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Profile
人事顧問
小島 哲也(61)
1986年に大阪大学法学部卒業後、新卒でリクルートへ入社。人事・営業・新規事業を計9年経験した後、ベンチャー企業の社長付として経営全般を経験。その後、1997年にキーエンスの人事部へ転職し、25年間に渡りキーエンスの採用企画に従事。20秒PRや説得面接など、キーエンス独自の採用活動の仕組みを考案する。定年退職後はSaaSスタートアップ企業にて人事企画全般を担い、現在はネクスタの人事顧問を務める。
「私がキーエンスで採用した永原さんが、スタートアップで頑張っている」― 運命的な再会からネクスタへのジョインへ
― 現在、ネクスタの人事顧問を務められている小島さん。どのようなきっかけでネクスタを知ったのでしょうか。
一番初めのきっかけは、たまたま日経新聞でネクスタの記事を見たことです。資金調達をしたという内容の記事だったんですが、その中に書いてあった「永原宏紀」という社長名に目が止まりました。これはもしかして、私がキーエンスの人事時代に採用した、あの永原さんでは?と。
― 小島さんのキーエンスでの人事キャリアは25年間にも渡ります。数多くの営業を採用してきた中で、永原さんを覚えていたということですか?
そうなんです。私が永原さんを覚えていたのは、キーエンスの退職挨拶で会いに来てくれたからだと思います。人事担当にまで退職連絡をしに来る人なんてほとんどいませんが、「キーエンスに採用してもらえて人生が変わりました」と御礼を言うため、わざわざ会いに来てくれたんです。純粋に嬉しかったですし、礼儀正しい人だという印象が残りましたね。退職後は特に連絡を取ってはいませんでしたが、日経新聞を見て「頑張っているんだな、また話してみたい」と思いました。
とはいえ、永原さんの連絡先を知らなかったので、ネクスタの生産管理システム「スマートF」の問い合わせフォームから、永原さん宛にメッセージを送ってみました。すると、永原さんの方からすぐに電話をくれました。その後、私が大阪に行く折にネクスタのオフィスにも寄らせていただき、再会に至りました。
― お二人の再会の場は、ネクスタのオフィスだったんですね。
しかも、再会できたのは永原さんだけではなかったんです。新聞記事を見たあとにネクスタのホームページも見て、同じくキーエンス出身の田口さん(ネクスタのセールス責任者)も、ネクスタで働いていることを知りました。永原さんとの電話でその旨を話したら、オフィス訪問時に田口さんも出てきてくれたんです。
― ということは……永原さんだけでなく、田口さんのことも覚えていたんですか!
はい、覚えていました。毎年、内定者の中で1割くらいは印象に残る人がいるんですが、田口さんもそのうちの一人でした。そんな印象的だった永原さんと田口さんが、同じネクスタで一緒に働いていると知って本当に驚きました。キーエンスの入社年の離れている2人が、なぜ繋がっているんだと(笑)。
― 小島さんが偶然2人を覚えていて、その2人が偶然ネクスタで共に働いている……なんだか運命的ですね。
本当ですよね。オフィスに初めて訪問した際、直接相談をいただき、人事顧問としてネクスタをお手伝いすることを決めた次第です。
新卒入社したリクルートで、長きに渡る採用担当としてのキャリアの土台を築く
― ネクスタはキーエンス ✕ リクルート流の組織を目指していますが、小島さんは双方のキャリアをお持ちです。まずは、新卒入社されたリクルートでのキャリアについて教えてください。
リクルートでは、人事3年、営業3年、新規事業3年を経験し、計9年間在籍しました。人事での業務は新卒採用が中心で、とにかく「学生を口説く」ということを日々行っていました。今思えば、当時のリクルートの新卒採用活動はかなり特殊でしたが、差別化されていて真似されにくい、秀逸な仕組みだったと思います。あの仕組みがなければ、後に人材輩出企業と言われるようになることはなかったと思います。私の人事担当としてのベースは、このような強力な仕組みと、個性豊かで優秀な人事の先輩/同輩の皆さんのお陰で形成されたと思います。
― リクルートでの人事時代、特にどのようなことが学びになりましたか。
まず、経営における採用活動の重要性をしっかり叩き込んでもらえました。具体的には、「今の企業力では採用できない学生」をお金と時間をかけてでも採用することが、将来の企業成長に繋がると信じて実践していく大事さを学びました。
― 今の企業力では採用できない学生、というと?
