「成果が出ない案件は、こちらからコンサルティングをお断りすることもあります。」
代表の宮井は、450社を超える経営支援の現場でそう言い切ってきました。戦略の納品で終わらない、補助金申請から融資、現場の実行までを一気通貫で伴走する——それがファルムコンサルティングの流儀です。本記事では、他社との違いを生む「3つの強み」と、実際の現場で起きたリアルな再建ストーリーを紐解きます。
1. ファルムコンサルティングの「3つの強み」
Q.他社と比較した時、ファルムコンサルティングの強みはどこにありますか?
戦略系のコンサルティングだと、戦略構築までやってドキュメントを納める、というスタイルが一般的です。でも、そこに書かれている内容を「うちの組織じゃできないよ」と現場が拒否反応を起こして、途中で頓挫してしまうケースが本当に多い。
私たちはそこに違和感を持っていて、最短で成果を出すために何をすべきか——実行に徹底的にこだわっています。強みを3つに整理すると、こうなります。
01 広範囲を伴走できる、ハンズオン型のコンサルティング
戦略を立てるだけでは終わりません。現場に深く入り、社長と一緒に営業先へ同行することもあります。営業の現場で社長と並んで商談に臨み、その場で次の打ち手を一緒に決めていく——この「現場に立ち会う密度」が、ファルムコンサルティングの最大の特徴です。
そして、実行が進まない場合は、こちらから「一旦やめませんか」とご提案することもあります。お客様にとっても、これ以上お金と時間を投じても成果が出にくいと判断した時点で、率直にお伝えする。これはコンサルティング会社としては勇気がいる対応ですが、私たちは「短期で成果を取り切る」ことに本気だからこそ、必要な姿勢だと考えています。
02 補助金・融資・実行までの「一気通貫」
プロジェクトを起こすとなれば、補助金の申請サポートを当社主導で行い、採択を取りに行く。その採択をもって金融機関を一緒に回り、融資の取り付けまで一緒にやる。予算を確保した上で、実行フェーズへ進む——この一連の流れを切れ目なく支援できるところは、なかなかないと思います。
補助金が降りれば、使った分は実質的に戻ってきます。融資の枠も組み合わせれば、お客様の手元キャッシュへのインパクトを最小化しながら、攻めの投資を可能にできる。「戦略立案」「補助金支援」「融資支援」「実行支援」——通常はバラバラの専門家が担う領域を、ファルムコンサルティング1社で一気通貫に設計できることが、お客様にとっての時間とコストの大幅な短縮につながっています。
03 「ビジネスエンジニアリング」が強い組織
AIツールの開発を進める中で改めて感じるのですが、私たちはソフトウェアエンジニアリングよりもビジネスエンジニアリングが非常に強い組織です。
「実際にその会社で使える形にするには、どう設計すべきか」「どのレベルなら現場で運用できるか」——そこまで踏み込めるのは、現場に深く入る経験を積み重ねてきたからこそです。技術的に作れるかではなく、「お客様の組織で本当に使いこなせるか」を起点にプロダクトを設計できる。これは、現場伴走を続けてきた組織にしか持てない強みだと考えています。
逆に「劣後している」と感じる領域
現場実行に特化しているぶん、エンタープライズ向けの大規模な戦略ドキュメントだけが欲しい、シンクタンク的な調査報告書が欲しい、というニーズには、専門でやっている会社に比べるとやはり劣ると感じています。そこは正直にお伝えしています。
2. 数字で語る、3つの再建ストーリー
450社を超える支援実績の中から、特に印象に残っている3つのケースをご紹介します。業界も規模も課題も違いますが、共通しているのは「課題の本質を見抜き、徹底的に実行を回し切る」というファルムコンサルティングのスタイルです。
業界:建設業(民間案件中心)
規模:売上 約5〜6億円
課題:営業利益マイナス6,000万円、キャッシュ枯渇の危機
期間:約2期(2年間)
数字の構造を見たとき、すぐに分かったのは「粗利が問題のほぼすべて」だということ、そして残りは販管費の無駄遣いだということでした。
まず1件1件の見積もりプロセスを見せてもらい、Excelベースで全件を積算できる仕組みを作りました。社長と一緒に目標利益率を決め、「この水準を下回る案件は受けない」というラインを明確化。さらに交際費や旅費交通費の使い方を全面的に見直しました。
当時はキャッシュが本当に枯れる寸前で、社長と一緒に銀行へ。「本気で改善したいんです」と直談判して、2,000万円の短期融資を引き出しました。
