こんにちは!佐川です。前回Wantedlyのストーリーで執筆したのは2021年4月でした。2021年12月末日、帰省する新幹線の車内で自分の約9か月間の振り返りをしてみようと思います。
このストーリーの概要
- 2021年の振り返り
- まず、何をやっていたか。
- カスタマーサクセスの0→1
- やってよかったこと
- 2021年の反省点
- さらに先へ。いまの課題と今後の取組
- 2022年個人的に達成したいこと
- カスタマーサクセスのインターン生を募集します!
1. 2021年の振り返り
前回の記事で「今年度やりたいこと」をインターン生と一緒に駆け抜けることと宣言していました。結論から申し上げると今は6名のインターン生は全員卒業してしまい、個人的に「やりたいこと」を継続することができませんでした。では、何をやっていたか。今年度の自身の立ち振る舞いの反省と自己評価を書き記します。
何をやっていたか。
Vertical SaaSのカスタマーサクセスの立ち上げをしていました。
展開しているサービスは、我々が培ってきたホテルの現場のノウハウや知見を活かしながら開発した、顧客と継続的に繋がることができるという公式LINEの拡張サービスです。
(詳しくは募集ページやサービスサイト(https://tuna-cloud.jp/hotel/)を見てください!)
新卒からホテル事業部の統括を任せていただき、現場のマネージャー、支配人、スタッフ、経営層、不動産オーナー会社の間に立って、マーケティングや管理業務をはじめ日々直面する課題の改善のために奮闘していました。そんな経験を土台に、現在は他企業のホテルマネージャー・支配人様と伴走し、宿泊客にとってより良い体験価値とは何かを突き詰める支援をしています。業界構造を理解し、何が問題なのかを逆算して多角的に考えられるかがCSでは重要になってくるのですが、それがとても面白いです。
一方社内では、 クライアントのニーズを取りまとめてプロダクト開発チームへフィードバックするなど、顧客中心文化を作るために開発チームとCS、営業、ホテルオペレーションチームと連携するということにも取り組んでいます。
カスタマーサクセスの0→1
そもそもカスタマーサクセスとは、プロダクトを長期的に利用してもらうために文字通り「顧客の成功」を支援する取り組みや考え方です。
まず「顧客の成功」とは何かを定義し、提供すべき機能や体験、コミュニケーションを考え、達成指標を追います。一つの部署では完結せず、営業やマーケティング、プロダクト開発など企業全体で向き合う理念のことをカスタマーサクセス(CS)と呼びます。
サブスク型ビジネスは、毎月の売り上げは少額でも、それが数年にわたって積みあがることで利益を生み出す仕組みになっています。どんなに使いやすいサービスも、顧客が期待した成果を達成できなければ使い続けてもらえません。
顧客に「価値のあるサービスだ」と思わせ続けサービスの解約を防ぐことがCSの重要ミッションとされています。商品やサービスの選択肢が増え、顧客が他社サービスに乗り換えやすくなった昨今、「いかにして顧客に使い続けてもらうか」という視点が重要となっています。
そしてその視点に欠かせないのが、顧客の本質的なニーズを理解し、そのニーズを実現する「カスタマーサクセス」の考え方です。そして、カスタマーサクセスに強い企業は、事業が安定し収益のさらなる向上が見込めます。
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堂々と書いてみましたが、白状すると、私自身はCSの役割や存在意義についてはほとんど理解していませんでした。SaaS事業に関わる前まで「『カスタマーサポート』と何が違うの、、?」レベルの理解でした。お恥ずかしい。
そんな中でしたが、2021年の夏頃に「まずやってみよう!」の精神でCSチームを立ち上げることになり、ホテル事業の諸々を葵ちゃんに引き継ぎました。
まずやったこと
CSとしてのミッションをいただいた時にまずはインプットの量を増やしました。CSのポジショニング、KPIの在り方、オンボーディングの在り方など、書籍やSaaS企業で働く方のnote記事から学ぶことは多かったです。
夜にインプット→翌日アウトプットしてみるというサイクルを実践できてよかったです。本を読んで終わりにするのではなく、読後にアウトプットをすることで得られるリターンは10倍にも20倍にもなります。身につけた情報を活用し実践するサイクルができたので、2022年はインプットの量を増やして、1週間に3冊ペースを目指します。少しずつ...
今年読んだ本の例
CSバイブル
- カスタマーサクセスとは何か―日本企業にこそ必要な「これからの顧客との付き合い方」
- THE MODE
- L(MarkeZine BOOKS) マーケティング・インサイドセールス・営業・カスタマーサクセスの共業プロセス
- カスタマーサクセス――サブスクリプション時代に求められる「顧客の成功」10の原則
- リーン・スタートアップ
- ネット・プロモーター経営 〈顧客ロイヤルティ指標 NPS〉 で「利益ある成長」を実現する
- サブスクリプション――「顧客の成功」が収益を生む新時代のビジネスモデル etc..
