漫画、小説、ショートドラマ…3つの異なるクリエイティブ組織に共通する◯◯ファーストの視点【IVS KYOTO 2025セッションレポート】
こんにちは、ナンバーナイン広報のもりやです。
先日、京都市にて開催された「IVS KYOTO 2025」にて、弊社CXOの小禄がセッションに登壇しました。創業9年目にして、ナンバーナイン初のIVS参加でした。日本最大級のスタートアップカンファレンスにこうしてお招きいただけるようになったことを、感慨深く感じます。
このnoteでは、今回登壇したセッションのハイライトとともに、IVS KYOTO 2025の雰囲気をいち参加者の目線からお届けします!
目次
- 変革のきっかけをつくる ”起爆剤” ーーIVSとは
- 世界が熱狂する「エンタメ」への大きな期待
- クリエイターの創造性を最大限発揮できる組織づくりに必要なこととは?
- ナンバーナインでは採用強化中!採用サイトをぜひご覧ください
「参加表明ジェネレーター」で来場者同士が始まる前から盛り上がれるのも楽しい
変革のきっかけをつくる ”起爆剤” ーーIVSとは
スタートアップ界隈の方々には、馴染み深いイベントかもしれませんが、あらためて。
IVSは、次世代の挑戦者と共に創り上げるイノベーションプラットフォームです。はじまりは、2007年にまで遡ります。当初は「招待制」の形で、インターネット産業のエコシステムを築くことを目的に、国内外を代表する経営者・経営幹部が集い、意見交換と交流を深める場とされていました。
しかし、より多くの挑戦者が集うことで互いに触発される「カオスマッチング」(化学変化)を促進し、グローバルなイノベーションを加速させることを目的に、2023年に招待制を廃止。チケット販売方式に移行したことで、様々な挑戦者が一堂に会し、誰もが参加できるオープンなプラットフォームになりました。
参考:IVS 2025 概要
起業家、投資家、スタートアップから新規事業担当者まで、多様な参加者が集い、賑わいを見せているIVS。公式の情報によると、3日間のセッションに登壇するスピーカーは700人超、サイドイベント数は500以上。来場者数は約1.3万人という、大盛況ぶり!
スケジュールの都合上、3日間フルで滞在することはできなかったのですが、どのブースもとても盛り上がっていた印象です。とくに、有力スタートアップ300社が出展する展示交流スペース「IVS Startup Market」の熱量は凄まじかったです。
3日間の会期中、延べ300社、1日あたり100社が日替わり(総入れ替え)で出展する「IVS Startup Market」
世界が熱狂する「エンタメ」への大きな期待
圧倒的な動員数で、多様なコンテンツを提供するIVSですが、今回はいくつかのテーマが設けられていました。その中の一つが、「エンタメ」。今回、弊社がお声がけいただいたのも、「ENTERTAINMENT STAGE」でした。
エンタメといえば先日、日経新聞が報じた「ソニーGや任天堂といったエンタメ主力9社の時価総額が57兆円に上り、自動車メーカーを抜いた」という記事が話題になりました。
IVSのようなスタートアップのイベントで、「エンタメ」がいちトピックとして扱われるようになっている状況を踏まえても、日本のエンタメへの大きな期待が寄せられていることがうかがえます。
ちなみに、IVS開催期間、アメリカではAnime Expo 2025、パリではJapan Expo Paris、サンパウロではAnime Friendsが開催されるなど、現在進行形で日本のエンタメは国内外で大きく盛り上がっています。
一方で、コンテンツを生み出すこと、ましてやヒット作を生み出すことは簡単なことではありません。そして、生み出す過程には「クリエイター」の存在が必要不可欠です。
クリエイターの創造性を最大限発揮できる組織づくりに必要なこととは?
そんなエンタメ制作現場のリアルな課題感を持ち寄り、クリエイターの働く環境づくりを切り口にお話ししたのが、今回、弊社がIVSで登壇したステージです。テーマは、「クリエイターの創造性を最大限発揮できる組織づくり ─ コンテンツ制作の現場からの実践知」。
当日は、それぞれのジャンルでエンタメスタートアップとして奮闘する3社の経営者による、クロストークが展開されました。
登壇した3社が漫画、小説、ショートドラマと扱うコンテンツが異なるため、制作フローも時間も、そこにかかる人的リソースもまったく異なります。ただ、そんな3社にも共通項がありました。
一つ目は、社員のエンタメへの熱量の高さ。
エンタメを扱う企業に勤めているからには、やっぱりエンタメへのアンテナを高く持っていてほしいーー。この経営層の思いはどんなジャンルであれ、エンタメ業界共通のようです。
登壇中に話し切れなかったのですが、弊社では電子漫画の購入に補助を出したり、社内に週刊・月刊漫画誌を揃えたりするなどして、社員が様々な漫画に触れる機会を提供しています。漫画の話で社内が盛り上がるのは、日常茶飯事です。もともと漫画が好きなメンバーが集まっている会社ではあるものの、その熱を絶やさないからこそ、次の新しいエンタメを生み出すことができるんだということをそれぞれの話を聞いて、あらためて感じました。
セッション中の様子。三者三様の制作体制が語られました
二つ目は組織一体で、"クリエイティブファースト"を掲げている点です。
当日は、「クリエイターをどうマネジメントするか?」という話も盛り上がりました。締切から健康管理まで、挙げ始めたらキリがないクリエイターのマネジメントをどこまでするべきか。なかなか難しい問いですが、「クリエイターファーストを掲げすぎるのではなく、いかにクリエイティブファーストな環境を作れるかということのほうが重要ではないか」という話に落ち着きました。
もちろん、クリエイターが働きやすい環境づくりは重要です。弊社でもクリエイターの皆さんの作業環境をより良いものにするべく、日々、奮闘しています。ただ、そこに忖度しすぎたからといって、良いクリエイティブが生まれるかというと、厳しく聞こえるかもしれませんが、話は別。
ちなみに、TikTokショートドラマクリエイター集団「ごっこ倶楽部」を率いる株式会社GOKKOの田中さんによると、トレンドが重要なショートドラマの世界では、まずはアウトプットを求めていると言います。出されたアウトプットを見れば、トレンドを見ているかどうかがわかるんだとか。時には、SNSのスクリーンタイムをチェックすることもあるそうです。
webtoonは性質上、制作工程に大幅な時間を要するので、すぐにアウトプットを……とはいきませんが、日々来るオリジナル作品のリリースに向けて、編集者らが中心となって、トレンドの分析やヒット作の研究を続けています。
このようにクリエイターはもちろん、経営層も含めて、全社的にクリエイティブに対して良いも悪いも言い合える、"クリエイティブファースト"な環境づくりを整備することが、結果的に、クリエイターの創造性を最大限に発揮する組織づくりに繋がるのではないでしょうか。弊社もまだまだ試行錯誤しながらですが、世界に誇れるIPを生み出していくために、クリエイティブファーストで精進していこうと、一層気が引き締まりました。
登壇終了後の記念撮影の様子。ありがとうございました!
当日は40分という限られた時間ではありましたが、なかなかボリューミーな内容をお届けできたのではないかなと思います。ご来場いただいた皆さん、ありがとうございました。また、同じステージでご登壇させていただいた、株式会社BookBase 近藤さん、株式会社GOKKO 田中さんもお疲れ様でした!
そして最後になりますが、お声がけいただいた主催者・運営の皆さん、貴重な機会をありがとうございました。