中馬 俊一朗/マーケター(写真:左)
2019年に新卒でクイックへ入社。看護師向け転職サービス『看護roo! 転職』のキャリアアドバイザー/リクルーティングアドバイザーとして、一気通貫型の人材紹介を手掛ける。入社4年目に、「もっと多くの人にサービスを知ってもらいたい」という想いからマーケターに転向。看護師向け転職サービス『看護roo! 転職』の集客担当として、インターネット広告の運用などを手掛けた。
2023年からは『看護roo! 転職』SNSチームのリーダーに着任。SNS戦略の策定など、マーケティング面でチームを牽引している。
小園 知恵/編集長・記者・ライター(写真:右)
元看護師。三次救急病院で約4年間看護師として勤めたのち、クイックへジョイン。看護師・看護学生向けメディア『看護roo!』編集部にて、元看護師ならではの知識を活かして、看護・医療知識系記事をはじめ、キャリアやライフスタイルに関する記事などオールジャンルで執筆・編集に携わる。
現在は、編集長/SNS運用としてコンテンツの企画・制作に携わっているほか「インスタライブ」にも出演。看護師目線の、ユーザーに寄り添ったコンテンツ作りに強みを持っている。
フォロワー数8.6万人を突破し、業界でもトップクラスの知名度となった『看護roo! 転職』Instagramアカウント。
今回の記事では、ゼロからSNS運用を軌道に乗せたSNSチームのメンバーにインタビューを実施。マーケターの中馬と、元看護師で編集として活躍中の小園に、大躍進の要因やチームとして大切にしている想いを聞きました。
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看護師の日常に寄り添う『看護roo! 転職』Instagram
ーー今回の記事では『看護roo! 転職』のSNSを運用するチームの想いや風土、取り組みについて、お二人の生の言葉を聞きたいと考えています。まずはチーム内の役割分担についてお聞きしていいでしょうか?
中馬:
まず前提として、『看護roo! 転職』のSNSチームには、集客などの戦略設計や効果検証を担うマーケターと、コンテンツの企画・制作を手掛けるコンテンツ側のメンバーが所属しています。
私の場合はマーケターとして、「SNS戦略の策定や運用方針の決定」「KPI設計・管理」「競合分析、トレンド把握」といった業務が専門です。Instagramの運用がメインなので、インスタ側の宣伝機能の活用についてもマーケターが担っています。
小園:
私はコンテンツ側です。中馬くんが考えてくれた集客戦略をもとに、認知の入口になるコンテンツを制作しています。
外部のインフルエンサーに依頼して制作しているコンテンツもありますが、企画から制作、ファクトチェック、デザインチェックなど、基本的にコンテンツは社内で制作しています。
ーー『看護roo! 転職』のコンテンツということは、転職関係が中心なのでしょうか?
小園:
たしかに『看護roo! 転職』は看護師向けの転職サービスなのですが、Instagramで扱っているコンテンツは幅広いですよ。
転職という非日常的なシチュエーションに限らず、看護師さんと日常から接点を持って、常に寄り添えるようなコンテンツ作りを意識しているので、転職関係より、むしろ看護師さんが臨床で使えるような看護知識や、業務ノウハウが中心です。
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ゼロから始めて掴んだ「SNS運用で大切なこと」
ーー本格的なSNS運用はクイックでも初だったと聞いています。どういった経緯で、運用を開始したのでしょうか?
中馬:
もともと、ミニマムな形での運用はしていたのですが、本格的な運用が始まったのは2023年の春頃ですね。世の中のトレンドとして、SNSのクチコミや共感、レコメンドが大きな影響力を持つようになり、活用する事業会社が増えてきたタイミングでした。
『看護roo! 転職』もその流れに乗り、看護師さんの中での認知拡大を狙うべく本腰を入れて運用を開始した訳です。
小園:
今でこそ言えますけど、本格運用を始めるという話だけいただいて、あとは手探りの状態でしたよね。
ーーSNSのなかでも、まずはInstagramから注力したようですが、理由はありますか?
