- 26年新卒総合職
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※インタビューアーは広報部の鈴木です。
デジタルアーキビスト※ の資格を保有する赤土さん。
高校時代に観た「劇団四季 オペラ座の怪人」の舞台装置に魅了されて美大の門を叩いた赤土さんは、大学卒業後も美術業界一筋で働いてきました。
そんな赤土さんが、なぜデジタルアーカイブに興味を持ったのか?
また、デジタルアーキビストを取得するまでに至ったのか?
見た目からして人当たりも柔らかく、穏やかな印象ですが、記事を読み終えるころには、赤土さんが一貫性のある熱い想いに溢れた人物でもあることがわかるはずです!
赤土さんの過去~現在、これから挑戦したい・実現したいことについて話してもらいました。
※デジタルアーキビストとは・・・
様々な資料(絵画・彫刻・古文書などの文化財、書類・書籍など)の特徴を理解をしたうえで「代替史料としてのデジタルデータ作成」「史料にアクセスできる環境の改善」「史料を活用するための基盤作り」「デジタルデータの活用・運用」などデジタルアーカイブに関する専門知識を保有していることを証明する資格。組織が保有する史料のつながりを構築することで、その史料自体が持つ情報以上の価値を形成することがデジタルアーカイブの使命であると考えています。
名前:赤土 翔一(あかど しょういち)
入社時期:2020年〜
卒業区分:学部卒
学部:映像演劇学部
出身地:宮城(その後、大阪・埼玉で学生時代を過ごす)
趣味:古本屋めぐり、旅行、美術館やギャラリーに行く
支える・発信する側を経験したから見えたデジタルアーキビストとしての道
ー 現在の仕事について教えてください
制作として案件の校正出し・テキスト化、最近だと学術論文関係でLaTex(ラテック:学術論文のような複雑な数式を含む文書を作成するために開発された言語)を仕様した案件も担当したりしていますが、アート案件の管理業務を主に行っています。
最近は、社内でデジタルアーカイブの新たな可能性を探りながらシゴトもしているし、自分のやりたいことにも挑戦できているのでやりがいもあります!
ー 過去の経歴を教えてください
高校生の時に鑑賞した「オペラ座の怪人(劇団四季)」の舞台装置の壮大さに衝撃を受け、美大に進み、舞台装置や制作について学びました。
卒業後は、歌舞伎の世界に飛び込み舞台装置を作るシゴトに4年ほど従事。
その後はアートを発信する側に行きたくて、総合商社にて企業ギャラリーの運営に携わりました。
企業ギャラリー運営でも、様々な作品に触れさせていただきましたが、次第にデジタルアーカイブに関心を持つようになり、(以前の会社)在籍中にデジタルアーキビストの資格を取得しました。
資格取得後に誠勝を見つけて、今に至ります。
ー 誠勝への転職の決め手は何だったのでしょうか?
デジタルアーカイブ事業に、本腰を入れて取り組もうとしている姿勢に共感しました。
アートや歴史ある文化の保存・学術や企業の情報保存にも積極的に取り組んでいたし、スキャナーも当時から様々な種類があり、より広い領域でデジタルアーキビストとしてもチャレンジできる環境だったので、自分の方向性としても合致していました。
「一回性で終わらせたくない」「もったいない」デジタルアーキビスト取得の理由
ー デジタルアーキビストの資格取得に至った理由を教えて下さい。
デジタルアーキビストを取得しようと思ったのは、前職の企業ギャラリーのときです。
当時はアートを通じてSDGsや社会課題など発信する、様々なテーマの展覧会に携わっていました。
しかし、どんなに有意義な展覧会も、開催期間が終わってしまうと情報にアクセスできなくなってしまう現状に「もったいないな」と思っていたんです。
展覧会の企画意図や作品たち、伝えたいメッセージや情報も終わってしまうと埋もれていってしまう。この貴重な情報を保存して伝え続けられる形がないものか。
その問題を解決できる手段を模索して、たどり着いた答えが「デジタルアーキビスト」でした。
ー 誠勝に転職してデジタルアーキビストの知識は活かせていますか?
そうですね。デジタルアーキビストの資格取得講座では
・デジタルアーカイブのデータが公開されるまでの工程
・活用事例の紹介
・世界共通の規格
・著作権や肖像権まわりの権利関係
・作品(仏像、彫刻、壺など)をどうやって撮影するのか、実際の公開事例
・文化を保存、継承するためのアプローチ手法
などを学ぶので、今の誠勝ではデータ品質やコンプライアンス関係で役立つ場面が多いです。
しかし、デジタルアーキビストの資格取得講座では、データが公開される前のデジタライズな領域であるスキャナーを使用した実務は科目に無いので、誠勝に入社してから実際にスキャンや加工をしてみて「こんなに手がかかるんだ」と思いました。
文書や絵画にしても色味の違い・原本の傾き・スキャンミスによる撮り直しもあったりするので、思っていた以上に正確性が求められます。
ー 実際にスキャンする側になって苦戦したことはありますか?
