今回は、当社の取締役COO岡本さんにお話を伺いました。
大手企業でキャリアをスタートし、社員数わずか5名だったROCに飛び込み、いまは取締役COOとして会社を引っ張っています。
私もずっと気になっていた、岡本さんが経験した大手とベンチャーの違いや働き方について、思い切ってガンガン聞いてみました!
それぞれの世界で感じた、“働き方の本質”について語っていただきます。
1.大手企業時代を経て
(井岡)まずは、これまでのキャリアを簡単に教えてください。
新卒では、東証プライム上場のいわゆる「大手企業」に入社しました。
もともと大手志望というわけではなかったのですが、「最初の会社は安定している方がいいかも」という気持ちで応募し、ありがたいことにご縁をいただきました。
入社時は新規部署の立ち上げメンバーとしての配属予定でしたが、まさかの入社前にその事業がクローズ。結果として、メイン事業部に異動し、総合職としてセールス・広告運用・事務業務まで、幅広く経験しました。
(井岡)大手企業での働き方や、そこで得た一番の学びはなんですか?
大きく3つありますね!
まず1つ目は、社会人として必要なビジネスマナーを徹底的に学べたことですね!
入社後は、東京→熱海→大阪と、数ヶ月にわたってビジネスマナーや社会人としてのスタンスに関する研修を受けました。
正直、当時の自分には社会人としてのビジネス基礎がまったくなかったので、挨拶の仕方から電話の受け答え、名刺交換にいたるまで、ゼロから丁寧に教えてもらえたことは本当にありがたかったです。
「ああ、これが“大手”というものか…」と感じるような、充実した研修でした。今振り返っても、あの経験があったからこそ、今の自分があると思っています。
2つ目は、論理的思考力もめちゃくちゃ鍛えられました!
「結論→理由→背景で話せ!」「成果が出ないなら仮説→検証→対策!」「なぜこの企画なのか?」「判断に時間をかけるな!」そんな言葉が会社で飛び交ってました(笑)
もともと因果関係を考えるのが好きなタイプだったので、論理的に考えること自体への抵抗はなかったのですが、それでもかなり鍛えられましたし、実際に途中で離脱する仲間も多かったです。
ただ、その経験が今の自分の土台になっているのは間違いありません。経営面でも、企画を立てるときも、営業で提案するときも、組織を作る時も、「どうロジックを組み立てるか」「どう根拠を示すか」「どう伝えれば伝わるか」ってことが、自然に考えられるようになりましたね!
そして最後3つ目は、社会人としての体力がめちゃくちゃ鍛えられたことです!
朝会社に着いてすぐ朝礼、そこから100件のテレアポスタート。電車を待っている間に既存顧客に電話をしフォロー、移動中の電車ではPCを広げて広告設定。到着後は飛び込み営業を数件まわり、会社に戻ったら社内MTGと資料作成、後輩指導……とにかくノンストップでした!
毎日ヘトヘトでしたが、がむしゃらに働いていたおかげで、体力的にかなり鍛えられました。今でも「ちょっと疲れたな…」と思う日はありますが、あの頃を思い出すと「いや、あのときに比べたらまだまだいける!」と、自分を鼓舞したりしてます(笑)
2.大手とベンチャー
2つの世界を見た岡本が考える、“働く場所の選び方”
(井岡)ベンチャーであるROCの印象は正直どうでしたか?
ROCにジョインした当初は、社員もわずか5名ほど。組織としてもまだまだこれから、というフェーズでした。当然、教育制度やマニュアルなんてものはなく、何もわからないままがむしゃらに手を動かす日々。
当時の自分はどこかで『仕事は教えてもらうもの』って思っていた節があったんですが、そんな甘さに気づかされてからは、『自分で掴みにいく』スタンスに切り替えました。そうすると必要な知識も自然と身についていきましたね。あの“放り出され感”が、今の自分を作る上で貴重な経験だったと感じています。
今では社員も増え、教育環境も整ってきました。新しく入ったメンバーには先輩がついて、学びながら成長できる環境ができているのを見ると、「あの頃から本当に変わったな」って感じますね!
(井岡)大手とベンチャーを経験した岡本さんからみたそれぞれの本質的な違いは何だと感じますか?
一言でいうと、「仕組み」の有無だと思います。
大手では、すでに整えられた仕組みの中で、決められたルールや役割に沿って動くことが求められます。いい意味で「個人の裁量に頼らずとも成り立つ」のが大手の強みだと感じていました。
一方で、ROCのようなベンチャーは、仕組みそのものを自分たちで作っていくフェーズ。誰かがやるのを待つのではなく、「これ必要そうだな」と思ったら自分が動く。それがそのまま組織全体に影響していく感覚があります。
どちらが良い・悪いではなくて、「守られた環境の中で成果を出す力」と「ゼロから価値を生み出す力」は、まったく別物だなと実感しています。
(井岡)大手とベンチャーで社員の働き方に違いはありますか?