ふつうに採用活動をするだけでは入社まで繋がらないような、レベルの高い学生という意味合いです。より良い学生を採用するには、会社説明会を開いて面接に進む……というような、一般的な新卒採用活動では不十分です。他社がやっていないような、工夫や知恵が必要になってきます。この考え方は、その後キーエンスや他の企業で携わった採用活動でも非常に活きましたね。
― リクルートというと人気大手企業のイメージがあるので、少し意外です。
当時のリクルートは、今ほど知名度がなかったですから。私の親も、リクルートという社名は知らなかったですね。当時の人気業種といえば、何より銀行です。銀行などの人気企業に競り負けないようにするには、リクルートで働く「人」の魅力で惹きつけるしかありませんでした。
ー 現在のリクルートのイメージとは全然違いますね。人の魅力で惹きつけるために、どのような施策を行っていたのですか。
学生が社員と会う機会を多く作り、志望度の引き上げに注力していました。新卒採用活動の8割は、学生の志望度醸成のための活動が占めていた、と言っても過言ではありません。学生一人ひとりの状況に応じて、いま社員の誰に会わせるのが有効かを徹底的に吟味し、人選していました。
数多くの先輩社員に会わせることは基本的に有効ですが、もちろん誰でもよいというわけではありません。会うことがマイナスフォローになってしまうこともあるわけですから……。また、どういうシチュエーションで会わせるのかも重要です。オフィスがいいのか、飲みに連れていくのがいいのか、飲みに行くならどのようなジャンルのお店がいいのか……時代も時代だったので、様々なバリエーションがありました。時にはアメリカに現地の企業視察研修の名目で1週間ほど連れて行ったこともありました。
― 海外研修!なんとも豪華ですね。
アメリカ研修に1週間連れて行った学生とは、非常に深い仲になれましたよ。帰国後、ほとんどの人がリクルートへの入社を決めてくれました。
その後、対法人の仕事も経験するために営業に異動したり、新規事業部で新しい情報誌の立ち上げに携わったりもしましたが、今思えば純粋に仕事が面白かったのは、採用担当の頃だったように思います。
キーエンスへの転職はまったくの偶然!ーあの日、あの電車のあの車両、あのドアから乗らなければ、今の私はなかった
― 小島さんはリクルートで9年勤務したあと、ベンチャー企業へ転職されています。どのようなきっかけで転職されたのでしょうか。
転職先のベンチャー企業は、リクルートで営業をしていた頃のお客様でして、社長からお声がけいただきました。社長付きとして経営の勉強をさせていただけるとのことで、転職を決めました。営業利益率が約5割という、超高収益ニッチメーカーの経営を間近で見られたのは、貴重な経験になりましたね。
― キーエンスも高収益企業として有名ですが、小島さんの2社目のベンチャー企業も超、超、高収益企業ですね!
