はじめに
パクテラ・コンサルティング・ジャパン(PCJ)株式会社(以下、パクテラ)は2021年にプロ野球独立リーグ 四国アイランドリーグplusに所属する徳島インディゴソックス(以下、徳島IS)とスポンサー契約を締結し、締結以降はAIによる音声・音響分析技術や画像分析技術を用いた支援を行っています。
徳島ISは、今回の2023年プロ野球ドラフト会議をもって11年連続でのNPB選手輩出となりました!おめでとうございます!今回は、2024年よりNPBプロ野球チームへの入団が決定した徳島ISの選手6名とのインタビューを通じて「プロフェッショナル」を目指す上でのマインドセットについてお聞きしました!
※この記事は2023年11月14日に行われたインタビュー・撮影をもとに作成しています
選手紹介
椎葉 剛選手(写真左)
最速159km/hのストレートを持つ剛腕投手。得点圏での被打率が非常に低く、ピンチの場面でも冷静に対応する能力を持つ。ストレートの空振り率が非常に高く、NPB入り後もその直球がどれだけの武器となるかが期待されている。
シンクレア ジョセフ 孝之助選手(写真右)
長身から繰り出される力強いボールでゴロを量産するサウスポー。直球は最速151km/hで、ツーシームも織り交ぜるピッチングスタイル。ゴロを打たせる投球スタイルで、安定した活躍を見せる。
井上 絢登選手(写真左)
強烈なパンチ力と飛距離で投手を打ち崩す大砲。大学では通算10ホームランを放ち、ベストナイン(2回)、優秀選手、打点王のタイトルを獲得。徳島IS入団後、いきなり最多本塁打(13HR)、最多打点(41打点)の2冠を獲得し、2年目の今季も最多本塁打(14HR)、最多打点(39打点)の2冠を獲得した。
藤田 純平選手(写真右)
低めにコーナーにストレートを突き刺すサウスポー。高い奪三振能力と制球力を持ち、ピンチでも動じないメンタルの強さを持つ。東亜大学では3年春のリーグ戦で防御率0.73(1位)を記録し、MVPとベストナインを獲得。
谷口 朝陽選手(写真左)
高校時代は最速145km/hを記録。徳島IS入団後、最速153km/hを計測するまでにパワーアップ。実戦での野手としての出場機会はなかったが、二刀流にも挑戦し、ショートの守備やバッティングの練習にも励んだ。少ない実戦経験の中で、大器の片鱗を見せており、その将来性に期待が寄せられている。
宮澤 太成選手(写真右)
最速155km/hの剛速球を投げ込む速球派秀才右腕。札幌学生野球連盟2部でMVP、ベストナイン、最優秀投手賞を獲得。ストレートとスプリットのコンビネーションで高い奪三振率を記録。
選手インタビュー
2024年、徳島ISからNPBに活躍の場を移す6選手に、一問一答形式で答えていただきました。
ーーあなたにとってプロフェッショナルとは?
シンクレア選手:私の中でプロフェッショナルとは、職業としてのこだわりです。私は野球選手を職業にするために、野球にかける時間や考えの深さを常に意識して生活してきました。
藤田選手:私は、大学からプロとしての人間性を意識し、周囲への自分の見せ方にも気を配っていました。具体的な行動では、高学年になっても寮生活での道具出しや練習への取り組みなど日々の地道な行動から意識してきました。
井上選手:私が意識してきたことは、自分の芯を持って取り組むことです。例えばバッティングフォームなどでさまざまな人からアドバイスをいただきますが、ブレることなく自分に必要なものをしっかり選び、それに基づいて試合への準備をして来ました。自分のフォームやコンディションを上げるために、自分の方法をいくつか持っており、必要に応じて対処法を変えて調整しています。
椎葉選手:私はモチベーションに頼らず、一切妥協しないことを意識してきました。社会人時代は、「プロ野球選手になりたい」と思っていましたが、今思うと行動に移すことができていなかったように感じます。しかし、社会人チームを退団し、徳島ISに入団してからは、プロを目指すために一切の妥協をせず、行動し続けました。
ーー徳島ISに入団して良かったことはなんですか?
椎葉選手:野球に取り組む時間が長くなり、練習以外のトレーニングにも時間を割くようになりました。私にとって徳島ISでの環境の変化が成長の鍵でした。徳島ISで初めてピッチャーとしての技術練習を教わり、大きく成長することができました。徳島ISでは私が質問したことに対して自分が理解し、体現できるまで丁寧に教えてくださるので、まさに私が求めていた環境でした。
谷口選手:私は以前より支えてくれる人たちへの感謝の気持ちを忘れず、自分を信じ続けるようになりました。感謝の気持ちを持って行動していれば、自分が辛い時に先輩方や家族がサポートしてくださったので、もう一歩頑張ることができました。徳島ISでは競技面だけでなく、人としても成長することができる環境なので、自身の成長に欠かせない環境でした。
宮澤選手:徳島ISに来てからプロになるために結果への執着心がより強くなりました。NPBは、結果が出なければドラフトで指名されない世界です。その中で、自分がコントロールできることは日々の行動だけです。日々の行動は全て自己責任なので、求める結果から常に逆算した行動を意識するようになりました。また、徳島ISでは本気でプロを目指す人たちと共に生活するため、人間性や考え方の面でも成長があったと思います。
ーーチームスポーツとしてメンバーとの連携面で意識していることはありますか?
