社員インタビュー20人目は、サービスグループ gusukuユニット テクニカルサポートチームの沖 安隆さん(沖さん)です!
実家のスーパー経営からIT業界へ転身し、kintoneやAWSを活用した開発業務を経て、2016年にアールスリーに入社された沖さん。kintone Caféでの出会いをきっかけにジョインし、現在はチャットサポートやサポートサイトの記事執筆などを担当しています。ユーザーがサービスを使いこなすための技術サポートの最前線で活躍中です!
謎解きのようなチャットサポートの現場で、「難解なことを、難解じゃなくする」力を発揮する沖さんに、入社の経緯や業務での工夫、サポートのやりがいについて伺いました!
プロフィール
サービスグループ gusukuユニット テクニカルサポートチーム 沖 安隆(おき やすたか)
愛媛県在住。趣味は倉庫番、Jaguar、LYNX、筋トレ。
高校入学祝いで手にしたPC-8801がきっかけで、以来40年以上パソコンと共に過ごしてきた。
工業大学出身で、図面作成やプログラム、簿記などを学び、情報技術への興味と探究心を深めた。
実家のスーパー勤務を経て、IT業界へと転身し、AWSやkintoneを活用した開発業務や、ユーザーコミュニティでの登壇経験などを積む。2016年にアールスリーへ入社後は、4~5年お客様向けのシステム開発を担当した後、2021年頃から現在はgusuku Customine(カスタマイン)のチャットサポートを担当。ユーザーの「困った」に向き合いながら、「わかった」へ導いている。日々、「脳内の顧客」と対話しながら行う自己学習と試作を繰り返し、問題解決と探究の先にある気づきをモチベーションとしている。
――沖さん、よろしくお願いします!パソコンとの出会いや学生時代について教えてください。
小学生の頃から、機械や電子機器などに惹かれていました。粗大ごみにテレビが出ていれば分解して中をのぞいたり、友達と一緒に「これなんだろう?」と言いながら触ってみたりする、そんな子供でした。父が紡績工場で機械のメンテナンスをしていたという環境もあって、自然と仕組みを知ることへの興味が育っていったのかもしれません。
当時は、まだパソコンが普及していなかったナイコン(※)の時代です。紙にゲームのプログラムを書いて、知人の家や電器屋さんで打ち込んで試すなどしてました。ポケコンという液晶表示が1行の小さな携帯型コンピュータでプログラムを走らせたり、バイオリズムをプリンタで出力するような遊びもしてましたね。
(※)「ナイコン」は「マイコン(マイクロコンピュータ)」が「無い」を意味する造語。1980年代はパソコンが高価だったため、個人で所有するのが難しかった時代を指します。
高校生のときにPC-8801を買ってもらって、本格的に自分のパソコンと出会いました。そのとき一緒についてきたゲームが倉庫番です。これがとても面白く、兄弟で取り合いになるほどでした。それ以来、ずっとパソコンと一緒に過ごしてます。
そのまま工業大学に進学し、経営工学部で図面作成や簿記、プログラミングなどを幅広く学びました。中でも、Fortranという古いプログラミング言語を使った開発の手順は印象に残っています。
大学の卒論では、休講情報を自宅から確認できる仕組みがあれば便利だと感じ、パソコン通信を使った自作のプログラムを開発しました。家の電話と学校の電話をつなぎ、掲示板のような画面を表示してレポートをアップロードできるようにするなど、今で言うWeb掲示板やポータルのような機能を自作していました。当時としてはかなり先進的なことをやっていたと思います!
――大学卒業後の経歴も教えてください!
