- バックエンドエンジニア
- 拠点立ち上げ
- フロントエンドエンジニア
- Other occupations (1)
- Development
- Business
こんにちは。株式会社クアンド CROの梅田です。
転職をご検討されている方もそうでない方にも、多くの方に『クアンド』という会社を知ってもらいたいという思いから始まったこの企画。毎月、弊社のメンバーがそれぞれの視点からクアンドを紹介する記事を執筆しています。
ワーママから見たクアンドの働きやすさ、高専卒メンバーがUターン転職先に選んだ理由、クアンドの社内制度…などなどこれまでも面白い記事がたくさんあります。興味のある方はぜひ他の記事もご覧ください。(記事一覧リンク)
さて、私の順番となった今回、たくさんご紹介したい内容がある中で何をテーマに取り上げようかととても悩んだのですが、私がクアンドで働く1番の醍醐味と感じている「現場仕事の世界を変えていくことの面白さ」をクアンドのミッションをを通じて、ご紹介しようと思います。
「SynQ(シンク)」とは、現在のクアンドのメイン事業で、現場で働くすべての方々のためのコミュニケーションプラットフォームです。コミュニケーションプラットフォームというと、小難しいというか、結局なんなんだ?と思われるかもしれませんが、SynQはその名の通り、現場仕事にまつわる、あらゆるやりとりを「楽に」行う機能を持ち、これまでアナログで行われていた会話をデジタル化することで、「知」として蓄積していくサービスです。
私たちクアンドは、「UPDATE THE INDUSTRY-地域産業・レガシー産業のアップデート-」というクアンドDNAのもと、「現場仕事に従事する人を時間・空間・言語から解放し、「知」を繋ぎ能力を最大化する」ことをミッションに掲げています。
これを実現するためのプロダクトがSynQで、その第1弾が、現場仕事に特化した遠隔支援ツール『SynQRemote(シンクリモート)』です。
2020年11月にリリースして以来、建設業や製造業、設備メンテナンス、インフラ業と多くの現場仕事のお客様にご利用いただいています。
「現場仕事に従事する人を時間・空間・言語から解放し、「知」を繋ぎ能力を最大化する」
私たちクアンドは、現場仕事に従事する方々の「知」を繋いで、彼らの能力を最大化することをゴールに掲げているのですが、その実現方法としてSynQは、「時間・空間・言語からの解放」を選択しています。
では、「時間・空間・言語からの解放」とは具体的にどういうことなのか、1つずつご紹介していきます。
■時間からの解放
「時間からの解放」には大きく2つの意味があると考えています。
1つは、情報共有やオペレーショナルな作業などにかかる「無駄な時間をなくす」というものです。
私たちデスクワーカーの仕事はPC、そしてインターネットが普及して以降、大きなパラダイムシフトをいくつも迎えてきました。
私は長らく営業やCSといったいわゆるビジネス職をメインに経験を積んできましたが、お客様や社内との情報共有方法もより短時間でリアルタイムに行えるようになったり、オンライン商談化が普及したことにより、移動時間が削減され1日に行える商談の数も倍増したりと、世界が変わっていく様を肌で感じていました。
一方で、私たちクアンドが変えたい現場仕事の世界には、依然として時間のかかるアナログな業務が多く残っています。建設業や設備メンテナンス業などの現場仕事に従事される方々のメインの連絡手段は電話で、ガラケーがまだまだ現役で活躍しています。デバイスの問題や、現場での受話のしやすさなど、様々な要因がありますが、1つの現場に対して複数の会社が関わる現場仕事において、一人でもガラケー利用者がいれば、連絡手段として電話を使わざるを得なくなります。また図面などの情報共有も紙媒体であったり、メールで送付されたものを会社で印刷して持っていくため、最新情報を速やかに全員に共有することは、とてもハードルが高く、情報共有のためのコストも高くなります。
