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落語家「さばき亭 佐藤」デビュー!正体はなんと「おふろcafé 白寿の湯」の料理人。デビューまでの道のりと裏側について聞いてみました。

「さばき亭 佐藤」。おふろcafé 白寿の湯に、突如落語家が誕生しました。
その正体はなんと、料理長の佐藤良さん。普段は、おふろcafé 白寿の湯のメニューの開発や「さばき会」というイベントにて活躍をしています。どうして落語家になったのか、どんな活動をしているのか… 今回はその謎に迫っていきます。

――あらためて自己紹介をお願いします。

2022年の4月に温泉道場に入社して、おふろcafé 白寿の湯のグランドメニュー・季節メニュー開発から提供までを行っています。

おふろcafé 白寿の湯には、「温泉サバ陸上養殖場」という施設が付帯しており、「サバ」をはじめとした「魚」は施設のコンセプトの一つになっています。その一環で、白寿の湯では「さばき会」という、新鮮なお魚をさばき、そのお魚をお客様に食べていただく…という会を一か月に一度行っています。ただ単に調理をしてお客様に提供するだけではなく、魚の大きさや迫力も感じ取っていただく、ショー的な要素が強い会なんです。

また、白寿の湯では、定期的に「落語会」も行っているのですが、「良さん、興味があるなら落語をやったら喋りが上手くなって、さばき会にも活かせるんじゃない?」という会議中の言葉をきっかけに、落語家デビューが決まりました。「マジか」とは思いましたが、もともと落語や講談が好きで、見に行くこともあったので、経験はないけれど「やってみよう」と思ったんです。

――なるほど。そのきっかけとなった言葉から、どんなスピード感で進んでいったんですか?

白寿の湯にいらっしゃるアマチュア落語家さんに相談して、一か月後に稽古の見学をさせていただきました。そこから、自主練の日々が始まりました。「これ面白いな」と思った演目を、まずは文字おこしして、それを丸暗記します。落語って、短くてもひとつ20分くらいあるんです。その時間ひとりで身振り手振りも加えながら喋り倒せるようになるのは大変でした。通勤の時間も練習の時間にあてたりして、半年の準備期間を経た後、自店舗で初の舞台に立ちました。

――落語家の活動は、どんなことにつなげていきたいですか?

単純に、「落語って面白いんだよ」ということを、白寿の湯から発信できればいいなと思っています。そして、「落語」をきっかけに、白寿の湯に来てくださるお客様を増やしていきたいです。
一人が何役も演じるのが落語です。だから、プロの落語家の方ってとても演技力が高いし、見ている側としても、とても想像力が刺激される。しかも、演目のなかで様々な言い回しや語彙に触れるので、言葉の勉強にもなります。
おふろと落語は相性が良く、草津温泉の方では、毎日落語のショーが開演しています。落語は、おふろと同様、数百年の歴史がある伝統です。ゆっくり温泉につかった後に、美味しいご飯を食べて、落語で面白い話を聞いて… というのは、ずっと昔から続いてきた楽しみ方だと思っています。

――おふろと美味しい食事と、落語で、楽しく健康になれること間違いないですね、素敵です。ちなみに、もう一つのショー「さばき会」についてもお伺いしてもいいですか?

「海の幸 さばき会」通称「さばき会」は、もともと、「新鮮な魚を少しでも山の中に届けたい」という思いでスタートしました。白寿の湯のある埼玉県神川町は、山に囲まれた場所にあり、海なし県の中でも特に海に縁遠い場所です。

しかし、2021年に「温泉サバ陸上養殖場」がスタートして、「サバ」の魅力を伝えることが増えていきました。日本にはいろいろな魚があるし、地方によって魚の呼び方も、食べ方も違うので、「魚」の魅力をもっとここから発信できたらいいなと思ったんです。

反響もあり、これまで約20回「さばき会」を行ってきました。毎回お魚の種類は違っていて、旬のお魚をお客様にお届けするようにしています。
また、普段お家ではあまり触れる機会のないお魚の魅力を知っていただきたいなと思っているので、大衆魚ではないものをさばくことが多いです。料理人としても、ふだんは調理しない魚を調理できるので、テンションが上がりますね。

――印象に残っている会はありますか?

マグロの会は、正直すごく焦った会でした。50kg近いマグロをさばいたのですが、そんな重さの魚をさばいたことがなかったので、思ったようにうまくできない… と内心思っていました。たくさんのお客様に囲まれていたので、かなり緊張したことを覚えています。

しかし、さばいた新鮮な魚を、お客様にお届けできた時が一番の喜びですね。「さばき会」は利益を求めて行っているものではないんです。白寿の湯にいらっしゃったお客様に、新鮮な魚を召し上がってもらいたい・魚の魅力を知ってもらいたいという目的で行っているイベントです。温浴施設では取り扱えないような金額のお魚を取り扱っていたりするので、ぜひ一度お越しいただきたいです。

これからのビジョンとしては、日本全国の都道府県のお魚を使ったさばき会をやりたいと考えています。「さばき会で日本縦断」とか、楽しそうだなと思っています。

――今のこの二刀流の働き方は、入社前からイメージされていたんですか?

全然していないです(笑)二刀流は大変ですが、めちゃくちゃやりがいはありますね。
温泉道場に入社する前は、チェーンの居酒屋で働いていたのですが、基本的にはトップダウンでした。マネジメントや管理の部分に関しては非常に勉強になったのですが、「お店を自分で作っていく」感覚は、温泉道場に入社したことで得られたと思っています。
例えるならば、「セルフ6次産業」。生産して、調理して、エンタメ、流通、販売とやっているわけなので… 6次産業化を自分たちで推し進めている感じです。
もちろん責任はありますが、すごく楽しいですし、もっと多くの方を巻き込みたいなと思っています。興味ある方はぜひ一度お話しできたら嬉しいです。

――ありがとうございました!


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