2025年2月、インバウンド領域で複数の事業を展開する株式会社mov(以下、mov)は、小売店向けデジタル販促ツール「STORECAST」を展開する株式会社Pathee(以下、Pathee)とのM&Aを発表。その後PMIを経て、同年10月には企業結合へと至りました。この記事では、M&A合意に至るまでの迅速な意思決定と準備、そして「1+1が10にも20にもなる」理想の統合プロセスを体現した8ヶ月について振り返ります。
本連載のnote記事第一弾として、mov代表の渡邊と、旧Pathee代表であり現在はmovの専門役員を務める寺田に当時のお話を聞きました。インタビューは、M&Aディール担当の取締役CFOの諸見里が担当します。
今回のM&Aから企業統合の全貌を紐解き、なぜmovとPatheeだったのか、 実際どのようにPMIが進んでいたのかを、インタビューを通して深掘りしました。
※本記事では対談の温度感をお伝えするために、敬称を省略せず記載しております。
◾️Profile
mov代表取締役 渡邊と、mov専門役員 寺田
株式会社mov 代表取締役 渡邊 誠(写真左)
大手メーカーや大手チェーン店などの数多くの企業へのコンサルティングを経験。米国での起業経験で学んだ"マーケットイン"の思考で現場で感じる課題感を仕組みに落とすことで、数多くのクライアントの業務改善や数字改善を実施。コンサルティング事業の法人化としてmovを設立し、toB向けデジタルマーケティングやインバウンド支援をするなかで事業の種を探し、訪日ラボや口コミコムを立ち上げ今に至る。
株式会社mov 専門役員 寺田 真介(写真右)
東京大学大学院にて博士号を取得後、次世代の無線通信やスマートグリッドなどの研究開発を歴任。 2012年に株式会社Patheeを設立し、小売チェーン向けデジタル販促プラットフォーム「STORECAST(ストアキャスト)」の開発・運営を牽引する。現在は、株式会社movの専門役員として、新規事業での開発チームの立ち上げを担っている。
◾️M&Aのきっかけ。「なぜmovとPatheeなのか」
──10年来のスタートアップ仲間
諸見里:渡邊さんと寺田さんは、旧知の仲だと聞きましたが、どのようなご関係だったのでしょうか。
渡邊: 大薮さん (mov執行役員CTO)も含めて、寺田さんとは10年前ぐらいから知り合いでした。当時、私たちがオフィスを間借りしていたとき、寺田さんも同じ場所で仕事をしていて。席も近くて、よく一緒にスタートアップについて話していました。
当時はまだ「STORECAST」*1 も「口コミコム」*2もなかった頃です。
*1 STORECAST(ストアキャスト):店舗とECの売上につながる小売店向けデジタル販促ツール
*2 口コミコム:movが運営する店舗向け集客一元化プラットフォームSaaSツール
寺田: その後、私たちが前回のM&Aでmovとは別会社の傘下に入ったときも、渡邊さんがメッセージをくれたんですが、それが結構嬉しくて。30分ほどオンラインで話しました。
渡邊:その時は、スタートアップ仲間としてお祝いのメッセージを送りました。その後も定期的にコミュニケーションを取っていたのですが、寺田さんがSTORECASTをスタートさせたと聞いたときは、「(口コミコムと競合するので)なんだかややこしい関係になっちゃいましたね」と話して、少し連絡が取りにくい時期もありました。
寺田:その後、2年半ぐらい経ったタイミングで、今回のグループイン先を検討し始めた瞬間に、渡邊さんにすぐ連絡をしました。
諸見里:1人目に連絡したんですか。
寺田:はい。こういうのはスピードが大事なので。すぐ渡邊さんに連絡したのは、以前スタートアップ界隈の話をしていたときに、価値観が合っているなという印象があったのと、なにより「既存のお客さまをこれからも大切にしたい」という思いが強かったからです。渡邊さんが以前から「人」を大切にするスタンスであることを知っていましたし、大薮さん含め、組織の雰囲気が分かっている安心感があったので、お二人の元に集まっている社員さんなら信頼できると思っていて。グループイン先として他社の選択肢もありましたが、そんな背景から真っ先に浮かんだのがmovでした。
渡邊: 寺田さんから上記のお話をいただいた時「これは今すぐ話をすべき案件だ」と直感しました。そこで、是非一緒にという温度感を伝えて、その後すぐにmovの役員Slackに連絡を入れたんです。
──事業の方向性の合致と、「人を大事に」する文化マッチ
諸見里:菊池さん(mov専務取締役COO)と私にM&Aの話をした時、渡邊さんの温度感がとても高い印象だったんですが、Patheeのどういった部分に強く惹かれましたか?
