本レポートは、ラクスルで事業開発(BizDev)として活躍する新卒入社の楠 勇真氏と吉武 隼仁氏を迎え、事業開発のリアル、キャリア、そしてラクスルの特徴について語った座談会の内容を発信。
「自分のキャリア」のみならず「事業成長」に向き合い、仕組みを変える次なる一手を生み出すリアルな声を公開し、自身のキャリアを考える上で重要なヒントを提供します。
登壇者 プロフィール
写真左
株式会社FUSION 取締役
楠 勇真
Kusunoki Yuma
東京大学経済学部卒。2020年4月にラクスル株式会社に新卒で入社。広告領域の新規事業「ノバセル」に配属され、約40社のお客様のマーケティング戦略をサポート。2年目にはラクスル史上最年少マネージャーとしてSaaSの事業開発を担当し、3年目からは営業部長としてノバセル営業部門を統括。その後、ノバセル株式会社 事業開発部 マネージャーとしてAIを用いたWeb広告事業を立ち上げ、事業責任者を務める。現在はグループ会社であるFUSION取締役としてスタッフ部門を統括。
※インタビュー実施時点では株式会社FUSION 取締役就任前
写真右
ラクスル株式会社
ダンボールワン統括部 事業開発グループ
吉武 隼仁
Hayato Yoshitake
大阪大学卒業後、サイバーエージェントに入社し、マッチングアプリのPMとして開発、その後マーケティング部で広告・クリエイティブディレクションを担当。2024年5月にラクスル株式会社に入社。現在はマーケティング部にて、新規獲得領域を中心とした広告、サービス開発を担当する傍ら、ダンボールワン事業のPLマネジメント、そしてラクスル事業本部とダンボールワン事業の顧客基盤を活用した横串プロジェクトを推進。
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非連続な成長を担うミッション〜ノバセルとダンボールワンが挑む「仕組みを変える」挑戦の現在地〜
──改めて、お二人が担っている事業のミッションと、グループ全体における役割について教えてください。
楠さん:ノバセルは「マーケティングの民主化」をミッションに掲げている会社です。元々、親会社であるラクスルが、当時ブラックボックスだったテレビCMの広告効果をデータ分析で「科学できる」ノウハウを蓄積したことが始まりです。このノウハウを自社に留めず、マーケティング業界全体を変える新しい産業の仕組みを作るために生まれたのがノバセルです。直近では、テクノロジーの進化が激しいマーケティング業界の未来を見据え、AIをベースにした新しい事業を仕込んでいるところです。
吉武さん:僕はラクスルにおける「ダンボールワン」の事業を見ています。「ダンボールワン by ラクスル」は、ダンボールや梱包資材のプラットフォームです。主に小規模な通販事業者の方々を顧客として、大量に仕入れた資材を小ロット(例えば1枚から)で買えるサービスを運営しています。ダンボールワンがラクスルにグループインしたのはM&Aによるもので、新規事業の立ち上げだけでなく、M&Aでグループ化し、一緒に伸ばしていくという成長戦略があるのがラクスルの特徴です。グループ全体の相乗効果を生み出し、レガシーな産業の仕組みを変えるスピードを加速させる事業間の連携プロジェクトの役割も担っています。
──ノバセルの課題感とAI事業、ダンボールワンにおける事業間の連携プロジェクトは、具体的にどのような成長戦略に繋がっていますか?
楠さん:僕が今注力しているのはAIをベースにした新しい事業の仕込みです。テクノロジーの進化が激しいマーケティング業界において、5年後10年後どうなるかというところから逆算し、先行投資を進めています。最終的には、広告以外の領域も含めて「マーケティングの民主化」を目指し、全ての企業がデータとAIによって最適なマーケティングを行えるような仕組みを構築することが目標です。これは、産業の「重力」(進化の不可避な流れ)を見極め、中長期で会社が起こしていきたい非連続な変化と紐づける重要なチャレンジです。
吉武さん:M&Aによるグループ化は、ラクスルの大きな成長戦略の一つです。ダンボールワンは通販事業者、ラクスルは集客・販促を必要とする企業と、顧客層にシナジーがあります。例えば、ダンボールワンで通販の資材を買うパン屋さんが、集客用のチラシをラクスルで買う、といったクロスセルによる連携が生まれています。それぞれの事業が持つ顧客基盤やノウハウを相互に活用し合うことで、BtoB版の楽天のような、産業全体のプラットフォーム化を目指しています。
※2025年3月時点のサービス図
事業開発のリアル:セールスから製造サイドまで引ける「領域」の幅広さ
──お二人が日々取り組んでいる事業開発の仕事は、具体的に何をしているのでしょうか?その中で、BizDevとして求められる点はどこでしょうか?
