あるトップ営業パーソンは、「お客さまとの商談は『ワールド』づくりが肝心」だと言います。
ここで言うワールドとは、お客さまと共感しあい、信頼しあい、お客さまが心から納得して「共に課題を解決したい」という合意が形成された、快い「雰囲気」や「空気感」といったものです。
「そのワールドは、お客さまとともに創り出していかなくてはなりません。私が心がけているのは、お客さまとシンクロし、『実はこういう問題があることは前からうすうす気づいていた』もしくは『こういう問題があったとは気づかなかった』『これを何とか解決したいのだがどうしたらいいだろうか・・・』とお客さまに気付いていただけるような空間づくり。営業パーソンが結論に導くのではなく、お客さまと一緒に気付き、歩んでいくというスタンスです。お客さまからの信頼厚い営業パーソンほど、こういったお客さまとの『ワールド』を、きちんと創っていると感じます」
「ワールド」なんてできたことがない、なかなかそこまでいかない、と言う人には、「お客さまの価値観を否定しないこと」とアドバイスします。
「人には様々な価値観がありますし、時には正解がないこともある。そんな時に営業パーソンが、『~ですよ』と決めつけてしまったり、『それは違います』と否定してしまえば、『ワールド』を作るどころか、お客さまは拒絶された気持ちになってしまいます」
「ワールド」を創れるようになるため、日ごろからどんなことをしたらよいのか・・・。それは、共感力を高めること。そして共感力を高めるには、「日頃から視野を広げ、色々なものの見方ができるようになることも大事だ」とトップ営業パーソンは言います。
「日頃からいろんな人との意見を交わすこともいい訓練になります。自分と違う意見の人にも反論したり、否定するのではなく、『どうしてそういうものの見方をするのだろ』と考えてみる」。また、時代とともに、価値観はますます多様化しています。多様な価値観を認められるようでなければ、お客さまから拒絶されてしまうこともあるでしょう」
多様な物の見方を養い、お客さまを深く受け止め、お互いに信頼を築けるよう努力していくことが大事なんですね。