卒業後は、実家が営んでいたスーパーで19年ほど働いていました。最初は3店舗だったのが最大で5〜6店舗まで増えました。しかし、大型スーパーの出店や人手不足、社員の流出などもあり、閉店を迎えることになりました。
スーパーの経営全体に関わる中で、現場の改善に積極的に取り組んでいて、スタッフにはiPadを配布し、原価や割引の情報などを入力してもらう仕組みを整えていました。さらに、Excelで改善計画をまとめたり、その内容からキーボードマクロ用のテキストデータを生成し、自動で入力処理を行うRPAのような仕組みも自作しました。一定の画面操作が必要な作業も、できるだけ手間を省けるように工夫していたんです。
もともとプログラムが好きだったこともあり、現場の課題を技術で解決するというスタイルは、この頃から自然に身についていったように思いますね。
――スーパーを閉めたあと、いよいよIT業界へ進まれたんですね。どんな風にキャリアをスタートされたんですか?
スーパー閉店後は、これからどうしようかと少し迷っていた時期もありました。職業訓練校でクリエイティブ系のソフトを学んだり、業務委託で海岸の測量をやってみたり、Amazon販売に挑戦してみたりと、いろいろ試していました。
そうするうちに「やっぱり課題をプログラムで解決するのが好きなんだ」という気持ちがどんどん強くなっていきました。そこからは新たなプログラミング言語を学びながら、プログラムにかかわれる仕事を探すようになりました。
ちょうどその頃、地元でEC関連のツールを開発していた企業とご縁があり、プログラマ兼ユーザーサポートとして働くことになりました。APIを使ったツールの開発や改修、メールサポート、コード整理、独自機能の提案など、技術と現場の両方に関わる日々を通して、やっぱり自分はプログラムが好きだと実感しました。
その後は、クラウドを活用したWebシステムの開発やインフラ構築を行う会社に短期契約で転職し、Webサイトの開発やサーバー保守、セキュリティ対応など幅広く携わりました。そのなかの案件でkintoneと出会い、その柔軟さや拡張性に強く惹かれるようになります。業務に活用するだけでなく、地元・松山でkintone Café 愛媛を立ち上げてユーザー同士の交流の場をつくったり、他県のイベントにも積極的に参加するなど、次第にコミュニティ活動も広がっていきました。
次に所属した企業では、「kintoneを活用した新しい取り組みを進めたい」というテーマで社内のアプリ開発やインフラ整備に取り組むことになりました。電話系のシステムやAWSとの連携、資産管理の仕組みづくりなど、より実務に根ざした活用にチャレンジする日々でした。この頃には、kintone エバンジェリストに認定され、趣味も兼ねてアドベンチャーゲーム風のアプリをつくるなど、遊び心を持ってツールと向き合っていました。
――アールスリーとの出会いや、入社のきっかけについて教えてください!
前職を退職したあと、kintoneをもっと深く使ってみたいという思いから、個人でプラグインを開発していました。
とくに「一文字検索プラグイン」は、当時まだ存在していなかった機能で、「こういうのがあったら便利だな」と思って自分で作ってみたんです。作ることはできたのですが、「じゃあこれをどうやって売るの?」というところで手続きや環境構築の大変さを実感しました。販売にはWebサイトも必要だし、課金や認証にはAWSを使った仕組みも必要。技術面よりも運用の方がむしろ大変でしたね。
そうした活動を続けるなかで、kintone Caféなどのイベントにも参加していました。kintone Café広島で「無職になりましたLT」を発表したとき、会場にいた金春さんから声をかけていただきました。話をするうちに「アールスリーならリモートワークもできる」ということを知りました。ちょうど当時は子どももまだ小さく、妻の希望で地元での暮らしを続けたいという背景もあったので、とてもありがたく感じましたね。
そんな経緯から、アールスリーに入社することを意識するようになりました。もともとアールスリーは、AWSなどの技術に強い「ガチなエンジニア集団」というイメージがありました。たぶん楽しいだろうな、コードも書けるし、なんとかなるだろう!と思い切って飛び込んでみることにしたんです。
――入社後はどんな業務を担当されたんですか?
