本記事では、overflow内で公開されている「人事制度ハンドブック」をもとに、overflowの人事制度や評価方法などをご紹介します。
- これからoverflowにジョインされる予定の方
- overflowにご興味を持ってくださっている方
- 人事制度を担当されている労務や経営者の方
上記のような方々の参考になりましたら幸いです。
<人事制度ハンドブックとは>
「overflowが理想とする会社のあり方」を実現するために設置している「評価制度」を明文化したものです。評価制度に対しての前提の考え方、方法について記載しています。
はじめに、人事制度の根幹にある「働く」の価値観、会社として目指す姿からご紹介していきます。
目次
- 報酬のために働く時代から、意義を求めて働く時代へ
- 「あえて時間を投資したい会社」を目指す
- overflowが大切にする働き方
- 情報の透明性
- 権限委譲
- 性善説
- 評価・報酬制度
- 基本方針
- 会社は誰を評価するか
- 等級制度
報酬のために働く時代から、意義を求めて働く時代へ
産業革命以降における大多数の「働く」とは「お金を稼ぐ」と似た意味で使われていました。お金を稼ぐために決められた時間に細分化された仕事を全うし、時間をお金に変えながら生活を営む。善悪の話ではなく、無意識的にそれが当たり前になっていました。
しかし現在では、お金を稼ぐ手段は多様になり、一人で生きていける経済的土壌は整いつつあります。さらに、ベーシックインカムなどが実現した場合、「働く」は無意識のうちに「すべきもの」から「選択するもの」に変わるはずです。不可逆な労働人口の減少も相まり、企業は「選ぶ立場」から「選ばれる立場」になっていきます。
「あえて時間を投資したい会社」を目指す
副業・複業が当たり前のようになると、どこの会社にいくかという考え方から、どのプロジェクトにどれくらいの時間を割くか、という思考に切り替わります。自分にとって有意義な時間の使い方は何か?を個々人が考えるようになるのです。
これが当たり前となる未来においては、「個の時間を社会でシェアする」状況になるのではないでしょうか。Offersというプロダクトを通じて我々が目指している**人材循環型社会**もこれを指しています。相対的に「報酬」を目的とした選択は減り、自己実現、自己成長という人的資本を重要視する傾向が増えていきます。
人的資本を伸ばすためには、以下のようなアセットを持つ会社を選択すべきだと考えます。
そこにしかない「情報」がある
そこにしかない「人」がいる
そこにしかない「事業」がある
そこにしかない「機会」がある
そこにしかない「仕組み」がある
これらを満たすような会社、場所であるようにoverflowは組織設計に努めていきます。
overflowが大切にする働き方
組織に脈打つ心臓部として、以下の方針を大切にしていきます。
情報の透明性
「情報に階層って必要なの?」というのが性善説組織の重要な問いです。階層があるために、クリエイティビティが最大限発揮できなくなったり、事業スピードが遅れることにもつながります。現場で迅速に意思決定ができるように「情報」という武器を組織全体で共有することはとても自然な考えです。overflowでは経営、サービス運営、あらゆる数値を公開し誰でもアクセス可能にすることで全員が意思決定できる環境をつくり続けていきます。
権限委譲
意思決定のスピードで負けては、勝つことができません。スピーディにトライアンドエラーするには、権限委譲を進めることが大切です。overflowでは「助言プロセス」という仕組みを浸透させていきたいと思っています。助言プロセスとは、「最終意思決定権は自分にあるが、意思決定に迷った場合、その領域に詳しい人や全然違う角度から発見をくれる人など3人に助言を求めよう」という仕組みです。
重要な点は、
- 色々な意見を取り入れるが、あくまで意思決定者は自分であること
- 様々な意見を柔軟に取り入れ、洗練された意思決定をすること
です。これらを経ることで、精度の高いアイデアを迅速に出していくことができます。
性善説
上記のような方針を、地道に、着実に、嘘偽りなく実行できることではじめて性善説組織をつくることができます。性善説組織は、「したほうがいいもの」ではなく「しなくてはいけないもの」であるとoverflowは考えます。