ありますね!
でも、どちらが良い悪いではなく、“前提が違う”という感覚です。
大手では、すでに整った仕組みやルールの中で、役割が明確に分かれているので、「与えられた仕事をどう確実に遂行するか」が求められる場面が多かったです。言い換えると、“守る働き方”が基本ですね。
もちろんその分、安定性は抜群です。ただ、挑戦の幅が限られていたり、年功序列的なカルチャーが残っていたりして、「どれだけ頑張っても給与や評価がすぐに変わるわけではない」というもどかしさも感じていました。
一方で、ベンチャーは会社によって不安定な面もあるかもしれませんが、その分、自分の頑張りがダイレクトに成果に直結しやすく、評価や給与にもきちんと反映されるのが大きな魅力です。「こうしたい」と手を挙げればチャンスが回ってきて、やりきればその分ちゃんと評価される。ポジションや役割、スキルも、自分の意思と実力次第でどんどん広げていける。
意思決定のスピードも速く、アイデアがすぐにカタチになって動いていく感覚は、大手ではなかなか味わえない面白さがあります。
まさに、“攻めの働き方”ができる場所。自分次第で環境もキャリアも創っていける、それがベンチャーの醍醐味だと思います。
(井岡)ご自身が大切にしている“組織づくりの軸”を教えてください!
大手企業で働いていたときに実感した“仕組みの強さ”は、今の組織づくりにも活かしたいとずっと思っていて、実際に少しずつですが仕組みを整えていくことで、会社全体も前進してきた実感があります。
もう一つ大切にしているのは、「考え方」や「思考の癖」をメンバーに伝えていくことです。
たとえば、「なぜこれをやるのか」「根拠や明確な考えがあるのか」といった視点を、大手時代に徹底的に叩き込まれた経験が今の自分の土台になっていて、それをなるべく噛み砕いてアウトプットするようにしています。
今は「岡本さんに色々言われるな…」と思っているメンバーもいるかもしれません(笑)。
でも、数年後に「あのとき言われてたこと、今になってすごく活きてるな」と感じてもらえて、さらにそれを自分の言葉で後輩に紡いでいってくれたら嬉しいですね。
3.これから挑戦したい人に向けて
(井岡)「安定 vs 挑戦」で迷っている人に、どんな言葉をかけたいですか?
僕の答えはシンプルで、「両方、取りにいこう!」です。
よく「安定を取るか、挑戦を取るか」って二択で語られがちですが、実際のキャリアはそんなに割り切れるものじゃないと思っています。
安定の中にも挑戦はあるし、挑戦の中にも安定はつくれる。要は”自分がどう動くか次第”なんですよね。
大手にいれば、整った仕組みの中で力をつけていける。それは安心感のある“安定”でありながら、視座やスキルを磨くという意味では十分“挑戦”でもある。
逆にベンチャーでは、組織のルールすら自分たちでつくっていくことになる。アイデアがすぐに形になって、手を挙げればチャンスがくる。裁量も責任も大きいからこそ、成長も圧倒的です。
そういった意味で、ROCはどちらの要素も併せ持った環境だと感じています。
阪急阪神ホールディングスという大きなグループの安定感がありながら、社内にはベンチャーらしいスピード感と柔軟さがある。挑戦すればするほど、実力をつければつけるほど、自分の声がちゃんと組織に届いていく感覚があります。
だからこそ、「安定か挑戦か」で迷っている人には伝えたいんです。
どちらかを“選ぶ”んじゃなくて、どちらも“つくっていく”意識を持ってみてほしい。
その方が、きっとワクワクできるキャリアになると思います!
(井岡)最後に、この記事を読んでいる方へ、一言お願いします。
大事なのは、「どこで働くか」よりも「自分がどうあるべきか」。
その軸さえ持っていれば、どんな環境でもきっと自分らしく成長できるはずです。
もし、挑戦したい気持ちや、今より一歩前に進みたい想いがあり、少しでも「おもしろそうだな」と思ってもらえたら、ぜひ一度、ご応募ください!
当初5名だった仲間が、こんなに増えていることに改めて感慨深いです。
オフィスでの食事会がこんなに賑やかになったのも嬉しい瞬間です!
(井岡)とても納得できて、響くお話ばかりでした!私も改めて、まだまだ頑張らなきゃと刺激をもらいました。ありがとうございました!