入社当時は、gusuku Customine(カスタマイン)もまだリリースしておらず、ビジネスの中心はシステム開発でした。
その中で私も、kintoneやAWSを使って、お客さまの業務課題を解決するためのシステム開発を担当していました。要件に合わせてkintoneをカスタマイズしたり、他のサービスと連携して便利にしたりと、それぞれの現場に合った仕組みをつくっていました。
それまでは一人でプログラムを書いてきたこともあって、動いたから大丈夫という感覚が強かったのですが、アールスリーでは設計や命名にしっかりと意味を持たせる文化が根付いていました。「この関数名で、数年後の自分や他の人が理解できるか?」といった視点をもつことで、開発への向き合い方が大きく変わったと感じています。
――現在は、どのような業務を担当されていますか?
現在はサービスグループの一員として、カスタマインのチャットサポートを中心に担当しています。ユーザーさんの「こうしたい」を実現するために、設定方法のアドバイスをしたり、うまく動かない原因を一緒に探ったり、日々さまざまな問い合わせに対応しています。
接客業やサポート職の経験もあったので、ユーザーと向き合う仕事にはすんなり馴染めました。とくに、チャットのように文字でやりとりするスタイルは自分にとって心地よく、「文字で届いた情報から意図を読み取る」ことが得意だと感じています。
また、カスタマインにはリリース当初から触れていくなかで、ちょっと変わった使い方や設定パターンも日々試してきました。その中で得た知識を活かして、社内で「カスタマインの歩き方:黒魔術編」という冊子の制作にも関わってきました。これは、カスタマインの仕様を応用したユニークな設定例を紹介するもので、ネタ出しの段階から参加し、「意味のある変な使い方」を考える楽しさと難しさを感じながら取り組みました。
さらに、カスタマインの仕組みをもっと楽しく学べるようにと、社内メンバーと一緒にインディアンポーカー形式のカードゲームを考案したこともあります。これは「カスタマインの歩き方」を作成する合宿での雑談から生まれたもので、遊びながらカスタマインのことをもっと知ってもらえるように工夫しました。
こうした日々の対応や取り組みを通して、自分なりの工夫やこだわりも少しずつ育ってきたと思っています。
――やりがいや、大変だと感じることがあれば教えてください。
チャットサポートの仕事では、ユーザーさんの文章から「本当に知りたいことは何か?」「なぜうまくいかないのか?」を読み解く力が求められます。要望がいくつも重なっていたり、情報が足りなかったりすることもありますが、そこを丁寧に整理して解決に導けたときには、大きなやりがいを感じます。
なかでも手応えを感じるのは、複雑な問題がスッと解けた瞬間です。設定や条件を変えてひとつずつ仮説を立て、試行錯誤しながらたどり着いた答えに、ユーザーさんが「なるほど!」と納得してくれたときには、ただ解決できた以上のうれしさがあります。意図までしっかり伝わって、「これでできました!」と返ってきたときの手応えは、何度味わってもうれしいものです。
カスタマインの仕様に対する理解が深まるほど、定石とは違うアプローチを提案できるのも、自分の強みのひとつです。そうした柔軟な視点は、これまでの探究やユニークなコンテンツづくりの経験から自然と育まれてきたのかもしれません。
一方で、すべてのユーザーさんにそのままの形で伝わるわけではないのが難しさでもあります。「やりたいこと」が分解されていなかったり、サポートサイトの記事を送っても目を通してもらえていなかったり。そういうときは、「そもそも何を解決したいのか?」「それって本当に必要なのか?」という視点に立ち返り、ユーザーさんの本当のゴールを一緒に見つけていくようにしています。
現場や業務の課題を、ITの力で少しでもハッピーな方向に変えていくこと。そのハッピーが何かを考えるのは、簡単ではありません。でも、ユーザーさんの納得や安心につながったときには、「またひとつ前に進めた」と感じられます。
そうした瞬間が、サポートの仕事のなかでいちばんうれしい時間ですね。
――チームの中で、どんなふうに関わっていますか?