井上選手:どの業界でも同じだとは思いますが、関わる人は重要だと思います。お互いに高めあうことができる人でなければ、結果にも影響するため、その点は意識しています。
シンクレア選手:私も練習の質が高い人と行動することを意識していました。常に競争し、高みを目指すことができる環境が重要だと感じています。
宮澤選手:組織の目標達成においては、単にチームメイトとしての貢献を超えて、各個人がプロフェッショナルとして成長することが重要です。この過程で自然とチームワークやコミュニケーションが生まれます。試合に勝利することは、スカウトへのアピールとなり、より多くのチャンスをもたらします。そのため、チームワークは個々のパフォーマンスを最大化し、勝利を収めるための重要な手段です。監督、コーチ、社長なども、同じ目標に向かってサポートしてくださいます。独立リーグはプロ野球の中でも特殊な存在ですが、徳島ISには、NPBでプレイすることを目指す多くの選手が集まっています。そのため、チームの目標よりも個々の選手の目標が尊重されています。
ーーあなたにとって「変」とは?
シンクレア選手:私にとって「変」とは、「環境の変化」です。元々アメリカで大学野球をしていましたが、当時はこのままでは自分の野球人生が終わると感じていました。そこで、環境を大きく変える決断をし、日本に来て新しいスタートを切りました。アメリカではメジャーリーグを目指す選手が多いので、他国で挑戦する人は少ないですが、私はその挑戦をした結果上手くいったと感じます。
藤田選手:私が大事にしている言葉に、「変化なくして進化なし」という言葉があります。自分が一番成長できたのは大学時代で、当時の先輩がこの言葉を言っていました。その先輩を尊敬し、自分もチームを変えたいと思い、副寮長や寮長の役目を果たすなど野球以外での行動も意識して取り組み、変化を求め続けました。
椎葉選手:私にとって「変」は、「自分の考え方が変われば、結果も変わる」です。徳島ISに来てから自分自身の考え方が良い方向に変わり、結果として球速が1年間で11km/h伸び、競技面でも成長することができました。
谷口選手:私はこれまでの経験ではなく、「これからの私の変化」に注目して欲しいです。高校時代からしばしば野手への転向を勧められることがありましたが、高校の時からピッチャーとしてプロになることを目指していたので、徳島ISでもピッチャーとして競技を続けていました。そんな中、数々のプロ野球選手を排出してきたレベルの高い徳島ISのコーチやスカウトの方々からも野手への転向を勧められたことがきっかけで、ピッチャーとは異なる自分の力を信じることができるようになり野手に転向を決意しました。その結果、野手として指名をいただくことができたので、これからの私のプレーの変化と進化にぜひ注目して欲しいです。
宮澤選手:私の場合は、アドバイスをもとに技術的なことは柔軟に取り入れますが、自分の軸となる基本的な「考え方や価値観は変えない」ことを意識しています。コーチや監督からも様々なアドバイスをいただきますが、自分が大事にしている考え方は心から納得しない限り、簡単に変えないようにしています。
井上選手:私も宮澤選手と似ており、「変わらないこと」が最高到達地点だと思います。自分の中で勝ちパターンが確立され、肉体的にも精神的にも自信を持って野球に取り組むことができるからです。まだ自分はその状態にはなれていないので、その状態になれるまで少しずつ変化し続けることが大切だと思っています。
最後に
ご覧いただきありがとうございました。いかがでしたか?
今回のインタビューが少しでも皆様のご参考になりましたら幸いです。
先輩やコーチからのアドバイスを受け入れつつも、自身の信念を曲げずに、選手として成長し続ける皆さんから、私たちも多くを学ぶことができると感じました。
最後となりますが、今後とも、徳島ISとの取り組みをレポートさせていただきますので、何卒よろしくお願いいたします。
▲徳島インディゴソックスの南社長(写真前段左から2番目)、選手の皆さんとパクテラの杉山社長(後段左)
チーム概要
社名株式 : 株式会社パブリック・ベースボールクラブ徳島
球団名称 : 徳島インディゴソックス
代表者 : 代表取締役 南 啓介
球団パーパス: 挑戦と変化を楽しみ、圧倒的情熱を持って明るい未来を創造する
徳島インディゴソックス球団は2005年に四国アイランドリーグの発足と同時に生まれた、日本で最初の独立リーグ球団の一つであり、本年2024年度で20年目を迎える歴史のある球団。パクテラは球団パーパス策定をご支援しました。