こんにちは。malnaの採用広報チームです。
今回のインタビューでは、当社取締役の甲斐さんにお話を伺いました。
学生インターンからキャリアをスタートし、社員、そして取締役へとステップアップしてきた甲斐さん。これまでの道のりは、決してすべてが順調だったわけではありません。インターン時代の苦い経験や、組織づくりに対する葛藤、そして将来への展望など、リアルな声をお届けします。
甲斐 聖史
―東京大学在学中にNPO法人で営業統括などに従事し、その後malna株式会社に参画。現在は同社の取締役として、マーケティングコンサルティング事業部を掌管。スタートアップから上場企業まで幅広い企業のマーケティング活動に対して伴走支援を取り組んでいる。
誰よりも頑張る、それが自分の強み
―甲斐さんはインターン生としてスタートしたと聞きました。その経緯を教えてください。
malnaのインターンに参加したきっかけはシンプルで、創業メンバーの福原(※当社取締役)の存在です。福原とは「アイセック」という学生団体で仲の良い先輩・後輩の関係でした。
当時malnaが立ち上がって1年ほど経ったタイミングで、福原から「インターン生を採用しようと思っているんだけど、誰か興味ある人連れてきてくれない?」と声をかけられましたが、「自分がやりたいです」とお願いして、第1号の学生インターンとして仕事を始めました。
―もともとインターンに関心があったのでしょうか?
当時は大学3年生で、ちょうど就活を始めたタイミング。官僚になろうかな、とか、起業を見据えてまずは大手コンサルに入ろうかな、と色々将来を模索していました。
そうは言っても、頭の中で描いているだけでは何も始まらない、と感じていましたね。そんなときに福原から声がかかり、「働く経験は早いうちに積んでおきたい」と思っていた自分にとって、すごく良いタイミングでした。
―インターン時代、どのような気持ちで取り組んでいましたか?
会社に自分より明確にすごい人がいたので、その人に勝ちたいという気持ちが強かったです。
当時は代表の高橋に指導されることばかりだったのですが、私はかなりの負けず嫌いで、「絶対に見返してやろう」と本気で思って頑張っていました(笑)
また、1つのことにのめり込んで本気で取り組むことが好きなタイプでもあるので、時間を忘れるほど仕事に没頭していましたね。
―インターン生時代に印象的だった経験や出会いはありますか?
今でも忘れられない出来事が1つあります。マーケ支援をしていたあるクライアントが、手書きの手紙で営業をしましょう、という施策を打ち出したんです。
当時の私は、なんでもできますと言ってしまうタイプだったので、何も考えずに「任せてください」と言いながら、納期ギリギリまで寝かせていました。どうしようかと悩んでいる間に、気づけば本当に切羽詰まる状況にまでなっていました。
最終的に、代表 高橋の友人たちが仕事終わりに来て、深夜までずっと手紙を書いてくださいました。私は字が綺麗ではないので全く力になれず、情けなさと恥ずかしさで、終わった後、一人でオフィスの外で泣いていました。
後日、本当に申し訳ない気持ちで、手伝ってくれた方々に謝罪の連絡をしたのですが、その時に「甲斐くんはいつも誰よりも頑張っているのを知っているし、それを見てるから、手伝おうという気持ちになったんだよ。今回の出来事は良くなかったけど、反省を次に活かして頑張ろう。」とある方が言ってくださったんです。
この言葉に救われたと同時に、私は特段頭が良いとか、器用なタイプでもないですが、頑張ること、人一倍働くということに関しては誰にも負けられないな、と思いました。インターン時代から、当時のこの気持ちは忘れずに大切にしています。
当時深夜までかかって書いた手紙
取締役としての覚悟
―インターンから始まり、社員としての採用を経て取締役になられました。甲斐さんの現在のミッションは何ですか?
私はコンサルティング事業部を管掌しており、この事業部の売上を拡大することがミッションの1つです。
今期の売上目標の達成は、もちろん役員全員が責任を持っていますが、会社の売上の9割以上を担うこの事業部の責任者として、自分の役割は非常に大きいと感じています。
―普段の様子から、甲斐さんの厳しさ、売上達成のために求めるレベルの高さが伺えるのですが、それにはどのような想いがあるのでしょうか?
