「キャリア相談にお金を払うなんてありえない」
散々言われ続けていた中で生まれたポジウィル株式会社。
そんな弊社も、今年8月で6周年を迎えました。
「個を変え、社会を動かす、生き方支援カンパニー」のビジョンが策定されたのは昨年8月。約1年経った今、改めて、これまでに起きた「転機」を金井と共に振り返ります。
保育短大から、法政大学キャリアデザイン学部へ。異色の方向転換。
ー芽衣さんは、まず保育短大に入られたんですよね。
金井:はい。もともと、保育の資格が取れる短大に進学したのは、単純に子供が好きだったという理由です。その課程で、現場研修として、児童養護施設に2週間通いました。その時に、社会的な課題に直面し、衝撃を受けたんですよね。
ー衝撃、ですか。
金井:お金がない、そもそも親がいない、という子たちと一緒に暮らす中で、親世代が満たされてないと、虐待も起きるし、子供も満たされないと気づきました。いわゆる世代間連鎖です。自分の無力さにショックを受けて、なんとかできないかと思いました。編入を考えていた時、短大の時の学長に、キャリアカウンセリングがあるよと教えてもらったのがきっかけで、興味を持ちました。
26歳で起業。「キャリア相談にお金を払うなんてありえない」と言われた中でも曲げなかった
ー新卒ではまずリクルートに入社されたんですよね。
金井:はい。リクルートでは、就職や転職をする人の心理を学びながら、ビジネス経験を積みました。会社を辞めたのは、人材紹介の部門で四年経過したタイミングで。
ーもともと起業を考えていたんですか?
金井:親が経営者だったので、ずっと会社員でいるイメージがなかったんですよね。その父に相談した時に、「30くらいまでに結婚して、子供産みたいと思うんだとしたら、事業を成立するのは3年ぐらいかかるから、26の時には始めていないと。今やんないとやばいよ」と言われて、確かになと。ある程度結果も出てきたので、当時、構想も何もなかったんですけど、キャリアカウンセリングを日本に広めたい!って思いだけで、辞めちゃいました。
ー思い切りがいいですね…!
金井:はい(笑)。そこから1年後、紆余曲折ありながら、「オンラインのキャリアカウンセリングサービスをやりたい」と構想し、単発で1回約1万円の有料キャリア相談サービス『そうだんドットミー』をリリースしました。
「キャリア相談にお金を払うなんてありえない」とあらゆる人に言われ叩かれましたが、「相談」の敷居が低くライトな印象がウケたのか、リリースされるとすぐに数百人からの申し込みがあり、サービスとしては予想以上の成功でした。
ー順調に思えた矢先、2回目の資金調達を募った際に「本当にこのサービスに価値はあるのか?」とVCから厳しい意見があったとのことでしたね。
金井:そうなんです。まだ信じてもらえないのはなぜだろう?を探るために、一度ユーザーと直接会う機会を作った。そのとき会ったユーザーの中で、「なかなか転職が決まらないんです」と声をかけてくださった方がいました。「ぜひうちのサービスを使ってください」と言ったところ、「もう5回ぐらい使ってるんです」という返事が返ってきたんです。
「5万円くらい支払ってくださってるのに……?このサービス、全然ダメじゃん……」と衝撃を受けました。よくよく聞いてみると、単発の相談では、その場で「あなたは十分頑張ってますよ」みたいな、上辺だけ撫でるようなことだけ言われて終わっちゃう方が多かったんですよ。
そこで、「5万円で1ヶ月間、電話もメールもし放題で、私が徹底的に転職活動をサポートするので、やってみませんか?」と提案し試してみたところ、それまで30社近くの会社を受け全て落ちていた彼は、1社受けてその1社から内定を掴み取りました。
伴走すれば、人は変われる。
ー単発ではなく、長期的な支援によって、その方は変わったのですね。
金井:「伴走することで、人って変われるんだな」と感じた瞬間でした。サービス価格を、まずは5万円、次は10万円、次は15万円…と上げていき、検証を繰り返すうちに確かな手応えを感じたので、2019年8月に『ゲキサポ!』をリリース。翌年には『そうだんドットミー』をクローズ。気軽に相談できるサービスから徹底的に伴走する今のスタイルへと事業を転換しました。
リリース時の「2ヶ月で30万円」という強気の価格設定は、投資家も「売れるわけないだろ」と言っていましたし、社員も私以外、誰も信じていなかったと思います。実際、ついていけないと辞めた社員もいました。
でも、検証に付き合ってくださった方々は、皆さん30〜200万円程度、年収が上がっていたんですよ。実際にこのぐらい年収が上がれば、1年間でペイする金額です。
もう最初の年で50〜100万上がるんだとしたら、生涯年収は数千万、億単位で変わってくるじゃないですか。そうなったら、 出すと思ったんですよね。それは本当にこう、勘でした。
ーたしかに、生涯年収を考えると、サービスの価値を再確認できます。
