Human Capital Development and Planning事業部(以下、HCDP事業部)に所属し、各種研修の企画、運営を手掛ける何徳(かとく)さん。パクテラ・コンサルティング・ジャパン株式会社(以下、パクテラ)で行われた2024年度新卒研修とは?研修担当者の立場から、研修内容、新卒社員に込めた想いについて語っていただきました。
【プロフィール】
中国の大学を卒業後、中国の銀行で3年間、経理部に従事。その後、日本の大手コンサル会社1社とITコンサルティング企業1社でコンサルタントとしての経験を積み、パクテラに入社。現在は、社内コンサルタントの育成業務に従事する。
何徳さんの過去のインタビューはこちら⇒
【コンサルタント教育責任者が語る】 優秀なコンサルタントに共通している必要な能力とは
前職での経験が今の礎に。パクテラで取り組む人材育成
――まずは何徳さんの自己紹介と、現在の業務について教えてください。
何徳: 大学卒業後、東京にある中国の銀行に就職し経理を経験した後、中国へ行き、日系大手総合コンサル会社へ入社、そこでは、約15年間コンサルタントとして最前線に立ち、お客様への提案を行うだけでなく、最終的にはグループ長として幅広い業務を行ってきました。その当時在籍していた企業では、「人材こそ会社の財産」という考えのもと、人材育成に時間と労力をかけていたこともあり、私自身、人材育成の重要性を強く感じるようになりました。
その後2018年日本に帰国し、大手ITコンサルティング企業に転職しましたが、自分のやりたいことを見つめ直す中で、次はコンサルタントとしてではなく、社内向けの人材育成に挑戦したいと思い転職することに決めました。
パクテラは私の意思や考えを尊重し、受け入れてくれました。そのため、最終的にパクテラに入社することを決めました。2021年に入社してから約2年間は、社内向けのコンサルタント研修とクライアントへのコンサルティング業務を兼務していましたが、現在は、社内向けのコンサルタント研修に注力しています。
研修で手に入れられるもの、知識、スキル、頼れる仲間
――社内のレベルを一定の水準に保つ教育というのは非常に重要です。では、2024年の新卒社員の研修ではどのような目的を掲げていたのでしょうか。
何徳: おっしゃる通り、教育でレベルを上げることは簡単なことではありません。そのため、代表の杉山とも話し合い、2024年の新卒研修では以下のゴールと目的を設定して研修を行いました。
【新卒研修のゴール】
新卒研修後に各事業部でスムーズに業務を遂行できる状態を作る。
【新卒研修の目的】
①社会人としての基本的なマナーや立ち振る舞いの習得
新卒として入社し、研修を終えた段階で、一人の社会人として仕事をしていくための基本的なマナーや立ち振る舞いを身につける
②コンサルタントとして必要なスキルの習得
資料作成やプレゼンテーションなどの基本的なビジネススキルを習得する
③組織やチームとしての仕事への取り組み
チームワークが求められるコンサルタントの仕事において、自分の役割を理解し、チームで連携して仕事ができる
――では、具体的にどのような内容の研修だったのでしょうか。
何徳: まず、①については、改めて、コンサルタントとしてどのような考え方を持ち、行動しなくてはならないかという研修を行いました。また、パクテラでは、様々な国籍の方が入社するため、必要に応じて言語を変えて個別に説明することもありました。
次に、②のスキルに関しては、まずは、コンサルタントに必要な基礎スキルであるExcel 操作やPowerPointの作成、プレゼンテーションの仕方、また、業務フロー図の書き方といったスキルの習得に加えて、IT知識やロジカルシンキングについても研修の中で教えました。
Excel研修では、データベースを利用して分析するなどの工程が発生するため、外部の機関とも連携しながら、実践に近い数値や分析ができるよう研修を実施しました。
③のチームワークではグループを作り、特定の目的に対してテーマを決め、最終発表に向けて議論を重ね、チームワークを強化しました。この研修は主に、新島での合宿研修で行われました。
――特に注力したプログラムはありますか?
