こんにちは。コンサルティングDiv.のKondoです。
今回は、「推進力とは何か?」をテーマに実施した社内研修の内容をご紹介します。
近年、サクラグではさまざまな社内プロジェクトが立ち上がり、様々なメンバーがプロジェクトの前線に立つようになってきました。職種や年次を問わず、チームを動かす立場になるケースが増えてきています。
その中で、「どうやってチームを巻き込んでいけばいいか」「何をもって“うまくいった”と言えるのか」といった声も聞かれるようになりました。
そこでこの研修では、プロジェクト推進の“考え方の土台”についてお話させていただきました。
この記事が、下記のような方々の参考になれば嬉しいです。
・プロジェクトやチーム運営に悩んでいる方
・誰かの意志を尊重しながらも、前に進めたいと模索している方
・チームで何かを進める機会が増えてきた若手メンバー
・プロフィール
Kondo
コンサルティングディビジョン所属。2022年に長崎大学を卒業し、現ビジネス職として新卒入社。在学中はイタリア・中国・韓国・フィリピンなどに留学し、サクラグの選考で、仕事を精一杯楽しむメンバーの姿に憧れて入社を決めた。現在の業務は多岐にわたり、営業のチームリーダーから全社で実施する「みらい会議」の運営なども務めている。2022年に新人賞を受賞している。
目次
なぜ今、「推進力」が必要なのか
私が考える「推進力」
曖昧な中で「正解を作っていく」
推進力は、個人ではなく「チームの力」
なぜ今、「推進力」が必要なのか
そもそもなぜ、推進力が必要なのか。それは、役職や肩書きに関係なく、私たち1人ひとりがプロジェクトの担い手であり、何かしらを「前に進める」場面に日々直面しているからです。
推進力とは、単なる“巻き取り力”や“リーダーシップ”とは違います。もっと根源的な、「目的に向かって物事を動かす力」です。私はこの力を高めるには、まず“言語化”が必要だと思っています。自分がどう考え、どう動いてきたのかなど無意識にやっていたことに名前をつけることで、他者と共有でき、再現性を持たせることができるからです。
私が考える「推進力」
これまで、みらい会議、ZEBRUG2035計画、SangoportWEEK、インターンシップ、キックオフ、海外社員旅行など、多様なプロジェクトを推進してきました。そこで私が一貫して大事にしてきたのは、「ゴールを設定すること」と「道筋を描くこと」です。
まず、ゴール設定。たとえば「SangoportWEEKをやろう」と言われても、最初は漠然としています。だからこそ、「このプロジェクトで、誰にどんな変化を起こしたいのか?」といった意図を丁寧に読み解くことから始めます。目的地が明確でなければ、メンバーも安心して進めません。
次に道筋を描く。関係者を洗い出し、スケジュールのアウトラインを立て、必要な準備をリスト化する。このフェーズでは「第1原理」が重要になります。事業であれば粗利、会社全体であればビジョンといった“根本的な前提”がブレると、途中で意思決定が曖昧になり、手戻りが生じてしまいます。
そしてもう一つ大切なのが「合意形成」です。これは単に決定事項を伝えることではなく、心理的安全性がある中で納得感を持って進むこと。Googleの研究でも示されているように、どれだけ優秀な人が集まっても、安心して意見が言えない環境ではパフォーマンスは最大化されません。ここで大事になるのが、心理的安全性と信頼の違いです。
・心理的安全性は、「間違えても怒られない」「変なことを言っても否定されない」といった、リスクを恐れず自由に発言できる雰囲気のこと。
・信頼は、「この人はきちんと約束を守る」「責任を果たす」といった、仕事に対する誠実さへの期待です。
この2つは似て非なるもので、両方そろって初めて、メンバーは自律的かつ協力的に動けるようになります。リーダーがすべての正解を持っているわけではありません。でも、メンバーの声を聞いたうえで「これでいこう」と決めきる覚悟、それを支える誠実さが必要です。推進力とは、1人でがむしゃらに進む力ではなく、仲間とともに進み続ける力だと思います。だからこそ、「早く行くなら1人で行け。遠くに行くならみんなで行け」というアフリカのことわざが、私の中で大切な指針になっています。
曖昧な中で「正解を作っていく」
プロジェクトの進め方には、大きく2つのアプローチがあります。ひとつは「コーゼーション」。目的から逆算して計画を立てる方法。もうひとつは「エフェクチュエーション」。今ある資源からスタートして、動きながら形をつくる方法です。
たとえばSangoportWEEKの1年目はコーゼーションで設計しようとして難航しましたが、2年目はエフェクチュエーションで始めたことで柔軟に進めることができました。全てが予測できるプロジェクトばかりではありません。むしろ、曖昧さを受け入れて動きながら軌道修正していくほうが、結果的にうまくいくことも多いです。
重要なのは、“正解を探す”のではなく、“正解を作っていく”という姿勢です。依頼主が常に答えを持っているわけではありません。だからこそ、推進者自身が当事者意識を持ち、学びながら、責任をもってやりきる覚悟が求められます。
推進力は、個人ではなく「チームの力」
推進力は、決して一人で成立するものではありません。だからこそ「仲間」が必要です。力を合わせ、チームで前に進む。まさにアフリカのことわざにもあるように、「早く行きたいなら一人で行け。遠くへ行きたいならみんなで行け」です。
私自身も、みらい会議などで何度も失敗してきました。でも、それでも進もうとするのは、共に走ってくれる仲間がいるからです。
当事者意識は、命令では生まれません。対話と環境づくりがあってこそ、「これは自分たちのプロジェクトだ」と思えます。そう思えるチームは、自然と推進力を持ち、成果にもつながっていきます。
推進力とは、単なる“前に進める力”ではなく、曖昧さを受け入れ、対話し、仲間と共に「正解をつくっていく力」。そして何よりやり抜くこと。そこに個人の成長とチームの進化があるのだと思います。