渡邊: 実は2021年頃から、プロダクト戦略としてGMC *3とGBP *4の連携がやりたいと考えていたんです。自前で開発しようと資料まで作っていましたが、なかなかリソースが割けずにもどかしかった。そんなとき、寺田さんたちが展開しているSTORECASTが、まさに私たちが理想としていた機能を完璧に実現していて素晴らしかったんです。
さらに、寺田さんへの信頼もありました。組織の文化や、そこにいる社員、作っているプロダクトって社長に大きく紐付くと思っていて。寺田さんの作っている組織ならmovとも文化マッチができると思ったんです。
また、PMI *5後の現場を考えたときに、開発を担う大薮さんと寺田さんの相性も良さそうだと思っていてスムーズに進むのではないかなと。だから話が来たタイミングで、8割は心が決まってました。
寺田:お互いの仕事へのスタンスとか、取り組み方がイメージできるのはM&Aをスピーディーにできた要因でもありますよね。
*3 GMC(Google Merchant Center / グーグル・マーチャント・センター):店舗の商品情報(在庫、価格、画像など)をGoogleにアップロードするためのツール。
*4 GBP(Google Business Profile / グーグル・ビジネス・プロフィール):旧「Googleマイビジネス」のことで、Googleマップや検索結果に表示される「店舗情報(住所、営業時間、口コミ)」を管理するツール。
*5 PMI(ポスト・マージャー・インテグレーション):M&A(合併・買収)が成立した後に、異なる二つの組織を一つに統合し、当初期待していた相乗効果を最大化させるための一連のプロセス。
諸見里:その後改めて、菊池さんと寺田さんと、私を含む3人で一度話をしたと思うんですが、まだ他社という選択肢がある中で、どのような印象を持たれましたか?
寺田:お2人と話した第一印象は、やっぱり渡邊さんの会社だなと。(笑)
他社と比較したときに、すごくこちらに配慮して話してくださってるのが伝わってきて、いい人たちだなと感じました。
特に印象的だったのが、movの前のめりな姿勢です。多くの会社は仕事として作業的なやり取りになりがちなんです。しかし、お2人との会話の中から「本当に知りたい、どんなことをやっているの?」という姿勢が感じられて、私としても今までのPatheeでの取り組みの歴史があるので嬉しく、いい会社だなと感じました。
諸見里:M&Aの進め方として幅広くグループイン先を見ることが一般的だと思うのですが、絞り込む際のポイントはありましたか。
寺田:先ほど話した渡邊さんとの関係性が一番大きな決定打ではあります。それに加えて渡邊さんの即座の意思決定と、その後の菊池さんと諸見里さんのスピード感に心を動かされました。
大手企業だと、決裁の関係もあって動くのが難しい状況だということは理解していますが、それでもmov側の対応速度が本当に速くて。1ヶ月でほぼ全ての事務的な手続きが完了しました。本気で取り組んでくれているのを感じましたね。
株式会社mov 代表取締役 渡邊 誠
◾️グループインの決断と、当時の葛藤
──当時のPatheeの組織状況とM&A決定までの流れ
寺田: STORECASTというプロダクトには絶対の自信があったんです。一方で、当時の私たちの課題は「売上を立てる組織力」にありました。自分自身が作る側だったという背景もあり「良いものを作れば売れるはずだ」というエンジニアリング主体の文化が強く、マーケットへの浸透スピードを加速させるための突破口を探していました。
諸見里:そういう背景もあってか、寺田さんのデューデリジェンス(以下、DD)*6 資料等の作成にあたり、約1ヶ月で意思決定をするという極めてタイトな進行でしたが、連日深夜まで迅速かつ的確にサポートしてくださいましたよね。
かなり大変な作業だったのかなと感じているのですが、あの期間の寺田さんの心境はいかがでしたか。
*6 デューデリジェンス(DD):M&Aや投資の過程において、対象企業の法務、事業、財務、人事などのリスクや価値を事前に徹底調査・分析するプロセスのこと。
寺田:当時は、諸見里さんやコーポレートメンバーとの関係性がまだあまりなかったので、どのような部分で判断されるのか読めないという苦労はありました。ただ、この時は全て隠さずに伝えようという思いで、スピード感を持って対応していました。
諸見里:M&A決定後はどのような心境でしたか?