何徳: 研修の中でも最も重きを置いたのはPowerPoint研修で、一番時間を費やしてきました。その理由は2つあります。
1つはコンサルタントの仕事では、PowerPointの使用頻度が高いだけではなく、作成したスライドが納品物となります。PowerPointの質が、お客様の理解度や、お客様からの信頼の獲得に直結します。
2つ目は、PowerPointの質が高まると、必然的にコンサルタントにとって必要なスキルが上達するからです。質の高いPowerPointを作成するには、物事を深く理解した上で、ロジカルに考え、表現するスキルが必要になります。PowerPoint研修はそれらのスキルを一度に訓練するためにも、打って付けの研修です。
――新島での合宿研修ではどのようなことを意識して、チームワークを強化していったのでしょうか。
何徳: 新島での合宿研修を企画する際には、特に、次の2点を意識しました。1つ目はゲーム性を盛り込み、チームワークを発揮しやすいシチュエーションにすることです。2つ目は、全体を通してメリハリのあるプログラムにすることです。
1つ目に関しては、様々なシチュエーションでグループを作り、あえてチーム対抗の形式でレクリエーションを実施しました。そうすると、相手チームに勝つために戦略を練ったり、自然とコミュニケーションが生まれるだけではなく、仲間同士でお互いをフォローする言動も出るようになりました。
2つ目のメリハリに関しては、研修の時間と自由行動のバランスを調整して、研修だけのストイックな合宿になりすぎないように気をつけました。仕事としてのチームワークだけでなく、プライベートの時間や自由時間での交流も重視したかったからです。
私としては、同期という存在はとても重要だと思います。自分が苦しい時に相談ができ、お互いに励まし合える人がいること、そのような同期に巡り合えるということが今後の財産になるので、そのようなきっかけが生まれる場作りも意識しましたね。
――ゲーム要素を盛り込み、楽しみながらも団結することができる研修ですね。実際に参加した方々からはどのような感想がありましたか。
何徳: 研修の時間と自由時間のバランスが取れていて、この新島の4日間の研修でとても仲良くなれたことが良かったという意見をいただきました。新島合宿には先輩社員にも帯同してもらいましたが、同期とのチームワーク強化だけでなく、パクテラの先輩社員とも交流の機会にもなったようです。
このチームワーク研修では、朝から夜まで行動を共にすることによって、その人の本当の姿を見ることができます。私の考える理想のチームワークとは、お互いを理解していることを前提に、物事に対し、一丸となって取り組むという思いを共有できている状態であり、まさにそれを学ぶことのできる内容にできたと思います。
――皆さんにとって実りある合宿研修だったのですね。研修全体を振り返っての評価や、今後の研修の改善についてはいかがですか。
何徳: 今年の場合は、評価の観点を予め次の3点に絞って研修を進めてきました。現在は、研修プログラムはほとんど終わり、最後のプレゼンテーションなどを行っています。すでに評価はつけ始めていますが、プレゼンテーションが終わり次第最終的な評価が決まります。
①PowerPoint作成能力
②議事録作成能力
③チームワーク・リーダーシップ
今年の新卒研修に関しては、私が主導してきました。PowerPoint研修なども、私自身が必要だと考えるスキルから逆算して研修内容を提言して実行しています。私が考える理想の研修とは、1度作ったら終わるものではなく、状況や必要に応じて追加したり削除するなど、日々アップデートが必要なものです。なので、今後もより良くするために必要なことがあれば、柔軟にアップデートしていく予定です。
“謙虚さ”、“サービス精神”、現場に出ても覚えておいて欲しいこと
――では最後に、研修を終えた新卒入社の方々に伝えたいことはありますか。
何徳: そうですね。少なくともパクテラに3年間はいて欲しいと考えています。3年いないことには、コンサルタントとして学ぶ時間が足りないと思います。研修で学んだだけではそのスキルは自分のものにはなりません。”3年”というのは一つの区切りですが、実践も通して学び、自分の能力にしていけるまとまった期間は続けていただきたいですね。
また、コンサル業は結局のところサービス業です。コンサルタントの仕事を何年も経験していると、プロジェクトでも上手く立ち回れるようになりますし、そこでお客様に褒めていただくこともあります。その時に天狗になり、お客様目線を忘れてしまったら、その人の価値、提供するサービスの質は当然下がってしまいます。
「常に謙虚で、サービス精神を持ってお客様に接すること」
これは、私の信条ですが、研修を終えた皆さんにもずっと忘れないでいていただきたいことです。
終わりに
最後まで本記事を読んでいただきありがとうございます。
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