こんにちは、ナディアでディレクターをしているITOです。
Web業界に身を置いて今年で16年目になりますが、ここ最近のAI関連の進歩、特に生成AIの進化には目を見張るものがあります。
正直、私のキャリアの中でこれほど大きなインパクトを感じた出来事はありませんでした。
初めてChatGPTが登場した2022年後半「まだ実用的ではないな」と感じた方も多かったのではないでしょうか。私もそうでした。
しかし、特にこの1年〜半年ほどの進化は凄まじく、以前では考えられなかったようなアウトプットを生成するAIが次々と登場しています。
今や、業務によっては生成AIツールが不可欠な存在となりつつあります。
この急激な変化は、私たちWeb業界で働く一人ひとりに、そして業界全体にどのような影響を与えるのでしょうか?
今回は、私のこれまでの経験を踏まえ、生成AIがもたらす変化と、これから必要とされるであろうスキルや働き方について考えてみたいと思います。
生成AIで“なくなる仕事””増える仕事”
生成AIが普及して真っ先に影響がでた仕事は、ライターなどの文章作成の仕事ではないでしょうか?
海外では「AIに仕事を奪われた」「チームが縮小された」などの記事をたくさん目にしました。AIが進化するにつれて、便利になる半面、私たちの仕事も奪われていっているのも事実です。
Web業界もバナーのデザインやコピー、要件定義、ワイヤーフレームやデザイン、コーディングといったものまでが、既に実用レベルでAIに置き換わり始めています。
このままAIが高い精度で進化していけば、確実に人間がやる作業の領域はAIにとって変わる流れになっていくでしょう。
この先、業界で必要とされる人材、仕事、能力を考えてみたところ、下記が挙げられます。
- AIツールを使いこなす人材
- AIでは判断(ジャッジ)できない仕事
- プレゼンテーション能力
- ディレクション能力
- 進行管理能力
- コミュニケーション能力
生成AIを活用することで、「この仕事はディレクターじゃないとできない」「デザイナーじゃないとできない」といった明確な職種間の壁が低くなり、職種や従来の業務フローを越境して対応できるケースが増えていくのではないかと思います。
そこで必要になってくるのが、AIで導き出された数多くのアウトプットの中から、プロジェクトの意図やクライアントの真のニーズに合致するものを選定する「選定眼」や「審美眼」です。そして、それをクライアントやユーザーに納得感をもって伝えるための「プレゼンテーション能力」や、技術だけでは補えない「エモーショナルな部分」への配慮がより重要になってくるでしょう。
より一人ひとりがプロジェクト全体を「プロデュース」し「ディレクション」する能力を基本的なスキルセットとして高めつつ、細かい作業はAIに効率的に任せる、といった仕事の仕方が主流になっていきそうです。
AI時代に求められる「人間ならでは」の価値
生成AIが定型的な作業や情報収集、アイデアの叩き台作成などを驚異的なスピードでこなせるようになるほど、私たち人間がフォーカスすべき領域は明確になります。
それは、「何を創るべきか」という問いに対する戦略的な思考と、創られたものに血を通わせる人間的な感性です。
AIは与えられたデータに基づいて最適解や多様なパターンを出力することに長けていますが、プロジェクトの根幹にあるクライアントの経営課題、ターゲットユーザーの潜在的な感情、そして市場における独自のポジショニングといった、文脈に深く根差した理解と判断は、依然として人間の役割です。
AIが出力した複数のデザイン案やコピーの中から、「なぜこれを選ぶのか」「この選択がビジネスにどう貢献するのか」といった、論理的かつ感情的な理由付けを行い、関係者を説得する力。これこそが、これからのWebディレクターやクリエイターに強く求められる資質と言えるでしょう。
また、AIは情報を整理し、論理的な構成を作るのは得意ですが、人々の心を動かすストーリーテリングや、共感を呼ぶようなエモーショナルな表現を生み出すのはまだ得意ではありません。ユーザー体験をデザインする上で不可欠な、「使う人の気持ちをどれだけ深く理解できるか」という共感力や、常識にとらわれないゼロベースでの発想力は、人間固有の強みであり続けます。
AIを単なる「ツール」としてだけでなく、自身の能力を拡張する「強力なパートナー」と捉え、いかにAIに「的確な指示」を与え、「賢く成果物を取捨選択し、組み合わせるか」という、AIとの協業スキルが私たちの生産性とクリエイティビティを左右します。これからのWeb業界で価値を発揮できる人材は、AIに代替される作業に固執するのではなく、AIを使いこなしてより高度な思考、創造性、そして人間的なコミュニケーションに時間を投資できる人となるのではないかと思います。
この変化は、一部の仕事を過去のものにする側面も確かにありますが、同時に、これまで煩雑な作業に追われていた時間を、より本質的で創造的な活動に使えるようになるという、大きなチャンスでもあります。
Web業界で働く私たちは皆、この「AIとの共存時代」における自身の役割と提供できる価値を再定義し、学び続ける姿勢を持つことが、これからのキャリアを築く上で最も重要になると私は考えています。
まとめ
Web業界にもAIの大きな波が来ています。
難しい作業や面倒な部分はAIにお任せして、これからは人間だからこそできる「考えること」「良いものを選ぶこと」「人に伝えること」に集中できる時代になります。
AIは、私たちの仕事を奪う怖いものではなく、私たちの可能性を広げてくれる頼もしいパートナーです。AIを上手に使いこなし、私たち人間にしか生み出せないアイデアや感動を形にしていくことが、これからのWeb業界で求められる「人間ならではの価値」になるでしょう。
変化を楽しみながら、AIと一緒に新しい働き方、新しいWebの未来を創っていきましょう!
最後まで読んでいただきありがとうございました!