17名、4チーム。
1年3ヶ月前、この組織には誰もいませんでした。案件が決まり、準備期間の最初の1ヶ月をたった一人で過ごしたのが、三宅さんです。当初の想定は2チーム5名。そこから増員を重ね、今の規模になりました。
三宅さんは、make standardsでインバウンドのインサイドセールス組織のマネージャーを務めています。銀行、メーカー、大手人材サービス企業、SaaSベンチャーと4社を経てきたキャリアの持ち主ですが、ご本人いわく「キャリアプランを明確に描いてきたタイプではない」。それでも気づけば、make standardsは自身のキャリアで最も長く在籍する組織になっていました。
マネージャー以上のレイヤーで転職を考える時、「その組織で自分が何を任され、どこまで挑戦できるか」は最大の関心事だと思います。前編では、4社を渡り歩いてきたキャリアの選び方と、ゼロから組織を立ち上げた1年3ヶ月の実際について聞きました。
※make standardsの代表の佐藤は、メンバーからも社外の方からも、親しみを込めて「じゃがさん」と呼ばれています。そのため、本記事でも「じゃがさん」と書かせていただいています。
1年3ヶ月前、この組織にはまだ誰もいなかった
広報:本日はよろしくお願いいたします。まずは、現在のmake standardsでの役割を教えてください。
三宅:インバウンドのインサイドセールス組織のマネージャーをしています。クライアントは大手のBtoBサービス企業で、全体で自分を含めて17名、4チーム体制です。1チームだけフィールドセールスの要素が入っていますが、メインはインバウンドのインサイドセールスですね。こちらから架電していくのではなく、資料請求やお問い合わせでリードが立った先に対して、お電話でアプローチしていく動きが中心です。
広報:この案件は、いつから担当されているのですか。
三宅:昨年の4月からなので、1年と3ヶ月ですね。当初、じゃがさんが案件を取ってきてくださったタイミングでは、2チーム5名体制と聞いていました。そこから大型の増員があったり、月に一人くらいのペースで増えていったり。1月も2月も3月も増えて、なんだかんだで今の人数になりました。
広報:1年で5名から17名。ビジネスとしてうまく回っているということですよね。
三宅:総括すると、一応そういうことになるのかなと思います。いろいろありましたけれども(笑)。
キャリアプランは描かない。「浴びる情報量」で環境を選んできた
広報:make standardsに入られる前のご経歴を教えてください。
三宅:新卒から3年間、銀行で個人向けのセールスをやっていました。その後2年間、メーカーでカスタマーサクセス。次に3年間、大手の人材サービス企業でメディアの対面営業をやって、その後2年間、当時かなり小さかったSaaS系のベンチャー企業にいました。セールス中心ではあったんですが、みんながいろんなことをやる職場で、オンボーディングの体制づくりのような整備の仕事もしていましたね。
広報:整備の仕事、というのは。
三宅:当時はいろいろなものが整っていない会社で、新しい人が入った時に提供できるオンボーディング資料がなかったり、お客様対応の履歴が全部担当者のデスクトップにあったり、顧客管理の仕組みもなかったりしたんです。そこで「まず理想的な形って何だっけ」というところから関わらせてもらって。各部署から一名ずつ選抜されて、全社としてオンボーディングすべき内容と、部署単体でやるべきことは何なのかを整理する役割も持たせていただきました。今のmake standardsと近い雰囲気を感じる部分もありますね。
広報:仕組みができあがった環境から、ベンチャーへ。何かきっかけがあったんでしょうか。
三宅:明確なきっかけは、正直あまりないんです。ただ、自分が職を変えるタイミングって、だいたい「同じような一年がもう一回続きそうだな」と思った時なんですよね。そう感じたら、環境を変えたほうが浴びれる情報量が増える、というくらいの感覚で。make standardsでよく使われる「合理と情理」でいうと、かなり情理的なジョブチェンジをしてきた側の人間です。
広報:キャリアをどう積むかより、自分にとって刺激やインプットが増えそうか。
三宅:そうですね。同じ職種を突き詰めて得られるものは、もちろんあると思うんです。ただ、環境自体を変えた時の差分と比べて、ここから先の数年は後者のほうが大きそうだなと感じたタイミングで、転職を判断してきました。
広報:ベンチャーから、make standardsに来られたのは。
三宅:以前お世話になっていた上司からのご紹介がきっかけでした。話を聞いてみようとなった時点では、どの案件に入るのか分かっていなくて。たまたまご紹介いただいたのがmake standardsの案件で、面談いただいて決まった、という流れです。そこから半年ほどでリーダーになって、その後、今の案件の立ち上げに際してマネージャーをやらせていただくことになって。気づいたら3年経っていました。実は今月で、自分のキャリアの中では一番長く在籍している組織になったんですよ。
広報:それだけ刺激を持ってやれている、ということですよね。
三宅:蓋を開けたら、多分そういうことだったんだと思います。本当に、気づいたら3年経っていたという感覚が一番近いですね。
まだ会っていないメンバーのために、仕組みを先に作る
広報:マネージャーとしてゼロから立ち上げるのは、初めてのご経験だったんでしょうか。