楠さん:ノバセルの事業開発は、主にBtoBのセールスモデルを基盤としているため、僕の時間の約半分はお客様と対話することに費やしています。これは一般的な「物を売る」ためのセールスとは本質的に異なります。
私たちが担うのは、新しい事業、新しい仕組みを世の中に生み出すこと。その起点となるのは、「誰の何の課題を、どういう方法で解決できるのか」「その解決策が他社と比べてどういう差別性があり、中長期でなぜ勝ち続けられるのか」という事業の核となる問いを構築するプロセスです。そのため、常に「本質的な課題」と「ビジネスとしての実現可能性」を探るためのお客様との対話になります。
事業開発として戦略や俯瞰した議論に終始していると、気づけば評論家のようなスタンスに陥りがちです。しかし、ラクスルのBizDevに求められるのは、お客様が「お金を払ってでも解決したい」と思ってくれるかという、問いに答えを出すことです。
その解を見つけるため、机上の空論で終わらせず、僕自身が最前線に立って実際にセールスを行っています。残り半分の時間で、お客様との対話で得た課題やインサイトを、開発チームやプロダクトマネージャーと連携し、新しい収益モデルの構築や、顧客体験を最大化するためのオペレーションフローの設計など、事業を非連続に成長させるためのあらゆるピースを埋めていきます。
吉武さん:
日によって業務は異なりますが、幅は非常に広いです。まず、デジタルマーケティング領域では、広告の予算配分の戦略及び実行の意思決定を、数字を見ながら日々行っています。これは単なる予算管理ではなく、事業全体の成長エンジンをどこにどう傾けるかという戦略的な判断です。また、お客様にとって探しやすい検索体験(UX)を実現するためのプロダクト改善ミーティングも重要な仕事です。お客様の行動データを分析し、改善を推進します。
そして、ラクスルやダンボールワンのような事業の事業開発は、売上や利益を伸ばすことに加え、原価を調整するという製造の領域も管掌できるのが大きな特徴です。チラシやダンボールの仕入れ金額を下げられれば、お客様にもっと安く提供でき、結果として事業が伸びるからです。デジタルに閉じた話だけでなく、サプライチェーン全体の非効率を解消するという広い範囲を扱うのが、ラクスルの事業開発の醍醐味です。
──お話を伺っていると、「本質的な課題を設定する力」が事業開発の核になっていると感じます。その力を養うために、日々どのような取り組みや思考プロセスを大切にされていますか?
吉武さん:大切なのは、決められた問題を解く能力よりも、「自分で問題を作る能力」です。
例えば僕の場合、お客様へのインタビューを徹底的に行い、先月は約100人にインタビューしました。その中で、「集客用のチラシが欲しい」といった声や、「ここは別で買ってるんだけど高くて」といった声を聞き出し、そこから事業アイデアが生まれます。
ラクスルの行動指針である「解像度」という言葉があるように、いかに顧客と現場を知り、課題の本質を捉えるかが大事になります。この泥臭く顧客に向き合う過程で、課題の本質が見えてきます。
楠さん:僕も同感で、重要なのはお客様が「お金を払ってでも解決したい」と思ってくれるものを見つけられるかです。
そのため、僕自身が実際にセールスを行い、お客様と現場で会話する中で課題を見つけ、事業の種を探すようにしています。そのミクロな取り組みを、いかに中長期で会社が起こしていきたい非連続な変化と紐づけられるか。この「ミクロな泥臭さ」と「マクロな視座」の往復が、課題の本質を捉える力を養う鍵です。
事業成長に向き合い、非連続な変化をもたらすことによって形成するキャリアパス
──お二人は今後のキャリアビジョンをどう描いていますか?また、ラクスルでは事業開発の機会をどのように掴んでいくのでしょうか?
