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みかん畑で暮らしながら働く。個人×組織で拓く農業の可能性

皆様こんにちは!
2024年4月に入社しましたマイファームの加古 樹(かこ いつき)です。

私はマイファームに入社する前は、人材広告会社で10年以上営業として働いてきました。

今回は、私が異業種である農業ベンチャーに転職した理由や、これから実現したいと思っていることについてお話ししたいと思います!

 

家族での1枚。写真左が私です
 

■働きながら・子育てしながら夫の果樹農園を手伝う

 私は人材広告会社に10年以上勤務し、長年営業・営業推進担当として従事してきました。

「人材広告会社」と「農業ベンチャー」は全く繋がらなさそうですが、夫が果樹農園(『オズ果樹農園』)を立ち上げ、私も会社員として働きながら農園を手伝っていたため、自然と農業にも興味を持ちました。

今は子どもが3人いるのですが、子どもが生まれる前は自分の仕事が終わってから夜にみかんの荷造りをしたり、週末だけ収穫作業の手伝いに入ったり、直売所での販売を行ったり。
畑によっても肥料によっても味が変わるから!と、毎日のようにみかんの食べ比べや糖度チェックをしていました(笑)

1度目の育休中には、農園のHPを作ったり、生まれた赤ちゃんを抱っこしながら温泉施設に営業をかけに行ったり。子どもをおんぶしてみかんを販売することもありました。
2度目の育休中に野菜ソムリエの資格をとり、3度目の育休中に農園での「みかん狩り」を始めました。

 

みかんの樹

 
農園で観光農園(みかん狩り)を始めたことで、お客さんと直接話せる機会が増えました。

地域の方々や遠方からもみかん畑に遊びに来てくださり、
「こんなにたくさんみかんが実っているのを初めて見た!」
「畑の中でピクニック出来て楽しかったわ」
という言葉を直接頂き、「農業を通した地域活性化」はwin-winなものだな、と感じました。

元々みかん狩りを始めたのは、近い将来のブルーベリー狩り観光農園の開園に向けたウォームアップのためでした。
私たちの住む地域ではみかん自体は本当にあちこちにあるので、みかん狩りのニーズはあるのか、半信半疑の状態でした。
初年度はトライアルでしたが、それでも数十組のお客さんが来てくれました。
みかんが不作でみかん狩りをできない年もありましたが、3年も続けると集客も問い合わせも増えました。

そして最近、私が営業をかけようと狙っていた大手企業の労働組合からも問い合わせがあり、続けることの大切さを実感しました。
また、1シーズンで8回程しか開催がない中で、2回、3回と来てくださるご家族が増えてきて、期待に応えるための施設の充実や畑の中で楽しめる企画の検討を行っています。

みかん狩りは現状11月中旬~12月中旬の寒い時期の開催となっていますが、極早生品種(※9月~10月に収穫できるみかんの品種)を植えて、もう少し暖かい時期から楽しめるように考えています。

 

子どもたちと植えたみかんの苗木

 
そして今年は、私が前から興味を持っていたキッチンカーを畑の中に呼べたらと考えています。
特に寒い日は畑の中でも温かいものを提供できますし、地域活性化をしたい農家と地域に根差した活動をしているキッチンカーがコラボすることで、良い化学変化が起こせそうな予感がするからです。
 

■大手人材広告営業から農業ベンチャーにチャレンジ

果樹農園の運営を通じていろんな角度から農業に携わることで、私の中で農業への興味や他の若手農家と繋がりたい欲が大きくなりました。

長年勤めた人材広告会社を退職した後、タイミングよく「農業経営塾」の案内を見つけ、すぐに参加を決めました。
この農業経営塾は、農業者が経営・財務・労務・マーケティング・トヨタ生産方式などの経営ノウハウを体系的に学ぶことができるものです。
県内のさまざまな地域から人が集まり、約半年間に渡り学んでいきました。

その中で最も大きかった収穫は、農業者同士の繋がりを深くできたことでした。
面白かったのは、同じ県内でもエリアによって農業経営の方法が全く異なることを体感できたことです。
また、やりたいことが近い農家同士で、より濃密な情報交換をできるようになりました。

そして、夫の農園では「農業を通した地域活性化」の一歩としてみかん狩り開催や地域のエコスクールの講師をしていますが、「より規模感の大きいことにも挑戦したい」と思うようになりました。

 

「オズ果樹農園」オーナーであり夫の加古博之

 
「規模が大きい=組織的に」というのが頭に浮かび、「農業を通した地域活性化」を行っているようなところを探し始めました。

もともと人材業界にいたので、採用系のサイトは見漁っていました。
そして色々見ている中で、マイファームの求人を見つけました。

実は「マイファーム」という会社自体は以前から知っていました。
マイファームは農産物の流通・小売事業も行っており、夫の農園の果実や加工品を取り扱っていただいていたからです。

ですが、自分が入社するという想定はしていなかったので(笑)、じっくりHPを覗くのは初めてでした。
中には週3勤務、週4勤務している方もいるということが書いてあり、どんな会社なのだろうとワクワクしたのを覚えています。
 

■マイファームでの現在の仕事

 現在私はマイファームで、農林水産省や県など行政と協業したプロジェクト運営を行っています。
具体的には、農林水産省の案件1つと沖縄県の案件2つに携わっています。

1つ目の農林水産省とのプロジェクトでは、現在農林水産業で活躍している女性や、女性が活躍できる環境を整え活躍を推進している個人・組織を表彰し、農林水産業の発展に寄与するような取り組みを行っています。

