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【社員インタビュー】PRで人を動かす?販促コンペ受賞プランナーのリアル

PRパーソンについて、もっと知りたい!

と思って下さっている皆さん、こんにちは。4月にプラップジャパンに入社予定、22卒の平田駿です。今回はプラップジャパンにて、外部アワードへの挑戦を続け、活躍されている丸山さんにインタビューをさせていただきました。この記事を通してアワードに挑戦するPRパーソンの姿をリアルに感じていただけたら嬉しいです。

丸山優河さん:いつもクールなメガネの人。2016年プラップジャパン新卒入社。戦略コンサル、運輸、観光、ゲームなど多岐にわたる業界においてマーケティング・コーポレートPRに携わる。ターゲットインサイトを捉えた企画立案が得意。第13回販促会議企画コンペティションにて、ゴールドを受賞
平田駿:大学4年生。所属していた卓球部がコロナを経て麻雀部へと変貌する。自転車に目覚めてちょっと高価なクロスバイクを購入するも、寒くなってきたのでサボり気味。昨年、販促コンペにも挑戦。


~チャレンジのきっかけは、崖っぷち~

――早速ですが、初めてアワードへ取り組まれたときは何をモチベーションにされていたのでしょうか?

1番最初の源泉は、焦りと崖っぷち感でした。実は、僕は1年生がやるような事務作業などの細々とした仕事が本当に苦手だったんです。周りからの「こいつできねーな」という空気を感じるくらいで、実際にそれで部署異動することもありました。

だからこそ他の人と対等に戦っていくために何か見つけなきゃという焦燥感、絶望感みたいなのが2,3年前まであって。そのとき、ある新規提案でPR企画をする機会があり、せっかく与えられたチャンスだから100%やり切ろうと思いました。そこで出したアイデアを高く評価してもらえて、クライアントにも「面白いですね」と言ってもらえたのが成功体験になりました。絶望から救われるために、藁にもすがる思いでアイデアを出す方向にチャレンジしていきましたね。アイデア出しのときにも考えるのですが、絶望や焦燥感、悲しみや怒りの感情って、時には楽しいとかもっとやりたいとかポジティブな動機より強いエンジンになる気がします。

平田くんが販促コンペにチャレンジしたときのモチベーションは絶望とかではないと思うけど……。

――いや、僕も、あのとき販促コンペに取り組んだのは、「コロナ禍で空いた時間を使って、将来のために何かしなくちゃいけない」という焦りが無意識に働いていたのかもしれないです。

それは、同じ源泉かもしれないですね。


~アイデアの種はどこにある?~

――意外な原点から販促コンペでゴールドを受賞するほどにまで力をつけられた丸山さんですが、良いアイデアはどこで思いつくのでしょうか?

1番は、他人と話しているとき。ブレスト中ということになりますが、課題に対してまずは相方とどう思うかをひたすら話し合います。他人と話すと相手の反応から、ピンときている部分や面白いと感じている部分がよく見えるからです。相手がいると、リアクションを見て「あ、今俺の言っていることは筋があるな」とか判断できるので、壁打ちや鏡として効果的に機能します。ただ、どうしてもブレストしていると、ここからどうブレイクスルーしようかと行き詰まることもあります。

そういうときは、僕の場合、お風呂に入ることでいい方向に進むことがすごい多かったかな。トイレや散歩もそうだけど、よく言われるリラックスしているときに当てはまるのが僕の風呂だと思います。頭が柔軟にほぐれていくので、そういうときは1日に2,3回入ったりもしました。


――先ほど、焦りや絶望とかマイナスの感情が強いというお話もありましたが、アイデアを思いつくときにそれが直結したことはありますか?

販促コンペだと、悲しいだけだと難しいです。だからそれを意識しつつも、ポジティブに変換できたり、結び付けたりできるものは使おうとしています。例えば、今年は『トイレ掃除のサンポールを手に取って使ってもらう』という課題がありました。実はその課題でもファイナリストになったのですが、アイデアを端的に言うと、「サンポールを使って全国の心霊スポットにあるトイレを掃除する」というもの。

ホラーコンテンツ自体、好きなのでよく使っていますが、「怖い」というのは強い感情で、ホラーは恐怖訴求ではないけれどその「怖い」という感情を楽しむコンテンツです。単純に人が死ぬみたいなインパクトもあるけれど、それはネガティブが強すぎる。そうではなくて、肝試しやお化け屋敷はきちんと嬉しいとか楽しいという感情に結びつくので、個人的にストックして使えるようにしてあります。

<実際に丸山さんが作成した企画書より抜粋>

一方で、PRでは不安や恐怖への訴求がコミュニケーションに直結することもあります。例えば過去にカンヌや国際広告祭を受賞したものに、オーストラリアの銀行による事例があって、それは男女の賃金格差をテーマにしていました。オーストラリアは男女の賃金格差が激しく、その是正を訴える啓発のために1つの動画コンテンツを作ったのです。その内容は、小さな男の子と女の子に同じ家事をさせて男の子には大きなお駄賃をあげるけど、女の子には小さなお駄賃しかあげないというもの。そのときの女の子のリアクションを撮った。

このアイデアの源泉は、怒りだよね。ネガティブなものを源泉にするのはこういうときに活きると思います。


――ホラーコンテンツやカンヌの事例など、やはり優れたアイデアには膨大なインプットも必要だということですね。丸山さんはどこで企画事例をインプットしているのでしょうか。

