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リファラル採用で、半年に5人採用してわかったこと

こんにちは。ピクスタ歴2年、採用を担当している古川です。
今日は、ピクスタで「リファラル採用」を取り入れて半年が経ち、どんな成果があがったかをお話しようと思います。


◎はじめに

ピクスタは、「インターネットでフラットな世界をつくる」を理念に掲げ、写真・イラスト・動画素材のオンラインプラットフォームを運営している会社です。現在、正社員の約半数がこの2年で入社しており、だいぶオフィスも狭くなってきました。(余談ですが、12月末に同じく渋谷に移転が決まっています。)

◎リファラル採用導入前の状況

ピクスタは昨年9月に東証マザーズに上場し、現在、「新規顧客獲得」「新規事業」「海外展開」の3つに注力して事業展開しています。今年で設立11年目を迎えましたが、実は「人」専門の人事専任者を置いたのは2年前でした。
『PIXTA』の成長にともない、組織も大きくなり、社内制度構築やコミュニケーションの整備など、「人」に関する部分でのテコ入れを行い、「さぁ採用だ!」と本格的に動き出したのが2014年末です。
なるべく効率よく、質の高い求職者に出会いたい、ということで選んだのが人材紹介エージェントでした。2015年はエージェントメインで採用を行い、結果、新しく入社したメンバーの7割がそれ経由でした。

◎ 見えてきた課題

2015年の1年を振り返ってみると、見えてきたことがありました。

【課題】
・ 応募からの採用決定率が低い →他に改善できる方法があるのでは?
・ エージェント経由だと競合が多く、競争が激化しがち
・ 採用が難しいポジションの母集団形成に苦戦

※”採用が難しいポジション”とは、求めるスキル・経験など要件が多く、ターゲットがかなり限られるポジションを指す。ピクスタだと、同規模もしくはそれ以上の大規模サービスを運営した経験のある人や、クリエイティブとビジネス感覚と両方を持ち合わせ、ストックフォトの新しい流れをつくっていきたいマインドのある人など。


◎ なぜ今のタイミングなのか

課題解決の有効な手段の一つとしてリファラル採用が挙がり、導入を検討することにしました。リファラル採用がうまくワークする前提として、メンバー一人ひとりが「会社が好き/紹介したい」と思っている必要があります。(でないと友人知人を自信をもって紹介できないですよね。)ピクスタでは、社内整備や新メンバー加入で徐々に組織の雰囲気が変わってきている状況でした。


2015年に入社した新メンバーに、入社1ヶ月と3ヶ月のタイミングで面談を実施したのですが、「面接で感じた雰囲気と実際に働いてみた雰囲気が同じ」「入社前と入社後のギャップが少ない」「社内もフラット」という意見が多く挙げられました。


転職市場がますます困難を極める中で、このピクスタの強みを活かしつつ、現状の採用をよりよくしていこうと考えた時に、メンバーから会社についてリアルな声を直接聞ける「リファラル採用」がマッチする、という結論に至りました。時期的にも、新メンバーが多く加入し、組織の雰囲気もより活性化していたので、新しいことを導入しやすいタイミングでした。


◎ 導入に向けて行ったこと

一番はじめの導入が肝だと思っていました。この導入フェーズを通して「採用が変わるんだ」とメンバーに感じてもらい、意識を向けてもらわないとこのまま説明だけして流れてしまうという危機感を持っていました。
スムーズな導入〜運用につながるよう、全てストーリーを組み立て、実行しました。具体的には以下を行いました。


・経営会議のプレゼンで経営陣にコミットを約束してもらう
・全体会議や普段の言動で代表の古俣はじめ経営陣にリファラルが大事だとメンバーに叫んでもらう
・人事から、全体への定期的なリマインドと個別アプローチを行う
・途中経過を報告して、進んでいる案件や、採用に至った事例を共有する(見える化する)
・役員・人事が自ら候補者を連れてくる・メンバーがいつでも情報を拾えるようにWantedlyのフィードを有効活用(代表ブログや開発ブログ、広報ネタ、社内イベントなど、ピクスタに関するあらゆる情報を投稿)


採用に限らずな話ですが、会社の重要課題&取り組みだとメンバーに認識してもらって動いてもらうために、社長がまず声を上げ、上司からメンバーに導入を促し、かつ自らが実行して背中を見せる、という落し込みを意識しました。