実はそのベンチャー企業の社長も、同じ製造業としてキーエンスを手本にしようとしていました。キーエンスについて調べ、自社でも取り入れられるところがあれば取り入れていこう、というマインドを持っていました。私も社長付としての業務の1つとして、キーエンスについて調べていました。
― もしかしてこの調査が、キーエンスへの転職のきっかけになったのでしょうか。
結果的にそうなりましたね。ある日、電車でリクルートエージェントの中吊り広告を見かけ、その紹介企業例一覧の中に「キーエンス」と書いてあったんです。キーエンスの新しい情報を得られるかもしれないと思い、後日リクルートエージェントのオフィスに行きました。そこで、キーエンスが人事の求人を出しているのを見つけ「これに応募したら、キーエンスの、あのユニークな形状のビルに入れる」と思い、応募しました。
最終的には、ありがたいことに内定をもらいまして……内定を取って初めて、自分のなかで「キーエンスに転職する」という選択肢が生まれました。
― キーエンスの選考に応募したのは、そんな偶然からだったんですね。そして、内定を取って初めて、キーエンスへの転職について真剣に考え始められたと。
はい。あの時は悩みましたね。ここでキーエンスに転職したら、当時私を可愛がってくださった社長を裏切る形になるので、それが一番の気がかりでした。
最終的には、学生時代から今まで持ち続けている「世の中に大きな影響を与える」という人生の目標を優先し、キーエンスへ転職することにしました。
― 学生の頃から、世の中に大きな影響を与えたいという思いがあったのですか。
実は私、学生時代は政治家志望だったんです。その理由も、世の中に大きな影響を与えられると思ったからです。この思いは非常に強く、今も持ち続けています。
当時サラリーマンだった私は、会社に勤めながら世の中に大きな影響を与えるにはどうすればいいか、常に考えていました。私がたどり着いた考え方は、
会社組織にいながら世の中に与えられるインパクトの大きさ=「自分」が組織に与えられる影響力 ✕ 「組織」が世の中に与えられる影響力
という、掛け算です。
当時から急成長していたキーエンスで「人事」として入社し、そこで影響力を高めていけば、私が世の中に与えられる影響は大きくなるのではないかと思いました。経営における人事戦略の重要性は、リクルート時代に叩き込まれていたので、人事として組織に大きな影響を与えるイメージも持てました。最終的には、この自分の考え方に従い、キーエンスへの転職を決断しました。
あの日、あの電車のあの車両に、あのドアから乗らなければ、あの広告を目にすることもなく、私はキーエンスへ転職していなかったと思います。
25年に渡るキーエンスの人事キャリアで「20秒PR」や「説得面接」などの選考スタイルを確立
― 重なる偶然と大きな決断で、キーエンスに入社した小島さん。入社後はキーエンスの人事として、数々の仕組みを確立してきたとお伺いしています。改めて、詳しく教えてください。
初めは営業職の新卒採用に従事し、キャリア後半ではエンジニア採用や中途採用、海外現地法人の採用にも携わりました。まず、入社から約1年で、営業職の新卒採用リーダーの立場になり、求める人物像や選考方法の策定、会社説明会の運営など、採用企画全般に携わりました。
手前味噌で恐縮ですが、「キーエンスの独特な選考方法」と言われてきた採用方法の多くは、私が仕組みとして作り上げたものです。20秒PR、説得面接、要素面接などは、私が考案して導入しました。
― どの選考も有名ですし、就活生向けWebサイトなどでよく取り上げられています!
ありがたいことではありますが……ネット上で過去問や対策がすぐ出回るおかげで、毎年設問を変えなければいけず大変でした(笑)。
― そんな苦労が(笑)。新しい選考方法は、どのようにして考案されたのですか。
たとえば、初期選考の20秒PRは、良い学生を初期選考で取りこぼしているという採用課題を解決するために取り入れました。
従来のキーエンスの初期選考では、会社説明会でペーパーテストを行っていました。SPIの簡易版のようなものだったんですが、内定者から「優秀な友達も一緒に受けたが、ペーパーテストで落ちた」と聞く機会が度々ありました。私としても、ペーパーテストで受験者の良さはわからないのでは、とは薄々思っていました。何とかして学生の「生の声」を聞く仕組みを作り、このような取りこぼしをなくそうと思い、初期選考のあり方を考え直し始めました。
そして、従来の会社説明会の中身を見直したとき、ペーパーテストのうちの性格検査をしている40分間で、短時間の面接ができるのではないかと考えました。40分の中で、対応可能な面接官や参加者の人数から計算して導き出したのが、1人20秒という時間配分です。20秒で人を見抜けると思っていたわけではなく、逆算したらたまたま20秒だったという話です。ここから、20秒PRという初期選考が生まれました。
― 20秒PRは、ただの足切りではなく、良い人を取りこぼさないために作られたのですね。
そうなんです。20秒PRの導入は非常に効果的で、初期選考通過者のレベルは大きく上がりました。今まで一次面接で会えなかった、営業向きだけれどペーパーテストで落ちていた人が、一次面接に進めるようになった結果ですね。やはり、学生の生の声を聞く機会は重要だと再認識しました。
― それだけの効果があったからこそ、20秒PRがコロナ禍まで10数年も続いたのですね。他にも、課題解決のために生まれた選考方法はありますか。
説得面接や要素面接も、課題解決のために考案した選考方法です。これらも長く選考に取り入れていましたね。
― 当時どのような課題があって、これらの選考の仕組みを考えられたのですか?
