こんにちは、看護師の春木です。お待たせいたしました、PREVENTが分かるシリーズの第5弾です!
これまでのシリーズでは、PREVENTが行っている事業について詳しく説明していますのでご興味のある方は、第1弾から是非読んでみてくださいね。
これを読めばPREVENTがわかるシリーズも後半戦となってきましたが、PREVENTのことに少しでも興味を持ったり、以前よりちょっと分かってきた!と思っていただけると嬉しいです。
今回は、PREVENTの行う重症化予防について、「特定保健指導と重症化予防の違い」に着目してお話したいと思います!
特定保健指導と重症化予防とは
特定保健指導という言葉をご存知でしょうか?
私は言葉は知っていたんですけど、恥ずかしながらいざ重症化予防との違いをお伝えするとなると、十分に理解できていなかったことに気付きました。まずは、重症化予防との違いをお伝えするため、特定保健指導とは何かをご紹介しますね。
特定保健指導とは
平成20年4月に始まった、生活習慣病の発症リスクが高く、生活習慣の改善による生活習慣病の予防効果が 期待できる方に対して、専門スタッフ(保健師、管理栄養士など)が個別面接やグループ面接を通して、生活習慣を見直すサポートをする政策のことです。
……ここまで聞くとPREVENTのサービスと似ている気がしてきますね(笑)
PREVENTが行う重症化予防とは
健康保険組合などに加入されている生活習慣病を既に持っている方を対象に、専門スタッフ(保健師、看護師、管理栄養士、理学療法士)が電話面談を通して、生活習慣病などの疾患がこれ以上重症化しないように予防することが、重症化予防の事業となっております。
どちらも医療に関する専門性の高い知識を必要としており、PREVENTの行う重症化予防では特に「生活習慣病に関する知識」が重要となってきます。
では実際にその内容にはどんな違いがあるのでしょうか。詳しく見ていきましょう。
「特定保健指導と重症化予防の違い」を比較してみましょう!
違いその①『対象が違う』
特定保健指導では、40歳〜74歳までの公的医療保険加入者全員が健康診断の健診対象となり、まずは腹囲の測定及びBMIの算出を行い、基準値(腹囲:男性85cm、女性90cm / BMI:25kg/㎡)以上の人はさらに血糖、脂質(中性脂肪及びHDLコレステロール、LDLコレステロール)、血圧、喫煙習慣の有無から危険度によりクラス分けされ、クラスに合った保健指導(積極的支援/動機付け支援)を受けることになります。
PREVENTが行う重症化予防では、脳梗塞や心筋梗塞の既往者(三次予防)、高血圧症や糖尿病などの投薬治療中の方(二次予防)を対象にしています。
さらにPREVENTでは対象者を選定するにあたり、第3弾「Myscopeについて」でもご紹介した、生活習慣病重症化予測モデルを用いることで、複数の要因を基に健康保険加入者1人1人の5年以内の生活習慣病の重症化イベント発生率を算出し、その中から医療費適正化に繋がる高リスク者を抽出することができます。
違いその②『目的が違う』
特定保健指導では、一般にはメタボ健診と呼ばれていることからも分かるように、メタボリックシンドロームに着目して行われています。
重症化予防では、高血圧症や糖尿病などの治療中の方を対象にしており、生活習慣病の重症化予防をサポートすることで脳梗塞や心筋梗塞などの脳血管疾患・虚血性心疾患の発生・再発予防に着目して行われています。
最後に「特定保健指導と重症化予防の違い」について表にまとめてみました。
どちらも、対象の方の将来の健康を守り、医療費の適正化が期待できる重要な事業です。その中でも、PREVENTでの重症化予防で対象とする方には、すでに内服治療を始められていたり、脳血管疾患・虚血性心疾患の発生・再発リスクの高い方が多くいらっしゃいます。脳血管疾患・虚血性心疾患を一度発症すると、治療・入院・通院のために時間やお金といった人生の資産を費やすこととなります。また、発症を契機に生活の制限が設けられ、大好きな趣味や仕事を続けられなかったりと、生活に大きな影響を与えることがあります。
Mystarプログラムでは、そんな脳血管疾患・虚血性心疾患の発生・再発のリスクを少しでも減らし、対象の方が趣味や仕事を目一杯楽しんでいただける将来を守りたいと考えております。
終わりに
「特定保健指導と重症化予防の違い」は難しいかと思いますが、少しでも重症化予防に興味を持っていただけると嬉しいです。
次回の第6弾は、『病院の医療職とPREVENTで働く専門職(看護師・理学療法士・管理栄養士)は何がちがうの?』をお送りする予定です!お楽しみに!