プロフィール
吉田真佐浩(Masahiro Yoshida)
大手経営コンサルティング会社で勤務後、広報ツール制作会社を経て、2013年にオズマピーアール入社。一般向け商材から、商業施設や学校法人、BtoBなど、幅広い領域のクライアントに対しコミュニケーションの戦略立案や危機管理広報のアドバイス等を行う。
コンサルティングを通して気づいた、広報・PRの重要性
学生時代から、コミュニケーションや広告表現に興味があったという吉田。しかし、広告も経営の一手法であると考え、まずは経営を学ぼうと、ファーストキャリアとして経営コンサルを選択します。
就活をするときに、僕らの時代、周りは自動車など、メーカー志望の友人が多かったんです。だけど自分はモノを売る仕事はどうしてもイメージが湧かなかった。バイトでサービス業をよくやっていたので、形のないモノを売る仕事がしたいと漠然と思っていました。
また、普段から世の中の広告を見るのが好きで、「これ考えた人すごいな」とか、「こういう人が見たら買いたいと思うんだろうな」とか、受け手の気持ちを想像しながら眺めていました。大学時代はバックパッカーで多くの国を訪れていたのですが、その土地の広告や看板を見るのも面白かったです。そういった経験もあって、広告のようなコミュニケーションの仕事を仕事にしたいな、と思ったんです。
ただ、広告の前に経営全般を理解したいと思い、大学卒業後は経営コンサルティング会社に入社しました。広告も、経営の中の一つのやり方であり、まずは経営のことを体験しながら学んでおきたいと思いました。
コンサルティング会社では、中小企業や大手ナショナルクライアントを対象に、戦略構築・マーケティング、調査、分析、販促、人材採用…など、経営に関するコンサルティング業務に幅広く従事。寝る間も惜しんで勉強し、時間の許す限り仕事に没頭します。
経営のプロフェッショナルとして、セミナーや勉強会を開催し、講師を担当するなど、やりがいを感じていましたが、次第にコンサルではどうすることもできない、もどかしい課題があることに気づきます。入社4年目のことです。
地方の中小企業でも、すごい良いことやってる企業さんとか、良いもの作ってる会社さんとか、めちゃめちゃあるんですよ。ただ、そうした魅力的な経営者やユニークネスな商品、サービス、取り組みが、必ずしも世の中に知られていない。良いものなのに知られていないのはもったいないな、と感じることが結構あったんです。
当時はとくに経営コンサルは売上を上げるにはどうすればよいかを考える仕事なので、僕らも売上に繋がるようなお金の使い方を提案するんです。とくに中小企業は予算が限られているので、売上に繋がりにくいものにはお金をかけにくい。
広告を打てばいいんじゃないか、と思った時期もあったけど、広告はお金もかかるので、中小企業ではそこまでできない。そこは当時、経営コンサルではどうにもできない部分だったんです。
そのとき、広報というやり方があると知り、広報・PRという選択肢について考え始めます。ちょうどその頃、会社の元先輩に誘われ、社内外の広報ツール制作を手がける会社に転職。大手企業を対象に広報ツール制作のコンサルティング支援を2年ほど経験します。
しかし、そこでは当時、広報のソリューションが制作物に限られていたため、より広い範囲での広報に携わりたいとの思いから、オズマピーアールの門を叩きました。
メディアを知り、世の中を動かす面白さ
オズマピーアールに入社後は、新商品PRから、施設、BtoB向け商材、リスクコミュニケーションまで、幅広い広報支援業務に従事しています。本格的にPRの世界に足を踏み入れた吉田が、PRがこれまでの業務と大きく異なると感じるのは、メディアの存在です。
PRにおいて、最終的なゴールは生活者の態度変容・行動変容ですが、企業と生活者の間にメディアが介在することも多いので、当初はメディアの特性を知らないということを一番痛感しましたね。いち生活者として、テレビ番組やメディアをなんとなくは知っているけども、メディアがどのような構造になっているのか、といったことはまったく知らなかったので、そこはやりながら覚えていきました。
メディア視点を踏まえて考えるというのは、やっぱり面白いなと思うんです。最終的なアウトプットはメディア側が編集するとはいえ、元となる情報はこちらが考えているわけで。こちらの意図した通りの切り口やメッセージがメディアを通じて世の中に広がって、結果的に生活者にきちんと届いて、モノが売れたり人が動いたりしたりするのは、すごい面白いなと思います。