寺田:安心した反面、社内の調整が始まる緊張感が高まりました。渡邊さん達の社内向けの説明会も年内に実施という想定スケジュールだったので、まずは私からどのように社員たちに話していくかの手順を、当時は考えていました。正直なところ、事務的なDDよりも、社内調整の方がずっと大変だったなと。ここはスピードを優先するのではなく、みんなに納得してもらうことを第一に、1人ずつ慎重に説明を進めていきました。
──Pathee社員への告知と、様々な反応
諸見里:当時「社内の調整は任せてほしい」と寺田さんからお話があったことが印象に残っているのですが、実際にどのように社内の説明を行っていきましたか。
寺田: 最初にエンジニアチームに伝えました。創業時から一緒の社員が多かったので、2回目のM&Aを経験することになる彼らには、先に伝えないと、と考えました。新しい組織でもいいチームであり続けてほしいと話して、状況の説明をした後は安心してくれている様子でしたね。
諸見里:ちなみに、統合プロセスの中で、movとPatheeは早期に共同開発を行っていてエンジニアチーム同士での交流を寺田さんが進めてくださっていました。この取り組みも印象的でしたが、当時の心境はいかがでしたか?
寺田:結果的に良かったと思っています。そこでもmovの前のめりな姿勢に触れて、改めていい会社だなと感じた点でした。共同開発を進めた結果、エンジニアチームのPMIも早かったですし、PMIの一つのやり方としては有効な手法ではないかと。スタートアップならではのいい動きだったなと思っています。
諸見里:共同開発はいい取り組みでしたよね。その次にはどなたに話したのですか。
寺田:その後、組織のキーマンや営業メンバー、その次にCSと話していきました。キーマンだった営業・CS担当は、実際に事業を支えてくれていましたし、最初は驚いた様子だったので、今後の売上目標や実務ベースの話について丁寧に話しました。
諸見里:最後はメンバーだと思うんですが、どんな反応でしたか。
寺田:正直、状況をすぐには飲み込めていない様子でした。特にM&Aを経験したことがないメンバーにとっては、M&Aという状況がよくわからない人もいたので、どのような環境で、どのように働くのかを丁寧に説明しました。
諸見里:渡邊さんが率先してより丁寧にコミュニケーションをとっていた印象があります。渡邊さん、大薮さんがPathee社員への説明を12月に実施した意図や、実際に行った際の印象はどうでしたか?
渡邊:説明会の意図はシンプルに、Pathee社員のみんなからしたら不安かなと考えていました。特にmovの事業に関しては、ネットで調べても出てこない情報の方が多いので、私からは事業の方向性を話して、大薮さんにはプロダクト開発の話をしてもらいました。
説明会を実施して印象的だったのは、社員の皆さんも寺田さんみたいに実直そうだなという雰囲気を感じられたことです。特に開発の言語の話になると、知的好奇心から次々と質問が上がるエンジニアチームの様子を見て、真面目で素直なスタンスがいいなと。「寺田さんを支えているチームっぽいな」と思ったのを覚えています。あの時に、大薮さん率いるmovのエンジニアチームとの相性も、きっと大丈夫だなと感じて安心しました。
諸見里:寺田さんからの視点で、説明を受けてPathee側のリアクションはどうでしたか?
寺田:事業説明の時に感じたのが、渡邊さんが「movの今後の方向性」だけではなく、「小売がやりたいんだ」と話してくれたことです。具体的に「小売でこういうことがしたいからPatheeが必要で、皆さんがいなければできない」といった文脈で説明してくださったことで、movでの働き方がイメージしやすくなったというか。movという大きな船の一部になるのではなく、「自分たちの専門性がmovの武器になるんだ」と理解できた瞬間でした。
諸見里:事業の方向性についても、質問が出ていましたもんね。
寺田:はい、あの場でPathee社員と一緒に「今後何をしていくか」の話ができたことが、とても良かったと思います。
mov専門役員 寺田 真介
◾️PMIの成功要因は、丁寧なコミュニケーション
──統合プロセスを振り返って
諸見里: 改めて統合プロセスを振り返ってみて、いかがでしたか?