また、現場仕事にはその名の通り「現場」が存在するため、必ず移動が発生します。現場では大小様々な業務やトラブルが発生し、その都度判断を迫られることがありますが、ちょっとした確認のためにも現場に赴くことが求められます。そのため、多い方では業務時間の半分以上を移動に費やしてしまう方もいらっしゃいます。現場仕事には「本来行かなくてもいい移動」というものが多く残っているのです。
情報共有のスピードを上げること、それにかかる事務作業や不必要な移動時間を、なくすことが「時間からの解放」の1つ目の意味です。
「時間からの解放」の2つ目の意味は、「過去との同期」です。
現場仕事に従事される方は、ジャンルにもよりますが、皆さん1人前になるまでに5~10年かかると言われます。これは様々な教育を計画しても、結局は現場に出ていかに場数をこなすかが鍵となっているからです。
なにも現場仕事に限ったことではないと思います。しかし今や、ITエンジニアや営業、CS、マーケ、事業企画…などなど、あらゆる仕事のノウハウは、インターネットを開けばたくさんの知にアクセスすることができます。同じ時間に同じ業務に携わっていなかったとしても、先人のあらゆる知の恩恵を受けることができるのです。現場仕事の知は文字で表現するのが難しいということもあって、その量はまだまだ少なく、そのため現場で時間をかけて習得せざるをえません。
私は、stack overflowの存在を知ったとき、衝撃を受けるとともに、とても美しさを感じました。集合知として、全世界の、そして過去のプログラマたちの知が集まり、相互扶助の関係で成り立つ、これがインターネットの美しさなんだなと思いました。
そういったインターネットがなしうる美しい世界を現場仕事の世界でもつくりたいのです。
属人化され、時間の経過と共に失われてきた、過去の知識やノウハウに誰もが簡単に、ダイレクトにアクセスすることができる、これが2つ目の「時間からの解放」です。
■空間からの解放
続いては、空間からの解放です。現場仕事には必ず移動が伴います。
メンテナンス業界では、現場に赴いてメンテナンスを行う方を「フィールドエンジニア」と呼んでいます。
自社の製品や保守サポート契約している製品に何かトラブルがあった場合、すぐに現場に急行して対応します。現場という「空間を同期」しなければいけない限り、現場が分かる技術者を現場に急行できる場所に配置しておかなければならず、現場の数だけ技術者が必要になります。この業界はどうしても労働集約型になってしまうのです。
例えば、自動車工場の近くには、自動車工場に納品している製品の会社のサポート拠点が多数設立されています。これは自動車工場のラインで何か突発的なトラブルがあった時、現場に急行して、ラインのダウンタイムを可能な限り短くするためです。しかしトラブルは慢性的に発生するわけではないので、サポート部隊の稼働にはムラがでてしまいます。
また、この業界も他業界と同じように、少子高齢社会の影響を直に受けており、慢性的な技術者不足に陥っています。そのため、現場の技術者のムラやムダは、会社の経営にダイレクトに影響を与える課題となっているのです。
SynQでは、現場のリモート化を推進することで、必ずしも空間を同期しなくても現場の確認、指示、判断ができる世界を目指しています。一部の経験豊富な技術者が現場を集中管理し、コールセンターのような形で、全国に配置された担当者とビデオ通話を繋ぎながら、現場にリアルタイムに指示を出すことができれば、同じ人数で、数倍の現場をまわすことが可能になります。「現場に行かない」という選択肢をとれるようになるだけで、現場仕事にパラダイムシフトをおこすことができるのです。
■言語からの解放
最後に「言語」からの解放です。
言語からの解放というと、ぱっと連想されるのは外国語の翻訳というところではないでしょうか?今、日本の現場にも海外の技術者が増えています。ちょっとしたミスが大きな危険に繋がる現場では正確に情報を伝達することがとても重要です。そのためにも外国語への翻訳機能はこれからニーズが増えて行くと思います。