色味や品質の調整ですかね。
入社してから沢山のアート作品のスキャンにも携わらせていただいてますが、お客様とスキャン作業者のクオリティの認識の違いでやり直しになったこともありました。
実際に「もっと黒を落としてほしい」「ここの発色を良くしてほしい」などの声をいただいたこともあります。
それらの経験から「規格としては正しいから大丈夫だと思っていても、お客様としてはNGな場合もある」ということを知りましたね。頭でっかちになっていたことを実感しました。
ー 印象的だった思い出はありますか?
スキャンの再現が難しいアート作品のスキャンで、お客様にご満足いただけたときは嬉しかったですね。
その作品は金泥や金箔が散りばめられた複雑な作品でした。
金銀などの光沢のある素材を含む作品のスキャンは光の反射で再現が難しいのですが、デジタルアーキビストとしての視点があったからこそ上手くスキャンすることができました。
最終納品物をお渡ししたときに、お客様の喜ばれてるお顔を見たときは自信に繋がりましたね!
あとは、やっぱりリピートしていただけると嬉しいです。
リピートいただくということは、満足いただいている証だと思うので、これからも高品質なサービスを心がけていきます!
(プリンターのメンテナンス、用紙補充中の赤土さん)
デジタルアーカイブの可能性を広げる。より良い鑑賞体験を届けたい
ー 赤土さんがこれからチャレンジしたいことを教えて下さい。
やっていきたい・やってみたいことは3つあります。
1.企業のデジタルアーカイブにも取り組んでいきたいです。
これまでもアートだけでなく、たくさんの企業の書類には携わってきましたが、周年誌や企業全体のデジタルアーカイブには挑戦できていません。今の時点ではデジタルアーカイブとしての観点が先行してしまっているので、ファイリングマネジメントやレコードマネジメントなどより広い視点を持ち、日々学びながらできることの幅を拡げていきたいと思います。
2.市区町村の観光と絡めたデジタルアーカイブにも挑戦したい
単に文化財やアートをデータ保存するだけがデジタルアーカイブでは無いと思うので、これからも活用においてより良いご提案ができるよう、様々な視点から可能性の道を模索していきます。
3.アート作品を買ってみたい(プライベート)
これだけアート作品にも携わってきましたが、まだアート作品を買った経験がないので、実際に買ってみたいです。
鑑賞することだけでなく、保有すること・コレクションすることから見えてくるアート作品とのかかわり方なども知っていけたらと思ってます。
ー 赤土さん個人はどんな社会を作っていきたいですか?
アートを含めそれぞれの文化に対して「私(たち)の文化」を育むことのできる社会を作って
いきたいです。
美術館やギャラリーなどアート作品と鑑賞者、作家とコレクターをつなぐ場はありますが、
アートや文化の「いま」を育む環境といわれるとどこか物足りなさを感じています。
そもそも、アートは作家の意図する結果とは異なる、人の感じ方に依存してしまう「未定形」
な部分があると思います。
それはそれぞれが抱える背景が異なるため解釈に差異が生じるものであり、そうした多様性を
内包しているからこそアートには魅力を感じています。
昨今は、絵画や彫刻、オブジェなど形をもった作品は、ブロックチェーンなどで管理され、作
品の来歴管理や収益の還元など作家や作品の持続性といった点で良い方向に向かっていると感
じています。
しかし、表現の方法や対象に向き合うスタンスも多岐に広がる現代においては、作品として残
らないタイプの作品も数多くある。
そうした作品も含め、作品やイベントを撮影し記録をするだけでなく、われわれが過ごしてい
る「いま」をどのように残すか、いまを生きているからこそ感じることをアーカイブを通じて
育み、後世に繋げていける環境をつくりたいです。
ー 最後に記事をご覧の方に一言お願いします。
誠勝はジャンルはなんでもいいから、自分の興味を持っていることにアンテナを張っている好
奇心の強い人や、お客様の立場になって課題を一緒に考えられる人はやりがいを感じられる会
社だと思います。
単にスキャンしてデータ化するだけが我々のシゴトでなく、お客様がデータを活用してどんな
体験を提供できるかが大事です。
1人ではできることにも限りがあるけど、デジタルアーカイブを支える様々な専門性をもった
人がいるので色々なことに挑戦できるのが会社の良さ。
一緒に色々なことにチャレンジしていきましょう!