吉武さん:僕は具体的なキャリアビジョンというものをあまり考えていないです。僕の行動指針の核にあるのは、「事業をどう伸ばせるか」に向き合うということです。
自分のキャリアやスキルアップは、あくまで事業成長という大きな目的に対する結果としてついてくるものだと捉えています。具体的には、事業を伸ばすために必要なこと、例えば広告戦略の立案、サプライヤーとの原価交渉、プロダクトのUX改善など、必要なことは自分がやるという強いオーナーシップを持ちます。時には自分が脇役になった方が事業が伸びるならそうしますし、誰かに任せるべきところは徹底的に任せます。この「事業成長への向き合い」こそが、ラクスルで成長する方法であり、結果として、向き合い続けている人が、重要な能力やポジションを掴んでいると実感しています。
ラクスルでは、事業開発の機会は常に目の前に溢れていると言っていい環境です。新卒を含め、全員にチャンスがあると思っています。新規事業の立ち上げだけでなく、僕が担っているような既存事業で非連続成長を実現するためにあらゆる手段を講じることも含まれます。手を挙げ、自ら課題を設定し、成果を出し続けることが、次のより大きな事業機会へと繋がっています。
楠さん:僕も「何年後にマネージャーになる」といった具体的なキャリアビジョンは持っていませんが、人生を通してずっと「何かの産業の仕組みになるような新しい事業を作り続ける」ことをライフワークにしたいと思っています。今のノバセルでのAI事業の変革チャレンジもその一つです。
この会社における事業開発とは、基本的には事業に対して非連続な変化をもたらす取り組みだと捉えています。その機会は、自分で気づいて掴むケースと、経営陣から与えられるケースの両方があります。例えば、セールス担当であっても、「うちではここまで解決できるけど、ここから先はお客様の課題として残っているよね」というボトルネックを見つけ、それを解決するサービスを自分で提唱・実現できたら、それは立派な事業開発の取り組みです。
重要なのは、そのミクロな取り組みを、中長期(3年、5年、10年)で会社が起こしていきたい非連続な変化と紐づけられるかです。産業の「重力」(例:マーケティング業界はAI化が進む)を見極め、将来あるべき姿から逆算して、今の課題設定をすることが極めて重要です。そして、ラクスルでは経営陣が新卒も含めて社員にその視座を常に求めています。非連続な課題設定をして事業開発に本気で取り組んでいたら、評価もされるし、より大きな事業機会が与えられるというサイクルが回っています。
エース番号を背負い、失敗を恐れず挑戦する新卒への期待と文化
──事業開発には失敗がつきものかと思いますが、ラクスルでは失敗に対してどのように向き合っていますか?
楠さん:僕らは失敗に対して、称賛するカルチャーがあるなと思っています。以前は「Fail Con(失敗談から学び、挑戦を称賛する共有会)」のような形で、失敗を社員に共有し、「いいチャレンジだったよね」と発表してもらう場があったほどです。ただし、失敗といっても「課題設定や問い」が間違っているケースは稀で、「答えの出し方やアプローチ」が違ったということが発生しているイメージです。僕らが大事にしているのは、間違えたことに「早く気づいて」次のプランに移れる改善スピードです。問い(課題設定)に対して、解き方が間違っていたらすぐに気づいて、新しいチャレンジを回し続けることを奨励しています。これを回し続けていると、新たな機会が回ってきます。
吉武さん:ラクスルでは、失敗に対する向き合い方に明確なポリシーがあります。それは「失敗を推奨する文化」という形で根付いていますが、ただ闇雲に挑戦して失敗しても良い、ということではありません。私たちが大切にしているのは、「何となく失敗するのは駄目で、仮説を持って取り組み、ちゃんと失敗すること」です。具体的には、行動を起こす前に、「なぜこの施策が成功するのか」という確度の高い仮説を立て、その成功を裏付けるためのKGI/KPIを明確に設定します。そして、結果が出たら必ず「マルかバツか」を峻別することが大事です。仮説を持って実行し、結果が仮説と異なり「バツ」だった場合、そこで思考を止めず、「何がダメだったか」「どの仮説が外れたか」を徹底的に振り返り、次の施策の角度を上げる。このプロセスを高速で回すことが奨励されます。
裏を返せば「狙いを持たない挑戦」や「失敗から何も学ばないこと」を恐れる文化です。この前提があれば、若手であっても、事業の根幹に関わる大きな挑戦を恐れずに実行することができます。また、自分の失敗を個人に留めず、周りに積極的にシェアすることで、みんなが同じ失敗を踏まないように、全社として学びにするという文化も根付いています。これにより、組織全体の学習速度が上がり、非連続な成長に繋がっていると感じています。
──ラクスルは新卒社員に対して、どのような期待や思いを持っていると思いますか?また、その期待が若手の成長にどう影響していると感じますか?