中馬:
Instagramを狙った理由は2点あります。1点目は、利用者の属性。メインターゲットとなる看護師さんの利用率が高く、入口として最も機能するSNSだったからです。
2点目はInstagramの媒体の特徴が、やりたいことにマッチしていたからですね。ユーザーに「価値あるコンテンツ」を届けるうえで、画像や動画、ライブ配信など、表現の幅が取れる点は魅力的でした。
加えて、ストーリーズやコメント機能など、ユーザーと直接的にコミュニケーションが取れる点も魅力ですね。私達は、母体となる看護師・看護学生メディアの『看護roo!』時代から、ユーザーとの交流を大切にしてきましたから。近い距離でコミュニケーションが取れる機能がある点は、大きなメリットだと考えています。
ーーそういった狙いが合致したからか、SNSのフォロワー数が急増していますよね。
中馬:
おかげさまで、2025年の4月末の時点で8.6万人を超えています。
小園:
昨年(2024年)の3月頃が1.3万人くらいだったので、だいぶ増えましたよね。
ーー1年で約6倍!急増した要因は何だったのでしょうか?
小園:
『看護roo!』の既存コンテンツとインスタの相性が良かったのが大きいですね。
インスタに掲載しているコンテンツは、もともと『看護roo!』のサイトに掲載していたものを、SNS向けにアレンジしたものが中心です。『看護roo!』自体が、臨床で使えるコンテンツを扱っていたので、日常的に見られるInstagramとの相性も良かったんですよ。
近年の若手世代はWebサイトを見ない傾向があるのですが、マーケット動向に合わせてデリバリー方法を最適化することで、大きな反響を得ることができました。「媒体を変えれば、むしろこれまでより更に多くの看護師さんにコンテンツを届けられる!」という気づきを得られたのは大きかったですね。
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ーー「ユーザーに寄り添うコンテンツ」は、形を変えても価値は変わらないということですね!
中馬:
あとは、メンバー全員のSNSへの向き合い方も、成功の大きな要因だと考えています。
私達、クイックのWeb事業企画開発本部は「真のユーザーファーストでマーケットを創造する」というミッションを掲げて、各々業務にあたっています。中長期的に集客に繋げる役割はあるものの、決して数字を追うことが目的ではなく、「ユーザーにとって、より価値のあるものを作る」ことを大事にして、様々な施策を実施してきました。
いま、約8万人のユーザーから受け入れられているのは、実直にユーザーファーストを追求した結果だと捉えています。
もちろん、最初から順調だったわけではありません。価値があると思ったコンテンツでも、伸び悩むことは多かったので…。チャレンジをいとわず、粘り強くPDCAを回し続けてくれたメンバーたちの活躍もあって、今があると感じています。
小園:
「よし、やってみよう!」という風土ですよね、このチームは。チーム立ち上げ直後の、誰もインスタのことをわからなかったタイミングから、「とりあえず、やってみないとわかんなくね?」って挑戦し続けてきましたし。やると決めたら「早くPDCAを回して答えを見つけよう!」ってメンバーが揃っているので、とにかく一体感が強いんですよ。
ーートライアンドエラーの文化なんですね。
小園:
失敗もありますけど、誰も失敗を悲観しないんですよ。「だめだったけど、知見が増えた!」くらいの反応で、すぐ頭を切り替えられる。
中馬:
「じゃ、次いこうか!」ってなりますからね。失敗も糧にして高速でPDCAを回し続けてきたからこそ、うちなりの「勝ちパターン」が見えてきた気がします。
小園:
色々やってきましたよね。インフルエンサーとのタイアップ企画もやりましたし、長く続けている「看護クイズ」や、チャットボットを使った「心理テスト」も好評でした。
「看護roo!のインスタは、いろんな面で楽しいことがあるよね!」と思ってもらえるように、バラエティ豊かなコンテンツを提供することは意識しています。
ーー「これは反応が良かった!」という、代表的なコンテンツはありますか?
小園:
代表…というと悩みますけど、反応でいえば「看護クイズ」ですね。
もともとサイトでも好評だったコンテンツなんですけど、毎日続ける習慣性や反応のしやすさは、インスタとも相性が良かったです。「わからないとやばいよね」とつい見てしまうので、看護roo!との接点づくりとしても成功例だと思います。
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中馬:
2024年春頃に大バズリしたんです。ただ、いまでは競合も始めてますよね。
小園:
この世界って、いいものはお互いに真似し合うことが多いですよね。いろんなアカウントに真似されているということは、それだけいいコンテンツを送り出せるようになった証拠だと思っています。
ーー最近は「インスタライブ」も始めていますよね?こちらの反応はいかがでしょう?
