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LEAP setup story ① 〜新規就農におけるセットアップの実態〜

千変万化の環境に対応して野菜を作るための最高の環境構築をやり遂げる

最適な農業経営を行うにあたって、そもそもの農業を営む環境を用意すること(LEAPではこれを”セットアップ"と呼ぶ)は非常に重要な作業となります。既にLEAPでは、地方をまたぐレベルでの遠隔地エリアの環境セットアップも始まっています。seak株式会社の共同創業者にして農場長で、LEAPを実行する環境のセットアップ責任者である柳沢 弘樹にセットアップにかける思いと中身について聞きました。

自分の職務は「最高の野菜を作るための環境構築」

「改めてLEAPというプラットフォーム及びそれを通じて我々の会社が何をやっているのかというと、”最高の野菜を作ること”であり、お客さまや多くの人に対して最高の野菜を提供することだと思ったんです。その中で自分がLEAPの中で行なっていることは、”最高の野菜を作ることを目指す生産者に対して、あらゆる最高の環境を構築する”と定義出来ると考えています。これがLEAPのセットアップという業務の本質だと理解しています。」

seak株式会社 共同創業者・農場長 柳沢 弘樹

ー セットアップという一つの言葉の中にも多岐に渡る作業が存在している。しかし、特に新しく農業を始める立場である新規就農者はやらなければならない事が多くありすぎて、その全体像や深堀りが十分でないままに農業の経営(営農)が走り出してしまうことがほとんどである。

「野菜を作るためのあらゆる環境を構築する、というセットアップの中身には大きく5つのステップがあります。(1) 農地を借りる、(2) 電気を引き込む、(3) 水源を確保する、(4) 栽培設備(ビニールハウス等)を構築する、(5) 足回りを構築する、です。

ちなみに、足回りというのは、圃場全体の排水構造の設計と実装、潅水環境の配管や作業場の敷設などが該当します。実は足回りの構築というのも非常に重要で、水はけが悪い農地だとすぐに水たまりが出来てしまい、作業効率や汚れの拡散などがすぐに起きてしまいます。だからこそ農地全体のレイアウトを考えた上での排水構造の設計なども”最高の環境を用意する”という目的のためには外せないポイントとなります。」

新規就農におけるセットアップの実態

ー 新規就農には栽培技術の習得や販売先の確保など、実際に営農を開始した以降でも多くの困難な課題が存在している。その中で、営農をスタートする前段階であるセットアップの過程について、新規就農者としてはどのようなポイントが特に困難な課題として存在しているのか。

「先ほどの5つのセットアッププロセスですが、1つ1つのステップも非常に重たい作業なんですよね。にも関わらず、新規就農するにあたっては、就農のタイミングでこの5つの過程を全て同時進行で行わなければならないということが一番大変であると感じています。では、何故そうなるのかというと、”農地を確保する”ということがどうしても新規就農者は最初に行わなければならない作業で、かつ(農地の)選択肢がほとんどないからだと思ったんです。最適なセットアップということを考えれば、農地を確保するというのは本当は一番最後に行わなければならないことです。つまり、電気・水源・設備構築などの適性や実現性を農地に対して評価をした上で、実現可能な営農の形が決まってきて、そこでセットアップをするかどうか、投資をするのかどうか、つまり農地をお借りするのかどうかを決めるというのが正しい順番なはずです。」

ー しかし、自ら就農をした経緯、あるいはLEAPを構築していく流れの中で直面した新規就農の実態は、理想の手順とはかけ離れているという。

「本当は、農地を様々な角度から検証・評価をして、自分が目指す栽培体系をこの農地で実現できるのかを整理してから農地利用の契約を結ぶべきなのですが、実態はそうではないです。数少ない農地候補をとにかく確保してから、後付けでセットアッププロセスを必死で行なっていく。これが新規就農のセットアップにおける大きな矛盾を孕んでいるポイントかなと感じています。」

ー セットアップは農地の確保や契約との依存関係にあり、かつ不可逆であるため、大きなリスクが潜んでいることになる。

「セットアッププロセスの一番の難しさは、仮に農地が確保出来たとしても、その後でどれか一つでも(電気や水源などが)欠けてしまった、実現出来なかったときにその農地は、自分が本来やりたい営農類型としては活用出来ないリソースに変わってしまうということです。ここが新規就農者が1人でやるには限りなく難しいところだなと思います。」

ー このような実態を自ら体験して苦労したが故に、改めてLEAPというプラットフォームにおけるセットアップの価値を提供すべきだと感じているという。

「だからこそLEAPセットアップの価値は、潜む矛盾やリスクを全て解決するということにあると思うんです。それら全てが解決された環境というのが我々が表現する”最高の環境”であると思うので、新しく農業を始める人に最高の環境を用意すること、並びにそれを用意するプロセスを代替して実施していくこと。これが営農を始める前段階として、実はほとんど見えない水面下の作業ではあるのですが、LEAPとして提供できる極めて大きな価値なのかなと思っていますね。」

「LEAP setup story ②〜生産者が科学的な背景を理解しないことのリスク〜」 へつづく

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