あまり詳しくはお話できませんが、どちらも新入社員の育成担当者から聞いた、新入社員の課題から考え出しました。選考方法の工夫で課題解決ができないか、という視点で仕組みを作り上げました。
― ちなみに、リクルートでの人事経験を活かして作った仕組みはありますか。
キーエンスでは、採用に直結しない就活お役立ち系イベントも多く企画したんですが、それらはリクルートの経験が活きていたように思います。リクルートで学んだ「今の企業力では採用できない学生を集めるには、工夫が必要」という考えが根底にあったので、会社説明会だけでは集められない母集団を形成する施策として、数多くの就活生向け企画を実施しました。
これらのイベントは私のこだわりで、巷で行われているような模擬面接などのハウツーものではありません。学生の将来のキャリアを考えるにあたっての、本質的な考え方を伝授していくようなものです。キーエンスには特に興味はないが、そのイベント内容には興味があるという学生との接点を持つという発想です。自己分析合宿やコンサルティングコミュニケーションスキルの講座など、最終的には毎年1万人近くを集客できるイベントになりましたね。
― 毎年1万人近くの集客!母集団の幅が格段に広がるイベントですね!
とはいえ、初めの集客は苦労しました。内定者にも後輩を引っ張ってきてもらいながら、何とか集客していました。また、「イベントの内容が良ければ、参加者のクチコミが後輩に広がっていくはず」と考え、コンテンツのレベルを上げる試行錯誤も毎年行っていました。それを繰り返し、最終的には大きなイベントに育ったという感じです。
― これだけの集客ができたのは、学生の役に立つコンテンツにできた証拠だと思います。
そうだと嬉しいですね。どのイベントも、キーエンスのPRは本当に最後に少しするだけで、純粋に就活で役立つコンテンツとしてブラッシュアップしていきました。リクルートで学んだ、他社がやっていないやり方で「今の企業力では採用できない学生」を集めるというマインドが活かせた経験だと思います。
― 多くの新しい仕組みを作ってきた小島さんですが、なぜ新しいアイデアをここまで生み出し続けられているのでしょうか。
もともと、新しい仕組みを作るのが好きな方だったような気はします。子どもの頃も、友だちとゲームで遊んでいるうちに、新しいルールを作ったりしていました。
多くのアイデアはゼロから生み出すのではなく、8〜9割は論理的思考で作り上げるものだと思っています。まずは課題を把握し、解決策を論理的に考え出す。そして最後の1〜2割で、違う切り口のアイデアを自分の引き出しから持ってくる。私の場合は、このようなプロセスで新しいアイデアを作ってきました。
― ただひらめきでアイデアを出すのではなく、自分の引き出しがベースになるのですね。
はい。自分の引き出しというのは、主に過去に得た知識や経験などです。自分が今まで蓄えてきた知識や経験を、「違う分野だけど、この課題に活かせるのでは?」と気づいて紐づけられる力が、アイデア思考だと思います。幸いにも、私は多少なりともこの2つを持ち合わせていたのかもしれません。
― そんな小島さんがキーエンスの採用企画として強みを発揮し、長年に渡り多くの仕組みを確立してきたということですね。
キーエンスは今年で設立50年、そして私はキーエンスで25年のキャリアを歩んだので、キーエンスの成長の歴史において、少なくとも半数以上の採用活動に携わったことになります。今では、全国で活躍するキーエンスの営業社員のうち、私が構築した採用の仕組みで入社した人たちが大半となっています。また、仕組み作りだけではなく、実際に最終面接も数多く担当しながら、どういった学生がキーエンスで活躍するのかも研究してきました。