寺田: 自分の中では、プロセスの完遂度としては120%と言えるほどスムーズだったと感じています。前回のM&Aと比較しても、通常これほど滞りなく進むことは稀だと理解していたので、正直驚きました。
渡邊: そうでしたね。検討開始から1ヶ月で、基本的な事務処理はほぼ完了していました。
寺田: はい。迅速に手続きを進められたのは、両社の合意形成に加え、スピード感を持って進めるという共通認識があったからこそ、このタイトなスケジュールを遂行できたのだと思います。
諸見里: M&Aにおいて最も難易度が高いのは、統合後のプロセスであるPMIですが、客観的に見ても非常に成功したと感じています。お二人の視点から見て、成功の要因はどこにあると考えていますか?
渡邊: 「人」の要素が非常に大きかったと感じています。細かな調整は役員陣が担いましたが、大前提として「寺田さんと、寺田さんの組織なら大丈夫だ」という強い信頼がありました。寺田さんはプロダクト開発やエンジニアリングの分野において、本当に実直で真面目。その信頼がベースにありました。
また、Patheeのキーマンとの対話は意識的に行いましたが、上下関係の摩擦が新たな組織内で起きなかったのは、良い意味での想定外であり、成功の大きな要因でした。
寺田: 渡邊さんがおっしゃる通り「人」の部分ですね。事務的な作業はスピーディーに行いましたが、Patheeの社内調整にはかなりの時間を割きました。話す順番やタイミングに細心の注意を払い、数ヶ月かけて社員一人ひとりと対話を重ねました。 曖昧な情報を伝えると不安を煽ってしまうため、決定した事実から段階的に共有するよう心がけていましたね。
こうした「対人説明」のプロセスは非常にセンシティブで、振り返ると最もエネルギーを要した部分でしたが、欠かせない工程だったと感じています。
──「アウェイ感」を払拭する、両社の積極的な歩み寄り
諸見里: 2025年の2月上旬に実施された、movとPatheeの合同の総会と懇親会でも、渡邊さんはコミュニケーションに対して明確な指示を出されていましたよね。
渡邊:社内総会と懇親会に先立ち、movのマネージャー以上のメンバーには事前にM&Aの詳細を共有していました。その際、強く伝えたのは「Patheeのメンバーは、ジョインする側としてアウェイのような感覚で来るはずだ。だからこそ、mov側が積極的に歩み寄る姿勢を持たなければならない」ということです。
今後の事業戦略も大切ですが、それは二の次。まずは「この人たちと一緒に気持ちよく働ける」という文化的な土壌があることを、対話を通じて知ってもらうことが最優先だと考え、マネージャー陣には繰り返し、積極的な声掛けを促しました。
諸見里: 懇親会では、マネージャーのメンバーが全員と話すために会場を駆け回っていましたね。渡邊さんから「諸見里君は、どんどんPathee社員とmov社員をつないで」と指示されたのを覚えています。
寺田: 渡邊さんの細かな配慮が徹底されていたことが、本当に嬉しかったです。あの働きかけがなければ、もっと組織に馴染みにくい状況が生まれていたかもしれません。
諸見里: 総会や懇親会を経て、Pathee側のメンバーに変化はありましたか?
寺田: メンバーに感想を聞くと、「業務についてはこれから覚えることが多いけれど、『いい会社』という印象を持った。上手くやっていけそうだ」といった反応が返ってきたので、安心しました。事業の成功以前に、気持ちよくバリューを発揮できるかは、こうした人と人とのつながりにかかっています。あの時の気遣いには、今も感謝しています。
諸見里: やはり、最後は「人」に尽きるということですね。
当時の様子を振り返る渡邊(左)と、寺田(右)
◾️グループインから企業統合の背景と意図
──「Patheeは」という主語が「mov」になるまで。企業統合まであえて時間をかけた真意
諸見里: 最初はグループ会社としてグループインし、その後、企業統合を行うというステップを選んだ理由をお聞きしたいです。
寺田: 何よりも、現在ご利用いただいているお客さまへのサービスと、事業の売上を確実に継続させることを優先しました。正直なところ、PMIの進行が予想以上に早かったのですが、スムーズな移行を実現するためには、このステップが最善だと判断しました。
諸見里: 企業統合の直後、Pathee側に変化はありましたか?