最近はチャットサポートチームのメンバーも増えてきているので、わからないことがあれば気軽に相談してもらえるよう意識しています。とはいえ、すぐに答えを教えるというよりは、「まずはやってみよう」というスタンスを大切にしています。
最初は何もかもが手探りですが、kintoneやカスタマインなど各サービスに、少しずつ触れながら慣れていってもらえたらと思っています。私自身も、ひとつひとつ手探りで学んできた立場なので、困っているメンバーには「それはこういう仕組みだよ」と、自分の経験をもとに伝えるようにしています。入社当初のシステム開発をしていた頃に、たとえばデプロイットを使い込んでいた経験なども、今のサポート業務に活かされています。
ゆくゆくは、たとえばプロセス管理が得意な人、通知まわりに詳しい人…というように、それぞれの「好き」や「得意」を持ち寄って補い合えるチームになっていくといいなと思っています。というのも、カスタマインやエブリサイトはできることの幅がとても広くて、すべてを完璧に理解するのはなかなか難しい。だからこそ、メンバーそれぞれが関心のある分野を少しずつ深めていくことで、チーム全体としての対応力も広がっていくはずだと感じています。
――これから挑戦したいことや、目指していることがあれば教えてください。
今後も、kintoneやカスタマイン、そしてその周辺のコミュニティにできるだけ長く関わっていきたいと思っています。これらのサービスには、まだまだ可能性があると感じていて、kintoneは「これからもっと化けるよなぁ」という期待感もあります。
大きな目標を一つに絞っているわけではありませんが、自分にできることを続けながら、いつか形に残るものを生み出せたらうれしいです。それは物理的なもの、仕組み、あるいはコミュニティの活動のようなものかもしれません。誰かの役に立つ、自分らしいアウトプットを残していけたらと思っています。
これからも、kintoneやカスタマインのように自由度の高いツールと向き合いながら、新しい見方や使い方を模索していきたいですね。決まった正解があるわけではないからこそ、自分なりの視点を活かして挑戦していけたらと思います。
――アールスリーの魅力や、これから入ってくる人へのメッセージがあればお願いします。
チャットサポートの仕事は、「問い合わせ内容から状況を読み解いて、最適な解決策を導き出す」みたいな謎解き感があるんです。私はそれがすごく楽しいし、うまくハマって解決できたときには、クセになるような快感すらあります(笑)この感覚を共有できるメンバーが周りにいるのも、うれしいところですね。
いろんなタイプのメンバーが集まっている点も、アールスリーのサポートチームの魅力です。エンジニアとしての視点だけじゃなく、「ユーザーだったらこう感じるよね」という寄り添いの目線もある。困っている人の気持ちがわかる人、でもきちんと技術で問題解決ができる人。そうした多様な視点があることで、チームとしてもどんどん強くなっていると感じます。
kintoneユーザーは、ほんとうに業界も規模もさまざま。だからこそ、サポートする側の私たちにも、いろんな経験や考え方が活かせる場面があります。
会社全体としても、すごく勢いがあります。2023年には本社がグランフロント大阪に移転し、家族からも「おしゃれなオフィスだね」と言ってもらえて、評価がぐっと上がった気がします(笑)オフィスの雰囲気も含めて「ちゃんとしてる会社だな」と思ってもらえる環境になっています。リモートワークで自宅にいると家族から評価されにくいので、助かります(笑)
これからアールスリーに入ろうと思っている方は、とにかく自分の頭で考えること、そしてそれを形にしていくことが好きな人にぴったりな場所だと思います。
チャットサポートの仕事には、もちろんkintoneやカスタマインの知識も必要ですが、いちばん大事なのは「問題をちゃんと分けて考えられるかどうか」だと思っています。たとえば「これとこれは同じように見えて、実は違う」と気づける力。そこから解決まで導く思考の流れがつくれる人は、すごく向いていると思います。
そして、自由な発想ができる人にも、アールスリーはぴったりな場所です。kintoneやカスタマインには、その発想を受け止めるだけの柔軟さと懐の深さがあります。
自分のペースで成長しながら、自由にアイデアを形にしていきたい人には、きっと楽しめる環境だと思います!