ヌーラボで働く社員の本音を引き出すヌーラバー取材!「大きい決断は常に自分への覚悟が伴う」と語るのは、昨年FlashからHTML5への移行を発表した Cacoo プロダクトオーナー 平山 真 さん。福岡とニューヨークのリモートチームで Cacoo の開発を進めている平山さんの強い決意についてお届けします!
開発環境
・OS:Windows 10 Pro ・DELL XPS13 ・CPU:2.2 GH Intel Core i5 ・Memory:8GB ・Graphics:Intel HD Graphics 5500
–ヌーラバーになって(ヌーラボに入社して)どれくらいですか?
2012年4月に入社しました。それまでは福岡に本社がある中堅のWeb制作会社に約10年間在籍していました。そこでは、特にFlashをユーザーインタフェースに使った開発案件を多く担当していました。最終的には、開発部門の部長を務めていたのですが、家庭の都合で転職をすることになりました。ヌーラボは社名は知っていましたが、深いつながりなどはありませんでした。
–なぜヌーラボに転職を決めたのですか?
堅苦しくない雰囲気に魅力を感じたことが決め手でした。また、ヌーラボは自社開発のサービスがあったので、そこも魅力でした。前職では、最後までサービスの面倒をみるということが少なく、そこにもどかしさを感じていたからです。
–入社後の仕事の変遷を教えてください。
前職ではFlashを使った開発の経験があり、Cacooの編集画面にもFlashが使われていたため、入社後はCacooを担当することになりました。現在はCacooのプロダクトオーナーを担当しています。
私が入社した当時、Cacooはサービスインしてから2年しか経っていませんでしたが、すでに50万人近いユーザーを抱えており、当時のプロダクトオーナー縣がほとんどひとりで開発を進めていました。入社と同時に、私がCacooを担当することになり、約2年半の間はCacooの開発やバグ対応を私が中心で対応していました。当時は全社員20人くらいしかいなかったため、やれることが限られていましたが、今はメンバーが増え、Cacooとしてやりたいことができる環境になりつつあると感じます。
14時間もの時差があるニューヨークのチームと仕事を円滑に進める工夫
–Cacooは福岡とニューヨークで主に開発を進めていますね。遠隔で仕事をする上で工夫していることは?
1年くらい前までは、オンライン会議を毎週実施していました。しかし、ニューヨークと日本は時差が夏時間によって変わりますが13もしくは14時間あり、昼夜逆転することから、どうしてもすり合わせの必要なことがある場合などに会議を実施するようになりました。
日本のCacooチームがFlashからHTML5への移行を本格的に開始し、一方でニューヨークは新規ユーザーの獲得やアクティブユーザー率の向上を目的に、Webサイトの改善やSEO/SEMなどのマーケティング施策を中心に対応を進めていました。そういう背景があり、現在では各拠点でタスクの棲みわけがされているので、お互いの作業状況を対面で共有せずとも、それぞれの拠点で開発が進められています。さらに、BacklogやTypetalkを活用して、お互いのタスクの進捗状況を確認したり、対応を依頼したりしています。
–日本ではどのようにCacooの開発を進めていますか?
国内のCacooのチームメンバー6人で、全員が福岡で開発をしています。メンバーの1人にスイス人のスタッフがいるため、彼を含めたチームでの会話は基本的に英語です。夕会での振り返りでも英語を使っています。ちなみに私は、入社当時はそれほど英語が得意ではありませんでしたが、世界中のCacooユーザーからの問い合わせ対応や海外スタッフとのやり取りを進めていくうちに、英語での読み書きや会話ができるようになっていました。
具体的な作業についてですが、現在の主なプロジェクトはCacooのHTML5化です。編集画面の開発を中心に4人、サーバー側の新規API開発に1人、インフラ関連に1人という体制で進めています。実施を決心した理由は、こちらのブログでもお伝えしています。もう一点の移行の理由として、Flashでの開発に対応できるメンバーが限られており、それがCacooの開発を阻害する要素にもなっていました。今後、HTML5というWeb標準の技術を採用することで、開発のスピードアップができることを期待しています。
Cacoo HTML5化への決意と強い覚悟
–FlashからHTML5の移行のように、技術的に大きい決断をする際に気をつけていることはありますか?
自分自身への覚悟ですね。率直に言うと、技術の選定をする際に、どの技術が最適解かどうかは、やってみないとわからない。ただ、やると決めたら、最後までやりぬく覚悟が必要です。それは個人でなく、チームでプロジェクトを進めており、チームメンバー全員にも影響するからです。
もちろん、独断で決めることはなく、ある程度ベンチマークをとった上でチームで話し合いながら決めています。ただ、最終的な意思決定は自分なので、決断する際は常に覚悟しています。一方で、たとえその決定が誤りだったとしても、それを挽回できるだけの力を持ったメンバーに集まってもらっているという気持ちもあり、覚悟を後押ししてもらっているという感覚もあります。
–Cacooの今後の展望を教えてください。
現在世界230ヵ国以上、200万アカウントの利用があります。ヌーラボに入社して、僕がCacooの開発に携わって約5年経ちましたが、Cacooをもっと世界に広めることは私にとっての夢です。
究極的には、Cacooを人びとがこれまで使ってきた「紙」と「ペン」に代わるようなサービスにしたいと考えています。紙に書いてみせるよりも、Cacooで書いて伝えたほうが相手に伝わりやすいというような。将来的にどういうデバイスが出てくるかは分かりませんが、紙よりも手軽な方法は難しいかもしれません。ですが、その利点よりも、Cacooが持っている共有のしやすさや簡単に図が書けるといった利点が総合的に上回ることができるかもしれません。Cacooで、オンラインでビジュアルにして伝えることを、よりわかりやすく、そして普遍的なものにしていきたいです。
–ずばり、ヌーラボで仕事を続ける理由は?
割と好き勝手なことをさせてくれる環境ですね。節度はもちろん必要ですけど。自分が必要だと思ったことができるので、納得感を持ちながら仕事を進められます。その一方で、自分がやることに最後まで責任を持つ必要があります。他には、会社や社員がお互いに信頼し合って仕事を進めているので、その信頼に対して応えないといけないことですね。良い意味で、プレッシャーを感じる環境です(笑)。
–どんな人と一緒に働きたいですか?
1から10まで言われたことしかできない人は向いていないかもしれません。逆に、能動的に動ける人はヌーラボに向いていると思います。ある程度自分で考え行動に移せる気持ちが求められるように思います。
–ありがとうございました!
(聴き手、アンヂェラ 執筆、ミホ 写真、マッキー)