― 小島さんがキーエンス入社時に考えていらっしゃった、自分が組織に与える影響力と、組織が世の中に与える影響力。結果的に、どちらも非常に大きくなったのではないでしょうか。
そうだと嬉しいです。高い競争力を持つ企業としてよく取り上げられるキーエンスの競争力の一つである「営業力」、その「営業力」を大きく左右する採用活動でこれだけ長く担当させてもらえたのは私の誇りであり、ちょっとした自慢です。退職時に「キーエンスで採用と言えば小島さんですよね」と、同僚に言われた言葉はすごく嬉しかったですね。
私は常々「採用は企業の将来を創る仕事」だと考えて取り組んできたので、キーエンスという会社に少しは影響を与えられたかなとうぬぼれています。影響を与えるという意味では、採用は学生さんの人生に影響を与える仕事でもあります。人の人生に影響を与えることほど大きなことはないと思いますので、その意味でも私の人生のテーマである「世の中に大きな影響を与える」という目標はある程度達成できたかなと思っています。
定年後はスタートアップで人事全般の責任者へ 人事の課題解決・仕組み作りのプロフェッショナルの道を進み続ける
― 小島さんはキーエンスで25年間勤め上げた後に、SaaSのスタートアップ企業へ転職されています。この経緯について教えてください。
58歳頃から定年後のキャリアについて考え始め、キーエンスに残るか、他社に行くかを考えていました。しかし、キーエンスに残ると、若手の人が育たないのではないかという懸念がありました。私も老害になりたくなかったので(笑)。そこで、他の会社を探そうと思い、転職スカウトサービスに登録しました。
― これだけの人事キャリアを持つ小島さんが、一般の転職市場に出ていたと思うとすごいですね。
私は仕事が見つかるか結構不安でしたよ。60歳前後の人材を採用する会社があるのかと。結果的には数社とカジュアル面談をさせてもらえまして、そのうちの1社で、魅力と成長性を感じたSaaSのスタートアップ企業の人事責任者というポジションを選択しました。
― SaaSスタートアップ企業では、どのような仕事をされていたんですか。
キーエンスで行っていたような採用企画のみでなく、HR本部長として人事全般に携わらせていただきました。採用面では新卒・中途ともに仕組み作りから携わり、人事評価制度の刷新や育成面の強化も行いました。キーエンスでの経験で得たノウハウを、スタートアップ企業にアレンジしながら導入していくような感じです。
― 人事評価や育成まで業務領域を広げたということは、小島さんにとっては新たなチャレンジでもあったのでしょうか。
そうですね、人事評価制度まで携わるのは初の試みでした。とはいえ、キーエンスの人事評価制度は私の頭の中にあるので、その中から課題解決に使えそうなアイデアをアレンジし、取り入れていきました。新しい制度の完成まで、半年以上にわたり経営陣とのミーティングを重ね、より合理的な人事評価制度を作り上げました。
ネクスタが目指す「キーエンス ✕ リクルート流」の組織作りを支え、世の中にさらに大きな影響を
― 小島さんはSaaSスタートアップで人事企画を経験した後、永原さんからのオファーを機にネクスタの人事顧問に就任してくださいました。オファー承諾に迷いはありませんでしたか。
割と即決でした。まず私のキャリアが、永原さんが目指す「キーエンス ✕ リクルート」というネクスタの組織作りにドンピシャだったので、私の知見を役立てられると思いました。それに、前職もネクスタと同じSaaSスタートアップ企業だったので、そこでの業界経験も活かせると思いました。
それと、オファーをいただいたのが、私がちょうど前職のスタートアップ企業を退職したばかりの時期でして。また別の企業で人事顧問をしたいと思っていたタイミングだったんです。
― オファーのタイミングまで運命的すぎます!