私達はここに真正面から向き合い、広く選ばれ、多くの時間を集める会社でありたいと思います。
評価・報酬制度
基本方針
overflowではスタートアップだからという理由で無理がある給与水準で働くことを良しとはしません。各々持っている環境の違いを鑑みた上で、事業にフルコミットできる報酬水準を提供します。
さらに、SO(ストックオプション)によって事業を成功させた上で、将来もたらされる恩恵を得ることにもフォーカスしていきたいと考えています。このSOこそ、大企業に勝るスタートアップのドライブトリガーになります。不確実性が高いところに時間をベットする対価として、チームで大きい成果(IPO)を上げることで恩恵を分かち合います。
会社は誰を評価するか
会社のVISION(その道筋を具体化した事業計画)に向かって成果を出す人
会社を体現する価値観であるVALUEを体現している人
この両方を満たしている人に対して大きく報いていきます。
VISION“時間”を増やすVALUEMAKE SYSTEM:重要な発見に再現性を持たせようTHINK BIG:大きい絵を描いて仲間と挑戦しようBE GEEK:自分だけのこだわりを愛そうFOR SOCIAL FOR USER:関わる人のために公明正大でいよう
等級制度
基本方針
overflowではミッショングレード制(役割等級制)を導入しています。こちらの制度はDEIの観点での公平性と多様性を考慮した全体設計としています。
- 公平性:年齢や過去の経験に関係なく、実力や会社貢献度に応じてキャリアUPが可能
- 多様性:スペシャリストとマネジメントコースを設けることで、個々人のWillにあったキャリア形成が可能
制度内容
採用時、評価時に個人のスキルや経験を考慮し等級を決定。各等級ごとに期待役割とVALUE基準が設けられており、これらを考慮した目標設定と評価を行います。
評価制度
評価システム
- 評価期間は4~9月/10〜3月、人事査定は半期に一度
- 個人の給与改定は半期に一度、全社業績と個人評価結果に基づいて決定・実施(ボード決議)
- 個人の等級改定も半期に一度、後述する要件に基づいて決定・実施(ボード決議)
評価サイクル
- 期初:上長と目標設定・すり合わせを実施
評価シート入力完了次第上長との1on1の場ですり合わせ - 期中:毎月、上長との月次1on1の場等で進捗を確認
事業状況の変化などによる目標変更が必要な場合もここですり合わせ - 期末:上長と1on1を実施
目標に対する達成度の確認や自己評価・マネージャー評価の振り返り・すり合わせ - フィードバック:最終評価を役員会で確定後、ボードから個別に実施
次回の目標設定に反映
評価内容
「MBO」と「VALUE」 の2つを設定します。評価ウェイトは50:50です。
会社のVISIONに向かって成果を出す→「MBO」で評価
会社の価値観であるVALUEを体現している→「VALUE」で評価
具体的な評価に関しては、等級相応のMBO・VALUEを設定する事を前提に、「MBO」においては定量目標に対する達成度を評価し、「VALUE」ではVALUEに準じた行動目標に対する達成度を評価します。
新等級(グレード)の決定
具体的には、半期評価において以下3点をクリアしていることを基準とし、等級改定の有無を評価します。
- 等級ごとに求められている水準の成果を出すことができている。
- 現等級で求められているVALUE要件を網羅している。もしくはそれに準ずる要件を満たしていると判断できる。
- 上記水準を蓋然性高く出すことができるハードスキルを保有している。
給与テーブル
各等級ごとに給与レンジを定めました。給与の変更は同等級内での昇給、もしくは昇格によるベースアップとなります。
overflowで求められている役割、成果を出すことが結果的に等級を上げることに繋がります。
最後に
以上、overflowの人事制度のご紹介でした。
これからも、フェアな給与制度の設計と適正な運用によって、overflowが目指す働き方を実現していきたいと思います。
最後までご覧いただきありがとうございました。