寺田: メンバーの発言から「Patheeは」という主語が自然と消え、自分たちを「movのメンバー」として捉えるようになっていったのが印象的でした。グループ会社としての準備期間があったことで、摩擦なく組織を馴染ませることができたのだと思います。
渡邊: グループ会社であった期間中は、同じ職種のメンバー同士が切磋琢磨し、勉強会も頻繁に行われていました。約8ヶ月という期間は、互いを知る上でちょうど良い長さだったと感じます。今では垣根も完全になくなり、多くのメンバーが活躍してくれています。
──PMIから企業統合へ。加速する事業戦略
諸見里: 企業統合によって、事業面ではどのような変化がありましたか?
渡邊: 社内では、赤司さん(mov執行役員)が「今回のM&Aは本当にありがたい」と話してくれたのが嬉しかったですね。 これまでリソースの問題で着手できていなかった小売領域の展開が、今回のM&Aによって体感としては約2年半くらい前倒しで実行できている。会社としてのプレゼンスも確実に高まったと実感しています。
寺田: Patheeメンバーの活躍についても、小売領域の専門性をmovで存分に活かしてくれている様子を見て安心しています。企業統合後、特に対小売の案件では、CSメンバーが自律的に動き、議論をリードする姿が見えるようになりました。以前は心配でSlackや会議を頻繁にチェックしていましたが、今ではすっかり任せられるようになりましたね。
私自身の役割として、現在は新規事業の立ち上げに注力しています。代表を務めていた頃は全方位に気を配っていましたが、本来私はエンジニアとしての仕事が好きで。元々お互いを知っているという関係性もありますが、そうした背景を汲み取って役割を与えてもらえたことに、ありがたいなという気持ちと、新規事業にワクワクしながら取り組めています。
渡邊: スタートアップの経営者は、やはりゼロイチが好きですからね。私も寺田さんと一緒に新しいものを作るプロセスを楽しんでいます。M&Aの準備段階から、早く一緒に働きたいと思っていたので念願ですね。
◾️「事業よりも、人。」今回の経験で手に入れたmovのM&A哲学
──「事業」の前に「文化」がある。失敗しないM&Aのために
諸見里: 最後に、M&Aを検討している経営者の方々へメッセージをお願いします。
渡邊: 今回のM&Aを行って、事業戦略はもちろん重要ですが、それ以上に「人」と「文化」がベースになければならないと痛感しました。事業の魅力だけでM&Aを進めるのは、現状少しリスクがあると感じています。
movはインバウンド領域で事業展開している企業とのM&Aを含む連携を模索していますが、やはり決め手は「人」です。会社の文化、そしてそこで働く人たちがmovとマッチするかどうか。そこが合致すれば、素晴らしい相乗効果が生まれるはずです。
寺田: 一般的にPMIは半数以上が失敗すると言われる中で、movはM&Aの実行から統合まで、誠実にやり遂げてくれる会社だということが証明されたと思います。
成功の要因は、やはり「人」をどう見ているか、どういう「文化」を大切にしているか、という点に尽きますね。そこさえしっかりしていれば、たとえ事業環境に変化があったとしても、何度でもやり直しが効きます。
これからM&Aを考える方は、ぜひ「人と文化」の適合性を、最優先に確認することをオススメします。
M&Aという言葉から連想されるのは、数字や契約といった無機質な世界かもしれません。しかし、今回の対談で感じたのは「やっぱり大事なのは人」という渡邊と寺田の、社員への徹底的な説明と環境を整える配慮でした。
寺田が「ワクワクしながら働けている」と語り、渡邊が「早く一緒に働きたかった」と返す。その信頼関係の先に、どのような新しい価値が創造されるのでしょうか。
movは、インバウンド領域で複数の事業を展開しています。今後は積極的に、インバウンド領域においてM&Aを成長戦略の手段として取り入れていきます。少しでもmovへのグループインにご興味がある会社様は、ご連絡をいただけますと幸いです。
コーポレート本部では、取締役CFOと共にM&Aを推進する、M&A責任者候補/担当者も積極的に募集しておりますので、ご興味がある方は是非ご連絡ください。
ここまで読んでいただきありがとうございました。