私の心の中でずっと大切にしている、大学時代に尊敬していた先輩からのこのメッセージが影響しているんじゃないかなと思います。
「本気でやった先にしか自分が見たい景色を見ることができない。本気でやって挫折するから意味がある。適当にやって後悔しても何もいいことはないから、何事も自分のレベルよりも少し上を目指して頑張っていこう」
大学に入るまで、自分もみんなも頑張ることが当たり前という環境で過ごしてきて、周りとの温度差を感じることがほとんどありませんでした。
しかし、大学に入ればもちろんいろんな人がいて、同じ学生団体に入っていても、あまりコミットしないメンバーがいたり、社会ってこんなもんなんだ、と思っていた時期がありました。そんな時に先輩からいただいた言葉です。
私はこの言葉に感動して、それ以来何事もやると決めたことは全力で取り組み、目標も自分の力よりも少し上に設定しています。取り組んでいる時は正直楽しくないことが多いし、きつい時もありますが、終わってから振り返ると、いつも良かったなと思えるんですよね。
だからこそ、自分だけでなく周りのメンバーにも、そういう姿勢でいてもらえたら嬉しいなと思っています。
―組織においては1人だけがそう思っていても、なかなか皆さんが同じ方向に向くのは簡単ではないですよね。
まさにそうです。そこは今もずっと悩んでいるところですね。良くも悪くも、今のmalnaのメンバーは私と同じような価値観を持っていて、それを体現できている人が多いと思います。
しかし、今後会社が成長して社員が増えれば、当然違う考えの人は出てきます。組織としてどのようにして全員が同じ方向を向いていくのか、という点は課題に感じている部分です。
“自分の会社”をつくるために、今malnaでやり切る
―組織の課題を乗り越えることがmalnaの成長につながると思いますが、malnaの成長を通して甲斐さんはどのようなことを実現したいと考えていますか?
将来的には自分で事業を立ち上げて、会社を持ちたいという想いがあります。どこまでいってもmalnaは代表の高橋が作った会社であることに変わりはありません。だからこそ、自分の手でゼロから何かを築く経験がしたいんです。
とはいえ、今のmalnaでの仕事は、まさにその準備の一環でもあると感じています。売上目標をどうやって達成するか、組織をどう作るか――こうした経験は、未来に確実につながると思っています。
―事業を作ることはmalnaでも実現できると思いますが、起業したい理由は何でしょうか?
1つは父親の影響ですね。父もかつては起業を志していたようですが、それは叶いませんでした。小さい頃から、「起業するような冒険をしたら面白いぞ」「人生は1回しかないから冒険してみろ」と言われてきたんです。それが割と頭の中に残っているような感じです。
もう1つは、小さい頃から心にある「スーパースターになりたい」という願望です。特別な才能があったわけではないですが、勉強は少しだけ得意でした。だから、このフィールドで自分の力を発揮して、社会を動かせる存在になりたいと思っています。
その手段として、自分にとって一番しっくりくるのが「起業」だったんです。こうした色々な気持ちが混ざり合って、「いつか自分の会社を持ちたい」という想いにつながっているのかもしれません。
―社員、そして取締役になるタイミングで、malnaではない他の企業という選択肢もあったはずですよね。
もちろんありました。正直な話、大学を卒業して普通に就職しようと思い、他の企業から内定ももらっていました。取締役になる時も、一緒に来ないか、と知り合いの方から声をかけられましたね。
でも今は、「malnaを伸ばすこと」が、自分にとって一番意味があると感じています。
もし私が今の売上を10倍、100倍の状態までこの年齢でもっていけていたら、おそらくすでに独立していたか、他の会社に入っていたかもしれません。ただ、まだ私が目標としているところまで、会社を伸ばしきれていないのが現実です。そんな状態で離れるのは絶対に後悔すると思います。
何より、自分を育ててもらった恩もあるので、自分が納得できるまでやりきったうえで、次のステップに進みたいと考えています。
―甲斐さんから見たmalnaはどんな会社ですか?
まだ発展途上で伸びしろが大きい会社だと思います。個人の集まり感がまだまだ強く、会社としての一体感がやや弱いと感じています。
クライアントからの依頼も、「◯◯さんだから任せたい」と、個人に対しての依頼になっているのが現実ですね。
そうではなく、malnaだからこそ仕事をお願いしたい、と言っていただけるようになるには、まだ課題があります。
―カルチャー面についてはいかがでしょうか?
報連相と時間に対する厳しさは、malnaらしさの1つですね。他社と比べても、かなり徹底していると思います。
でもそれは、学生起業から始まった会社だからこそ、「社会人として当たり前のこと」を徹底する必要があると考えているからです。
また、私たちはコンサルティングというプロフェッショナルな領域で仕事をしている以上、ビジネスコミュニケーションやアウトプットの質で、常に相手の期待を上回りたいという想いがあります。
そのためには、報連相や時間管理といった基本的な行動一つひとつが、最終的に仕事の質につながっていくと信じています。
malnaはまだ若い会社です。だからこそ、普通の会社と同じレベルでやっていては勝てません。細部にまでこだわり、どんなことも当たり前以上にやる―それがmalnaのカルチャーであり、強みになると信じています。
―今後、malnaをどんな会社にしていきたいですか?
まずはコンサル事業でしっかり売上を作って、そのキャッシュをもとに新しい事業にどんどんbetしていきたいなと思います。個人的には、かねてから興味を持っているシニア層のマーケットに対して何かしらの課題解決ができるような事業は作りたいです。
会社としては、クリエイティビティの力で社会を変えていけることが理想です。やはり何か自分たちで「つくる」もので社会に影響を与えられたらいいなと思いますね。
そんな、一緒に社会を変えていきたいと思える人と楽しく働きたいです。私の中での楽しさとは、切磋琢磨して頑張って、厳しさの中で一緒に戦っていくという意味。
それができるメンバーと、1つの大きなものを作っていけたらと思います。