また、日本のメンテナンス技術、現場の改善力はすごい技術を持っており、世界でもとても競争力の強い誇れる技術です。今でも世界中のあらゆる場所に日本の現場力は輸出されていますが、空間を同期する必要がなければ今よりもたくさんの場所を、またスポットではなく長期的にサービスを提供することができるようになります。
SynQRemoteでは、音声を自動でテキスト変換する「音声文字起こし機能」がありますが、将来的には同時翻訳機能を実装する予定です。
そしてもう1つ、現場ならではの課題ですが、そもそもの伝達方法として「言語」以外の選択肢を増やすというものがあります。現場でのコミュニケーションスタイルは、オフィスでのコミュニケーションとは大きく異なります。お互いの顔を見ながら話すことがメインのオフィスのコミュニケーションと異なり、現場でのコミュニケーションは同じ対象物を見ながら、指をさしながら「あれ、それ、これ」といった指示詞を用いながらのコミュニケーションがメインです。
「あれ、それ、これ」という指示詞は、なかなか言葉だけでは説明をすることが困難です。写真や動画といったビジュアルデータと言語が合わさることで、今までは説明しにくかった過去の対応履歴や知を、相手に正確に伝わる形で、共有したり、蓄積したりしていくことができるようになるのです。
ビジュアルデータを交えた会話ができれば、ベテランと新人、サービス提供者とお客様、知識や情報に非対称性がある関係性において、スムーズに、かつ、正確に相手と情報を共有することができ、誰でも状況を理解し問題を解決することが可能になります。
私は料理動画やメイク、ヘアアレンジ系の動画をよく見ます。レシピ本しかなかった時代、料理の工程で専門用語がでてきたり、へアレンジだとニュアンスでの説明(「くるりんぱ」など)が多かったりで、具体的にどうしていいのか分からないことがよくありました。よく分からないので、なんとなくやってみるけど、完成図と少し違う、次工程の写真のようにはならない…、でも何が悪いのかもよく分からないといった感じです。これらは、動画技術が普及したことによって、大きく解決されました。結果、誰でも美味しい料理や上手なメイク、ヘアアレンジを手に入れることができるようになったと感じています。この革命を現場仕事の世界にももたらしたいと考えています。
これらが私たちが目指しているクアンドの、そしてSynQのミッションです。
現場仕事の世界と向き合ういうこと
私は父が建設業を営んでおり、親戚や身の回りにも現場仕事に従事している人が多い環境で育ちました。
私自身は社会人になってIT・インターネット業界に身を置いていましたが、今このタイミングで、現場仕事の世界へ携わることとなり、縁というのか使命のようなものを感じています。
SynQを通じて、真正面からこの業界と向き合っていますが、この世界は、劇的な変化や破壊的なイノベーションで革命を起こしていくのではなく、従来のやり方と向き合い尊重しながら、アナログとデジタルとが融合し、共存しながら変わっていくことが大切なのではないかと、感じています。
この旧態依然とした世界を変えていくハードルはとても高くて、T2D3といったSaaSスタートアップの華やかさとは縁遠く、そしてとても地味で泥臭くて、かなりの時間を要する地道な戦いが待っているように思います。
ですが、私はこんな現場仕事の世界だからこそ、「変化-UPDATE-」が必要だと感じているし、私の父のように真夏の炎天下で汗だくになりながら、街を、私たちの暮らしを支えている方々が賞賛される世界になってほしいと切に思っています。
そのために、ローンチ前から携わっているこのSynQというプロダクトを、現場仕事に就く方々に、感動をもたらすことのできるサービスへと成長させたいのです。
SynQRemoteは、「移動時間をなくし」「どこにいても遠隔の現場を確認でき」「専門用語がなくても伝えられる」という感動を現場にもたらしてきました。
でも、まだまだこの感動だけでは足りません。ぜひ一緒にこの世界をUPDATEしていきませんか?
クアンドでは、カジュアル面談をに実施しています。
ご興味をお持ちいただいた方はぜひお気軽にご連絡ください。