小園:
好評ですよ!想定以上に看護師さんが見てくれましたし、そこから転職サービスへのエントリーにも繋がっています。
中馬:
インスタライブも、この業界だと看護roo!が初ですよね。
小園:
どこもやっていないから、一番初めにやりたかったんですよね!インスタライブって、日常に入り込める強力なコンテンツですし。
でもその一方で、難しいコンテンツでもあるんです。楽しくないと見てもらえないですから。
ーー看護roo!では、どのような工夫をしているのでしょう?
小園:
「誰が出演するか」を大事にしていますね。ユーザーからすると、普段は見えない「中の人」が見える、貴重な場なので。楽しんでいただけることはもちろん、安心感や信頼感などポジティブな印象を持ってもらえるよう、キャスティングには気を配っています。
うちの場合、インスタライブの出演者は、元看護師とキャリアアドバイザーの二人体制が特徴ですね。ユーザーに近い存在である元看護師が出演することで仲間意識を感じてもらいやすいですし、キャリアのプロであるキャリアアドバイザーも加わることで、コンテンツの厚みや信頼感を感じられるつくりにしています。
でも、大前提として、インスタライブは直接転職サービスに繋がらなくてもいいと考えているんですよ。まず大切にしているのは、コンテンツを通して看護roo!のファンになってもらうことで。「この人たちは、看護師に寄り添った目線や距離感で情報を発信している」とユーザーに感じてもらえるようなコンテンツづくりを第一に考えています。
積み重ねの結果、ユーザーがキャリアで悩んだときに「この人たちに相談したい」と思ってもらえるような関係性を築くことが、私たちの考える理想の姿ですね。
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初挑戦の仕事にも、これまでの経験が活きている
ーーお二人共SNSの運用は初挑戦とのことですが、これまでの経験が活きてくる場面もあったのでしょうか?
中馬:
私自身は、もともと広告運用の領域出身なのですが、データドリブンの考え方はSNSにおいても十二分に活きています。ユーザーの反応がそのまま数値などのデータで見えるので、相性はいいですね。
一方で、データとにらめっこしているだけでは成果に繋がらないのが難しいところで。SNS側のアルゴリズムは中身が見えませんし、頻繁に変化しているので、打ち手の変化も激しい。そういった状況でユーザーに見てもらえるコンテンツを考えるには、結局のところ「ユーザーが、どういった気持ちでSNSを見ているのか」の解像度を上げることが重要だと気づきました。
広告運用とも共通しますが、本質的な「人間」を見る力、ユーザーインサイトの理解・深堀り力の部分は、この仕事でも大事だと思っています。
小園:
私の場合、もともと『看護roo!』のメディア編集者として培ってきたことは、今の仕事のベースになっています。構成やパンチワードの考え方であったり、ペルソナを意識した情報の出し方であったり。記事でもSNSでも本質は変わらないので、活かせる部分は多いです。
あと活きているのは、ユーザー視点を持つという考え方ですね。クイックが一番大切にしていることなのですが、SNSのコンテンツ制作を始めてから、もっと意識するようになりました。
なので、常日頃から、当事者目線でとにかく多くのコンテンツを見るようにしています。純粋に楽しむだけでも「こんなアプローチがウケるんだ」と気づけますし、ときには運用者目線で分析しながら見るようにもしています。
中馬:
小園さんの場合、看護師経験も活きてますよね。
小園:
どんな話題に共感するのか、どんな状況でSNSを見るのか、リアルに想像できるのは強みかもしれないですね。コンテンツ作りで大切なのは、結局、コンテンツを届ける先にいるのがどんな人か、その人達に提供できる価値が何なのか、想像力を膨らませることなので。
編集経験ゼロでクイックに入社しましたけど、看護師として過ごした日々のすべてが、今の仕事に繋がっていると思います。
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「信頼感」はそのままに、より日常に寄り添う存在を目指して
ーー『看護roo! 転職』のSNSを運用するにあたって、お二人が大切にしていることは何でしょうか?