その他
- 戦略フレームワークの思考法
- 入門 考える技術・書く技術――日本人のロジカルシンキング実践法
- 頭がよくなる「図解思考」の技術
- 経営者になるためのノート
- 最高のリーダーは2分で決める
- ザッポス伝説2.0 ハピネス・ドリブン・カンパニー
- 仮説思考 BCG流 問題発見・解決の発想法
- イシューからはじめよ──知的生産の「シンプルな本質」 etc…
2022年はCSチームの体制を構築し働きやすい環境づくりを進めるとともに、クライアントが「成功」を実感していただけるよう、さらにはクライアントの先にいらっしゃるエンドユーザー(宿泊客)の体験の向上にも寄与できるよう、組織力をアップしていきたいと思います。
やってよかったこと
開発、CS、営業、ホテルオペレーションチームとの連携をスムーズにし、そのコミュニケーションにおいてそれぞれのストレスを軽減することを自分の中での重要ミッションとして位置付けました。
その取り組みの中で作成してみたのが、バグ報告や改善要望のコミュニケーションの活性化を目的としたSlackワークフローの作成です。
・エンジニア側は現場からの曖昧な報告では再現性がなく不具合の本質がわからない
・オペレーション側はエンジニアの仕事がわからないので適切な報告の仕方がわからない
・営業やCSは最前線でクライアントから多くの質問をいただくが、個人によって知識にばらつきがあり回答できないことがある
・開発側への改善要望が溢れているが、開発リソース的に対応が難しいことが増えていた
など、役割や視点が異なるからこそコミュニケーションの摩擦が頻発していました。
そこで、理解の平準化を図ることとスムーズな連携を実現できるように報告や要望、知識の共有などをフォーマット化しました。
Slackで上げられた報告は自動的にスプレッドシートにストックされ、最終的にはエンジニアが使用しているタスク管理ツール「Trello」まで自動で連携されるように仕込みました。
これらの取り組みによって、それぞれの立場で業務上抱える心理的ストレスの軽減に少しでも寄与できていたら良いなと思います。
以上はCSチームの立ち上げでやってきたことの一部ではありますが、今回のプロジェクトではこれまで数回経験してきたホテルの立ち上げ業務の中で発生した失敗を繰り返さないように日々頭を使い、コミュニケーションコストを削減することと、自身のアウトプットを早く多く共有することを大切にして行動できました。
CSという職種は歴史が短くまだまだこれから確立されていく職種ですが、SaaSビジネスにおいて超重要なポジションです。CSが追うのはお客様の成功だけでなく、それにより当然ながら組織としての成功にも貢献することができることに魅力を感じます。
2021年の反省点
前回の記事で反省した、「丸投げ」と「任せる」は違うということを念頭にホテル業務の引き継ぎを行いましたが、自分が今まで「なんとなく」「その場その場の対応」でやっていたことが何度も見つかり、感覚で引き継いだり指示してしまうことがあったということが大きな反省です。
業務引き継ぎに当たって表面化した課題は、現場スタッフとのコミュニケーションや、経営層とのやりとりにおいて注意している点などを日頃から言語化できていなかったということがベースにあったと思います。自分の取り組みや思いを社内に向けて発信し続ける、言語化するために日頃からどんなことも「なぜ?」を突き詰めて真剣に考え抜くということはとても重要だと改めて感じました。
さらに先へ。いまの課題と今後の取組
現在は当社がこれまでワンチームで取り組んできたベストプラクティスを他社展開できるよう仕組み化を進めているところです。クライアントそれぞれの課題に合わせて運用を構築するロードマップを作成することが目下の重要タスクです。
今後は顧客が増えるとともにCS組織もどんどん拡大していきます。自分の業務をこなすだけでなくチームとして機能していけるよう、業務内容の可視化や、フロー化・マニュアル化の量と質を追い求めていこうと思います。
2022年は初めてのプロジェクトが本格的に始動します。新しい挑戦はワクワクしますが、初心を忘れないよう通常業務を疎かにせず、日常の社内外のコミュニケーションを活発にすることを引き続き大切にしながら行動したいと思います。
2. 2022年個人的に達成したいこと
- 現在CSとして伴走させていただいている数社に、GoToキャンペーン開始までにサービス導入の効果を実感してもらうこと
- 社員同士がお互いのスキルやノウハウなどを共有しやすい環境を作り、タテやヨコ、ナナメの関係性を深めることによって組織力を高めること
- 7garden初のHCJ(国際ホテル・レストラン・ショー:https://jma-hcj.com/)への出展を成功させること
- 同じ方向に向かって全力疾走できるインターン生と出会うこと
- 筋肉をつける!(ジムに週3行くこと!!)