金井:パーソナルトレーニング『RIZAP』もそのくらいの価格設定ですが、それと同じぐらい、あるいはそれ以上に価値があるサービスだと私は信じていたので。それで人生が変わるのならむしろ安いのではないかと思い、この価格に設定しました。
ーその後、今の「POSIWILL CAREER」ができあがったのですね。
金井:サービスが拡大し、メンバーも増えてきた段階で、今の「POSIWILL CAREER」に名称を変更しました。「ポジウィルに出会って、変わることができてよかった」と、こんなにも多くの人が言ってくれるようになるなんて、起業当時は想像もできなかったです。
この頃、弊社のロゴも決定。
金井:シンボルのモチーフは、窓と空。ポジウィルとともに「あるべき」をこわすことで、視界が大きく広がり、自分らしい未来が開けていく。そんな様子を伝えるシンボルと、明るく力強いロゴタイプで構成されています。
今後、キャリア領域以外の展開もしていく弊社なので、その領域によって色を変えて表現していけるというのはとっても素敵だなと。
後のCTOとなる斉藤の入社。テクノロジーの掛け算によって、さらに広がる可能性
金井:現在取締役の斉藤が1人目エンジニアとして入社したのは、名称が「POSIWILL CAREER」になってから半年が過ぎた頃ですね。
斉藤のインタビューはこちら
ーこの頃から、テクノロジーと掛け合わせることを考えていらっしゃったのですか?
金井:はい。人の手だけでは限界がくるとは思っていたのです。私たちは「キャリアを相談する」が当たり前になる世界、キャリア支援を文化にしたい。となると、目の前の人だけを幸せにしていくやり方では、気が遠くなるほどの人員と時間が必要です。
だからこそ、サービスの中で人が介在する方が価値が高いことは残しつつ、テクノロジーに頼れる部分はどんどん頼っていきたい。
さらには、これまで2万人以上の相談を受けてきた中で蓄積した、一人一人の人生をデータベース化していくこと。これにより、ますます広く、キャリアカウンセリング、コーチングを広げていけると思っています。
今ではプロダクト開発チームも頼もしい組織になりました。トレーニングプログラムの中で「テクノロジーを介した方がより良くできること」が、どんどんプロダクトを通して提供できるようになってきています。
弊社コーポレートサイトNEWSページより
ここ半年でプロジェクト開発13件(大規模2件/中規模9件/その他2件)エンハンス開発540件の開発実績
不可能を可能にしたポジウィルが目指す次のステージ。
6期から策定された、コーポレートビジョンに込められた想いとは。
ー「個を変え、社会を変える、生き方支援カンパニーへ。」ビジョンに込められた想いについて、教えてください。
金井:仕事だけがキャリアではありません。人生そのものがキャリアなので、今後はお金や結婚、家族、人間関係など、キャリアで生じる様々な悩みを相談できるようにしていきたいと思っています。
だから私たちが目指すのは単なるキャリア支援会社ではなく、「生き方支援カンパニー」。
「生きていく中で何かに悩んだら、まずはポジウィルに相談する。」
そんな未来をつくっていくために。私たちはこれからも一人一人の「個」の人生に向き合い続けます。そうして、個の変化が波及して、社会が変わる。そんな未来が私たちには見えています。
今年、ポジウィル認定講座が立ち上がり、キャリア支援者を増やしていく仕組みが整いました。まずはキャリア支援をこの国の文化にする。そしてその後は、キャリア領域を礎として、他領域にも展開していくつもりです。
6期上半期キックオフにてコーポレートビジョンを発表した際の金井
壮大な未来を描くからこそ、課題はまだまだ山積み。今のポジウィルに必要な人材は。
ーこれからのポジウィルに必要な人材は、どんな人でしょうか。
金井:ポジウィルで活躍するのは、成果にフルコミットできる人。理想に向かって、周りを巻き込みながら自己変容していける人です。
ポジウィルは最初、できっこないと言われていました。「キャリアの相談にお金を払うなんてありえない」と。その逆風を跳ね除け、新しい価値を生み出してきました。これからも、まだまだ未知の領域への開拓です。正解がない中でも成果を出そうと奮起する社員が表彰対象にもなっていますし、信頼も集まっています。
私たちはお客様に、「どう生きたいか?」を問います。じゃあ私たちはどう生きたいか。
理想を掲げるだけじゃなく、現実にできる強さを持ちたい。
自分らの理想を現実にできる。自己実現の実感こそが、人生を豊かにすると思うんです。
その幸せを全員で掴み取れる、そんな組織にしていきます。
ポジウィルは採用強化中です。「あるべき、こわそう」というミッションに共感し、共に「個を変え、社会を変える、生き方支援カンパニー」という理想を現実にすることにコミットしたいと思ってくださる方からのご応募を、心よりお待ちしております!