永原さんからのお声がけがもう少し早かったら前職で忙しかったでしょうし、もう少し遅かったら他社の顧問になっていたかもしれません。これ以上なく良いタイミングでした。
― ちなみに、ネクスタという企業に感じた魅力は何かありますか。人事のプロの小島さんから見たネクスタがどのような組織か、気になります。
SaaS業界の中でも差別化されているプロダクトを持っている、成長企業であるなど、魅力は色々あります。人事の目線から見た魅力としては、永原さんが「採用や社員育成など、ネクスタの人事の仕組みを良くしていきたい」という思いを、非常に強く持っていることですね。
― 採用や社員育成に力を入れている会社は他にもたくさんあるかと思いますが、その中でも永原さんは他と違うと感じたのでしょうか。
永原さんほど強い思いを持って社員育成を推し進めている企業は、そうないと思います。他社との一番大きな違いは、会社の成長ありきで社員育成を考えるのではなく、会社と社員の成長を「シンクロ」させようとしていることです。
会社を成長させるという目的に向けて、社員育成に注力する経営者は数多くいます。しかし、永原さんの場合は、社員の成長やキャリアアップを純粋に応援して、一緒に会社も成長していける仕組みを確立しようとしています。 会社ありきではなく、純粋に社員の成長を応援したいんだなと、会話の端々で伝わってくるんです。実際、多少予算がかかる施策も、社員の成長に繋がるなら惜しまず投資していますしね。
― 経営者が全力で、社員を応援してくれる。ネクスタで働く魅力の一つですね。
本当に、この環境で働ける人はラッキーだと思います。そして誰より、代表の永原さんの成長志向が強いのも大きいです。経営者に成長志向がないと、企業の成長も止まってしまいますから。
私は、成長企業で働くということはとても重要だと思っています。成長中のSaaS業界で、成長志向の永原さんがチャレンジし続けるネクスタは、非常に魅力的だと思いますね。
― そんな永原さんが目指すネクスタ像は、キーエンスとリクルートの組織作りの良いところを取り入れた強い組織。双方のキャリアを持つ小島さんから見て、このネクスタの組織作りはどう映りますか。
私の感覚だと、キーエンスとリクルートは「成果にこだわる」という共通点はあるものの、カルチャーとしては真逆のイメージです。ネクスタがキーエンスとリクルートの強みや特徴を矛盾しないように取り入れ、うまく補完する形で融合できれば、非常に強い組織になると思います。
― たとえば、キーエンスとリクルートのどんなカルチャーが対照的だと感じますか。
あくまで私が現役だった頃の話にはなりますが、リクルートは「個」の力、キーエンスは「仕組み/組織」の力で成果を追求するイメージがあります。
― たしかに、リクルートで有名なWill を重視するカルチャーは「個」の力を引き出すものですね。キーエンスの徹底した「仕組み化」も、企業カラーの一つです。
あと、リクルートは結果重視、キーエンスは結果とプロセスの因果関係を重視する傾向がある点も、双方の違いだと思います。キーエンスは頑張ってきたプロセスが結果に結びつくと、成果として評価されます。ここの因果関係が弱いと、高い評価には繋がりにくくなります。努力すれば一定の評価がもらえますが、頑張り続けないといけない仕組みともいえますね。
こういった、キーエンスとリクルートの異なるカルチャーから、どのようにいいとこ取りしていくかが、ネクスタの組織作りにおいて重要になってくると思います。
― では最後に、小島さんがネクスタの組織作りにおいて、今後どのような取り組みをしていくか教えて下さい。
私がネクスタからいただいた要望は、主に3点あります。
- 人事評価制度の設計
- 採用の仕組み作り
- 社員のキャリアアップ支援
今までのノウハウを活かし、これらをネクスタでも推進していきます。既に、人事評価制度については着手していまして、週次ミーティングにも参加しています。採用の仕組み作りや社員のキャリアアップ支援にも、今後どんどんコミットしていきます。
社員のキャリアアップ支援においては、私が長年活用してきた、各個人の特性がわかる非常に有効なツールがあるので、それをネクスタの全社員にも利用してもらおうと思っています。そのツールを活用することで、各個人がどのような仕事に向いているか、潜在的な強みは何か、どのような仕事にモチベーションが上がるかなど、さまざまなことが深いレベルでわかります。この取り組みを個人のキャリア開発に繋げ、個人も会社も成長していける仕組み作りを推し進めていきます。
― 貴重なお話ありがとうございました!