アワードでは、そのアワードのクライテリアに合った提案が一番評価されます。そのため、企画事例の収集は、まずアワードの過去の事例を全てさらい、分析しています。これが本当に大事。それ以外の汎用的に優れたコミュニケーション事例の収集に使っているのはPR EDGEという事例サイトです。ここには海外の事例などもあって、アワードにチャレンジする人なら載っているものを大体把握していると思います。あとは毎年カンヌが発表されたら、そちらも全体的に見ていますね。

それと個人的なアンテナで大きいのはTwitterです。カンヌの事例を紹介しているアカウントが2,3個あるので、フォローしておくと面白い事例が勝手に出てきます。見てみて興味があったら、それについて調べることもありますね。


~アワードの先にあるPRの未来~

――販促コンペのゴールド受賞によって、変わったことはありますか?

社内では声をかけてもらえることがとても増えました。それこそクリエイティブがウェイトを占める新規提案や、プランニングでは優先的に声をかけてもらえるので有難いです。

自分の中での変化としては、自信が付いたこと。提案のときに、自分が描いたものを信じてやり切る力が付いたと思います。


――販促コンペにはグランプリを獲るまでチャレンジし続けたいとのことですが、もしもその先の目標があれば教えて下さい。

あくまでコンペはコンペだと思っています。外部アワードそれ自体をゴールにしてしまうのは勿体ないということです。まずはグランプリやゴールドを獲るというアワードに挑戦する上での小さなゴールはあるけど、それを通して培った提案やアイデアの力、体力やスタミナを実務に使うことが一番大事なポイントだと感じます。

それこそPRで言えば、リリースを書いてメディアに載せてパブリシティをとる、そういうものになりがちではあるけれど、もっと上流のコミュニケーションの中核となる企画を考えて実行できるようにしたい。プランニングの根幹となる部分からPRの視点を入れて、コミュニケーション全体を設計できるのが理想です。そんなクライアントワークを常に提案できたり、受注出来たり、そういう存在になれればいいかな、と。その力をつけるために、コンペに取り組んでいます。目標としては、クライアントワークでしっかりやっていけることだと思います。


――販促コンペのような外部アワードへの挑戦によって、培うことのできる力とはどのようなものでしょうか?

まずあるのは、アイデアの瞬発力です。PRの企画にせよ、クリエイティビティにせよ、アイデアを出すスピードも球数も増えたし向上したので、短時間で質の高い提案をする能力が上がってきたと強く実感しています。

他には2つぐらいあって、その1つは仕事をやるためのスタミナです。「ここまでやったしいいだろう」と途中でスタミナ切れを起こしてしまうこともあるじゃないですか。でもその許容値が凄く上がったと思います。それこそ100ページもある資料を作ってるとしても根気強く続けられるとか、そこから先のところで提案が実現して、実際に各所の調整や実現のための根回しになっても、スタミナが活きてきます。

もう1つの点としては、提案にせよ、クライアントワークで話すにせよ、大局的にものを見られるようになりました。前までは「このメディアを獲るためにはどうすればいい」というようなPRの枝葉にばかり目がいってしまいがちだったのですが、プランニングやコンペなどを経験して、コミュニケーション全体の流れをみてPRがどう機能するのかと考えるようになりました。そういう大局観を持ちながら、発信したり考えたりできるようになりましたね。


――実務とは少し異なる外部アワードへの挑戦によって、普段の実務でも大局に立って考えられるようになるということですね!

はい。普段はどうしても枝葉の作業になりがちですが、コミュニケーションのコンペは、全体像を見て、言語化して、形にしなくてはいけない。だから自然と根幹の部分にも目が行くのだと思います。


――ひとりのPRパーソンとして枝葉に終始してはいけないという危機感もあるのでしょうか?

危機感は凄くあります。昔はテレビとかマスメディアに出ていれば認知も行動も動かせたところに、5年、10年くらい前からSNSやウェブメディアが乱立してしまった。それによって情報のフローも変化し、その信頼度も多岐にわたっているため、ただメディアに出るだけでは駄目だというのが現状。そのなかでPR施策はメディアに出ることだけでなく、人の行動も喚起しなければいけなくなりました。

今まではメディアを動かすノウハウを学んでいたけれど、今は人を動かすノウハウが必要で、それはPR業界に欠けがちな要素です。人を動かすには、今日も話をしたような恐怖や楽しい、嬉しいといった感情、そこへの着眼点が必要になりますそしてそれを調理する方法をPRパーソンは絶対に身につけなきゃいけないと思っていますし、PR業界が自分たちで変わっていくために必要なものだという意識も強くあります。

丸山さんありがとうございました!

最後まで記事を読んでいただきありがとうございました。外部アワードに挑むPRパーソンの頭の中を垣間見ることはできましたか?

僕はこのインタビューを通じて、丸山さんの意外な原点に驚かされるとともに、外部アワードの意義やこれからのPRパーソンに求められる資質を学ぶことができたと思います。今後、外部アワードへ挑戦するときは、そこにどんな意義があり、どうやって実務に落とし込めるかを常に考えていきたいです。

丸山さんのお話をもっと聞きたい、PRパーソンが外部アワードに挑むことについて更に深堀したいという方は、こちらも合わせてご覧ください。

この記事を通して、就活生や転職を考えている方にPRパーソンという選択肢の魅力を少しでも感じていただけたら幸いです。

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