままサッカーでいくか、まったく違う業界に進むかで悩んだ時期に、ずっと好きだったファッションへの興味を生かしたいと思ってアパレル業界を選びました。
どうせならナンバーワンのところで働きたいと、世界有数のスペシャリティストアとして知られるセレクトショップに就職しました。そこでファッションの歴史や接客の基礎を学ぶうちに、業界構造そのものや、生産の現場への探求心が生まれましたね。実際に国内の縫製工場にもお伺いし、その正確で素早い仕事ぶりを見て感動したのと同時に、洋服の国内生産が自分の想像以上に落ち込んでいることを知ってショックを受けました。
そんな折に、その産業課題を何とか盛り立てようとしているITベンチャーとしてシタテルの社名を知ったんです。業界のねじれの中心にいて、それを何とかしたいと思っていた自分にとって、既存の構造をドラスティックに変えていけるかもしれないというのは大きな魅力でした。
顧客の真の課題を深堀し、独自の解決策を提示
シタテルではファッションの専門知識の高いクライアント方や工場の方と仕事をするので、これまでの販売やトレンドに関する知識に加え、衣服生産に関する専門的で幅広い知識が必要になりました。これまでアパレル系の仕事をしていたとはいえ、ゼロから勉強する毎日でしたね。また、営業の仕方にも工夫が必要でした。「自分たちはこういう作り方をしてきた」「業界ではこれが普通」など、これまでのやり方にこだわる業界特有の考え方もあって、「衣服生産のプラットフォームをやってます」と自分たちのサービスを正面から提案するスタイルでは受け入れてもらえません。
なんのためのサービスなのか、なにをめざしているのかといことを丁寧に説明して、社会的な問題意識が高くて国内縫製にこだわっているブランドさんなどとのお付き合いを開拓していきました。いまは、お客様が抱えている課題の根がどこにあるのか仮設を立て、深堀することを意識していますね。真の課題が見つかれば、シタテルにしかできないスペシャリティを提供し、課題解決につなげることができるからです。
前職のセレクトショップから顧客層を広げて売上を伸ばしたいという話を聞いたときは、シタテルの一気通貫の生産スキームを提供するだけでなく個人のネットワークを使って海外で活躍するデザイナーをアサインし、さらにローンチイベントまで企画することでインパクトあるコンテンツを提供することができました。こうしたオンリーワンでダイナミックな提案をできる会社は他にはないと思いますね。
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多様な職種が調和し共存する。それがシタテルの強みの一つ
シタテルでは、アパレルだけでなくエンジニアやデザイナーなどさまざま職種の人が働いていますが、違いを認めて調和し、共存しているのが非常に良いと思っています。業界を変えるにあたって、アパレル業界以外の考え方や視点があることは大きな強みですね。
これから入社する人にも、アパレル業界にこだわらず、ファッションを通じて何かを仕掛けていきたいというような意欲をもっていてほしいですね。個人的には、洋服を作るというところを中心に置きながら、そのほかのクリエイティブな部分とか、作る場所とかをトータルインキュベーションできるようなサービスを提供していきたいと思っています。安くすれば売れる、というような昔ながらの考え方が未だに根強く残っている業界ですが、私たちが真のスペシャリティを提供することができれば、つくったものを最終的に使う消費者のことを考えたものづくりができるのではないでしょうか。
シタテルにはたくさんの武器があります。適した場所で適した使い方をして、業界にイノベーションを起こしていきたいですね。