◎ 実際に導入してみて

2015年と2016年の採用ルートを比較してみた結果です。

【2015年】
 エージェント:70%
 媒体:15%
 リファラル:15%

※2015年は正式に制度としてリファラル採用を導入していないです。

【2016年】※9月時点(内定者含む)
 エージェント:45%
 リファラル:40%
 媒体:10%
 ダイレクトスカウト:5%

※”ダイレクトスカウト”とは、データベースから、ターゲットに合った求職者に企業が直接メールを送る方法。


・エージェントでは出会えないはずの人たちの入社が決まった
リファラルで採用したメンバー全体のうち6割は「他社はまったく見ていなかった」、また全体のうちの4割は「まったく転職を考えていなかった」と答えています。つまり、メンバーからの紹介、魅力づけがなかったら転職していなかったかもしれません。

・採用に苦戦していたポジションの採用が決まった
一般的に採用が難しいエンジニアの入社が複数名決まりました。また、弊社特有ですが、クリエイティブの経験や志向を持った人材の採用も複数決まっています。クリエイティブという言葉の定義が難しいのですが、雑誌や広告制作の経験に加えて、これからのストックフォトの時流をつくっていきたい意志や、自分なりの考えを持っている人です。このあたりはなかなかエージェントとのすり合わせが難しく、採用に苦戦していました。

・大事なのは自社らしさを第一に考えること
リファラル採用の企画〜導入〜運用をやってみて、どの工程においても押さえるべき重要なポイントは「ピクスタらしさを意識すること」だと思いました。その会社のメンバーや社風に合わせた自然な導線を常にイメージし、「これならイケる!」と思ったものだけスモールスタートで導入しました。

◎難しかったこと

・最初の紹介ハードルが思った以上に高い
人事としては、紹介される人と、紹介者との関係を第一に尊重した上で、「まずは紹介してみてください。進め方は一緒に考えましょう!」というスタンスでした。結果、正社員の約15%が紹介(複数人紹介してくれたメンバーも!)してくれ、結果としてはまずまずでしたが、紹介が可能な潜在層はもっといると思っています。

立ち話や帰り道が一緒になった際には、「実はこんな人がいるんですけど〜」「前職に転職考えている人がいそうな気がするんですよね」と話していても、改めて声をかけると「まだ紹介するっていう段階じゃないんで...」「私の方で様子見てみます」といった反応が見られることがありました。 私自身も知人を紹介したことがありましたが、普段仕事の話をしないので、「ピクスタにマッチするのか?」「仕事スキルは高いのか?」は全くの未知数でした。プライベートで知り合いなのと、会社に候補者として紹介するのでは全然心持ちが違うな、というのが正直な感想です。

紹介する側からすると、“◯◯さんが紹介した“という、ある意味お墨付きとなり、そこには高いハードルがあると感じました。

・紹介しやすくするための制度をつくったが、実際あまり使われていない
ピクスタでは、「もぐもぐ制度」という、会社から一部食事費用補助が出る制度を導入しました。まずは接点を持つのが大事だと思っていたので、「最近会ってないから近況確かめてみよう」くらいの気軽な感じで使ってもらえるように、と意図していたのですが、使われたのは制度導入当初だけでした。

おそらく、その背景には、「会社からお金をもらうのだから、ピクスタの魅力を紹介しないといけない」「次は選考に進められるような可能性が少しでも見いだせるような人じゃないと紹介しにくい」というような心理的ハードルがあると思いました。

たとえご縁がなくても、「ピクスタっていい会社だな」とポジティブに思ってもらえたら(イメージはファンになってもらう!)それでいい、と思っています。制度はあくまで手段なので、使われることが最重要項目ではないのですが、紹介のきっかけになったり(背中を押す)、選考プロセス内の潤滑油になるような取り組みにしていきたいと思っています。

◎総括すると

改めて気づいたのは、「採用が◯人できた!」という見えやすい結果の他に、メンバー全員が採用へ意識が向かうことはイイコトだらけだ、ということでした。具体的にいうと、リファラル採用だけでなく、普段の採用活動においても「求人に◯◯な人を募集していると書いているけど、こういう人もターゲットになりそう」「友達の知り合いに転職考えている人がいないか聞いてもらっている」など積極的に採用に関わろうとしてもらえるようになりました。

2015年は役員からの紹介のみでの採用でしたが、2016年はほとんどがメンバーからの紹介で採用が決まっています。

リファラル制度を半年導入してみましたが、ピクスタでは有効な採用手段になると感じています。(同じように、潜在層にアプローチする、という意味では、スカウトメールを送る、ダイレクトリクルーティングにも力を入れていきたいと思っています。)

ピクスタに興味を持った方はぜひ一度オフィスに遊びに来てください!(笑)
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