吉武さん:純粋に、今の新卒社員が取り組んでいるミッションが本当に高いレベルだと感じています。象徴的なのは、入社1年目から「カテゴリーマネージャー」というポジションを任されているメンバーがいることです。これは、単なる一部署の担当ではなく、担当する商品カテゴリーの売上・利益といったPL(損益計算書)全体に対する責任と権限を持つということです。具体的には、通常であればセールス、マーケティング、プロダクト、そしてサプライチェーンといった領域が分かれているところを、その商品単体でPL全体をすべて持ち、事業成長の戦略策定から実行までを一気通貫で担います。このレベルのオーナーシップとミッションを新卒に任せる組織は、他ではなかなか見られません。
なぜこのようなアサインがあるかというと、ラクスルは事業機会が非常に増えていますが、新卒採用人数を限定しているからだと思います。結果として、入社した新卒メンバーは皆、「エース番号を背負って」事業に参画する印象です。この環境が、若手に対して「君たちがこの事業を成長させるんだ」という期待を与え、結果として非連続なスピードで成長を加速させている要因だと感じています。
楠さん:僕も、この会社では経営陣が新卒社員をよく見ているなと日々痛感しています。これは、ただ気にかけているというレベルではなく、事業の次なる成長を担う人材として、意図的にフィードバックと成長機会を提供しているということです。
僕自身も、入社1年目の初月から、ラクスルの代表やノバセルの代表が僕のデスクに直接来て、業務へのフィードバックをいただいたり、社外の代表の方や幹部メンバーの方との会食をセッティングいただき、事業家としての視座を高める機会をいただいたりしてきました。
新卒への強い期待があるからこそ、このような機会提供があるんだなと思いますし、日々経営陣よりフィードバックを受け、事業の非連続成長に向けて課題を自分事として解こうと奮闘し、結果的に圧倒的なスピードでの自身の成長に繋がっていると感じています。
未来の新卒へ贈るメッセージ 「失敗を恐れず、何十年も残る仕組みを共に創り出す」
──最後に学生へメッセージをお願いします。
楠さん:事業開発は、決して華やかなことばかりではなく、大変なこと、思った通りにいかないことばかりです。だからこそ、苦しい悩みを乗り越えた先にある産業の「仕組みを作る」という、何十年も残るような大きなインパクトを出すことに、ワクワクできることが重要です。ラクスルには、事業機会が溢れ、それを実現するための非連続な問いや、経営陣からのフィードバック、そして失敗を恐れず挑戦できる文化があります。
ぜひ、この環境で働く面白さを知って、一緒に仕組みを変える挑戦に挑んでいきましょう。
吉武さん:就職活動は、ご自身のことを深く考える貴重な機会です。
ラクスルでは、目の前の顧客、事業、成果に全力で向き合うことで、成長とキャリアがついてくる環境です。そして新卒だからこそ、手を挙げれば事業の根幹に関わる重要なミッションを任されるチャンスがあります。皆さんと一緒に仕組みを変える挑戦ができる日を楽しみにしています。
ラクスルグループでは、ビジネス職での新卒採用を積極的に行っています。ご興味のある方は、ぜひこちらの求人もご覧ください