三宅:はい。立ち上げであるという点と、マネージャーとしてゼロイチで入るという点、どちらも人生で初めてでした。しかも最初の1ヶ月は、準備期間として一人で入ったんですよね。資料などで最初からあったものもありましたが、進捗管理シートも、顧客管理ツールに入れるリストも、クライアントさんからある程度のオーダーはいただくものの、基本的にはこちらで作るものなので。翌月以降にメンバーが増えて稼働していく状態を想像の中で思い描きながら、日々の業務が滞りなく回るために必要なものを一から考えて、準備していきました。
広報:まだ入っていないメンバーのために、トークスクリプトや管理シートを作っていく。現実に直面しないと動けない人のほうが、世の中には多いと思います。
三宅:自分がプレイヤーだった時に「すでにあったもの」を思い返せたのが大きいと思います。このツールは何のために存在していて、これがないと何ができないのか、あると何が実現できるのか。あとは、横にいるプレイヤーを見ていて、うまくいっている人といっていない人でどこに差が出るのか。そういうものをフラットに見る習性がもともとあったので、動き出す前の見立ての精度が、経験値の割にはあったのかもしれないです。
広報:4社での経験を、なんとなくやり過ごさずに落とし込んでいた、と。
三宅:それはあったと思います。あと、これは経験上なんですけれども、一つ一つの職場で学んだことの価値に気づくのって、次の職場以降のことが多いんですよ。銀行で身につけた当たり前が次の職場ですごく生きて、そこで身につけたものがまた次で生きて、というのを繰り返してきたタイプで。make standardsにジョインした時も、これまで考えて実践してきたことが、割とスーッと現場に落とし込めた部分はあったかなと思っています。
「手なりで物事を進めない」意図と背景を汲み取る
広報:仕事を進めるうえで大切にされていることは何でしょう。
三宅:一つ一つにちゃんと理由付けをすること。それから、クライアントさんも含め、人と関わる時にそれぞれの意図や背景をちゃんと汲み取って、それをアクションに落とし込んでいくこと。この二つですね。make standardsの仕事って、お仕事をご発注いただくタイミングが、クライアントさんの事業として何かしら前進したい、あるいは変化が生じているタイミングだと思うんです。だとすると、我々と手を組んで何かをしたいと思われた、その事業としての背景は何なのか。そことぶれないように足元の仕事を進めていく。手なりで物事を進めないようにしている、ということですかね。
広報:一つ一つのオーダーに対しても、同じでしょうか。
三宅:はい。意図や背景を正しく汲み取れていないと、形にする時に先方の意図とずれたものが完成してしまう。しかも僕の立場だと、そこで持ち帰った情報をもとにリーダーやメンバーが日々動くことになるので、なおさらです。クライアントさんが何を求めているのかの解像度は、僕らの仕事の質に直結する要素だと思っています。
広報:逆に、難しさを感じている部分はありますか。
三宅:顕在ニーズを正しく落とし込むのは、比較的得意なタイプだと思っています。ただ、じゃがさんからも言われるんですが、こちらから見えていない情報を取りに行くのは、実はあまり得意ではなくて。簡単に言うと、言われたことをそつなくこなすのは得意なタイプなんです。「こういうことを進めているということは、背景にこういうことも実現したいという話はないですか」みたいなコミュニケーションを、もっと増やしていかないとなと思っています。
広報:じゃがさんからは、そのあたりのフィードバックが。
三宅:それしかなかったですかね、少なくとも最初の半年は(笑)。とにかく、上段からいろんなものをぶつけてくださる方なので。短期的に望まれている動きを実現することは、僕のほうでもある程度できていたと思うんです。ただその背景には、事業部として次のクオーターを見据えた意図があったりする。顕在化している情報からキャッチしきれないものをちゃんとヒアリングしに行かないと、事業部全体としての大きな動きは掴めないよね、と。
広報:インサイドセールスという立場から、事業部全体まで視野を広げる。
三宅:フロントのご担当者さんと会話をしていれば成立する部分もあるんですが、潜在ニーズとなると、セールスやマーケティングの領域まで飛び越えていく必要がある。僕らインサイドセールスの成果や、現場から出たインサイトって、マーケティング予算の行き先にも関わってくる話でもあるので。じゃがさんがよく言う「二つ上の視点で物事を考えろ」という概念ですね。定期的にそういう機会があるのはありがたいことですが、すごく高いところから情報を下ろしていただくと、パンクはしますよね(笑)。
後編に続きます
前編では、三宅さんのキャリアの選び方と、ゼロから組織を立ち上げた1年3ヶ月を伺いました。
後編では、「三宅は覇気がない」と言われたマネージャーが固定観念を外していく過程、成果と機会が直結する組織のリアル、そして「活躍するのはこういう人」という具体的な条件について聞いていきます。
三宅 清
◆プロフィール
1990年生まれ。慶應義塾大学経済学部卒業。2013年に株式会社りそな銀行に入社しリテール向け融資/金融商品の営業職に従事。その後2017年に株式会社リクルートに入社。グルメ領域のセールス・アクティブ支援業務において成果実績/業務設計の両軸で組織賞を受賞。その後SaaSベンチャーにてE2Eでの顧客支援に従事し、社内の育成・情報資産の体系化にも携わる。2023年7月に株式会社make standardsに参画し、CS・IS案件を中心に携わり現在はPRJマネージャーを務める。