営業パーソンにとって仕事に波はつきもの。営業という仕事を長く続けていくために、好不調の波をどう乗り越えていったらよいのでしょうか。
「自分の失敗や不運もあるでしょう。一方、自分の責任でなくても、事故であったり、会社やお客さまのトラブルであったり、家族の入院など家庭の事情もありえます。そんな様々な問題が降りかかってきて、自分のキャパを超えそうだと思ったら、『どういう状況か』、『理解しておくべきこと』、『次に取るべき行動』を振り返ってノートにまとめます。そんな積み重ねが、先を読む勘を磨いてくれたと思います」と語るのはあるトップ営業パーソンです。
波に飲み込まれている最中には、やるべきことに圧倒されそうな気がするもの。そうなると、行きあたりばったりで、とりあえず目の前のことに手をつけてしまいがちです。しかし、そんなときこそ一度立ち止まって対応しなければならない課題を「見える化」してみましょう。そうすれば何が脅威かなのかがわかって安心するものです。
「『仕事』と『プライベート』の両カテゴリーで、『今すぐにやらなければならない重要なこと』と『すぐにやらなくてもいいこと』を書き出します。書いていると、次第に優先順位が明らかになり、頭の中が整理されて、胸のつかえも取れる気がします。とくに悪い波が来ているときは、極端な話、四象限で言う緊急かつ重要だけをとにかく意識して書きだし、それ以外はすべて後回しにするぐらいの極端な選択もアリだと思います」
そしてその作業の中で、自分を俯瞰し、「そういうときもあるさと、淡々と捉える努力をする」と言います。「長くこの仕事をやっていると良いときもあれば悪いときもある。いい波のときも、いい気にならない。悪いときには、『こういうこともあるよね』と考える。それも口に出すことが大事です。独り言であったり、仲間や家族に聞いてもらったり。時には、車の中でブツブツ言ってますよ(笑)。抱え込んで、参ってしまわないように、口に出すことで、自分に言い聞かせて、気持ちを切り替えるんです」
限られた時間の中でやらなくてはならないことを再認識する。一方で、自分を俯瞰して見ることが大切。「今の自分がどんな状況なのか、時間のないときこそ、あえて時間をかけて見てみましょう」