その代わり、社長報酬は1/3に減額。出張時の高級ホテル宿泊や、高額な交際費の使い方も全面禁止に。代わりに「5万円×6回で人と会う」と回数を増やす方針へ転換しました。金融機関とも数字目標を握り、毎月の進捗を一緒に確認する体制を整えました。
銀行と握った数字を、毎月の数字を見ながらひたすら実行——その結果、翌期にはマイナス6,000万円がほぼゼロまで戻り、その次の期で営業利益プラス1,700万円。約1年強で約8,000万円規模の損益改善を実現しました。社長と一緒に苦しい意思決定をやり切ったからこそ、ここまで戻せたケースです。
「課題の本質を見抜き、徹底的に実行を回す。これに尽きます。」
業界:介護(訪問介護・放課後デイサービス等)
規模:複数事業所を地方都市と札幌で展開
課題:営業利益マイナス2,800万円、現金流出年4,000万円規模
期間:約1年(1期)
ある支援機関の担当者からの紹介で出会った会社でした。直近の決算で営業利益マイナス2,800万円、年間で約4,000万円近い現金が流出している状況。「あと1年このまま行ったらキャッシュアウトします」というところでした。
社長との最初の合意は明確でした。①キャッシュフローをプラスに、②黒字化、③その上で1年で伸ばす。事業所ごとの数字を全てもらって分析した結果、伸び代があるのはデイサービスと訪問介護の2つ。
やることを3つに絞って実行に入りましたが、デイサービスが想定ほど伸びなかった。そこで早い段階で事業形態を切り替える判断をしました。同社の放課後等デイサービスは運営メソッドやサービス内容に独自の特色と強みがあったため、こうしたサービスが必要とされる地方都市で「開業したいがノウハウがない」というニーズを持つ起業志望者に向けて、フランチャイズ展開を行う方針へと転換したんです。「うまくいかない」と分かった時点で、固執せず素早く打ち手を変える——これも、現場で数字を毎週見ているからこそできる意思決定です。
結果、翌年の決算では営業利益が約+7,000万円まで改善。マイナス2,800万円のスタート地点から、トータルで約1億円規模の損益改善を実現しました。
一つ補足すると、「成果報酬で受けていれば、もっと大きく取れたのに」と周りからは言われましたが、約束した金額で約束以上の成果を出すことに価値があると、私は思っています。役員の方々が非常に実行力のある方々だったからこそ、ここまでの成果が出ました。
業界:革製品の製造・小売(オリジナル商品)
規模:本店+複数の販売店舗
課題:永続的な赤字、BSも整理が必要な状況
期間:長期伴走案件
長く赤字が続いていて、繰越欠損も積み上がり、どこから手をつければ良いのか——という状態でした。社長は熱意のある方で、「なんとか改善したい」というご相談からスタートしました。
まずは各店舗の数字を見えるようにし、本部固定費を按分して計算し直した結果、貢献利益すら出ていない店舗がほとんどでした。判断は明確で、本店を除く4〜5店舗を即時撤退。撤退を決めた店舗はいずれも販売代行会社への丸投げで、同社の従業員は1名もいない店舗でした。実際に視察へ行くと、現場のスタッフは商品のこだわりやストーリーをほとんど語れない。全員が熱意の薄い販売代行会社の人員という状態だったからこそ、即時撤退を迷いなく決断できたんです。
1店舗、契約上ほぼ「カモにされた」と言える条件で残期間が長く残っていた店舗があったのですが、こちらも知恵を絞って退店を実現。撤退と並行して、社長の想いを伝えるストーリーづくり——ホームページやInstagramの設計、購入者の声を含めた発信——も組み立てました。
結果として、赤字店舗のスクラップを最速で完了。本店の事業は今も継続しています。
「ビルド&スクラップのスクラップを、最短で進める。これも仕事です。」
3. 3つの事例に共通する「ファルムコンサルティングらしさ」
業界も規模も課題も違う3つの事例ですが、共通しているものがあります。
① 数字構造から「本質的な課題」を見抜く
感覚や精神論ではなく、データから何が問題かを構造化する。建設業なら粗利、介護なら事業所別の損益、革製品なら店舗別の貢献利益——切り口は違っても、見抜くべき本質は数字の中にあります。
② 戦略だけで終わらず、実行まで一緒に回す
社長と銀行に同行する、社長報酬の減額交渉を一緒にする、撤退判断と退店交渉まで踏み込む——コンサルタントとクライアントという線引きの「向こう側」にまで入っていく姿勢が、結果を生んでいます。
③ 与えられた予算の中で、最大のアウトプットを出す
「いただいた予算の中で、限られた時間でとにかく多くのことができるよう段取りするのが、私たちの仕事です。」——宮井の言葉です。月30万円で1億円規模の損益改善を実現した介護事例も、その姿勢の象徴と言えます。