小園:
ユーザーから信頼されるメディアであり続けることは、SNSでも大切にしています。
もともと『看護roo!』は、看護師さんから圧倒的に信頼されているメディアなんです。私も看護師だった頃、「ここがわからない」と困ったときには看護roo!のお世話になってた一人で。言ってみれば、いつでも応えてくれるコンテンツがある「頼れる存在」でした。
でも実は、医療の世界でWebメディアが信頼されるのって、かなり大変なんですよ。調べ物をするにも、Webメディアは内容の真偽がわからないことも多いので、最も信頼できる書籍にあたるのが基本ですから。それが今では、看護学校の先生から「看護roo!なら使ってもいいよ」と言っていただけるくらい信頼されるようになりました。
これって、サービス開始から12年、看護師と真摯に向き合い続けてきた歴史が積み重なって生まれた価値だと思うんです。SNSは、届け方こそWebメディアと違いますが、信頼性はそのままに「より身近な媒体」として、ユーザーに寄り添っていきたいと考えています。
中馬:
マーケター目線でも、看護roo!独自の価値として「信頼性」を主軸として、情報やコンテンツを発信していきたいと考えています。実際、ユーザーが看護roo!に求める価値の、大きな部分を占めているので。
それと同時に、コンテンツ制作にマーケターも深く関わっている点がうちの強みですね。制作側が主導してコンテンツを作ることが一般的ですが、そこにマーケターが入って、「どこに勝ち目があるのか」といった話や、Instagramという媒体の特徴に関する話、宣伝の仕組みの話をすることで、コンテンツの拡大力を更に高めることができています。
ユーザー目線にこだわったコンテンツの魅力と、マーケティングの力。これらを融合できる座組は、組織運営のうえで大切にしています。
小園:
あとは、あまり「転職」を強調しないことも大切ですよね。
ーーたしかに、転職サービスのSNSですが、転職のトピックよりも実務や臨床の話題が多いですよね。転職に繋げなくても大丈夫なのでしょうか?
中馬:
直接的に転職に繋げよう、みたいなことはそこまで意識していないですね。
そもそも、転職は非日常的なイベントなので、日常的に情報発信してもノイズになってしまうんです。だからむしろ、日常的な接点であるSNSでは「看護師が普段から使える価値を届けること」を大切にしています。まずは日々頑張っている人に寄り添うコンテンツを届けたいという想いもありますし。
小園:
ただ、頑張っていても、どうしても「辞めたい…」って気持ちになるタイミングもあるので、そのときの気持ちに寄り添うコンテンツは用意しています。「3年働いたあと、どうする?」とか、インフルエンサーとやっている「お悩み相談」とか。
日常的なお悩みに寄り添い続けて、いろいろやっている『看護roo!』の名前を覚えてもらって、ふと転職の風が吹いたときに「そういえば…」って思い出してもらえるのが理想ですね。
常にユーザーを起点に、コンテンツの種を蒔く
ーーフォロワー数が業界トップクラスになった『看護roo! 転職』ですが、さらなる成長に向けて目指す姿や、一緒に働きたい人のイメージを教えてください。
中馬:
SNSの本格始動から2年間、いろいろなことを試してきました。失敗もありましたが、「ユーザーファースト」を軸にした勝ちパターンが見えたので、今後は更に成長スピードを上げていく予定です。ユーザーを起点に、同じ方向を向いてコンテンツやSNS戦略を考えられる人と、ぜひ一緒に働きたいですね。
積極的に挑戦していく風土のチームなので、試行錯誤を楽しめる人は特にマッチすると思います。
小園:
付け加えるなら「トレンドに敏感な人」「ミーハーな人」ですね。
コンテンツを企画するときに一番大切なのは、まず何かの種を蒔くこと。具体的な企画はみんなで考えればいいので、SNSの流れに乗って、企画の種を見つけられる方は活躍できると思います。
とにかく「こんなことをやったらどうですか?」と軽率に言えるノリは大切にしているので、風呂敷をめっちゃ広げる人が来てくださるとありがたいです!
中馬:
たまに、たたみ方が雑になりますけどね(笑)
でも、発想を広げることは大切です。勝ちパターンが見えてきたとはいえ、SNS運用には正解が無いので。SNSチームは「このSNSをどうしていくか」という最上流から任されているので、自分たちでゼロから全てを創り上げる風土が特に色濃くなっています。裁量も大きいですし、ぜひ積極的にアイデアを発信していただきたいです。
小園:
看護師経験者にもぜひ挑戦してもらいたいですね。
看護師として経験したことは、磨けば光るダイヤモンドの原石です。風呂敷を広げるときにも間違いなく輝きますし、あらゆるところで経験が活かせます。私も、他の元看護師も、編集経験ゼロからスタートして貢献できていますから、もし興味を持った看護師さんがいたら自信を持ってチームに加わってほしいですね。
最後までご覧いただきありがとうございました!
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