それぞれのKPIを共有し、年明けからまた走り抜きたいと思います。
3. カスタマーサクセスのインターン生を募集します!
半年間ほどインターン枠はクローズしていましたが、有難いことにサービスの導入企業が順調に増えてきており、この度CSチームにてインターンポジションをオープンすることとなりました!
私は2018年6月にインターンでジョインし現在(2021年12月時点)3年半経過しますが、これまでさまざまな仕事を経験させていただきました。
※ざっくり7ardenでの経歴
- 2018年:ホステル2棟と飲食2店舗の立ち上げ(オペレーション部隊)+フロントエンドの勉強
2019年:東京3拠点のマーケティング + ホテル1棟の立ち上げ(マーケ・人事周り) - 2020年(新卒1年目):ホテル4拠点の統括 +ホテル1棟の立ち上げ(PM)
- 2021年(新卒2年目):ホテル4拠点の統括 +SaaS事業のCS立ち上げ
インターンの時期にオペレーション業務で培った現場感を持ちながら新卒ではコーポレート系業務を行い、現在ではコーポレート業務で得た知見やインターン時代のプログラミングの学習経験をSaaS事業に生かしています。全ての経験が今の仕事に繋がっていて、早くに経営視点を持たせてもらえたことや、幅広い領域の業務を経験させていただいたことに感謝しています。
前回記事でも同じことを書きましたが、「今自分に降りかかる全ての事象は、 過去の自分の行動の結果であることを受け止めます」7gardenの行動指針の中で自分が特に大切にしている項目です。良いことも悪いことも全てこの通りだと思っています。自分が起こした過ちは自分の責任ですし、成果も自分の過去の行動の結果です。(もちろん周りの方の支えがあってのことです!)
あの時、大学の専攻単位を賭けながらも目の前の仕事にがむしゃらになれた経験が今の自分を作っていると自信を持って言えます。※ 学業を優先/両立するのが正解。両立できる能力はなかった...
顧客価値を高めるためであれば、失敗しても良いからどんなことでも挑戦を尊重してくれる社風と、業務を一任して自由にやらせてもらえたおかげで、2021年もたくさんの経験を積むことができました。
ベンチャー企業は日々試行錯誤です。一人ひとりの行動と発言が社風や企業文化に大きな影響を及ぼします。「自分自身の行動と発言が社風を作り上げる」そんな経験は今しかできない、貴重な時間だと強く思います。この経験は自信に繋がり、キャリアにおいてプラスになると確信しています。
結果を出す人(行動力のある人)とは、意思決定力のある人。成長する人は自身で意思決定した人。
7gardenでは経営に必要な様々な要素を経験することができ、挑戦を続ける人には意思決定の機会を与えてくれます。
学生時代は周りが大企業を目指す雰囲気の中で軌道に乗らずベンチャーに就職を決めるのは迷いがありました。ただどの企業にもメリットデメリットは存在しますので、最終的には自分で決めた道を自分自身で正解にしていけば良いと今は思っています。ベンチャー勤めの一つの観点からしか話すことができませんが、私自身にとってはインターンで早くから経験を積めたことは、早くから経営視点で物事を考える癖ができたという点で非常に有意義でした。
ベンチャー企業の表向きなメリットとして、経験できる業務の幅が広い/自分で意思決定を早く多くできる/仕事にオーナーシップを持てる/企業文化や事業を主体的に作り上げる楽しさがある/経営層と距離が近く活発な意見交換ができる/会社とともに成長するのが実感できる、などなど言われることがありますがw、逆に言うとキャリアステップを踏まえた人事制度や教育制度、メンター、福利厚生といったサポート要素は期待できません。包み隠さず言えば社内制度に関しては整備をしていく過程なので、不満を感じてしまう方も多くいらっしゃると思います。自ら考えて自ら事業を動かすことを通して成長していくので、積極的に仕事に取り組んでいくことができれば成長速度を上げていける可能性があるのは確かです。何が言いたいかというと、それをモノにするのもしないのも結局は自分次第だと考えます。
能動的に動いて貪欲に知識を吸収していく人が活躍できる"環境"があります。
CSのインターンでは、 「課題解決能力」「ディレクション能力」等を身に付ける"機会"があります。
学生だから、インターンだから、といって壁は全くありません。社員追い越しウェルカムです!
長くなりましたが、最後に、、
ベンチャーは常に死を背にした戦いの連続なので、意思決定と一人ひとりの行動が非常に重要です。
自分のやったことが会社の成長、ひいては業界の成長へ影響を与える可能性があることに面白みを感じる方は、ぜひ飛び込んで来てください!
さあ、この記事を公開する頃には2022年です。
2022年、7gardenで一緒にチャレンジをしてみませんか?