「34歳 住所不定 無職」
「34歳 住所不定 無職」。
それが、モンスター・ラボに入社する前の私です。
私はWantedlyを使って、「34歳 住所不定 無職」からモンスター・ラボに入社しました。
就活中の学生向けのメッセージではありますが、仕事探しという点では同じだと思いますので、私が経験した転職活動について少しお話させていただきたいと思います。
無職生活のスタート
前職を離職したのは34歳。次の仕事も決めていなかったので、30代半ばにして無職になりました。
前職では住み込みで仕事をしていました。ですから、前職を離職したときは、同時に住むところもなくなりました。住所不定のはじまりです。仕事が決まるまでは、あまりお金のかからないところに住もうと、外国人バックパッカーがよく利用するシェアハウスに入居しました。5階建てでエレベーターなし。5階建てなのに、なぜか屋上にある「601号室」に入居しました。古くて汚い部屋でした。備え付けの布団に入ると痒かったので、すぐにダニ取りシートを買いました。
ただ、部屋の窓を開けた時にスカイツリーがとてもきれいに見えたり、近所の銭湯に行くのも楽しみだったり、無職ながらも自由な時間を楽しんでいました。「仕事なんて、欲をいわなければいくらでもある」と気楽に考えて毎日を過ごしていました。
とはいえ、失業保険や貯金で暮らせる期間も限度があるため、1ヶ月ほど何もしない生活を楽しんだあとは、いわゆる転職活動をはじめました。
転職活動の仕方がわからない
いわゆる「転職活動」というものがはじめてだったので、転職活動の仕方がよくわかりませんでした。何もわからないまま、ハローワークの求人をみたり、テレビCMをやっているような求人媒体をみたりと、ごくごく普通な仕事探しをしていました。
しかし、応募してもなかなか書類が通りません。人材紹介会社も使いはじめましたが、大手人材紹介会社に「紹介できる案件はありません」と断られたこともあります。
そうこうするうちに、通帳の残高もどんどん減り、「まずい」と焦りを感じるようになってきました。そんなときに出会ったのが「Wantedly」です。
Wantedlyでのシゴト探し
Wantedlyに掲載されている内容は、いままでみた求人サイトとはまるで違いました。募集要項には「なにをやっているのか」「なぜやるのか」「どうやってやっているのか」といった共通の項目があり、その会社や組織がどんなことを目指していて、どんな世界をつくりたくて、どんなカルチャーを大切にしているか、といった内容が多くの部分を占めています。また、社員の顔や名前が並び、「応援する」とか「話を聞きに行きたい」など、なんだかお気軽なボタンも並んでいます。
そこでいくつかの会社に「話を聞きにいきたい」ボタンを押し、実際にいくつか話を聞きにいったり、実際の選考に進んだりしました。返事のない会社もたくさんありましたが、いくつかの会社で話を聞くことができました。そのうちの1つが「モンスター・ラボ」であり、そこから実際に「モンスター・ラボ」へ入社というご縁に繋がりました。
モンスター・ラボに入社を決めたのは、内定を頂いた中で最もカルチャーを大切にしていると感じたからです。Wantedlyは社員の顔も名前も出ていますし、社員によってはFacebookやtwitterのアカウントも公開されているため、社員の人柄や趣味、趣向も知ることができます。そうした情報を見て、「こういう仲間と一緒に働きたいな」と思いましたし、カルチャーフィットを感じました。
人事として、Wantedlyとともに
入社後は主に人事として、採用を中心に仕事をしています。「Wantedly」で入社した私が、「Wantedly」を使っていま仲間探しをしています。
おかげさまで、多くの方にエントリーをいただき、正社員、インターンを含めこれまでに100名を超える素敵な仲間を迎えることができました。Wantedly Awardでは「Wantedly大賞」というすばらしい賞もいただきました。
私自身、仕事を探すためにたくさんの会社を受けました。内定を頂けたのが3社で、それ以外の会社はすべて内定まで至りませんでした。
ただ、いまになって自分が内定までいけなかった会社の人事の方々と、人事仲間として一緒にWantedlyの使い方を話し合ったり、飲みに行ったりすることもあります。
またモンスター・ラボとは「入社」という形でのご縁がなかった応募者の方から、「◯◯に決まりました!」と他社内定のご報告をいただくこともたくさんあります。
会社も無制限に人を採用できるわけではないので、どうしても選考はつきものです。私もそうでしたが、就職活動をしていると、エントリーのたびにその会社のことを勉強して、その会社を好きになって、でも採用には繋がらなくて辛い思いをするという場面がいくつも出てくると思います。新卒採用の場合は特に多いかもしれません。
ですが、勉強するたびにいろんな学びがあり、好きになるごとにまた学びがあります。そうした努力やプロセスを経て自分とマッチする会社や組織に出会うこともありますし、そこのメンバーになれなかったとしても、また別の形でご縁があることもあります。だからこそ、就活中の学生のみなさんにも、これからの素敵なご縁を迎えるための準備として、経験を学びに変え、悲観せず、自分の頭で考え、行動していってもらいたいと思っています。
新卒もキャリア採用も、仕事探しという意味では同じです。
おすすめの本
最後に、就職活動中の学生のみなさまに、2冊おすすめの本を紹介したいと思います。
おすすめというか、ただ私が好きなだけですが、きっと就活生にも響く何かがあるはずです。
裸でも生きる
1冊目は「裸でも生きる」(山口絵理子著・講談社)です。「途上国から世界に通用するブランドをつくる」という理念のもと、アジア最貧国と呼ばれたバングラデシュで、自らファッションブランドを立ち上げた山口さん。学生時代のエピソードも書かれているので、学生にも読みやすく、きっと勇気をもらえると思います。これを読むたびに「たくましく生きるって大事だな」と思います。就活でクヨクヨなんてしてられません。
http://www.amazon.co.jp/dp/4062820641
ココロオドル仕事を見つける方法
2冊目は「ココロオドル仕事を見つける方法」(仲暁子著・サンマーク出版)です。
そう。この「Wantedly」をつくった仲さんの本です。仲さん自身の仕事探しから、Wantedlyというサービスにかける想いまでが綴られています。就活で悩む場面はたくさんあると思いますが、この本を手元に置き、悩んだらこの本を開いてください。仲さん自身の就活ばなしを通じて、少しでも前向きになれるはずです。