2つ目・3つ目の沖縄県とのプロジェクトでは、沖縄の農産物流通拡大を通して、最終的に生産者の所得向上に繋がるような販売戦略作りやプロモーションの提案、テストマーケティングの実施などを行っています。

過去やってきた人材広告会社での営業の仕事と現在の仕事、あまり繋がりがないように思えますが、意外と活かせる部分がありました。

前職では、企業の目指す姿から現在の課題をあぶり出し、そのための方法を提案していました。
アポイントごとに人事の方と課題のすり合わせを行いながら合意形成を図っていくイメージです。

現在の業務でも、特定の農産物のありたい姿と現在のギャップ、過年度の反省から次の施策を提案し、合意形成を図りながら進めていくという部分で、以前の仕事と共通していることがあるなと感じています。

働き方の面では、うちの果樹園は愛知県の知多半島にありもちろん私も愛知県在住なので、マイファームの仕事は完全にリモートワーク・在宅勤務で従事しています。

また、今うちの農園で開催しているみかん狩りは近い将来平日開催もしたいと考えているので、月単位のフレックス制度で自分の業務調整ができることも、自分にぴったりだなと思っています。

 

みかん狩りを手伝う子どもたち
 

■畑の中での日々の暮らし

 自然の中で子育てしたいという思いがあり、みかん畑があったところに家を建てました。

子どもたちは、うちが果樹園だからか果物が大好き。
そこで、庭の中にハーブコーナー、果樹コーナー、畑コーナーを作り、年中色んな作物を育てています。

果樹コーナーには梅、柿、りんご、レモン、みかん、ゆず、枇杷、プルーン、イチジク、かりん、フィンガーライム、ブラックベリー、クルミ、アーモンド・・・とたくさんの果樹があります。
4歳になる息子は、毎日大好物のイチジクの様子を見に行き、「今日はアリに食べられていた」「今日は2つも採れた!」と嬉しそうに手に持って報告してくれます。

 

初めて食べた時に美味しさに感動したブルーベリー

 
毎年恒例行事となっているのは、味噌づくりと梅干しづくり

豆をじっくり茹でで、みんなで潰して麴と混ぜて・・・原材料は市販のものと同じでも、まったく違う味になるのが不思議で面白いところ。この味噌で作るお味噌汁は我が家の「ほっとする味」になっています。

 

みんなで混ぜ混ぜ味噌作り

庭でとれた無農薬の梅

 
今年はハーブコーナーで唐辛子がたくさん実ったので、ぬか漬けや漬物にも使ってみようと楽しみにしています。

野菜コーナーで育てた野菜は、子どもたちが値段をつけて私に販売し、それをお小遣いとしています。
近い将来、長男が興味を持っているニワトリを買ってきて、子供たちが飼育・販売し、その売り上げを子どもたちのお小遣いにする、というのもやってみたいと思っています。

 

春の恒例・タケノコ掘り
 

■これからやりたいこと

 マイファームの中でやりたいことと、個人として夫の果樹農園でやりたいこと、色々あります。

まずマイファームの中でやりたいことは、会社の中のいろんなセクションに挑戦してみたいと思っています。
「農」への関わり方は本当にいろんな方法があると思うので、どんな角度からの関わりが一番ワクワクするか、自分の中でも未知数なのです。

今、私の興味が強い分野は「農を通した地域活性化」です。
体験農園、観光農園、農産物のブランド化・・・方法はたくさんあると思いますが、組織としてやるからには「個人」でやるより影響力が大きいことをやっていきたいと思っています。
もちろん中途半端にあちこち異動するわけではなく、そのセクションで何かを得てそれを別のセクションで生かしていきたいと思っています。
まずは、今の行政案件を自分で動かしていけるようになることが最優先です。

 

畑でみつけた秋

 
個人として夫の農園でやりたいことは、大きく2つあります。
1つ目は、数年前に始めたみかん狩りを経営の柱になるまで育てることです。

畑の中で走り回ったりお弁当を食べたりする機会が中々ない方々が自然を身近に感じてリラックスしてもらえる憩いの場所にしたいと思っています。
そのためには美味しいみかんを作るのはもちろんのこと、駐車場やお手洗いなどの農園整備、園内で楽しめる企画作り、農園運営のための人員確保などやることは盛りだくさんです(笑)

2つ目は、今うちで運営している貸農園をもっと楽しい農園に生まれ変わらせて広げることです。

畑では皆さんそれぞれ好きな野菜を好きなやり方で育てていますが、その一歩を中々踏み出せない方もいらっしゃいます。
それは何から始めたらよいか分からない、どんなふうにやっていけばよいか不安、という方々です。
そんな方々が安心して育てられる環境を整えて、一人暮らしの高齢者や子育て中のご家族が土と触れ合って交流できる場となったら素敵だなと考えています。

 

畑でじーちゃんばーちゃん達と

 
個人でも組織でも「農」に関わることを仕事にできる環境に感謝して、今後も楽しみたいと思います!

最後に、うちの果樹農園のウェブサイトをご紹介します。
興味のある方はぜひ覗いてみてください。

 

藤井聡太さんが第65期王位戦のおやつで飲んだ「完熟みかんジュース」

▼オズ果樹農園HP
https://ozkajyunouen.com/

▼オズ果樹農園Instagram(@oz.kajyunouen)
https://www.instagram.com/oz.kajyunouen/

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