一方で、思い通りにいかず、悔しい思いをすることも。企業として伝えたいことと、メディアとして伝えたいこと、つまり世の中のニーズとのギャップは必ずあるものと考え、両者の間に立ってどう折衝するか、合意形成を図っていけるか、という視点で最善の提案をします。
例えば、クライアントから新商品の発表会でタレントを起用したいと相談されたとして、タレントよりも商品にフォーカスしたほうが良いと判断すれば、「このタレントを使ったら、ボケて笑いに変えてしまいますよ」とクライアントを説得することもあります。
PRのプロフェッショナルとして、クライアントの良きパートナーに
座右の銘として心に留めているのが「LOVE&PR」の姿勢。まず、好きになること。そして、第三者の視点で客観的に捉え、その社会的価値を語ること。この2つの視点で物事を見ることを大切にしています。
コミュニケーションの戦略を考えるときに、まずそのものを好きにならないと、何も考えられないと思っていて。自分が、商材だけでなくクライアントのことも含めて大好きになって、これを世の中に広めるためにはどうすればいいのか本気で考えることが大事だと思っています。
ただ、同時に、ほんまにこれはええんかと客観的な視点で厳しく問うことも必要ですし、考えたことが少なくとも自分たちやクライアントの中で面白い、いけそうという感覚がないとだめだとも思っています。
クライアントに対して愛をもち、真摯に向き合うことで、吉田はクライアントのパートナーとして強固な信頼関係を築いてきました。PRのプロフェッショナルとして、それが本当にクライアントのため、そして社会のためになるのかということを妥協することなく追求しています。
やっぱり、好きが故に言うべきことをちゃんと言えるし、あかんもんはあかんって言える。相手が言うことも一理あるんだけども、PRとして、本当に会社のためになるのか、製品のためになるのか、ブランドのためになるのか、ということを考えて、相手にとって耳が痛いことも言わなければいけないこともあります。そのためには、お客さんと仲良くないとだめですね。
クライアントとの信頼関係構築には、経営コンサルタントとして大企業の経営者と向き合ってきた頃から大切にしてきた、「相手の土俵に入り込む」という姿勢がベースになっています。
僕は基本的に気を遣わない、気を遣わせない。媚を売ったりするのは苦手なんです。
経営コンサルでは、基本的にお客さんが社長さんばっかりなんですよ。社長の周りって、どうしても社長に意見を伺う人のほうが多いので、逆に僕のような、「いや社長、全然おもんないですよ」と意見する人のほうが求められていたりするんです。
この姿勢は相手が誰でも一緒です。相手が新人であっても、社長であっても、やっぱりPRに関してはプロフェッショナルとして対等に話します。本当にその人のことを思っての発言なら、相手も理解してくれます。
文化や習慣として残るものを作りたい
今後の目標について、吉田は「文化や習慣として残るものを作りたい」と話します。学生時代に見たある広告に心を動かされた吉田は、現在、自らコミュニケーションの世界で、世の中の人々の心を動かし、残るようなコミュニケーションを追求しています。
昔、駅の広告で、とある競馬のポスターがあったんです。ディープインパクトと、シンボリルドルフ、つまり、今の強い馬と昔の強い馬が対比するように並んでいる。競馬が好きな人が見たらめっちゃ嬉しくなる広告なんですよ。この広告を見たときに、これ作った人すごいな、と感動したんです。こういう仕事っていいなと思ったのを今も強く覚えています。
僕はクリエイティブのタイプではないからモノやデザインは作れないけど、自分が手がけた仕事を見て、生活者が行動したり、新たなイメージを作ってもらったりできたらいいなと思っています。
今後やりたいのは、万博とか、都市開発とかに携わる仕事。僕は大阪生まれ育ちなので、やっぱり大阪に還元できるような仕事に時間を使いたいなと。あと、せっかくこういう仕事に携わっているなら、世の中に文化なり習慣なりとして残るようなものを作りたいと思っています。
経営コンサルティングとコミュニケーションの交差点に立つ吉田は、プロフェッショナルとして、人と社会に対して、謙虚に真摯に向き合い続けています。
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