こんにちは、サステナブル担当の篠崎です。今回は、プラスチック問題とその解決策、そしてノンピの取り組みについてご紹介します。
【プラスチックをつかう責任とは?】 『えっ、プラスチックってまたありきたりな話題…』と思った方。 今回は世間で話題になっている「廃プラ」や「脱プラ」の話ではないのです。
環境問題を考えるブログで説明しているように、安価にプラスチックを使い捨てることが問題となっています。(スーパーやコンビニでビニール袋が有料となったことは記憶に新しいですね。)
しかし、プラスチック問題について調べていくと、「プラスチックそのものが、悪い」のではなく「プラスチックが正しく使い続けられていないこと」に問題の本質があることが分かってきました。
今回は日本のプラスチック問題を考えると同時に、現在ノンピが取り組んでいる「ランチケータリングプレート」をご紹介させて頂きます。
【少しだけインプット。プラスチックのお話】
プラスチックの大量生産のきっかけは第二次世界大戦と言われています。軍事利用により金属類が不足し、民間でその代用品としてプラスチックの需要が高まっていきました。
今の日本ではいたる所でプラスチックが使われています。市場に出回っているプラスチックの99%は化石資源ベース、そのうち90%は石油から作られているそうです。
(ちなみに、自然由来の樹脂で代表的なものに箸やお椀に使われる「漆(うるし)」があります)
【実は「モノ」に生まれ変わっていないリサイクル?】
「プラスチックはリサイクルBOXに入れているから大丈夫!」こう思われる方もいるかもしれません。実際に日本のリサイクル率は約8割と高い数値です。しかしその内訳をよく見てみると、実際にモノに作り変えられるリサイクルはごくわずかです。
環境省(2019)にもとづく日本のリサイクル率調査
環境省のデータによると、熱回収(サーマルリサイクル)※1 が57.0%とほとんどの割合を締めています。また、リサイクル25%のうち7割ほどが海外に輸出され、輸出先でリサイクルされているのです。つまり、多くの皆様がイメージしている「モノ」に生まれ変わる国内リサイクル率は1割にも満たないことになります。(海外では、サーマルリサイクルを「リサイクル」としてみなさない国もあります)
※参考文献:海洋プラスチック汚染 「プラなし」博士、ごみを語る 中嶋亮太 氏
※1廃棄物を単に焼却処理せず、焼却の際に発生する熱エネルギーを回収・利用すること
【ノンピの取り組み プラスチック素材を「循環型生産」へ】
プラスチックを永続的に使用していくためにはプラスチック商品が単一の素材でつくられていることが重要です。複合素材だと分解することが難しくなるためです。
ノンピでは、石川樹脂工業株式会社様と共同で特別なランチケータリングプレートを開発しました。
単一素材で製造され、摩耗したプレートは製造元へ返送されまたモノマー化(分解)され、新しいプラスチック商品に生まれ変わるのです。
このプレートは、使いやすさとデザインにも徹底的にこだわっています。「おぼん」をなくすことで、プレート・茶碗・汁椀が一体化していてコンパクトなので、ランチタイムの混雑時でもストレスなくスムーズに食事を取って頂くことができます。「たくさん食事の時間を楽しみたい!」というお客様の立場に立って考えて生まれたプレートなのです。
【「節水」にも配慮できるランチプレート】
このランチケータリングプレート、実際のところどのくらい環境に配慮しているのか気になったので、以下の実験を行いました。
〈実験内容〉
既存の食器セットの場合とランチケータリングプレートの場合で、洗浄機の排水量にどれくらいの違いがあるか比較 ※100食分を想定
<既存の食器セット>
1回の洗浄可能セット数:4
1回の洗浄使用水量:2L
25回(100食分)の洗浄使用水量:50L
ランチケータリングプレート
1回の洗浄可能セット数:10
1回の洗浄使用水量:2L
10回(100食分)の洗浄使用水量:20L
〈まとめ〉
1日の使用水量差:30L
年間営業日数換算差:7,200L
(30リットル×5営業日×4週間×12ヶ月)
このように、年間でなんと約7,200リットルの使用水削減となることがわかりました!
プレートはまだ運用開始したばかりです。正しくリサイクルされてこそのサステナブルですので、プラスチックの循環の輪が正しく機能するまで気を抜かずに取り組んでまいります!
この取り組みはSDGsゴール12「つくる責任、つかう責任」です。
ノンピでは単なる「脱プラ」ではなく、脱「使い捨てプラ」を実践しています。
これからもお客様のことと環境のことを両立して考えられる企業、ノンピストを目指していきます。